【連載】『第67回早慶戦直前特集』【第3回】オフェンス主任対談 RB村田賢紀×TE杉山遼平×OL香取大勇

米式蹴球

  ランプレーの要として、ボールを持ってエンドゾーンへ向け走り続けるRB。時にはパスをキャッチし、時にはOLとともにブロッカーとして相手を押しのけるTE。ランプレーではDLを押し倒しRBの走る道を切り開き、パスプレーではQBパスを投げるまで守り続ける役割を果たすOL。今回はそれぞれのオフェンスポジションを率いる3人の主任、RB村田賢紀(文構4=東京・西)、TE杉山遼平(基理4=東京・早大学院)、OL香取大勇(スポ4=東京・佼成学園)に早慶戦へ向けた思いと今後への抱負を伺った。


※この取材は3月16日に行われたものです。

「日本一になって恩返しをしたい」(村田)

昨年の4年生が抜けた穴を埋める活躍が期待される村田選手

――皆さん各ポジションの主任ということで、それぞれのポジションについてのご紹介をお願いします

村田 チームの思いが詰まったボールを、自分たちの走りでエンドゾーンに導くことがRBの一番の仕事かなと思います。走りでTDすること、走りでチームを引っ張ることがRBの役割です。

香取 OLは相手DLからQBを守ることと、RBの走るレーンを空けること。QBに気持ちよくパスを投げさせてレシーバーにTDをさせるというのが仕事です。どこのポジションよりも地味かもですけど、どこのポジションよりも大切な役割をするのがOLです。

杉山 TEは特殊なポジションですね。ラインズとレシーバーの役割をどちらもやるということで、オフェンスのプレーでは全てのプレーにおいて核となるような、プレーの中心となることが多くてランでもパスでもどちらもオフェンスを引っ張っていけるようなポジションだと思っています。

――ブロッキングに関してなにか意識されていることはありますか

香取 ブロッキングで一番意識しているのは相手をしっかりと見ることと、コミュニケーションをしっかりと取るということですね。自分だけが理解していても、OL5人のコミュニケーションがうまく取れていないとブロックがうまくできなかったりとかQBサックされたりとかがあるので、そこのコミュニケーションはしっかり取ろうと心掛けています。RBともしっかりとコミュニケーションが取れていないと、自分たちとRBが違う動きをしてしまって、邪魔をしてしまうこともあるので、そういうところに一番気をつけてやっています。

杉山 TEというポジションはOLよりも一回り小さい人が多くて、相手の大きなDLに対して守りに入ったヒットをしてしまうと押し負けてしまうので、スタートから攻めて自分から当たりにいくのを意識しています。やはりオフェンスは攻撃なので、守ったプレーをしないようには意識しています。

村田 RBはビビらずにとにかく思いっきり当たるということが一番意識することですね。僕もですけど基本的に体が小さい人が多いので、DLやLBといったサイズのあるポジションの選手と当たる中でも僕らができることは何かというと、スピードを止めずにとにかく思いっきり当たっていくことなんです。なのでとにかくビビらずに当たっていくことを強く意識しています。

――香取選手と杉山選手にお聞きしたいのですが、ランの際のブロッキングとパスの際のパスプロテクション(パスプロ)のブロッキングで何か意識の違いはありますか

香取 ランに関してはどれだけ相手と間を詰めるかですね。セットしてる体勢からDLの方が前重心なので、スタートがしやすい体勢なんですけど、それに負けないように相手の懐にどれだけ早く入り込んでいけるかを意識しています。パスプロだと逆に相手との間っていうのを、詰めたり離したりを強弱つけたりしてうまくやって、相手のやりたいことをさせないっていうのが一番ですね。相手との距離を詰めすぎてブルラッシュされてQBにプレッシャーがかかるのであれば、相手とうまく距離をとってということをするので。結構真逆のことをするみたいなところはありますね。

杉山 僕はパスコースにも出るので、セットはいつも同じ感じにできるよう心掛けています。ランフェイクのパスの時なんかはランっぽく見せてからパスコースに出たりとか、緩急の差っていうのは意識しています。

