秋季リーグ戦が東京ドームで開幕 横浜国大に快勝!

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 21 14 20 69
横浜国大 MASTIFFS

 甲子園ボウルへとつながる関東大学秋季リーグ戦の開幕戦、早大BIG BEARSは横浜国大と対戦した。1部リーグのリーグ戦としては1992年以来30年ぶりとなった東京ドームでの試合。結果が求められる公式戦を、一戦必勝の気持ちで臨んだ。序盤はランとパスを織り交ぜたオフェンスを組み立てると、先制のTDを決める。その後は徐々にランの割合を増やしながら得点を積み重ねていき、終盤まで手を緩めることなく横浜国大に完勝した。

RB田村を先頭に入場

 早大は前半から得点ラッシュとなった。両軍最初の攻撃で10ヤードを更新できず早大に攻撃権が戻ってくると、RB萩原奎樹(政経4=東京・早大学院)のランを中心にゴール前まで進むとRB萩原のTDランで先制する。さらに相手の攻撃を止めて再び早大のオフェンスになると、RB花宮圭一郎(文構3=東京・足立学園)が相手ディフェンスを振り切りサイドラインを駆け抜けTDを決める。第2QになるとRB田村光 (スポ4=東京・城北)のランとQB國元孝凱(社3=東京・早大学院)からWR中尾公亮(社3=東京・早実)へのパスで敵陣までボールを進めるとRB萩原がTDで追加点を挙げる。横浜国大のオフェンスになるとロングパスを通されレッドゾーンへの侵入を許すが、ディフェンス陣が懸命に守りFGでの3点にとどめた。早大の攻撃になるとRB花宮が43ヤードのロングランTDで再び得点を重ねる。さらに早大はQB國元からWR中尾へのパスで敵陣深くまで侵入するとWR上野陸(社3=東京・早実)がTDパスをキャッチして得点を挙げ、前半を35-3で折り返す。

喜びを爆発させるDL山田

 後半も早大は止まらない。横浜国大の攻撃をしっかりと抑えると相手のパントミスをDL山田琳太郎(商4=神奈川・川和)がリカバーし、ゴール前からRB星亜玖莉(法3=東京・早実)がTDを決める。さらに早大の攻撃になるとQB八木義仁(政経2=東京・早大学院)からWR北川大智(スポ2=東京・佼成学園)へのパスで進み、QB石原勇志(スポ4=東京・足立学園)が自ら走りTDで得点する。続く早大のディフェンスではDL金子智哉副将(教4=大阪・豊中)によるロスタックルなどで止め、オフェンスに変わるも相手ディフェンスに押し込まれセーフティを取られ失点してしまう。さらに早大のディフェンスになるが、DL齋藤菜穂都(政経2=東京・早大学院)やLB高橋行斗(政経2=東京・早大学院)のロスタックルで相手を封じ込める。早大の攻撃になるとまたしてもQB石原がロングランでTDを決める。早大の猛攻は終盤になっても止まらず、QB八木からのTE重村真丞(社3=東京・早大学院)へのパスとRB後藤祥太(スポ3=愛知・南山)のランで進め、最後はWR入江優祐(商2=大阪・関西大倉)へのTDパスで得点、さらに次のオフェンスではRB味岡海斗(法2=東京・早実)がTDで追加点を挙げ横浜国大相手に完勝した。

試合終盤にTDを決めたRB味岡

大事な開幕戦を見事な勝利で飾ることができた早大BIG BEARS。高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)は「メンバーが変わっても(全員が)フィールドに集中できていた」とスタメン以外の選手たちの集中力にも称賛を送った。一方OL亀井理陽主将(法4=東京・早実)は時折出た細かいミスについて「チームとしての課題が生まれた試合だった」と現状に満足せず、さらなる成長を誓った。甲子園ボウル、そして悲願である日本一へ向けて力強い一歩目を踏み出すことができたBIG BEARS。初戦に勝利し波に乗っている東大との次戦も勝利を期待したい。

担当記者のPICK UP PLAYER

この日2TDのQB石原

 昨季BIG BEARS主将、永山開一の母校である名門・足立学園出身のQB石原勇志(スポ4=東京・足立学園)。圧倒的なスピードと相手ディフェンスを置き去りにするカットが魅力のモバイルQB。昨季から要所のランプレーで出場していたQB石原は、この試合でも3回のランプレーで65yd独走TDを含む2TDの活躍。同じく足立学園出身RB花宮との快足コンビは、相手チームにとって脅威になること間違いなし!

