昨季関東王者の早大 久しぶりの早慶戦で白星発進! /慶大戦

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 17
慶大 UNICORNS

 9月3日、早大BIG BEARSは慶大との秋季リーグ初戦に臨んだ。早大は、第2クウォーター(Q)でFGで先制点を決めると、第3QでRB松村拓磨(スポ4=埼玉・昌平)のTDで追加点をあげる。さらに第4QでRB安村充生(文構4=東京・早実)がTDを決めると、ディフェンス陣は試合を通して慶大の攻撃を防ぎ切り、試合は17-0と快勝した。

パスカバーをするDB粕田。DB陣の活躍も光った

 第1Qは早大オフェンスからのスタートとなった。両校の堅実な守備が目立ち、なかなかボールを前に進めることができない展開が続く。RB花宮圭一郎(文構4=東京・足立学園)がランで17ヤードを獲得し1stダウンを更新したが、得点にはつながらず。続く第2Qでもゲームが動かない重い展開が続く。QB八木義仁(政経3=東京・早大学院)が味方がファンブルしたボールをリカバーすると、機転を利かせ28ヤード獲得し1stダウンを更新したが、慶大の好守備に阻まれ、得点することができない。P鎌田凜太郎(法4=東京・早大学院)のパントによって慶大を自陣3ヤードまで押し込めるが、その後は慶大の攻撃に耐える時間が続いた。再び早大のオフェンスになると、QB八木からWR上野陸(社4=東京・早実)への34ヤードにも及ぶパスが成功し1stダウンを更新した後、4thダウンになるとFGを選択。これをK曽木聡(スポ4=東京・国学院久我山)が46ヤードのFGに見事成功し、3点を先制して前半を折り返した。

TDランを決めるRB松村。今後の活躍からも目が離せない

 第3Qでは勢いをつけた早大。RB花宮の12ヤードに及ぶランやQB八木からWR上野への16ヤードのパスが成功し、立て続けに1stダウンを更新。続いてQB八木からのパスをWR中尾公亮副将(社4=東京・早実)が相手ディフェンスとぶつかりながらのレシーブで13ヤード獲得し、1stダウンを更新。最後はRB松村のランプレーでTDを決めた。PAT(ポイントアフタータッチダウン)のキックも成功し、10-0と慶大を突き放す。続く第4Qは早大のオフェンスからスタート。開始直後からWR松野雄太朗(社2=東京・早大学院)のパス成功により15ヤード獲得など見せ場をつくる。さらにRB安村のランやTE小原有貴(社4=愛知・旭丘)のパス成功などの猛攻により立て続けに1stダウンを更新。敵陣9ヤードとゴール前まで攻め入る。追加点のチャンスを得た早大は、RB安村の怒涛の3連続ランの末にTD。キックも決め、試合は17-0となった。その後のディフェンスでは、反則や3連続でパスを通されるなどの課題も見受けられたが、DB粕田俊(商3=東京・早大学院)のパスカット、DB鈴木晴貴(基理3=神奈川・鎌倉学園)のタックルなど好プレーもあり見事0点で抑え、17-0で試合終了となった。

PATのキックを蹴る曽木。この試合でも正確無比なキックが飛び出た

 開幕戦の独特の緊張感に包まれつつも、勝利を手にした一戦。試合後のインタビューでWR目黒歩偉主将(スポ4=東京・佼成学園)も語っていたように課題も見つかった試合でもあった。しかし、初戦を無失点に抑えた鉄壁のディフェンスとラン攻撃を中心とした勢いのあるオフェンス。その双方の武器を兼ね備えたBIG BEARSの新たな挑戦が今、幕を開けた。

(記事 栗原礼佳、富澤奈央、写真 飯田諒、近藤翔太、長屋咲希)