――お一人ずつお話を伺っていきます。まずは村田選手からです。今年のランユニットの印象はいかがですか

村田 RBに関して言えば、昨年スタメンとして出場していた元山さん(伊織、平31年卒部=大阪・豊中)や片岡さん(遼也、平30法卒=東京・早大学院)という2人が抜けた穴があって誰が出れる状況が分からないという中で、誰もが試合に出れるように取り組んでいますね。OLに関しては昨年甲子園に出場したメンバーが多く残っているので、そこに関しての安心感はありますね。昨年まで引っ張ってくださったリーダーの方々が抜けて、雰囲気作りの難しさというのは感じています。

――ラインズとの信頼関係はいかがですか

村田 昨年までは僕らがまだ試合にあまり出れていなかったので、深い信頼関係っていうのはまだまだこれかなかなと思います。これから試合を重ねていく中で深めていければなと思っています。

――同期のRB中野玲士(商4=東京・早大学院)選手の存在はいかがですか

村田 ずっと一緒にやってきているので、あいつの運動能力が高いのは分かっていますし、ラストイヤーで気持ちが入っているのも感じています。僕にとっては常に刺激的な存在です。あいつは、昨年1年間、伊織さん(元山)や片岡さんの控えとして精神的にも、プレー的にも大きく成長しているのを側から見ていて感じていました。今年は1本目として活躍する意志を感じているので、僕も玲士に絶対負けたくない気持ちが強いです。1年間グラウンドで切磋琢磨し続けたいです。

――OLはポジション内での競争が非常に激しいと思うのですが、現状はいかがでしょうか

香取 今はOLの中で左右どっちのポジションでもできるように練習するよう言われているので、スタメンとかは気にせず皆が同じメニューをやってお互いを刺激しあって伸びていくかっていう時期なのでスタメンはまだ分からないんですけど。昨年出ていたメンバーに対して控えだったメンバーがどれだけ食らいついていくかっていうのを1人1人面談をしたりして、どれだけやる気があるかを確かめたりしています。どうやったらいいのかうまく分からないと悩んでいる選手にはどういったアプローチをするかっていうのを話し合っているので、昨年よりもお互いをライバルとして意識し合う関係っていうのはできているんじゃないかなと思います。

――香取選手は1年時と昨年の2度甲子園ボウルに出場されましたが、実際に関西の選手と対戦した印象はいかがでしたか

香取 関東では味わえないフィジカルの強さやテクニックがありましたね。1年生の時出たときはもちろんだったんですけど、3年生になって改めて対戦した昨年もまだ大きな差があるなというのは感じました。

――1年時と比べてご自身の成長を感じられた部分はありましたか

香取 その場の雰囲気にのまれなくなったっていうのが一番かなと思います。観客の方の声援とかに圧倒されてその場のプレーをするのに精一杯で何度もミスをしてしまったんですけど、3年生になって2度目の甲子園ということで、その場の雰囲気にのまれることなく周りに気を配りながら自分のプレーができたのでそこが成長したところかなと思います。

――課題は見つかりましたか

香取 やはり率直に実力が足りないと思いました。テクニックとフィジカルの面ですね。1年生の時に出場して分かったつもりではいたんですけど、やはり関西と関東ではフィジカルとかテクニックに大きな差があるなというのは実感しましたね。

――杉山選手はTEというポジション柄色々な役割をこなしていると思うのですが、ご自身が一番得意としている部分はどこにありますか

杉山 先程も少し言ったんですけど、攻めたヒットをするというのを心掛けているので、クラックであったり、相手に強くヒットするプレーっていうのは自分の中で大事にしています。

――パスキャッチに関してはいかがですか

杉山 自分はどちらかというとレシービングTEだと思っているので。今年のQBの柴崎(哲平、政経4=東京・早大学院)も高校の時からずっと一緒にやってきていて、コミュニケーションはしっかりと取れていると思うので、練習からしっかりと合わせて、試合でもたくさん投げてもらいたいなと思います。

