第3回は今年の早大のパスディフェンスの要となるDB木村大地(法3=東京・早大学院)とDB塚田隼也(商3=東京・早大学院)の登場。早大学院高時代からチームメイトだったお二人に、今シーズンの意気込みを伺った。
※この取材は4月5日に行われたものです。
「中学の時から一緒です」
甲子園での関学大戦、プレーの間に周りを見る塚田
――まずお互いの紹介をお願いします
木村 塚田は部活に対するイメージで最初に思いつくのは、ストイックで真面目っていうところが思い浮かびます。筋トレとか、基礎的なことをすごい細かくやって、頑張ってちゃんとやっているというのがすごいイメージにあります。多分、同期に聞いてもみんなそういうキャラって答えますよ。あと早大学院で中学から一緒で、高校の時はWRやっていて、僕はずっとDBやっていたので、WRとDBでずっとバチバチやっていた感じです。大学で急にDB来て、一緒にやることになりました。でも、1年生から結構練習試合とかに出ていて、最初から期待されていました。体とか結構でかくて、身体能力も高いので、使ってみたいって、コーチから思われるような感じです。
塚田 さっきも言っていた通り、中学の時から一緒です。中学の時の最初のイメージはちょっと怖かったです。塾も一緒でしたが、その時はあまり喋ったことなかったので、第一印象はちょっと怖い感じでした。中2の時に同じクラスになって、そこから友達思いのいいやつという印象に変わりました。高校の時は僕がWRで、木村がDBで、目の前の相手でしたが、すごく上手くて、ライバルみたいな感じでした。大学入っても、普段はチャラついている感じですが、練習になるとプレーで見せますね。去年からすごく活躍していて、すごくいい選手だなと思います。
――塚田選手は高校時代、WRだったと話に出ましたが、なぜ大学ではDBに転向されたのですか
塚田 2年生の時は試合に結構出させてもらって、活躍するような感じでした。しかし、3年生になって、体重を増やし過ぎたり、努力が空回りしたというか…。頑張っていたつもりだったのですが、それが全然結果に結びつかず、高校最後のシーズンはあまり試合に出ることなく、そのまま引退しました。その後、なんかボールが取れなくなっちゃって、ちょっとスランプ的な感じになりました。それでも大学ではポジション変えてアメフト続けたいなと思った時に、DBだったら対峙していたので、WRでも分かることもあるなと思って、DBになりました。
――お二人のポジションであるDB(ディフェンスバック)について教えてください
木村 DBは基本的に相手のパスプレーを防ぐというのは、練習でも多くやっていて、大事なのは俊敏性とか、スプリントのスピードが大事だと思います。あとは頭を使って、状況によって長いパスを投げるとか、短いパスを投げるとか、相手のオフェンスの狙いを考えながら、常にインターセプトを狙いながら、パス防ぐって感じですね。CB(コーナーバック)は基本的に1番端っこというのもあって、WRとの一対一でWRと勝負するポジションです。SF(セーフティ)に比べたら、頭使うことは少ないですが、本当に自分の体で勝負するというイメージです。
塚田 全部言ってくれました(笑)。その通りです。
――昨年、初めて甲子園の舞台に立ったと思いますが、印象に残っていることはありますか
塚田 個人的には、(甲子園ボウルに)出る前は日本一を全然イメージできませんでした。日本一を5連覇しているのがどのぐらい強さかとか、1度も戦ったことがなかったので、分かりませんでした。実際に戦ってみて、意外と戦えるなというのが僕の感想です。チームとしては負けてしまいましたが、個人としては日本一のレベルを知れたのは、すごくいい経験になりました。
木村 確かに甲子園ボウルは意外と戦えるなって思ったのはそうでしたが、やっぱり勝つのは難しいのかなというのをずっと思っています。試合にはなったので、そこはまだ良かったですが、勝ちにフォーカスした時に一対一で勝ったとしても、もっと細かいところで負けているなというのをずっと試合中は感じていて、やっぱり練習量や練習の精度の差が、プレーの1プレー1プレーで負けているのに繋がっているのをすごく感じました。個人的に悔しかったのが、1回インターセプトするチャンスがありましたが、そのボールのキャッチをWRに邪魔されて、キャッチできなかったことがありました。そこで取っていれば、結構いい位置からオフェンスできたので、負けている流れを変えられたと思うので、後悔しています。
