明大との接戦を勝ち切る 関東制覇まであと一つ!

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 24
明大 GRIFFINS 17

 関東大学秋季リーグ戦も残すところあと2戦となり、大詰めを迎えている。舞台を横浜スタジアムに移した早大BIG BEARSは、明大GRIFFINSと対戦した。早大は試合開始とともにWR佐久間優毅(政経4=東京・早実)がキックオフリターン(KR)タッチダウン(TD)を決め先制に成功。第2クオーター(Q)に明大のTDパスで追いつかれるが、第3Qには2つのTDランで明大を突き放す。しかし、明大のTDランでワンポゼッション差とされると、さらにレッドゾーンまで攻め込まれる。それでもDB安藤慶太郎(社1=東京・早大学院)のインターセプトで踏みとどまり、そのまま試合終了。24ー17で明大に勝利した。

入場前に整列する選手

 試合は強烈な早大キックオフレシーブで幕を開けた。WR佐久間が「フロントリターナーがすごくうまくブロックしてくれた」と言うように、ギャップができた明大キックチームの間を抜けてそのままTD。先制に成功する。勢いに乗る早大はディフェンスでも、DB間瀬琢巳(法4=東京・早大学院)がインターセプトで相手の攻撃を断ち切る。早大に流れが傾き始めたが、明大も黙ってはいなかった。明大もインターセプトで早大から攻撃権を奪うと、ランとパスを織り交ぜ早大陣内に攻め込む。フィールドゴール(FG)で点差を縮める。第2Qになると、早大はRB萩原奎樹(政経4=東京・早大学院) のランと、QB國元孝凱(社3=東京・早大学院)からWR佐久間へのパスで敵陣20ydまで侵入。TDとはならなかったものの、K/P曽木聡(スポ3=東京・国学院久我山)がしっかりとFGを決め、再び点差を広げる。しかし、2Q終了間際にTDパスを明大に決められ、10ー10の同点とされて試合を折り返す。

サイドラインで選手を迎えるOL亀井主将

 早大のキックで試合が再開。早大ディフェンスが完璧に相手を封じると、早大が猛攻を仕掛ける。RB花宮圭一郎(文構3=東京・足立学園)のランや、QB國元からWR増村啓太郎(政経4=神奈川・鎌倉学園)、WR上野陸(社3=東京・早実)へのパスでボールを運ぶと、RB花宮がカットでディフェンスをかわしTDランで得点する。さらに早大はQB國元からWR入江優祐(商2=大阪・関西大倉)へのロングパスで敵陣に侵入すると、QB石原勇志(スポ4=東京・足立学園)の30ydTDランで追加点を挙げる。ここから第4Qになるまで得点は入らず、試合は決したかと思われたが、再びスコアが動く。早大は立て続けにパスを決められて攻め込まれると、TDランでワンポゼッション差とされる。さらに早大はまたしてもパスを中心にゴール前まで攻め込まれるが、DB安藤が値千金のインターセプトを決め、試合に幕を下ろした。24ー17で勝利し、リーグ戦負けなしの6連勝となった。

RB花宮のTDラン

 タレントぞろいのチームである明大に見事勝利した早大BIG BEARS。前節からスターティングメンバーが一部変更となっても勝利し、チームの層の厚さを示した。しかし、失点した場面を見てみると、自分たちの反則がきっかけになっているなど改善の余地は少なくない。次戦の法大戦は、全勝同士の絶対に負けられない戦いになる。昨年のリベンジを果たし、横浜スタジアムに勝利の凱歌を響かせろ。

(記事 田部井駿平、写真 安齋健)

担当記者のPICK UP PLAYER

KRTDを決めたWR佐久間

 試合開始早々、佐久間が魅せた。相手キックオフのボールを自陣深くでキャッチすると、瞬く間に加速する。相手のタックルをするりとかわし、持ち味のスピードで相手を置き去りすると、あっという間にエンドゾーンまで駆け抜けた。佐久間の圧倒的な走力はもちろんだが、フロントリターナーのブロックも見事であった。また、今年の佐久間は難しいパスも簡単にキャッチする球際の強さも魅力的だ。春の立命大との定期戦では7捕球181yd3TDの活躍を見せ、全国のアメフト界隈が注目する存在へと成長を遂げた。秋季リーグ戦においても、相手の警戒が強まる中で安定した活躍を見せている。関東制覇、そして日本一へ。佐久間率いるWR陣の活躍が、勝利を大きく手繰り寄せるだろう。

コメント

髙岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)

――法大戦を10日後に控えた中での試合でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

今回は『PRIDE』というスローガンということで、早稲田のフットボールをしっかりやって、これまでやってきたことが個の強い明大相手に通用するかということを意識して選手たちと一生懸命取り組んで来ました。