――TEはポジションの人数自体が少ないですが、練習方法は何か工夫されていますか

杉山 大きな存在であった昨年の4年生の2人が抜けて、TEとしてプレーしている選手は少ないんですけど。ただ、人数が少なくてもやることは変わらないのでOLとWRのポジションの練習にも参加して、両ポジションからいいところを吸収できるように練習しています。

――松岡直希選手(平31年法卒=東京・早大学院)と鎌田遼介(平31年法卒=東京・早大学院)の抜けた穴に関してはどのようにお考えですか

杉山 新2年生のTE若汐(航、社2=東京・早大学院)とTE永松(航、文構2=東京・学習院)という2人が新チーム始動からすごく伸びてきているので、その2人にも春シーズンから多くの経験を積ませて、活躍できるようになってもらえればなと思っています。

「TEから攻め続けることでオフェンスが守ったプレーをしないように」(杉山)

杉山選手率いるTE人の活躍がオフェンスのカギとなってくる

――みなさんがアメフトを始めたきっかけは何でしたか

香取 僕は中学からアメフトを始めたんですけど、中学に入学した頃は小学生の時にサッカーとか野球をやっていたので野球をやろうと思っていたんですけど、坊主にするの嫌だなと思って。中学の野球部は坊主にするのがルールだったので。昔から身長が高かったので、その時の1個上のアメフト部の先輩がお前デカイから来いみたいな感じで連れていかれて。(笑)やってみたらそれなりにできたので、気がついたら入ってたみたいな感じですね。アメフトがやりたくて始めたという感じではないです。アメフトとフラッグフットボールを2つやるチームだったので、フラッグはボールを持てて楽しかったのが大きいですね。

村田 僕は中学の頃は陸上の短距離をやっていたんですけど、陸上ではそこそこの大会に出れるくらい速くはなっていたんですけど、そのあとインターハイ優勝するような選手やサニブラウン選手とかもいて、この世界はしんどいなと思いまして。(笑)高校にいったらアメフト部があったので足が速いのが生かせるなというのをいろいろな話を聞いて思ったので入部することに決めました。

杉山 僕は中学まではサッカーをやっていて、早大学院で高校からアメフトを始めました。その時に勧誘してもらったのがBIG BEARSの2つ前の主将だった坂梨陽木さん(平30政経卒=東京・早大学院)でした。当時早大学院はクリスマスボウル3連覇を達成していたので日本一を目指せる環境があるというのをすごく言われて、自分も日本一を目指したいなと思ったので入部を決意しました。

――BIG BEARSに入ろうと思った理由は何でしたか

香取 僕は中学からアメフトをやっていたんですけど、高校では受験をしようと考えていて、大学でアメフトをやろうと思っていたわけではなくて。新しく目標とかを立てて大学を楽しもうと思って受験勉強をしていたんですけど。高校2年生の時に高校がトーナメントでいいところまでいったのでいろいろな大学から声をかけていただいて。日本一を果たさなかった悔しさもあったので、その時に初めて大学でアメフトをやろうと思ったんですけど、せっかく大学でやるなら日本一を目指した方が絶対楽しいし、それだけの覚悟を持ってやれるなという自信もあったので、早稲田大学のアメフト部に推薦で入りました。

村田 アメフトが好きだからっていうのももちろんあったんですけど、一番は高校の時に悔しかったっていうのがありますね。僕は高校の引退試合の相手が慶應義塾高校で、タイブレイクの場面で僕がミスして負けてしまったので、その時の悔しさっていうのが、引退してから受験勉強をしている中でもそれが毎日フラッシュバックする日々でした。そんな中で縁あって早稲田に入ることになったので、BIG BEARSに入ろうと決意しました。

杉山 僕は高校の2、3年生の時にどちらもクリスマスボウルで関西学院髙校に負けてしまって、1度は大学ではやらないかなと思っていたんですけど、同期がBIG BEARSに入っていく中で僕も日本一を諦めきれないなと思って入部することに決めました。