担当記者のPICK UP PLAYER

ランアフターキャッチをするWR上野

 昨年度の絶対的なエースレシーバーであった佐久間優毅(令5政経卒=現オービックシーガルズ)。その後継者として期待を一身に背負うのがWR上野陸(社4=東京・早実)だ。アメフトにおけるパスレシーブはゲームの空気を一変させる。この試合でも両チームの得点がないままこう着状態となった第2Q終盤、QB八木からの34ヤードのパスを上野がキャッチすると、それが得点につながり、停滞した空気の流れたグラウンドに風穴を開けた。強力なRB陣を中心としたラン攻撃が健在のBIG BEARS。そこへ強靭なフィジカルを持つ上野を中心に、球際に強いWR中尾公亮副将(社4=東京・早実)や天才肌のWR入江優祐(商3=大阪・関西大倉)らが顔をそろえるパスユニットの活躍が加われば、他校からの脅威になることは間違いない。今年の早大オフェンスは、WRたちが織り成す多彩なパス攻撃にも期待だ!

(記事 田部井駿平、写真 近藤翔太)

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得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 FG #11曽木       3ー0
早大 RUN #45松村 #11曽木 10-0
早大 RUN #33安村 #11曽木 17-0
星取表(9月5日現在)
  早大 法大 明大 中大 立大 東大 慶大
早大 11/23 11/12 10/29 10/15 9/30 17○0
法大 横浜 10/28 11/12 10/1 10/15 9/16
明大 横浜 アミノ 11/23 9/16 27○7 9/30
中大 アミノ 横浜 横浜 14●20 9/16 10/14
立大 アミノ アミノ 東京D 20〇14 11/23 10/29
東大 アミノ アミノ 7●27 東京D 横浜 11/11
慶大 0●17 東京D アミノ アミノ アミノ アミノ
コメント

髙岡勝監督(平4人卒=静岡・聖光学院)

――開幕戦でしたが、試合前に選手にどのような言葉をかけられましたか

 7月、8月で自分たちがやってきたことを第4Qまで出し切ろうと。絶対にうちの方が走り勝てるからと、そこは自信を持ってやろうということを話しました。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

 春は結果が出なかった中で、1Qからすごく厳しい戦いになりました。ワンポゼッション差でTDを取られたら逆転されるという嫌な雰囲気の中で、さもすると気持ちが切れてしまうところを本当にQB八木(義仁、政経3=東京・早大学院)を中心にオフェンスが引っ張って、RB松村(拓磨、スポ4=埼玉・昌平) がゲームチェンジーになりました。ここで落ち着いて、気持ちを切らさずに勝てたというのは素晴らしかったと思います。

――QB八木選手には監督も期待されていたと思いますが、本日の出来はいかがでしたか

 チップによる不幸なインターセプトが1つありましたが、春のあの結果から今日はよく落ち着いて決めてくれたので、成長の跡が見えて良かったと思います。

――RB松村選手とRB安村充生副将(文構4=東京・早実) による二つのTDがありましたが、ラン攻撃の強さは今年も健在でしょうか

 RB花宮(圭一郎、文構4=東京・足立学園)もロングゲインがありましたし、萩原(萩原奎樹氏、令5政経卒) が抜けたところに松村というトリッキーなランをするプレイヤーも出てきました。あとはOLがしっかりすれば、非常に面白いプレーが増えていくと思います。

――ディフェンスは0点に抑えましたが

 少し慶応さんが特殊なオフェンス体形でしたので、どうなるかが読めない中ではありましたが、しっかりDBが対応しており、スターターのレベルはとても上がっていると感じました。コーチがしっかりと指導してくれた成果が出ていると思います。

――次回の東大戦への意気込みをお願いします

 1ヵ月空く中で、東大さんも強力なラインを持ってらっしゃるので、ライン戦でどれだけ勝てるかが大事になります。さらに成長できるように練習していきたいと思います。

WR目黒歩偉主将(スポ4=東京・佼成学園)

――開幕戦の独特な雰囲気もあったと思いますが、主将から見ていかがでしたか

 久々の試合なので、練習からちょっと浮ついている雰囲気もありました。やっぱり相手が因縁の慶応だったので、始まる前は全員が気持ちをつくってきてくれました。秋シーズン初戦にしては、いい雰囲気で試合前の状態をつくれたと思います。