(記事 田部井駿平、写真 安齋健)

コメント

髙岡勝監督 (平4人卒=静岡聖光学院)

――開幕戦が東京ドームということで、試合前の選手たちの雰囲気はいかがでしたか

このような素晴らしい舞台での試合ということで、最初はみんな緊張感でいっぱいでした(笑)

――開幕戦ということで、チームとしてどのようなゲームプランを立てて臨まれましたか

横浜国大さんはジャイアントキリングしてきたチームで、どういったフットボールをしてくるのかがわからなかったので、とにかく自分たちのやるべきことをしっかりやろうという話をしました

――結果としては大勝でした。やるべきことがやれたのかも含めて、監督はこの試合をどのように総括していますか

緊張している中でも最後までフットボールをしっかりやれたということと、メンバーが変わっても(全員が)フィールドに集中できていたということがこの結果につながったと思います。

――後半は1年生を含む下級生の活躍も目立ちました。春シーズンの取り組みの成果が感じられたと思いますが振り返っていかがですか

春シーズンもそうですし合宿でもすごく頑張っていたので、全員が出てもレベルが大きく落ちない試合運びができました。

――来週の東大戦への意気込みをお願いします

1週間という短い準備期間のなかで、東大さんとは春に練習試合をさせていただきましたけれども、本当に魂のこもったフットボールをされるので、それに対して我々も気持ちで負けないようなフットボールを全員でしっかりやっていきたいと思います。

OL亀井理陽主将(法4=東京・早実)

――試合前のチームの緊張感や雰囲気はいかがでしたか

少なからず東京ドームの影響はありましたし、4年生は最後のシーズンということで負けたら終わりという状況なので、特に4年生は固くなってたかなと思います

――今日のゲームスローガンは

ゲームスローガンは『アタック』です。横浜国大が何をしてくるか分からないのと、東京ドームといういつもと違う環境の中で自分たちが浮き足立ってしまわないように、自分たちがやってきたことを出して攻め切る中で流れを生んでいこうということで『アタック』にしました。

――試合全体を振り返って

最初の1シリーズ目でスリーアンドアウト(攻撃権を一度も更新できずに相手に攻撃権が移ること)に終わったことやセーフティ(オフェンスが自陣のエンドゾーン内でタックルされること。相手に2点が入る)を献上したことは、オフェンスとしては良くなかったですし、ディフェンスも得点を許したり、キックも最後にFG(フィールドゴール)をとりきれなかったりと、チームとしての課題が生まれた試合だったなと思います。この献上に満足せずに、次戦の東大も流れに乗っているということで、気を引き締めて臨みたいと思います。

――オフェンス全体の振り返りをお願いします。下級生も活躍していました

今年のスローガンは『一丸』と掲げている中での下級生の台頭はプラスでしかないですし、上級生も締まってくるので。今日の試合に限らず、さらに厳しくなってくる試合の中でも常に前に出続けてほしいなと思います。

――個人の出来栄えはいかがですか

自分も緊張はしていましたが、(勝負飯の)トンカツをしっかり食べてきました(笑)。最終的にやりたいことはやりきれましたが、自分の中で課題が見つかった試合だったので、次の東大戦に向けてしっかり準備をしていきたいなと思います。

――来週の東大戦への意気込みをお願いします

東大は本当にクレバーというか、巧みなフットボールをしてくると思うので。そういったチームに対しても自分たちは変わらずに攻め続けて、今日よりも良くなった状態で必ず圧倒したいと思います。

DL山田琳太郎(商4=神奈川・川和)

――東京ドームでの開幕戦となりましたが、試合前の雰囲気はいかがでしたか

個人としては5月の立命大戦以来の試合だったので緊張していたのですが、「かましてやるぞ」という気持ちで臨みました。

――ディフェンス全体として、どのように守っていこうというプランはありましたか

ディフェンスのスキーム自体がかなり複雑なので、その部分のミスがないようにするのと、点差が開いた場合には下級生を出して、同じクオリティで守り切ろうという話をしていました

――結果的に前後半通してしっかり守り切ることができたと思いますが、試合を振り返っていかがですか

下級生が出ていた中でもTDを取られなかったのは良かったのですが、0点に抑えることを目指していたので、まだまだ改善の余地があるかなと思います。

――ご自身の活躍も含め、DLユニット全体を振り返っていかがですか

良かったと思います。ユニット全体として2回サック出来たので良かったのですが、個人としてサックしたかったなという後悔はあります。

――来週の東大戦への意気込みをお願いします

DLでしっかり止めて、流れを作れるように頑張っていきたいと思います。

RB萩原奎樹(政経4=東京・早大学院)

――東京ドームでの開幕戦となりましたが、試合前の雰囲気はいかがでしたか

とにかく楽しもうというのと、圧倒しようという気持ちで臨みました。

――オフェンスとしてはどのように攻めていこうと考えていましたか

合宿でベースのプレーを重点的にやってきたので、自力で勝てるようにということを考えていました。

――ご自身の2本のタッチダウンを振り返っていかがですか

OLが相手のDLを全部押し切ってくれたおかげで気持ちよくTDできたので、OLに感謝しかないです。

――今日の試合は他にもたくさんのRBの選手が活躍されていましたが、彼らの存在というのは萩原選手にとっていかがですか

RBは本当にデプス争いが激しいユニットなので、良きライバルとして高め合えていると思います。

――次戦への意気込みをお願いします

次回もたくさんTDをとって、圧倒したいと思います。