――今年度のBIG BEARSの目標は「学生日本一」ということですが、皆さんの日本一へかける思いはいかがですか

杉山 今まで、先輩たちの存在っていうのは大きいなと思っていて、2つ上の田島(広大、平30法卒=東京・早大学院)さんや1つ上の2人のTEの先輩に教えてもらったことを大切にして、先輩たちが届かなかった日本一に僕たちがなることで、先輩たちのやってきた取り組みは正しかったっていうのを結果で証明してあげたいと思っています。結果で証明できるのは日本一になることだけなので、日本一になって恩返しをすることができればなと思っています。

村田 3点あるんですけど、まずは先ほども話したんですけど高校時代は自分のミスでチームを負けさせてしまったので、もうチームを負けさせたくはない。今度は自分の力でチームを勝たせたい、という意味で負けることがない日本一を目指しています。それは高校時代の悔しさからですね。昨年自分はけがをしていて、親であったりいろいろな人に支えてもらって苦しい時期を乗り越えられたので、その方々に対する感謝を示すという意味でも日本一になって恩返しをしたいというのが一つです。あとは単純に日本一を取るということはかっこいいことだと思うんですよ。日本一になったという経験は何物にも代え難いものだと思うので僕は日本一になりたいなと思っています。

香取 今年でアメフトを始めて10年になるんですけど、一度もアメフトで日本一になったことがなくて。これだけやってきたんだから日本一になれないと報われないかなといいますか、日本一になることで今までやってきたことが証明できるかなと思いますし。もちろん支えてくれたいろいろ人たちへの感謝っていうのもありますし、今までこれだけこだわってやり続けてきたアメフトという競技で、最後は日本一というかたちで終わりたいなという思いがあります。多分、その気持ちは部活の中でもずば抜けて大きいんじゃないかなと思っています。

――それぞれのポジションのスローガンをお願いします

香取 OLは『Bring it on』というスローガンで、意味的には「かかってこい」的な意味です。OLは優しい性格の人が多いポジションで、今年はそこをどう変えていけるかというところで、スローガンから闘志を出していこうという意味を込めて決めました。

村田 RBは『Dont think feel』というスローガンにしました。3年連続同じなんですけど、意味合いとしては、練習中は考えて考えて考えてプレーをするんですけど、試合ではそれだけ考え抜いて反復練習したものを感じるレベルにまでやりこんでプレーするという意味合いがあるので、それがRBにおいて一番重要視されていることなので3年連続で同じスローガンにしました。

杉山 TEの今年のスローガンは『Fight on』です。意味としては「攻める」という意味になるんですけど、TEから攻め続けることでオフェンスが守ったプレーをしないように意識しています。

――各ポジション、成長を感じている選手はいらっしゃいますか

村田 後輩は4人くらいいます。1個下の代であればRB広川(耕大、社3=東京・早実)やRB荒巻(俊介、法3=東京・早大学院)とかは昨年から一本目を目指して死ぬ気でやってくれてます。2個下であればRB吉澤(祥、スポ2=東京・成蹊)やRB岡田(将典、人2=兵庫・滝川)の2人は高校時代野球をやっていてアメフト未経験だったんですけど、ものすごく運動能力が高いので、それを生かしてアメフトの知識もつけていければ大きく成長してくれるんじゃないかなと思っています。彼らが成長しているなというのはすごく感じますし、脅威にも感じています。

香取 僕は3人くらいいるんですけど。1人目は同期のOL高田(健、基理4=早稲田渋谷シンガポール)ですね。あいつはいろいろなポジションを経験していてきて今はOLになったんですけど、OLになるのが遅かった分だけ他の選手との経験の差とかもありますし、4年になって残り少ない時間で、その差をどれだけ埋められるかっていうのがあいつにとってはとても重要なんですけど、練習後の自主練なんかも積極的に周りを巻き込んでやってくれていますね。周りに発信したりはあんまりしていないんですけど、あいつの部活にかける思いっていうのはすごい大きなものがあるなと感じているので、頑張ってほしい選手です。残り2人は後輩で、OL橋口(慶希、創理3=東京・早実)とOL玉嶋(友彦、スポ3=東京・西)ですね。橋口に関しても昨年から試合に出ていて、ことしも一本目で出てくる選手だと思うんですけど、今の現状に満足せずに自分の能力を伸ばすために練習前後に自主トレをしっかりとやってくれていますし、人を巻き込んでいくという面でもうまくいっていない選手と一緒に練習したりして、ボトムアップを図ってくれている選手なので、すごく伸びているなと感じています。玉嶋は昨年はあまり見られなかった主体的に動く姿がよく見られて、チームを変えよう、OLユニットを変えようっていうと取り組む姿がどんどん出てきているかなと感じています。