――新チームの雰囲気などはいかがですか
塚田 目黒さんが新しいキャプテンになって、今年のチームが始まりましたが、目黒さんは誰よりも早く練習に来て、色んなポジションにずっと練習中指摘していて、誰よりもチームのことを1番に考えている人だなと思っています。目黒さんがうまくまとめているので、スタートとしては結構いい感じなのかなと思います。
木村 練習の方法が変わって、今までよりも全体の練習時間がちょっと減って、自分たちで練習する時間が増えたのですが、いい流れが今あると思っています。周りを見ていると、練習後も残って、自分の苦手なところや、やりたいことを個人で練習している人が多いです。練習前はもともとみんなで集まって練習しているのですが、そういうのはすごくいい流れだなと思います。
――昨年、DBのスタメンは卒業生で占められていましたが、お二人にとってどういった存在でしたか
木村 CBで言うと、やはり大串(健人、令5スポ卒)さんと、手塚(隆介、令5法卒)さんを意識して常に練習していたのが去年でした。ポジション争いみたいなところもあって、大串さんはもうずばぬけてうまかったので、大串さんの枠は決まっていて、僕と手塚さんは競り合って、試合にどっちが出るかみたいな感じでした。やっぱり大串さんのプレーの派手さにはちょっと憧れているところがあって、大串さんフラボウルにも選ばれていて、身体能力が高くて、ヒット強くて、タックルも低く強いみたいな感じでした。どんどん前に攻めるタイプのCBで、ちょっと僕とはタイプが違うと思いますが、そういうプレーを今年はできたらなというのは思っています。
塚田 間瀬(琢巳、令5法卒)さんと、植田(昂志郎、令5人卒)さんが、SFのスタメンだったのですが、2人ともタイプが違くて、間瀬さんはディフェンスの最後を守る。安心感がすごくあって、試合を勝利に導くインターセプトなどのビッグプレーが試合で必ず1回はあったすごい選手でした。植田さんは、高い身体能力で、ハードタックルやハードヒットですごく派手なプレーをされる方でしたね。でも、僕や今年のDBにはそういった派手さはあまりないので、そういったお二人みたいになれるように頑張りたいです。
――空いた枠を先輩、同輩、後輩で争うと思いますが、競争は激しくなっていると感じますか
木村 去年のチームの時は、割とスタメンとそのバックアップみたいな感じがはっきりしていました。そこのバックアップには、結構今年のチームにも残っている人たちがいて、去年は割と層が2つある感じでした。今年はその4年生が一気に抜けたこともあって、実力差があるところは結構あるのかなと。ポジション争いが激しい印象は、今のところはないです。試合経験がない人が多いので、(能力差ができている)イメージはあります。
塚田 今の期間はデプスも決まってないので、誰がスタメンで、バックアップは誰とかが今はない状況だと思います。全員に同じプレー練習が与えられているので、去年出ていたからと言って今年必ず出られるわけではないですし、コーチも今の時期は全員をフェアに見ていると思うので、アピールしないとまた試合に出られないので、今は特に頑張りたいです。
――DBユニットの雰囲気はいかがですか
木村 雰囲気はやっぱりDBリーダー丈也(DB鈴木丈也、社4=東京・早大学院)さんが、引っ張ってくれています。他の4年生もすごく引っ張ってくれるなという気持ちは感じています。また、同期だと春貴(DB鈴木春貴、基理3=神奈川・鎌倉学園)とかが率先して動いて、チームやユニット引っ張っていこうって感じです。そのおかげもあって、いい雰囲気なのかなとは思っています。アフター(練習後)で、下級生とかもマンツーマンの練習とかをずっとやったりしているので、そこら辺がうまく結果に出てくればいいなと思っています。
