攻守共に躍動し、桜美林大に快勝!

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 21 24 10 62
桜美林大 THREE NAILS CROWNS 15

 雷の影響により試合開始が大幅に遅れることとなった秋季リーグ戦第3節。早大BIG BEARSはここ数年の対戦で苦戦を強いられている桜美林大THREE NAILS CROWNSと対戦した。試合は序盤、QB石原勇志(スポ4=東京・足立学園)のTDランで先制すると、その後もQB國元孝凱(社3=東京・早大学院)が3つのTDパスを決めるなど、相手を大きく突き放して前半を折り返す。後半も2本目以降の選手が躍動し、62―15で圧勝。開幕3連勝を飾った!

試合後に整列する選手たち

 桜美林大のレシーブで試合開始。開始早々、桜美林大がフリーフリッカーを仕掛けたが、DL若原碧飛(社4=東京・早実)の激しいプレッシャーを受けながら相手QBが放ったパスをDB間瀬琢巳(法4=東京・早大学院)がインターセプト。敵陣でターンオーバーすると、RB安村充生(文構3=東京・早実)のランで着実に敵陣深くに侵入し、最後はQB石原がエンドゾーンまで運んで先制に成功。その直後のディフェンスでも、DL坂本崇(スポ4=東京・城北)がファンブルをリカバーしそのままTD。早くも相手を突き放す展開に。その後の相手の攻撃で、パントシチュエーションからのスペシャルプレーでTDを献上したものの、その後はQB國元のTDパスや、LB大蔵泰斗(スポ4=東京・西)のインターセプトリターンタッチダウン、K/P曽木聡(スポ3=東京・國學院久我山)のFGなどで着実に得点を積み重ね、45―7で前半を終える。

ファンブルリカバーしそのままエンドゾーンまで運んだDL坂本

 後半は早大レシーブで試合再開。最初の攻撃シリーズでFGを決めると、直後の守備ではLB堀田峻平(文構3=東京・早実)のロスタックルが光るなど要所を守り切って得点を許さない。その後は前半から活躍を見せていたRB安村のTDランで追加点を加える。第4Q中盤、要所でディフェンス陣のタックルが光る中で、DB小坂祐生(社3=東京・早実)がインターセプトを決めてターンオーバーすると、変わって入ったQB佐藤誉(商4=東京・早大学院)がWR入江優佑(商2=大阪・関西大倉)への見事なTDパスを決めて62―7と相手を突き放す。ゴール前の後半ラスト2ミニッツを守り切ることができずに失点を許したものの、相手のオンサイドキックをしっかり押さえて試合終了。接戦も予想されたが、終わってみれば62―15で快勝を収めた。

激しいタックルを決めるLB堀田

 ゲームスローガンを『クオリティ』と設定して臨んだ第3戦。前半は全ての攻撃シリーズで得点するなど、質の高いプレーで終始圧倒した。2本目以降の選手が多く出場した後半も、気持ちを切らすことなくチーム一丸となって戦い抜いた。次戦は3週間後の中大戦。初戦こそ東大に敗れた中大だが、タレント豊富なチームであることに違いはない。1次リーグ最終戦であり、関東制覇に向けて絶対に落とせないこの試合も、早大BIG BEARSの選手、スタッフ、コーチ陣が一丸となって戦い抜き、プレーオフのその先へと弾みをつけたい。

(記事 安齋健、写真 田部井駿平)

担当記者のPICK UP PLAYER

OL陣を牽引する村山浩暉(71番、法4=埼玉・西武文理)

 余談だが、アメフト未経験である自分が、もしプレイヤーだったらどのポジションがいいかをたまに考える。当初は華麗なパスキャッチで会場を沸かせるWR(ワイドレシーバー)が一番輝いて見えたが、現在は圧倒的にOL(オフェンスライン)に憧れがある。OLはいくら勝利に貢献したとしても、他のポジションのように明確な数値で測れる記録はなく、記事内でも特筆して取り上げることは残念ながらほぼない。それでも、チームが負けた時は「ライン戦で負けた」と非難を浴びることが多い。それでもチームの勝利のために愚直に体を張り続ける。そんな姿に心を打たれ、試合前の練習ではついついOL陣のそばにいがちになる。
 早大BIG BEARSのOL主任は野球部出身の村山。昨年から試合に出始め、同期かつ同じポジションで仲の良い亀井主将からの期待も常に大きい。今回の試合はこれまでよりもパスが出たが、要所で村山を中心としたOL陣のブロックが光った。どのポジションよりも練習がキツかったという夏合宿の成果が存分に発揮された試合だった。OLには亀井主将と笹隈副将という幹部の2人がいるが、悲願達成には村山のリーダーシップも当然欠かせない。今後も村山の奮闘と活躍に期待したい。

コメント

髙岡勝監督 (平4人卒=静岡聖光学院)

――試合前のハドルで『ストロンゲストクオリティ』というワードが出ていましたが、その内容について教えてください

これまでの2試合で、結果としてミスするのはしょうがないのですが、その前での色々なミスがあったので、そういったことを無くそうということで亀井主将が『クオリティ』というゲームスローガンを決めました。クオリティを求めるために弱くなってはいけないので、一番強くてハイグレードなクオリティということで、そのように言いました。

――大幅な試合開始遅れの影響で立ち上がりが心配されましたが、オフェンスは全シリーズで得点し、ディフェンスも要所で相手のミスを誘うなど相手を圧倒していました。前半を振り返っていかがですか

