昨年度王者・立命大に無得点の完敗 関西との力差を痛感する春の3戦に

米式蹴球

BKC新歓BOWL
5月17日 滋賀・Daigasエナジースタジアム

TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS
立命大 PANTHERS 20 13 49

 春季公式戦の最終ゲームが滋賀県のDaigasエナジースタジアムで開催。完全アウェーの状況の中、早大BIG BEARSは、昨年度の全日本大学アメリカンフットボール選手権(全日本大学選手権)王者・立命館大との一戦に挑んだ。試合序盤から、立命大ディフェンス陣のインターセプトやQBサックに苦しみ、自陣からの脱出すらままならない時間が続いた。ディフェンス面でも、ランとパスを巧みに織り交ぜた相手のテンポあるオフェンスを止めきれず、最終スコアは0―49。タッチダウン(TD)を一度も奪えず、無念の完封負けとなった。

試合後の選手ら

 この試合は、昨年12月の対戦以来となる立命大とのリベンジマッチ。試合は早大のキックオフで始まり、立命大は最初の攻撃シリーズで4thダウンを迎えるとパントを選択。攻守交代し、早大の攻撃が始まったが、パスプレーでQB船橋怜(政経4=東京・早大学院)の投じたボールを立命大SF内野正梧(2年)が見事にカットし、インターセプトを奪われてしまう。立命大はこのターンオーバーで勢いに乗ると、続くオフェンスシリーズからは徐々に試合の主導権を握り始めた。早大ディフェンスは粘り強く対応し、TDを許さずにフィールドゴール(FG)による3失点に抑える場面もあったが、そこから相手のオフェンスが加速。ただ、DL鈴木衆和(政経4=東京・早実)が果敢にQBサックを仕掛け、LB陣もサイドライン際から中央へ切り込んでプレッシャーをかけるなど、早大も応戦した。しかし、立命大のRB漆原大晟(2年)がビッグゲインを記録し、敵陣深くまで一気に前進。その後、RB稲生悠人(4年)のランプレーでこの試合初のTDを許してしまう。第2クォーター(Q)に入っても、立命大のランオフェンスを止めることができず、再びTDを献上。一方、早大もWR吉規颯真(政経4=東京・早大学院)を中心に徐々にパスが通り始めるも、QB船橋からWR大沼義篤(政経2=東京・早大学院)へのパスを狙ったプレーで相手が鋭く反応し、再びインターセプトを許す。このターンオーバーから、立命大は再びTDを加えて0ー23と大きくリードを広げた。第2Q終盤には、キックオフリターンでの早大の守備対応も甘く、立命大に計4つのTDを許し、0ー29で前半を終える展開となった。

パス成功後のWR吉規

 後半に入って流れを引き寄せたい早大は、松野雄太朗(社4=東京・早大学院)のブロックを抜くリターンやWR吉規のパスプレーなどでチャンスメイクするものの、あと一歩が届かず、得点にはつながらなかった。立命大のオフェンスは後半も勢いを落とさず、QB竹田剛(4年)がロングパスを立て続けに成功させ、2度のパスTDを追加。早大ディフェンスもDB宮下拓(創理3=神奈川・鎌倉学園)やDB矢口羚(商2=東京・早大学院)がタックルで対応し、LB江森壮汰(商3=東京・早実)がQBサックを決める場面も見られたが、フィジカル面での差を埋めきれず、相手の攻撃を止めるには至らなかった。第4Q開始直後にも相手にTDを許し、スコアは0ー43。その後、QB天野伸梧(2年)のランでさらに6点を追加され、立命大が49点リードに。試合終盤、早大はQB船橋からWR中原秀城(スポ4=愛知・南山)のパスでゲインを稼ぎ、反撃の兆しを見せるが、結局はパントで攻撃終了。最後までスコアボードに得点を刻むことができず、0―49で試合終了となった。

パス後ボールを運ぶWR中原

 昨年度全日本王者・立命大に対し、圧倒的な戦力差を突きつけられた一戦となった。早大も随所に光るプレーはあったものの、最後まで試合の流れを引き寄せることができなかった。春の公式戦は関西勢に2敗を喫するという厳しい結果に終わり、早大BIG BEARSにとっては課題の多く残る3戦となった。チームを率いるLB功能誠也主将(教4=東京・西)は「『これくらいでいいか』という気持ちがすべて結果に出てしまった」と自らを律する。関東学生秋季リーグ戦、そしてその先の全日本大学選手権へ向け、立ち止まっている時間はない。日本一へ向けた勝負の夏が始まる。

(記事、写真 大村谷芳)

 

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
立命大 FG #9横井       0ー3
立命大 RUN #26稲生 #9横井 NG 0-9
立命大 RUN #10小西 #9横井 0-16
立命大 PASS #5竹田→#87大島 #9横井 0-23
立命大 RUN #24漆原 チーム NG 0-29
立命大 PASS #5竹田→#86幸田 #88土手 0-36
立命大 PASS #5竹田→#82林 #88土手 0-43
立命大 RUN #16天野 #88土手 NG 0-49

コメント

LB功能誠也主将(教4=東京・西)

ーー試合を振り返って

 結果の通り完敗です。早大のスタンダードを上げる、そのためにスタート、フィニッシュ、ファイトエフォートという基礎の部分をどれだけ立命大にぶつけられるかがキーでしたが、全てにおいて圧倒されたというのが正直なところです。

ーーディフェンスの反省点はありますか

 ディフェンスの反省というかチーム全体の反省にもなりますが、フットボール以前のフィジカルであったり、様々な準備の面で負けていたと思います。1対1のヒットやタックル、アサインメントの中での動き含めて、早大のスタンダードが上がり切れていなかったところが大きな反省です。ディフェンスだけの話でいえば、きつい状況の中でもボールアタックで攻撃の機会を作っていく、ボールを狙うことができなかったところも反省点です。

ーー試合中チームの雰囲気は

 点差どうこうよりも、目の前の1プレーに自分がやってきたファンダメンタルを出せているか、スタートからフィニッシュまで拘ってやり切れているかにフォーカスすることをみんなに伝えていた感じです。

ーー関西に2敗で春3戦を終えましたが、チームとしての課題は

 自分たちの立ち位置がよく分かった春の3試合だったと思います。単純に自分たちのスタンダードを上げれていない、それはプレーだけではなくて、フィジカルも、戦術理解もモラル面もです。「こんなもんでいいか」が全て結果に表れていると思います。いかに徹底して全てに取り組むか、そして4年生がいかにリーダーシップをとって、チームを勝たせる行動ができるかが、大きなポイントだと思います。

ーー今後に向けて意気込みをお願いします

 春を通じて自分たちの立ち位置が身に染みるぐらいよく分かって、来週もう一度自分たちの行動を色々な面で見つめ直そうと思っています。自分たちが何を大切にして、何に集中してチームを勝たせるか考えて、練習に臨みます。課題は様々ありますが、明らかな課題があるので、そこを4年生中心に1秒たりとも無駄にせず取り組みます。今後の春シーズン、夏を経て変わった我々を期待して頂けるとありがたいです。今後もよろしくお願いします。

※その他のコメントは、後日掲載いたします。