東大を攻守で圧倒! 開幕2連勝を飾る/東大戦

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 21 13 44
東大 WARRIORS

 関東大学秋季リーグ戦の開幕戦で慶大に勝利した早大BIG BEARSは、約1カ月が空き、第2節に東大WARRIORSと対戦した。第1クォーター(Q)にFGで先制すると、第2Qでは3つのTDを成功し、得点を量産。後半も流れを渡さず、点を積み重ねて相手を突き放した。合計5回のTDを記録するなど、44点を獲得する。ディフェンスも東大のオフェンスを封じ込め、完封勝利。開幕2連勝を収めた。

パスをキャッチし、TDを目指すTE重村

 東大レシーブで試合開始。ファーストシリーズをスリーアンドアウトに抑え、攻撃権を得る。ランプレーとパスプレーで1stダウンを2回更新すると、K/P曽木聡(スポ4=東京・国学院久我山)が48ヤードのFGに成功し、3点を先制する。第2Qになると、東大がフォルススタートを連続しパントで攻守交代。すると、RB花宮圭一郎(文構4=東京・足立学園)の50ヤードのロングゲインで敵陣深くに侵入する。続くプレーでワイルドキャット隊形からRB安藤慶太郎(社2=東京・早大学院)がサイドラインを駆け上がりTDラン。追加点を獲得する。LB原康介(法2=東京・早大学院)のQBサックもあり、敵陣中央から攻撃を始めた早大は、QB八木義仁(政経3=東京・早大学院)のスクリーンパスを受けたTE重村真丞(社4=東京・早大学院)がそのままランアフターキャッチでTDに成功。早大は勢いに乗り、次のオフェンスでもRB安村充生副将(文構4=東京・早実)の2連続ランでTDを決め、オフェンスシリーズで3回連続TDの猛攻を見せた。24-0で前半を折り返す。

QBサックを決めるLB原

 第3Qに入っても勢いが衰えることはなかった。オフェンスから試合が再開すると、QB八木からWR中尾公亮副将(社4=東京・早実)へのパスプレーや、RB安村のランで難なく1stダウンを次々と更新。最後はQB八木のロングパスをWR入江優祐(商3=大阪・関西大倉)がレシーブして、後半最初のTDを決める。その後も早大はRB松村拓磨(スポ4=埼玉・昌平)らのランプレーとWR上野陸(社4=東京・早実)らへのパスプレーを織り交ぜながら、1stダウンの更新を連発する。TDまでいかなかったものの、K/P曽木の安定したキックで2つのFGを成功させた。第4Qの終盤には、LB功能誠也(教2=東京・西)が東大のファンブルをリターンし、55ヤードを独走のTD。ディフェンス陣は東大に自陣深くまで侵入することさえも許さず、慶大戦に続き完封する。結果44-0の大勝で、リーグ戦2連勝を飾った。

ファンブルリカバーTDを決めたLB功能

 慶大戦から約1カ月の長い期間が空き、試合の入りも難しくなるかと思われたが、序盤から東大を圧倒してみせた早大BIG BEARS。オフェンス陣を引っ張るQB八木は「簡単なパスを通すことでオフェンスにもどんどんリズムが生まれてきた」と試合を振り返った。ディフェンス陣も2試合連続の完封で好調さがうかがえる。次戦は立大戦となる。今年の春季オープン戦で敗れた相手だが、今の勢いそのまま挑みたい。

(記事 沼澤泰平、写真 坂部翔子、佐藤玲、廣野一眞)

担当記者のPICK UP PLAYER

東大RBにヒットするDL廣瀬(4番)