杉山 TEは全員ですね。1個下のTE廣畑(海斗、政経3=東京・早大学院)はOLからTEにコンバートしてからずっと悩んでいたんですけど、彼はブロッキングは得意なのでレシービングの方で悩んでいて、練習後にもQBと合わせる練習をずっとやっていて、最近はすごく成長したなと実感できるほどにうまくなってきているので、今年はどんどん活躍していってほしいなと思います。2年生の若汐と永松という2人は未経験からの入部なんですけど、教えたことに対する吸収がとても早いのでかなり有望だと思ってます。なのでしっかりと体重をつけて体を大きくしてもらえれば今年から活躍できるかなと思っています。

――各ポジション、昨年までの反省点から強化しているところはありますか

香取 今年、僕がリーダーとして強化していることは、一人一人の主体性を持たせるということです。昨年は人数が少なかったので、人数が少ないなりに一人一人に役割があって完結していた部分があったんですけど、今年は全員が全員自分のレベルに合った役割を見つけだしてどうアプローチしていくのか、それぞれがどうやってチームを変えていくための行動をしていくのかというのを求めていて、主体的にっていうのは結構難しくて、どうやって意識を持たせるのかっていうのを自分では結構考えたりしていて。選手一人一人と話し合ったりしたりして、「お前はこういうことをやった方がいいと思うし、こういうことをすればチームのためになると思うよ」っていうのを話し合うことで、例えば玉嶋とかが自覚をもって、オフェンスを引っ張っていくために自分で時間を作って考えてくれて、OL皆の前で発表してくれたりして、徐々に主体性が芽生え始めているのかなと思います。

杉山 ポジション一体となって行動するということは意識していますね。というのも、昨年のTEのポジションは中心となる選手とそれ以外の選手ではかなり練習内容が分かれてしまっていて、戦略的な練習に全員が出れていなかったので、今年はすべての練習を全員でやっていければなと思っています。失敗することも多くあると思うんですけど、1人の失敗をポジション全体で共有できるように意識しています。

村田 昨年の反省点というわけではないんですけど、この新チームが始まってから意識しているのは、個人能力の向上を主眼に置いているかなと思います。僕らは通常の練習のほかに陸上競技場でスプリント練習を行ったりだとか、坂道ダッシュだったりとかをコーチの指導で行っています。あとは、自分の毎日の体重の記録や栄養をどれだけ取っただとか、トレーニングでベンチプレスが何回上がっただとか、そういうところの個人的な管理を全員で行っているので、取り組みとしては全て個人能力の向上に主眼を置いていますね。

「これだけやってきたんだから日本一になれないと報われない」(香取)

試合経験が豊富な香取選手がOLを先導する

――早慶戦とは皆さんにとってどのような存在ですか

村田 僕はさっきも言ったんですけど高校の時に慶應に負けて引退しているので、そういう意味では最後の春の早慶戦なので、早稲田は何連勝もしていますけど、僕個人としても自分の力で慶応を倒したいなというのは強く思っています。

杉山 やっぱり早稲田としては早慶戦は絶対に負けられない戦いだと思っています。個人としてはこれまで早稲田でやってきて、春の早慶戦は自分自身一度もちゃんと試合に出たことがないので、最後の早慶戦はしっかりと勝ちたいなと思っています。