ファンブルリカバーやインターセプトリターンタッチダウンなど、本当にいい形で試合を運ぶことができて、1回パントスペシャルはやられましたが、点を取った後も気を緩めずに試合に入っていけたことは良かったと思います。

――後半はメンツを落として色々な選手を出場させていたと思いますが、監督として求めることなど、振り返っていかがですか

かなりいろんな選手を起用して、まだまだ技術やフィジカルで劣っているところはありますが、最後まで集中力を切らさずにベンチも一丸となって戦えたということは後半も良かったと思います。

――次戦の中大戦への意気込みをお願いします

3週間空くということで、リズム感を作るのは難しいのですが、ここでもう一回立ち返って、クオリティという意味でも自分たちがやるべきことを100%できるようにしっかり見直しをして、中大戦に臨みたいと思います。

OL亀井理陽主将(法4=東京・早実)

――今日のゲームスローガンは『クオリティ』でしたが、その意図について教えてください

前節でファンブルやスペシャルでのミスがあって、試合に負けはしませんでしたが、今後はそのようなミスをしていると命取りになるということを感じていましたので、今回の試合では、クオリティにこだわってやるということでこのゲームスローガンにしました。

――雷の影響で試合時間が大幅に遅延しましたが、序盤から圧倒して、終わってみれば前半は全シリーズで得点を挙げていました。前半を振り返っていかがですか

僕自身も試合の入りは怖いなと思っていて。全員がどのような入りをしてくれるかなと思っていたのですが、いい意味で裏切ってくれました。全員が集中して最後までやってくれたおかげで全シリーズで得点できましたし、ディフェンスでもいいプレーが出たのかなと思います。

――後半は2本目以降の選手が主に出場されていました。いいプレーがたくさんあった中で、クオリティの継続という点ではさらに求める部分もあるのではないかと思います。後半を振り返っていかがですか。

全員が全員、出ている人が1本目ということは日頃から言っているので、誰が出ていても同じプレーができないというのは、まだまだクオリティに甘さがあるのかなと思います。ただ、試合経験を積めたということは非常に大きなことですし、来年以降のチームにつながっていくので、全員が思いっきりやってくれたのは良かったかなと思います。

――次戦の中大戦への意気込みをお願いします

関東で優勝するためには1試合も落とせないですし、中大も東大には負けていますが、推薦の選手も多くてタレントも揃っていると思うので、そういった相手に対して自分達がどのような試合ができるかだと思います。中大とは過去2年間対戦していないので、どのようなチームか分かりませんが、しっかりと3週間準備をしてしっかり勝ちたいと思います。

DL山田琳太郎(商4=神奈川・川和)

――今日の試合のユニットのスローガンを教えてください

DLとしては2サックを掲げていたのですが、サックが良くなかったのでまだまだダメかなと思います。

――試合の中でたくさんターンオーバーありましたが、ディフェンス全体を振り返っていかがですか

ターンオーバーはたくさんあったのですが、相手のミスによるものが多かったですし、自分たちでその部分をもっと狙いにいけたら良かったなと個人的には思っています。

――試合の中でパスカットやサックなど活躍されていたと思いますが、ご自身の出来栄えをどのように評価していますか

タックルは良かったのですが、最後の2ミニッツの時にサックを絶対取りたかったのに取れなかったので、まだまだ反省点はあるかなと思います。

――後半は2本目以降の選手を見ている時間が多かったと思いますが、感じたことなどあれば教えてください

急に後半から出場するとなってもしっかり動けて活躍できていたので、そこは良かったかなと思います。

――次戦の中大戦への意気込みをお願いします

絶対に勝つのと、個人の記録をもっと伸ばしていけたらなと思います。

QB國元孝凱(社3=東京・早大学院)

――今日の試合のオフェンスやユニットとしての目標を教えてください

ここ2試合オフェンスはランで勝っていたので、チームとしてパスで勝つというのをオフェンスは掲げていた中で、ランはもちろんパスもしっかり出せて勝てたのは良かったです。自分はパスで少なくとも3TD取ろうと思ってこの試合に臨んで、前半のうちに3つ取って交代になったのですが、しっかり取れたのは良かったかなと思います。

――パスの精度が非常に高かったと思いますが、ご自身で今日の出来栄えを振り返っていかがですか。

決めないといけない球もミスしたりしたので、そこはまだまだだなというのもありますが、チームとしてパスを通そうという中で、最初は雨の影響もありながらもパスユニットとしてしっかり頑張ったかなと思います。

――WR佐久間へのロングパスもここしかないというところに決まりましたが、あのTDの場面を振り返っていかがですか

春はロングパスが決まっていたのですが、秋はこれまでロングパスがなかなか決まってなかったので。プレーコールの時点で佐久間さんにいこうというディフェンスのつき方だったので、自分は思い切り投げて佐久間さんに取ってもらうだけだなと思って投げました。

――次戦の中大戦への意気込みをお願いします

中大の初戦は東大が勝ちましたが、メンツとしては自分が高校時代から知っているメンツというか、有名な選手もいるなかで、大学では自分がコテンパンにしてやろうと思っています。(試合まで)3週間空きますが、中大に照準を合わせながらも、法政などまだまだたくさん相手はいるので、自分のスキルアップを目標にしっかり準備していこうと思います。