TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 6 | 3 | 7 | 7 | 23 |
東大 WARRIORS | 0 | 0 | 0 | 8 | 8 |
さわやかな秋風がそよぎ、夕陽に映えるアミノバイタルフィールド。秋季リーグ戦第2節、早大BIG BEARSは東大WARRIORSと対戦した。両校ともに開幕戦の勝利から1週間という短い期間の中、オフェンス・ディフェンスともに終始攻める姿勢を貫けるかが問われた一戦。試合は序盤、QB石原勇志のタッチダウン(TD)ランで先制するも、その後は東大オフェンスのオプションプレーに手を焼き、立て続けにダウンを更新される。それでも要所で守り切り、FGで得点を追加して9―0で前半を折り返す。後半はRB萩原奎樹(政経4=東京・早大学院)のTDで追加点を挙げるも、攻撃のミスからTDと2ポイントコンバージョンを献上してワンポゼッション差に。それでも試合終盤にRB安村充生(文構3=東京・早実)のTDランで突き放して勝負あり。23―8で開幕2連勝を飾った!
選手を支える大勢のスタッフ・コーチ陣
早大レシーブで試合開始。ファーストシリーズをスリーアンドアウトに抑え込まれると、東大オフェンスのランプレーの対応に苦戦する。それでも相手がファンブルしたボールを確実に抑え、ハーフウェイライン付近で攻撃権を得ると、RB花宮圭一郎(文構3=東京・足立学園)のランで立て続けに攻撃権を更新して敵陣深くに進入。最後は前節大活躍のQB石原が自ら切り込んでTD。トライフォーポイントは外すも、幸先良く6点を先制した。第2Q、東大は同様の攻撃を仕掛ける中で、この春から存在感を発揮している2年生DB粕田俊(商3=東京・早大学院)のロスタックルなどが光り、要所で守り切って得点を許さない。前半最後の攻撃、上野陸(社3=東京・早実)へのパスやQB國元孝凱(社3=東京・早大学院)のスクランブル、RB萩原のランなどでフレッシュを獲得しながらテンポ良くゲインする。終了間際にK/P曽木聡(スポ3=東京・國學院久我山)がFGを沈め、9―0でリードして前半を折り返す。
大幅ゲインするRB萩原
東大レシーブで後半開始。東大がファンブルしたボールをDL坂本崇(スポ4=東京・城北)が抑え、敵陣25yd地点で攻撃権を得る。RB花宮のランでエンドゾーンまで残り10ydというところまで攻め込むも、強烈なQBサックを食らい、大幅ロス。FGも決めきれず、このシリーズは0点に終わる。その後のオフェンスもRB花宮のランで着実に攻め込むも、あと一歩のところで得点に結びつかない。そんな中、DB大串健人(スポ4=東京・佼成学園)の激しいタックルでファンブルを誘うと、LB堀田峻平(文構3=東京・早実)がボールを抑え、敵陣中央からの攻撃権を得る。RB萩原にボールが渡ると、レシーバー陣のランブロックも光り、生まれた空間を見事に抜け出してTD。16―0と突き放す。第4Q中盤、早大の攻撃でファンブルをリカバーされ、自陣深くのディフェンスとなる。ここを守り切ることができず、TDを献上し2ポイントコンバージョンも許す。16―8とワンポゼッション差になるも、試合終盤にRB安村のTDランで再び突き放し、23―8で勝利。開幕2連勝を飾った!
鋭いタックルが光ったLB若原
開幕戦で中大に劇的逆転勝利を収めた東大相手に、なんとか粘り勝った早大BIG BEARS。死力を尽くす中で、パントカバー(PC)のトリックプレーでのミスや攻め切りたい場面でのファンブルロストなど、課題も散見された。「練習の中で甘えがあった」とOL亀井主将も厳しく振り返る。それでも「勝利」が絶対条件の中で勝ちきれたことは何よりも大きい収穫だ。次戦は桜美林大戦。一昨年にTOP8へ昇格し、確かな実力を有しているチームに対して、早大BIG BEARSがオフェンス・ディフェンスともに圧倒する姿に期待したい。
(記事・写真 安齋健)
担当記者のPICK UP PLAYER
試合を通して存在感を発揮したDL坂本(20番)
開幕戦で中大に劇的逆転勝利を収めた東大。フレックスボーン隊形からのトリプルオプションでランアタックを徹底し、中大ディフェンスを苦しめた試合だった。今節でも同様の攻撃を早大に仕掛け、早大はそのオプションに対するアサインメントの対応に苦労した。それでも終わってみれば、わずか8失点。相手のミスもあったが、要所で早大ディフェンス陣の奮闘が光った。特に今節は早大の絶対的なDLである山田琳太郎(商4=神奈川・川和)を欠いていた中で、坂本崇(スポ4=東京・城北)が存在感を発揮した。恵まれた体格を生かしたビッグプレーが魅力のDL坂本。普段は寡黙で温厚だという同期からの話もあるが、試合では誰よりも熱くディフェンス陣を鼓舞する(写真参照)。まだまだ長い日本一への挑戦。DL坂本の勝利を引き寄せるビッグプレーに期待大です!
