駒大との試合で待望の今季初勝利! 新戦力が躍動し大量得点

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 10 23 54
駒大 BLUE TIDE 14 24

 6月にしては過ごしやすい涼しさのアミノバイタルフィールド。三連敗中の早大BIG BEARSは関東1部リーグBIG8の駒大との一戦に臨んだ。フレッシュなメンバーが多く出場した早大。試合の入りに課題があった早大だが、最初のオフェンスドライブでRB松村拓磨(スポ4=埼玉・昌平)がTDを決めると、その後も得点を積み重ねる。ディフェンスでもLB石黒哲(政経3=東京・早大学院)のロスタックルなど随所に好プレーが飛び出し、54-24で勝利を収めた。

RBだけでなくK(キッカー)としても活躍したRB安藤

 早大ディフェンスで始まった試合。駒大の攻撃を4回で終わらせると、この日のスタメンQB萩野雄翔(法4=神奈川・公文国際学園)が躍動。WR江野彩雅(創理3=神奈川・川和)、WR松野雄太朗(社2=東京・早大学院)へのパスで敵陣まで攻め込み、最後はRB松村が相手のタックルをかいくぐるTDランで先制する。さらに早大ディフェンスがすぐに駒大をパントに追い込み攻守交代すると、今度はRB安藤慶太郎(社2=東京・早大学院)が自陣25ヤード付近から独走TD。瞬く間の追加点でリードを広げた。しかし、駒大も反撃を見せる。第2Qになると、パスや早大の反則で自陣を攻め込まれ、TDランを献上する。取られた点を取り返したい早大だったが、最初のプレーでまさかのインターセプト。レッドゾーンから相手の攻撃となり、スクリーンパスやQBランでかき乱され、同点のTDを決められてしまう。それでも早大は、RB松村のランやWR嘉屋光希(文構4=東京・早大学院)へのパスでゴール前まで攻め込む。最後はOLがギャップをこじ開け、RB星亜玖莉(法4=東京・早実)のTDで勝ち越し。さらに前半終了直前にQB萩野のランでFG圏内に入ると、しっかりとFGを決めて点差を広げた。

QB萩野とパスプロテクションをするOL陣

 早大のKRから始まった後半。リターナーのDB堀口拓馬(法3=東京・早大学院)にリターンによって敵陣からの攻撃となる。すると、またしてもRB安藤が40ヤード越えの独走TDランで追加点。ディフェンスでは、相手のQBランなどに苦戦し、TDまで残り4ヤードと攻め込まれるが、LB石黒がロスタックルを決めるなど粘りを見せてFGに抑えた。再び早大の攻撃となり、この日は途中出場のQB國元孝凱(社4=東京・早大学院)がTE袖崎湧太(スポ3=東京・城北)やWR中原秀城(スポ2=愛知・南山)へパスを散らし、ボールを進める。さらにRB星へのショベルパスでゴール前まで攻め込むと、最後はRB星を押し込みTD。ディフェンスはラン・パスともにチーム全体でしっかりアジャストし、駒大に10ヤードの更新を許さない。さらにパントブロックに成功し、敵陣からの攻撃となると、QB船橋怜(政経2=東京・早大学院)がWR中原へのパスで攻め、RB安藤がFGを決めて追加点とした。完全に試合のモメンタムを得た早大だったが、駒大に見事なTDパスを決められ失点。それでもその直後のKR。オンサイドキックを試みた駒大であったが、誰もボールを取ることができず。WR北川大智(スポ3=東京・佼成学園)が転がったボールをピックし、そのままサイドライン際を駆け抜けてTD。さらに試合終了間際には、RB田中大晴(社2=埼玉・川越東)のランで敵陣に攻め込み、QB野田知樹(政経2=東京・早実)からWR江野へのパスをランアフターキャッチでTDとした。54-24で駒大に完勝した。

TDを決めたWR北川と一緒によろこぶWR小鮒晴(文3=神奈川・鎌倉)

 新チームが始動してから三連敗と苦しんでいたBIG BEARSが待望の今季初勝利をつかんだ。秋シーズンに向けてスターター奪取を目指すフレッシュな選手たちのアピールとなったこの試合。髙岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)も「2年生の子たちが一生懸命やってくれたのがうれしかった」と話し、新戦力への期待を見せた。長かった春の試合も残り1試合。相手は関西の強豪・関西大学KAISERS。春の反省、収穫のすべてをぶつけ、最高の結果を手にしたい。

(記事 田部井駿平、写真 星野有哉、安齋健)

髙岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)