――今日はまさにチームスローガンの『一丸』ということが求められる試合だったと思います。含めて振り返っていかがですか

今日の試合では我々の足りないところがさらに明らかになりました。法大には星野くんを始めとするいい選手が本当にたくさんいるので、彼らをどう止めるのか、強固なDLに対してはどのように崩してランプレーを出していくか、そういったところの課題が浮き彫りとなりました。

――試合終盤、ディフェンスの厳しい時間が続いていた中で、LB斧田やDL中村のプレッシャーで乗りきったり、最後もDB安藤のインターセプトが決まったりして勝利ということで、最後のディフェンスを振り返っていかがですか

これまたタイブレークになるのかなと思いましたが、粘り強く、シチュエーションに応じた選手たちの頭の切り替えがちゃんとできていたのかなと思います。

――法大戦までの10日間で学生に求めることは

次の試合で勝つか負けるかは、天国か地獄かなので。このチームがスタートしてからやってきたことをきちんと出せるか、悔いのない10日間を過ごせるか、命を懸けると言ったら大袈裟かもしれませんが、人生を懸けてこの10日間を過ごそうという話をしました。

――法大戦への意気込みをお願いします!

結果は後でついてくると思います。選手もスタッフをやれることをすべてやった上で、この横浜スタジアムで戦いたいと思います。

OL亀井理陽主将(法4=東京・早実)

――今日の試合はチームとしてのどのような意気込みで臨まれましたか

昨年は我々が明大に劇的な勝ち方をして、今年は明大がリベンジに燃えているということは容易に想像できました。そこを跳ね返し、自分たちが一年間やってきたことを出し尽くして明大に勝つということを心がけてやって来ました。

――自力勝負で勝ち切ることができました。試合全体を振り返っていかがですか

今日の試合ではいろんなメンツが出たのですが、その中でも自分たちがやるべきことを全うした結果、なんとか気持ちの差で勝ち切れたのかなと思います。

――主将として、法大戦までどのように過ごしていきますか

一年間このチームでやってきましたが、本当にここが一番の山場というか、僕たちの運命が決まる期間なので。死力を尽くして一切妥協することなく、心からやりきったと思えるように一秒たりとも無駄にせずにやっていきます。

――法大戦への意気込みをお願いします

昨年法大に負けてから今年のチームが始まっているので、必ずやり返して紺碧の空を歌いたいと思います。

OL笹隈弘起副将(スポ4=東京・早大学院)

――今日の試合にはどのような意気込みで臨まれましたか

明大は通過点であり、明大に勝てないようなら法大にも勝てないと我々幹部は言ってきたので、自力で勝つということにフォーカスしていました。

――オフェンス全体の振り返りをお願いします

関西はスタメンのメンバーを落としたとしても強くて同じようなクオリティが出せるので、自分たちもどんなメンバーが出たとしても早稲田のフットボールができるようにと言ってきました。それが今日はできたのかなと思います。

――ここ最近の調子も含め、今日の試合におけるご自身の出来栄えは

今季はランプレーが出ていて、昨年法大に負けた時から積み重ねてきたものが徐々に実を結んできたのかなと思います。法大に対してどれだけ対策をしたとしても最後は自力勝負になると思うので、ぜひランプレーに注目してください。

――法大戦までの10日間はどのような10日間にしていきたいですか

試合後のハドルで監督や亀井が言った通り、この10日間で僕たちが一年間やってきたことが正しかったのか、そうではなかったのかが証明されると思います。特に4年生はこの10日間に大学生活の集大成をぶつけて、全てにコミットしていきたいです。

――改めて法大戦への意気込みをお願いします

ちょうど一年前に法大に負けて涙を飲んで、そこから法大を倒すために今までやってきました。負けてサイドラインで法大の校歌を聞くということはもう二度としたくはないので、絶対に勝って都の西北と紺碧の空を歌って甲子園に行きたいと思います。

WR佐久間優毅(政経4=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

パスが4Q通して決めきりたい場所で決めきれなかったかなと思います。そこの精度は法大戦までに上げていかないとなと思いました。それとRPO(ランパスオプション)の精度もまだ低いなと感じるのでそこも上げていきたいです。

――いつもよりもランが出ないなかで、パスユニット全体で出番が多いように感じましたがどうでしたか

前半はそこまででもないかなと思いますが、後半はパスが増えていったなかで、普段試合に出ないメンバーが多く出たので、決まったところは決まりましたが、100%ではありませんでした。チームの層を厚くするためには、もっと全員でうまくならないとなと思いました。

――試合開始とともにキックオフリターンタッチダウンを決めましたが、そのときはどんな感触でしたか

明大戦に向けて準備していたことが出せた結果かなと思います。あと、フロントリターナーの3人がすごくうまくブロックしてくれたので、TDできたかなと思います。

――次戦の法大戦への意気込みをお願いします

オフェンスはラン・パスどちらもしっかりと出せるようにプレーを準備して、かつ精度も高くしていきたいと思います。個人としては自分が活躍したいという思いは強いので、できれば3TDして、法大を圧倒して勝ちたいと思います。