第２回は昨年の秋季リーグ戦でパスユニットの主力として活躍したＷＲ上野陸（社４＝東京・早実）とＷＲ入江優祐（商３＝大阪・関西大倉）が登場。学年が上がり、さらなる活躍を期待されるお二人に、今シーズンの意気込みを伺った。
※この取材は４月４日に行われたものです。
ＷＲにしかないもの
東北大戦でＴＤを決めた上野
――まずはお互いの紹介をお願いします
上野 入江優祐くんです。関西大倉高校出身で…関西のアメフト名門校だよね？
入江 一応そうです（笑）。
上野 ２年生から甲子園でレシーバーとして出場できるぐらいすごい選手です。
入江 上野陸さんです。早稲田実業出身で、さっき話されたことと被っちゃいますが（笑）、２年生の時から試合に出ているめっちゃうまい先輩です。
――お二人のフットボール遍歴を教えてください
上野 僕は今も一緒にプレーしている同期の星亜玖莉（ＲＢ、法４＝東京・早実）に誘われて始めました。彼にめっちゃ楽だからアメフト部入ろうと言われて騙されました（笑）。
入江 僕は中学までは野球をやっていたので、高校でも続けるかなと思っていましたが、気づいたらアメフト部にいました（笑）。
――お二人のポジションであるＷＲについて教えてください
上野 ＷＲはアメフトのプレーにランとパスがある中で、パスでオフェンスに貢献するポジションです。ショートパスも僕らの腕の見せどころですが、やはりロングパス１つで試合の流れを一気に変えられます。自分的にはかなり責任の大きいポジションかなと思っています。
入江 １つのロングパス、１つのキャッチで、１つのプレーで一番目立つことができるポジションですね。
――なぜ数あるポジションからＷＲを選びましたか
上野 僕は結構成り行きでＷＲをやっていました。それでも続けてきたのは、１つのショートパスを決めるだけでしゃべったこともないような先輩からナイスと声かけてもらったり、そんな難しくないキャッチでも褒めてもらえるのが、他のスポーツにも他のポジションにもないＷＲだけのものかなと思います。その快感を味わうために今も続けています。
入江 僕もＷＲ始めたのは、高校の時にキャッチを褒められてうれしかったこと。それと足の速さも生かせて自分に向いていると感じたからです。
――お二人とも大学２年生の頃から試合に出場し活躍していると思いますが、試合に出るようになったキッカケなどはありましたか
上野 これっていう出来事はないですが、大学１年生の時にコロナでなにもできなくて、チームにも何も貢献できませんでした。このまま人と同じように頑張っても、一生試合には出られないと感じていました。同期には歩偉（ＷＲ目黒歩偉主将、スポ４＝東京・佼成学園）みたいな下級生ながら先輩にバンバン指摘するやつもいて刺激を感じていましたし、うまい先輩とできるだけ同じステーションに入って指摘をもらうようにしました。それを始めたのが大学１年の冬で、そこからめちゃくちゃ伸びた実感があります。
入江 僕も１年生はほとんど試合には出られなくて、悔しかったです。高校の同期には他の大学で試合に出ているやつもいたので、彼らからいい影響を受けて絶対２年生からはやってやるという気持ちは持っていました。
――昨年、初めて甲子園の舞台に立ったと思いますが、印象に残っていることはありますか
上野 まず単純に関学の選手でかいなと思いました。関東で戦っていると体験できない威圧感があったので、そこには驚きました。それと佐久間（優毅、令５政経卒）さんに「もっとできたな」と言われたことです。佐久間さんはあまり感情を出さない人でしたが、意外と自分が期待されていたと驚いたのと、来年は自分が佐久間さんぐらい活躍しなきゃいけない自覚みたいなものが芽生えました。
入江 野球をやっていたので、甲子園という舞台にはもともと 憧れはあったので球場に入った時は感動しました。しかし、いざ試合に入るとやっぱり関学の速さ、強さに圧倒されました。試合が終わってから考えると、自分に出来ることはまだあったのではという悔しさが残りました。
――その経験を踏まえてオフシーズンで取り組んだことはありますか
上野 個人的には体重を増やしましたね。５キロぐらい増やしました。ウエイトトレーニングもして、フィジカルで相手に負けていたら勝負にならないと思うので、そこは強化してきました。ユニットとしてはコーチの潤平さん（宜本潤平、ＷＲコーチ）にスタンダードの高い色々なメニューを持ってきて、色々な価値観を僕らに与えてくれていますね。すごく刺激を受けています。