――今日の試合振り返っていかがでしたか

 エキサイティングな試合でした。いいところと悪いところありましたが、2年生の子たちが一生懸命やってくれたのがうれしかったです。

――試合前にはどのような言葉をかけられましたか

 もう崖っぷちなので、今日はここからどうやって生き残っていくかの試合だと。今日からの駒大、関大の2試合は生き残りをかけた試合だと伝えました

――先ほど話に出た2年生の選手たちには秋以降どのような働きを期待しますか

 これから夏合宿を経て、秋の戦力であるデプスを決めていきます。その中でやっぱり一生懸命やっている子は試合でも結果を出してくれたので、継続してやってくれることで夏合宿以降も楽しみにしています。

――今日のオフェンスは調子が良かった様に見えましたが

 どうでしょうね(笑)。RBの安藤(慶太郎、社2=東京・早大学院)が2本、独走TDをするシーンがありましたが、この前の明治戦では最後にファンブルしてしまいましたが。スピードのある選手というのが見えたのは良かったです。

――ディフェンスはいかがでしたか

 ディフェンスに限らずですが、タックル、ヒットという大きなフットボールの要素をもう一度原点を見直さなければならないという話をしました

――次戦の関大戦に向けて一言お願いします

 関大さんとの定期戦は、我々にとっては毎年すごく重要な試合ですのでしっかりと準備をして、関大さんの胸を借りたいです。チャレンジャーとして、どれだけ我々が最後の1プレー1プレーまで諦めずにできるかというところが、秋につながる試合になると思うので頑張りたいです。

目黒歩偉主将(スポ4=東京・佼成学園)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 この間まで三連敗していて、今日やっと勝てたので、なんとか春シーズンやっと勝てたなと思いました。それとフレッシュなメンバーも多く出て、活躍したのは良かったなと思います。

――三連敗中で空気も重かったと思いますが、試合前はどのような話をされましたか

 今週の練習で「背水の陣」と僕と監督が言っていて、あと残り2試合しかない中で、どう行動していくべきか考えようと話していました。

――フレッシュなメンバーが多く活躍した中で、今日の試合の彼らにはどのような印象を持っていますか

 試合を通じて活躍した部分もありましたし、アサイメントミスやファンダメンタルの部分が甘く、まだまだ改善できると思うので良くしてほしいです。みんなには1本目のメンツをくらうぐらいの成長をしてほしいと思います。

――来週の関大戦へ意気込みをお願いします

 昨年はボコボコにされて、今年はそのリベンジです。もっとチーム全体で今度の関大戦や秋以降の試合に向けて取り組んでいかなければならないので、まずはこの1週間死ぬ気で頑張って、関大に勝てればと思います。

石黒哲(政経3=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返って

 相手が下位校だったのですが、入りが悪く、結局先輩を頼ってしまう部分というか、もう1歩目を頼っちゃう部分になったので、そこがまだまだだと思っています。

――試合前にディフェンス全体ではどのように臨んでいこうと話されていましたか

 今回の試合は下級生が活躍すればという風に考えていました。結果的にさっきの上級生に頼ってしまったという話につながってしまうのですが、そういう場でした。

――本日は石黒選手ご自身としてはどのようにプレーしようと考えていましたか

 やはり本当にもう思いきり爪痕を残してということを考えていました。もうそこを自分としては、毎回毎回考えているので。爪痕です。

――ゴール前でのロスタックルを決めた時を振り返って

 当然の仕事をしたまでです(笑)。

――次戦の関大戦に向けて意気込みをお願いします

 関大はどのユニットも全部強いので、本当に総力戦になると思うのですが、勝ち切らないといけない試合になってくるので、この1週間もっと計算して、チームとして、ディフェンスユニットとして、もっと力を高めていけたらなと思います。

RB安藤慶太郎(社2=東京・早大学院)

――4年生のRBが何名か出場していない中、ご自身の出番が多かったと思いますが、試合を振り返っていかがですか

 今年からRBにコンバートして、まだTDが取れていなかった中で、今日の試合で2本取れたのは成果として挙げられるかなと思います。

――K(キッカー)も務めていましたが、高校時代はどのポジションをされていたのですか

 DBのセーフティとRBとKをやっていました。

――試合後のユニットのハドルでは、どのような反省がありましたか

 4年生が出ていない中で、若い選手が結果を残せたのが良かったという話がありました。初めて試合に出たメンツが何人かいた中で、自分たちの強みを活かした思い切りの良いプレーができました。

――競争が激しいRBユニットだと思いますが、練習の雰囲気などはいかがですか

 オフェンスの中でも良い意味で浮こうとしていて。滾った(たぎった)気持ちで毎日の練習をしているので、自分たちのユニットでオフェンスをもっと滾らせて引っ張っていこうというのが練習の雰囲気の軸になっていますね。

――今後の意気込みをお願いします

 4年生に上手いRBがたくさんいますが、来年はいないですし、今年から自分が1本目になってオフェンスを引っ張っていけるように日本一目指して頑張っていきます。