塚田 僕も大体一緒で、今年のDBは全体的に仲が良くて、 練習中外問わずみんなで喋ったりしています。でも、練習中はしっかり指摘するとこは指摘したり、練習前後で苦手な部分をお互いに練習しているので、それがいい結果に結びつけばと思っています。
DBとして心がけているもの
甲子園での関学大戦、セットする木村
――DBとしてプレーするときに心がけていることは何かありますか
木村 自分はプレーのたびに考え方、動き方をちゃんと決めていて、例えば相手がどこを見ていくかの順番とか、自分の中で適当に動かないようにしているのがあります。練習から常にそういうことを決めた動きをして、相手がどう動いたらこう動くのをある程度システム化して決めています。そこをずっと考えながら、試合中も状況に関わらず、それをなるべく崩さないようにとコーチから言われていて、それはすごく意識してやっています。
塚田 相手の体形やダウンシチュエーションによって、相手の狙いを考えてプレーしています。あとは、基本的な練習でやっている基本的な動きが本番でもできるように、ファンダメンタルにこだわってやっています。
――DBとして理想、目標としている選手像はありますか
塚田 さっきと被っちゃうかもしれないですが、間瀬さんのようなインターセプトで、攻撃権を積極的に持って帰ってくる。プラス植田さんみたいなハードタックルや、ハードヒットでチームを鼓舞できるような2人合わせた最強プレイヤーになりたいです。
木村 去年割と意識していたのは安定なのですが、安定したパフォーマンスをもっと質を高めていって、どんどん攻めたとこで安定できるような感じにしたいです。攻めたプレーができれば、去年の大串さんみたいなハードなプレーとかもできるようになると思うので、もっと高い位置で安定を高めていって、理想としては、全部をスーパープレイみたいな感じにできるように、安定をもっと高められたらなと思います。
――春季オープン戦で他に意識しているチームはありますか
木村 チームとしては、やはり関西はすごく意識しています。春の時期に関西と全く戦えないというレベルだと、秋へのチームの雰囲気も、関西は強いみたいな雰囲気から始まっちゃたりとか、日本一が全然見えてこない状況の中で練習してくのは、結構難しいことになりますし、実力的にもどんどん距離を縮めるのは難しいと思います。関西とどこまでちゃんと戦えるかというのを、勝つつもりでやっていかないといけないと思っています。
塚田 去年の春、立命館と関大にはもうボコボコにされて、手も足も出ないような状況だったので、その2校は今年の試合で勝ちたいと思います。個人的には、立命館には去年出させてもらったのですが、相手にブロックされて思うようなプレーが1プレーもできなかったので、今年は立命館には負けないようにハードなプレーをして、秋に繋げたいと思います。
――今シーズンの個人的な目標を教えてください
木村 春はまず自分の力を知らしめるというか、ビデオを見た他校が、僕のところにパスを投げたくないとか、こっちサイドにランプレーをしたくないとかって思わせられるような存在感がある選手になりたいなって思います。
塚田 同じような感じなのですが、他校に知れ渡るようなハードタックルやインターセップをして、早稲田のディフェンスの脅威のような存在になれればなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 田部井駿平 写真 小澤慶大、田部井駿平)
パスディフェンスでチームを支えるお二人の活躍に期待です!
◆木村大地(きむら・だいち)(※写真左)
東京・早大学院高出身。2002(平14)年9月6日。法学部3年。180センチ。75キロ。DB。試合で見て欲しい自分のポイントは、得意のカバーであるマンツーマンカバー。自分と相対するWRへのパスをすべて止めてみせるそうです!
◆塚田隼也(つかだ・しゅんや)(※写真右)
東京・早大学院高出身。2002(平14)年12月6日生まれ。商学部3年。180センチ。85キロ。DB。試合で見て欲しい自分のポイントは、オフに鍛えたフィジカルを生かしたハードプレー。憧れの間瀬選手、植田選手に少しでも近づくため、日々努力しているそうです!