 東大は今回の試合、攻撃の全てでランを選択し、パスの回数が試合を通して0回という極端なオフェンスを展開した。そんな一戦で早大のディフェンスを支えたのは間違いなくフロント陣。特にその中でも今年のBIG BEARSでディフェンスリーダーを務めるDL廣瀬灯遥(スポ4=埼玉・立教新座)だ。昨年は3年生ながらDL主任を任され、4年生中心だったDLユニットの中でも存在感を発揮した。ラストイヤーの今年はディフェンスリーダーに就任。春季オープン戦前には自身のポジションがDLということから「後ろ(パスディフェンス)のことがそんなに深く分かっているわけではない」と語り、ディフェンスに関わる全員の主体性を求めてきた。そんな廣瀬が作り上げたディフェンス陣に対し、WR目黒歩偉主将(スポ4=東京・佼成学園)も「どうしたら試合で0点に抑えられるかを普段の練習から日々時間をかけて考えてくれている」と賛辞を贈る。ポジション内でもDL主任の堤祥悟(教3=東京・早実)やDL伊藤寛太郎(商2=東京・成蹊)など下級生ながら主体的に動く選手が多く育っている。廣瀬率いるまだまだ発展途上の早大ディフェンスが残りのリーグ戦もチームを支えるだろう。

(記事 田部井駿平、写真 廣野一眞)

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得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 FG #11曽木       3ー0
早大 RUN #30安藤 #11曽木 10-0
早大 PASS #18八木→ #85重村 #11曽木 17-0
早大 RUN #33安村 #11曽木 24-0
早大 PASS #18八木→ #8入江 #11曽木 31-0
早大 FG #11曽木       34ー0
早大 FG #11曽木       37ー0
早大 FUMR #51功能 #11曽木 44ー0
星取表(10月2日現在)
  早大 法大 明大 中大 立大 東大 慶大
早大 11/23 11/12 10/29 10/15 44○0 17○0
法大 横浜 10/28 11/12 6○3 10/15 21○14
明大 横浜 アミノ 11/23 10●14 27○7 20○0
中大 アミノ 横浜 横浜 14●20 21〇11 10/14
立大 アミノ 3●6 14〇10 20〇14 11/23 10/29
東大 0●44 アミノ 7●27 11●21 横浜 11/11
慶大 0●17 14●21 0●20 アミノ アミノ アミノ
コメント

髙岡勝監督(平4人卒=静岡・聖光学院)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 今日は本当にみんなが頑張って、最後まで集中力を切らさずにやることをできたことが成果だと思います。

――オフェンスではランパスがバランスよく成功していましたが

 まだまだロスもありますし、個人技でなんとかなった部分も多かったです。チームのコンビネーションやパッケージといったところを、次の立教戦までに精度を上げていかないといけないと思います。

――ディフェンスでは2試合連続の零封と好調でしたが

 今日は東大さんがパス0だったので、ランに集中できたのは大きかったです。それでもタックルミスなどがなかった訳ではないので、次の立教さんに向けてやるべきこと、特にパスディフェンスはしっかりと仕上げていきたいと思います。

――約1ヵ月ぶりの実戦でしたが、その点はいかがでしたか

 実戦が一番成長できるので、やはり1ヵ月も実戦から遠ざかってしまうこととどう取り組むかが課題でした。今日は結果勝てましたのでとりあえず良かったと思います。

――今日の試合では下級生の選手も多く出ましたが、状態はいかがでしょうか

 LB功能(誠也、教2=東京・西)は前節も出ていましたが最後TDしたり、2年生が伸び伸びプレーしていました。緊張もあったと思いますが、いいプレーが出たというのは今後の楽しみな材料になります。

――次戦の立大戦の意気込みをお願いします

 立教さんは春にも負けていますし、コーチ陣が変わって乗っているチームです。これに対してわれわれの取り組みが通用するか、チャレンジャーとして1プレー1プレー積み重ねていきたいです。

WR目黒歩偉主将(スポ4=東京・佼成学園)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 春先から課題だった前半のオフェンスファーストシリーズでTDまではいけませんでしたが、3点をもぎ取ってきてくれました。その後のシリーズも安定して得点を持ってきてくれました。そこは春から成長した点だなと思います。ディフェンスも2試合連続で0点で止めてくれて、ターンオーバー<持ってきてくれました。ここは継続していくべきところだと思います。/p>