香取 あんまりかっこいいことは言えないんですけど、個人的には早慶戦はそんなに特別な思いはなくて。(笑)なんでかっていうと、自分的には試合をするからにはどんな相手でも勝つっていう気持ちでやっているので、たしかに相手も重要ですけど、試合をしたなら「もう二度と戦いたくない」と思わせるくらい圧倒して勝つ。という気持ちがあるので、今年は例年にないくらいの強さを慶応に見せつけて、秋にはもう戦いたくないなと思わせるような戦いをしたいと思っています。

――慶応の印象としてはいかがですか

香取 毎年思っているんですけど、結構アグレッシブですね。前に対しても突っ込むという意識はDLも強いですし、かっこよくやっているように見えるけど、実は下積みもしっかりとやっているチームで、ヒットとかもすごい強いですし、そういうところは早稲田の選手にはあまりないところなので脅威ではありますね。

村田 香取も言っていたようにすごく勢いのあるディフェンスをしてくるチームだと思うので、僕らもそこに物おじすることなく力で貫けるようにやっていきたいなと思います。

杉山 ディフェンスのことなんですけど、自分たちがやり辛いようなディフェンスをしてくるなという印象があるので、その中でいかに自分たちのプレーをできるかが重要になってくると思うので頑張りたいなと思います。

――特に警戒している選手はいらっしゃいますか

香取 DLの波木琢朗選手(慶大)ですね。この前会った時もすごく体が大きいなと感じましたし、毎年スピードも速くてOLが苦戦している相手なので、キーになってくるプレーヤーなのかなと思います。

村田 LB陣がすごく強烈だと思うんですけど、すごい個人的な話をすると、同期の主将だったLBの寺岡衆(慶大)ってやつが慶応でLBをやっているので、同期対決という意味ではすごく楽しみにしていますね。

杉山 個人の選手というよりかは、ディフェンスの組織力が脅威だと思っていますね。それが慶応の特徴だなとも思っているんですけど、かなり変則的なディフェンスフロント陣に対して自分たちが対応していけるかが今回の早慶戦のキーになっていくと思うので、頑張ろうと思います。

――各ポジションごとに「ここに注目して観戦してほしい!」というポイントをお願いします

杉山 TEは自分もそうなんですけど、WRと比べると体が強いので、キャッチの後のランアフターキャッチを見てもらえればなと思います。タックルされても倒れずに相手を引きずっている姿を見せられればなと思っています

村田 根性が詰まった熱い走りを見てもらえればなと思います。個人能力の向上っていうところに主眼を置いているといったんですけど、ハードな練習をする中で備わってきているものとして気持ちの部分があると思うので、それがプレーに現れればいいなと思います。

香取 早慶戦の時には毎プレー毎プレーTDが狙えるくらい走ってブロックしてっていうのをするのでそこを見てもらえればなと思います。

――ラストイヤー、早慶戦へ向けた意気込みをお願いします

杉山 TEから攻めたプレーというのを意識して、オフェンスで圧倒して勝ちたいと思います。

村田 RBでTDを何本も取って、とにかく走り勝ちます!

香取 やるからにはボコボコにします。

――ありがとうございました!

早慶戦への意気込みを色紙に書いてくださりました!

 

(取材・編集 涌井統矢 写真 柴田侑佳)

◆村田賢紀(むらた・けんき)
1998(平10)年2月13日生まれ。163センチ、74キロ。東京・都立西高出身。文化構想学部4年。RB。高校時代は慶応相手に悔しい思いをしたという村田選手。注目ポイントは「根性込めた熱い走り!!」だそうです!村田選手率いるRB陣の熱い走りに期待が懸かります!

◆杉山遼平(すぎやま・りょうへい)
1997(平9)年4月8日生まれ。183センチ、92キロ。東京・早大学院出身。基幹理工学部4年。TE。OLに負けないハードなブロックとWRに負けない強いランアフターキャッチをするTE陣に注目です!

◆香取大勇(かとり・たいゆう)
1997(平9)年7月13日生まれ。181センチ、110キロ。東京・佼成学院高出身。スポーツ科学部4年。OL。今年でアメフトを始めて10年目となる香取選手。10年間鍛え続けたブロッキングスキルを駆使し、最前線で誰よりも激しくぶつかり合う香取選手らOLの姿に注目です!