入江 僕も関学とやって、差を感じたのがフィジカルだったので、ウエイトトレーニングは意識してやりました。あとはスキルの面では、潤平さんに様々なことを教わったので、この春シーズンだけでも去年より成長したことを実感しています。
想像できないチームに
東北大戦でライン際のパスをキャッチした入江
――新チームの雰囲気などはいかがですか
上野 ４年生の雰囲気が結構優しいと思うので、風通しが良く練習できているかなと思います。でも、もう少しピリついてもいい場面も欲しいですね。
入江 主将になった目黒さんが、言いたいことをなんでも言える人なので、そういう意味ではチームとしてはピリついています。それでもチームがどんな感じになるかは、シーズン始まるまで想像できないですね。
――上野選手から見た目黒主将はいかがですか
上野 歩偉は本当に人間的にできているし、なんでも言ってくれます。たまに傷つくこともありますが（笑）。それでも言ってくれたことは大体合っていますし、それをみんなに言うことができるので、それが歩偉の強みなのかなと思います。４年の中でも珍しいタイプです。
――オフェンスリーダーにもなったＱＢ國元孝凱（社４＝東京・早大学院）選手についてはいかがですか
上野 クニ（國元選手）はすごくアメフトが好きで、小さい頃からやっていたのもあって、すごく真剣にアメフトを捉えています。選手として尊敬しています。
入江 普段はすごく明るい方ですが、試合になるとスイッチが入るタイプですね。國元さんも（目黒主将と同じように）こうした方がいいと言ってくれる人なので自分としてはやりやすいですね。
――今年活躍を期待している選手はいますか
上野 ＷＲで言うと吉規（颯真、政経２＝東京・早大学院）ですね。入江に似て天才肌で…
入江 （自分は）そんなことないですよ（笑）。
上野 こんなのできるのってキャッチをしますね。今年活躍すると思います。
入江 僕は同期のＷＲの角井春樹（文構３＝東京・早大学院）とＷＲ北川大智（スポ３＝東京・佼成学園）です。角井は器用にこなすタイプで、スキルの面がすごくうまいです。北川大智も素晴らしいキャッチ力持っていますね。
上野 入江の代はみんなうまいよね。
入江 まあそうですね（笑）。みんな活躍できると思います。
一同 （笑）
――その代の中でも入江選手は天才的でしたか
上野 はい。入江はパート練習では結構不器用だったりするけど、実践になると良くできるなってプレーがたくさんあります。
入江 僕不器用なので、（練習中は）体が動かなくても試合だとできることは確かにありますね。
――春季オープン戦で意識しているチームはありますか
上野 やっぱり実力が試されるのは関西との試合だと思うので、立命と関大は自分たちの実力を全部ぶつけたいです。
入江 僕も関西の２校は意識しています。関西に勝たないと日本一はないので、この２校との対戦で自分たちがどれだけ通用するのかと、何が足りないかが分かると思うので、大事な試合になると思います。
――今シーズンの個人的な目標を教えてください
上野 他校では去年から僕と同じ代で活躍している人もいるので、秋のリーグ戦でキャッチ数かヤード数で１番を取りたいです。
入江 僕も関東・関西問わず、活躍している同級生はいるので、まずそういった人より目立ちます。あと、去年の佐久間さんみたいな…佐久間さんを超えるレシーバーになります！
ーーありがとうございました！
（取材・編集 田部井駿平 写真 安齋健）
今年のパスユニットの中心になる２人に注目です！
◆上野陸（うえの・りく）（※写真左）
東京・早実高校出身。２００１（平13）年10月３日生まれ。社会科学部４年。182センチ。85キロ。ＷＲ。元Ｕ18日本代表ＷＲ。試合で見て欲しい自分のポイントは、３ｒｄダウンなどでの勝負どころのキャッチだそうです！
◆入江優祐（いりえ・ゆうすけ）（※写真右）
大阪・関西大倉高出身。２００２（平14）年12月23日生まれ。商学部3年。178センチ。75キロ。ＷＲ。試合で見て欲しい自分のポイントは、持ち味であるスピード。相手をほんろうしてビッグプレーを生み出します！