コメント
髙岡勝監督 (平4人卒=静岡聖光学院)
――前節から1週間ということで細かなミスも散見されましたが、今日の試合振り返っていかがですか
お互いに自分たちの持っている力を出し尽くしたという感じでしたね。その中で、やはり東大さんは手強いなと。ミスはありましたが、お互いに出し切った中でファンブルを誘ったということですね。
――ディフェンスは東大のオプションプレーに苦戦しながらも、なんとかこの点数に抑えたという感じでしょうか
なかなか他のチームがやらないようなオフェンスだったので、それに対してどのように試合中にアジャストするかがディフェンスとしては一つの大事なポイントでした。徐々にアジャストしていって、なんとか1TDに抑えたという感じです。
――森監督率いる東大のチームとしての印象を改めてお願いします
私と同じくらいのタイミングで東大の監督に就任したと思うのですが、徐々にやりたいことが明確になってきていて、想像通りいいチームに仕上がってきているなという印象です。私なんかがおこがましいですが(笑)
――最後のハドルでチームに伝えたこと、簡単に教えていただけたらと思います
我々は愚直に精度を上げていくしかない中で、今日出たミスというのは、もっと違う角度から準備していれば起こらなかったミスだったのではないかと思うので。それは個人でもそうですし、ポジションやユニットなど一緒に取り組んでいる仲間に対してもしっかり気をつかってやるべきことなので、今一度、自分たちがやっていることだけが正しいのかどうか、ということを繰り返し伝えました。
――次戦はここ2年間勝利を収めているものの、苦しい試合展開を強いられている桜美林大との一戦です。意気込みをお願いします
桜美林大さんは監督も変わって春は苦戦していましたが、想像通りいい選手を集めてチーム作りをされてきました。ちゃんと仕上げてきたなという印象ですし、完成度というところでお互いに勝負しますので、あと2週間しっかり準備して戦っていきたいと思います。
OL亀井理陽主将(法4=東京・早実)
――前節から1週間という短い期間でしたが、チーム全体としてどのような意気込みで東大戦に臨まれましたか
東大戦も(前節と同様に)チームスローガンとして「アタック」というものを掲げました。東大は特殊なオフェンスをしていて中大にも勝って来たという中で、一歩でも引いたら絶対に負けてしまうということで、攻める気持ちを常に持ち続けるように意識していました。
――前半のオフェンスは、あと一歩のところで攻めきれなかった印象でした。振り返っていかがですか
前半は9ー0という結果に終わってしまいましたが、オフェンスとして勝負はできていましたし、勝っている部分も多かったと思います。しかし、大事な場面で決めきれないことが多くて、やらなければいけないことができていなかったなという印象です。
――後半も終盤まで気が抜けない展開が続きました。振り返っていかがですか
気が抜けない展開が続いたのは、こっちの自滅だと思っていて。ファンブル3回のうち1つを相手にリカバーされてしまったり、PCのスペシャルもミスして取られてしまったりと、防げるミスで自分達に流れを持ってくることができなかったことが全てだと思います。先ほどのハドルでも言いましたが、練習でできないことは試合でもできないですし、その点練習の中で甘えがあったのかなと思うので、しっかり潰していかなければいけないと思います。
――2週間後の桜美林戦への意気込みをお願いします
桜美林大は僕らが2年生の時にTOP8に昇格してきて、過去2年間(早大は桜美林大に対し)かなり渋い試合をしています。今年こそは必ず圧倒して、その次の中央、そしてプレーオフにつなげていきたいと思います。