――本日のゲームスローガンは何でしたか

 今日は、『PRIDE』をゲームスローガンにしました。これまで自分たちが8ヵ月やってきたこと、早慶戦の早稲田としての誇りを持ってやれるかを今日はめちゃくちゃ意識しました。

――前半はゲームが動かない展開でしたが

 例年、早稲田は前半なかなかオフェンスが得点できずというところがあったので、そこまで焦りはありませんでした。それでも秋シーズンが深まるにつれて、どれだけ前半で相手のことを圧倒できるかが大事になっていると思うので、練習の最初から(立ち上がりを)意識付けできるかが今日出た課題だと思います。

――後半は立て直しましたが

 前半で試合勘はみんな取り戻し、徐々に試合の雰囲気も思い出していきました。そこをこれからの試合で、気持ちの持っていき方をどれだけ生かせるかだと思います。それとやっぱり後半最後の点差がついた時に、オーバーセレブレーションだったり、サイドラインの雰囲気も気が抜けていたので、そこをもっと一試合一試合でものにしないといけないなと感じました。全員で声がけしていきたいです。

――次回の東大戦への意気込みをお願いします

 東大はフレックスボーンという特殊なことをやってきますし、フィジカルも強いので、この1ヵ月でどれだけ対策できるか。フィジカルを強化できるか。ファンダメンタルを固められるかがかぎになると思うので、この1ヵ月、一日一日で積み重ねていきたいです。

RB松村拓磨(スポ4=埼玉・昌平)

――開幕戦でしたが、試合の雰囲気はいかがでしたか

 開幕戦ということでチームとしての士気は非常に高くて、しっかり慶應という敵に対してスカウティングなどを通して向き合い、勝ち取ることができたと思います

――どのように攻めていこうとオフェンスで話されていましたか

 ラン中心でいこうとチームで話していましたが、結果的に今日はランで苦しんだ面も非常に多かったので、そういった時にパスユニットと連携し、チームとして勝つことが出来たかなと思います

――リーグ戦で初のTDでしたが、いかがでしたか

 個人としては素直に嬉しく、チームとしても苦しい中でしっかりTDがとれた、というところに大きな価値があるTDだったと思います

――他のRB陣との競争もあると思いますが、ユニットの雰囲気はいかがですか

 春からこの夏に通して、このユニットの中での争いというところは本当に全員で意識しているところでもあり、その相乗効果もあって全員で上手くなれているという感覚があります

――次回の東大戦に向けての意気込みをお願いします

 次も苦しい場面は多くあるとは思いますが、チーム一丸となってしっかり勝ち切れるように頑張ります

DL廣瀬灯遥(スポ4=埼玉・立教新座)

――開幕戦でしたが、試合前の雰囲気はいかがでしたか

 ディフェンスは練習前から結構いい感じで、0点に抑えられたという結果に繋げられてよかったなと思います

――ディフェンスではどのように守っていこうと話していましたか

 今回は慶應が変わったオフェンスをしているので、早稲田もいつも通り相手の体形に合わせた、あまり普通はやらないようなディフェンスをしました

――OLの体形が変化するなどの対応はどのようにしましたか

 基本的に試合中に全部やろうということにはなっていたので、あまり前半と後半でかわらなかったのですが、DLのプレーの仕方を変えるなどして対応しました。

――ご自身のディフェンスはいかがでしたか

 今年の試合の中と試合の前の週の雰囲気の作り方から、0点という結果に繋げられたことはよかったのですが、最後あまりとられてはいけない反則を1つ作ってしまったので、次の試合までにそれを完全に修正して頑張ろうと思います

――最後に、次の東大戦への意気込みをお願いします

 前節の慶應戦を0点で抑えられたので、次の東大戦も必ず0点で抑えて勝利に貢献しようと思います