今季初勝利を目指し明大と対戦 零封は回避するも完敗

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS
明大 GRIFFINS 10 27

 春季オープン戦前節での立大戦で敗北し、今季初勝利を目指す早大BIG BEARSは、同じTOP8に所属する明大GRIFFINSと対戦した。早大は前半で2度の被インターセプトを受けるなど、攻撃をつなげることができず零封されてしまう。後半もなかなか攻撃に転じることができない早大だったが、4QにDB山口聖悟(政経4=早稲田佐賀)のインターセプトで攻撃権を得ると、RB安村充生副将(文構4=東京・早実)のTDランでこの試合初の得点。しかし、その後は得点できず。7-27で明大に完敗した。

試合前、整列する選手たち

 早大の攻撃から始まったこの試合。立ち上がりに課題のある早大だったが、初スタメンのQB船橋怜(政経2=東京・早大学院)が最初のプレーでインターセプトされてしまう。いきなりディフェンスとなった早大は、そのまま勢いに乗った明大にあっさり先制のTDを決められた。さらに直後の早大オフェンスのドライブでも再びインターセプトされ、早大は試合の流れをつかむことができない。それでも今度は早大ディフェンス陣がしっかりと明大を止めると、オフェンスではRB松村拓磨(スポ4=埼玉・昌平)、RB安村のランを中心に展開。TDにはならなかったが、攻撃の形をつくることができた。しかし、今度はディフェンスが明大のランを止めることができず、追加点となるTDランを献上してしまう。さらに早大はオフェンスがうまく機能せず、ディフェンスの時間が続く。ここではなんとかFGに抑えたものの、点差は17点に広がり、前半を折り返した。

インターセプトを決めたDB山口

  後半になっても苦しい展開が続く。明大に第3Q最初のシリーズでFGを決められてしまうが、その直後の早大の攻撃。このシリーズから投入されたRB花宮圭一郎(文構4=東京・足立学園)が46ヤードのランで敵陣まで攻め込む。その後、早大はFGを試みるも、惜しくも届かず得点とはならなかった。それでも早大は相手の反則もあり、すぐに攻撃権を取り戻す。RB安藤慶太郎(社2=東京・早大学院)のランやWR上野陸(社4=東京・早実)へのパスでレッドゾーンまで侵入。それでも4thダウンに追い込まれると、ギャンブルでパスを選択する。投げたボールをWR入江優祐(商3=大阪・関西大倉)が一度は触れるも、倒れこんだ時にこぼれインコンプリート。モメンタムが再び明大に傾きかけた直後のディフェンス。LB宗村尚輝(スポ4=京都・立命館宇治)がロスタックルを見せると、DB山口がインターセプトでボールを奪う。エンドゾーンまで10ヤードから攻撃をスタートさせると、RB安村がOLの開けたギャップを走り抜けてTD。第4Qにしてようやく早大のスコアが動いた。しかし、その直後のドライブで明大のパスとランを織り交ぜた攻撃を止められず、TDを許してしまう。少しでも点を返したい早大は、RB安藤がビッグゲインになるかに見えたランを繰り出したが、相手選手にボールをたたかれファンブル。絶好の得点チャンスを逃した。その後は両校、得点の機会は訪れず、そのまま試合終了。明大に完敗した。

唯一の得点となったRB安村のTD

 明大との試合で零封という屈辱的なスコアこそ回避したものの、新チームが始動してから勝利0で三連敗となってしまった早大BIG BEARS。毎試合、前回の反省から修正点を意識して臨んではいるが、それがなかなか結果に結びつかない。春季オープン戦も残り2試合。駒大、関大との試合で春の集大成を出し、少しでもいい形で秋につなげたい。

(記事 田部井駿平、写真 湊沙希、荒井理沙、矢彦沢壮真)

髙岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)

――今日の試合振り返っていかがでしたか

 見ての通りの試合で、自分たちの実力が分かりました。

――初スタメンだったQB船橋怜(政経2=東京・早大学院)選手はいかがでしたか

 去年は出場機会がなく、彼にとっても久しぶりの試合でした。高校時代は経験豊富なプレイヤーだったので期待はしていましたが、結果としては少し良くなかったなと感じました。ただ落ち着いてはいたので、今後の経験でいい働きをしてくれると期待しています。

――試合後のハドルでは何を話されましたか

 今日の悔しさを忘れないように、そして次に向かって全員でやっていこうという話をしました。

――次戦の駒大戦に向けて一言お願いします

 ここまで1勝もできていないので、駒大さん相手にどれだけ自分たちのフットボールをできるかですね。タックル、ヒットできていませんので、もう一度ファンダメンタルを見つめ直して、基礎に立ち返って一からやり直すようにしたいと思います。

目黒歩偉主将(スポ4=東京・佼成学園)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 普段の練習を見ていても、こうなるべくしてこういう点差になったかなとは思います。

――前回の敗戦から、練習で意識して取り組んできたことはありますか

 前半がどうしても悪いので、前半からやるためには試合を想定して、練習の一番最初のハドルからもっともっと質を高くやっていかなければいけないと思っていました。なのでそこは意識して取り組んだところではあります。

――明大は秋の対戦を意識する相手だったと思います。実際に対戦していかがでしたか

 個人個人レベルの高い選手がそろっているので、より一層個人の強化もそうですし、チーム全体としても、ユニットとしてももっと練習しなければ秋も勝てないチームなのかなと思います。

――オフェンスではどのように攻撃しようと話されていましたか

 今回はパスを散りばめてバランスを取って、パスでも思い切り投げて、ランも花宮、安村が戻ってきたので、ランとパスのバランスよく攻めていこうというのは試合前から話していました。

――来週の駒大戦へ意気込みをお願いします

 ここまで立命、立教、明治と三連敗してもう負けられる試合は1試合もありません。秋に向けてもそうですし、今後チームにとっても練習の質や内容を高めてやっていかなければならないと思うので、まずは目の前の1試合1試合、来週の試合に向けてやっていければなと思います。

RB安村充生副将(文構4=東京・早実)

――先週立大に敗れて迎えた今日の試合ですが、振り返っていかがですか

 立大戦の後、けが人が多いことなどを言い訳にしている選手が何人かいました。自分たちの立場というのは関東王者になった昨年とは違って、今年はゼロから始めている中で自分たちの立ち位置がよく分かった試合でした。そこから一人一人が愚直に取り組むようになりましたが、今日の敗戦も日本一になるためには必要なのかなというのが正直なところです。絶対に勝たなければいけない試合でしたが、それ以前に驕りを捨てるというか、全員がこの現状を把握できる試合だったと思います。

――前半を無得点で折り返しましたが

 取りきれないところがあったというのは、RBである自分の責任だと感じています。OLは上手くやってくれましたし、QBも2年生でプレッシャーがある中で足りない部分もあったのですが、そこは副将で昨年から試合に出場している自分が引っ張っていかなければいけなかったと思います。

――後半はご自身のTDランもありました。ユニット全体としての振り返りをお願いします

 RBユニットとしてはOLと密にコミュニケーションをとっていて、個の力で勝てない分、システム的な勝ち方を目指してやっているのですが、そこはまだ不十分だったと思います。それでも今日の試合はランの試行回数も多かったですし、そういった意味では有意義な試合だったと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 自分は持ったボールをエンドゾーンに運ぶのが仕事なので、そこはしっかりこだわってやっていきたいです。どんな形であれ春シーズンは残り2試合で終わりますし、その中で敗戦が多いのは決まってしまっていることですが、これをしっかりバネにして、秋以降、そして日本一というところに繋げていきたいと思います。