――約1ヵ月間試合がありませんでしたが、その影響はありましたか

 気の緩みも想定されたので、東京ドームの試合をスカウティングしに行き、そこを一区切りとして試合勘というところを普段の練習でも意識していました。それでもやはり約4週間開くので、上級生でも時間の使い方がうまくいっていないこともありました。ここから2週間刻みで試合があって、時間が限られているので一日一日の時間をどれだけ効率的に使えるかが今後の課題かなと思います。

――得点を積み重ねられた要因は

 練習の最初から最後にかけて調子が上がっていくということが普段の練習から続いていたので、練習始めの全体ハドルからどれだけ試合の雰囲気を出せるかをこの1カ月で意識したのが功を奏したと思います。

――ディフェンスも好調ですが、Ⅾ主任のDL廣瀬灯遥(スポ4=埼玉・立教新座)選手をはじめとしたディフェンスのメンバーをどのように見られていますか

 ディフェンスの幹部や4年生はどうしたら試合で0点に抑えられるかを普段の練習から日々時間をかけて考えてくれています。また下級生の選手、特に原康介(LB、法2=東京・早大学院)や伊藤寛太郎(DL、商2=東京・成蹊)などの若手の選手が試合で前に出て活躍してくれているので、そういったところもディフェンスの好調につながっていると思います。

――今日の試合では下級生の選手も多く出ましたが、状態はいかがでしょうか

 昨年試合を経験していないメンバーが若手には多いので、春を通じて試合を経験する中で徐々に練習でも見違えるように成長してくれています。来年以降のことを考えても、若手が前に出てくることが大事だと思うので、今日出れなかった選手も含めいろいろな選手に期待しています。

――次戦の立大戦の意気込みをお願いします

 2戦連続で試合の最後で勝負を決めて勢いに乗っているチームだと思うので、自分たちの中でしっかり立教を意識して戦っていけたらなと思います。

QB八木義仁(政経3=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 慶應戦からの反省として、決めるべきプレーを決められなかったということがあった中で、今日は簡単なプレーをしっかり決めることができたり、要所でパスを決めきれたので、自分たちのリズムに乗って勝つことができて良かったと思います。

――前回の試合からなにか修正したことはありましたか

 前回の試合は、決められるプレーを決められなかったというところが自分たちの首を絞め、耐える時間を長くしてしまいました。そのため今回は簡単なパスを通すことでオフェンスにもどんどんリズムが生まれてきたので、特に簡単なプレーをしっかり決めるというのを意識して臨みました。

――パスによるTDも二つありましたが、ご自身の感触はいかがでしたか

 前回はTDパスを出せていなくて、今回もランでのロングゲインがあったのですが、パスユニットも活躍できるぞというのをチームに対して示せたことが良かったと思います。

――他にも多くのパスを決めていましたが、パスユニットの調子はいかがですか

 いい感じです。

――次戦への意気込みをお願いします

 立教は春に負けている相手で、複雑で攻撃的なディフェンスをしてくるので、そこをしっかりとQBが冷静に分析し、強い気持ちを持って絶対に勝ちたいと思います。

LB原康介(法2=東京・早大学院)

――初めてスタメンに名を連ねましたが、どのような気持ちでこの試合に臨まれましたか

 チャンスを無駄にしないように、1プレー1プレーに集中し、絶対相手にタックルするという気持ちで準備したことを出せるようにやりました。

――チームとして2試合連続完封でしたが、試合を振り返っていかがですか

 チームとして0点というのはすごくこだわってやってきていて、それを体現することができました。毎日みんなで夜遅くまで準備してきたことが、フィールドに遺憾なく出せたので、本当に良かったです。

――東大のオプションプレーにどのように対応していこうと話されていましたか

 東大のオプションプレーはダイブプレーが肝になるとみんなで考えていました。そのため、まずはダイブを止めるということを意識して、その後にパスプレーやピッチプレーを止められるように心掛けていました。

――第2Qでのご自身のQBサックを振り返っていかがですか

 LOS(スクリメージライン)をきれいに抜けることができたので、QB目掛けて一直線に走りサックできて、良かったです。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

 次戦は立大戦ということで、非常に勢いに乗っているチームなので、相手の勢いにのみ込まれないように、準備してきたことを出して絶対勝利したいと思います。