【連載特別編】『第67回早慶戦直前特集~新歓号特別編スタッフ特集~ 「For the BIG」』  AS木佐谷望×AT魚住玲央奈×SC大塚のどか×MGR寺西恵理

米式蹴球

  毎年100人を超える大所帯を支える早稲田大学米式蹴球部BIG BEARSを支える、チームの支柱であるスタッフ陣。注目されることはあまり多くはないが、彼らの一つ一つの働きがチームの勝利のためには必要不可欠なことばかりである。今回はそんなスタッフ陣を先頭に立ち引っ張るAS(アナライジングスタッフ)木佐谷望×AT(アスレチックトレーナー)魚住玲央奈×SC(ストレングス&コンディショニングトレーナー)大塚のどか×MGR(マネージャー)寺西恵理の4年生4人に、各役職の仕事内容と早慶戦にかけるスタッフ陣の思いを伺った。


※この取材は3月9日に行われたものです。


――それぞれの役職の行う役割についてのご説明をお願いします

木佐谷 ASの主な仕事としては対戦校のスカウティングです。ビデオを見て分析をするというのが1番の仕事で、それを踏まえて、ゲームプランを立てます。どのように相手の弱点を突いていくのか、逆に自分たちの弱点をどう修正していくのかという、ミスマッチの部分を探していくのが主な仕事ですね。もちろん弱点を探すだけでなく、ストロングポイントを探していくこともしています。それが試合前の準備の仕事ですね。試合中はスポッターをつけて観客席の高いところから試合を俯瞰(ふかん)的に見る人と、グラウンドレベルで見る人に分かれています。高いところから見てる人は、どこがよくてどこがダメだったかをグラウンドレベルに伝えたり、スカウティングと比べて相手がどのようなプレーをしているかを見ています。グラウンドで見ている人は、高いところから見ている人の話を聞いて選手に伝えたり、アジャストという試合中のゲームプランの変更を行っています。

魚住 ATの仕事としては、普段はけがをした選手のリハリビを担当しています。練習前はテーピングなどを巻いたりしてケアを、練習中はグラウンドでけがをした選手の初期対応を行なっています。練習後も選手のケアやリハビリを行なっています。試合の時も基本的には同じで、けがをした選手の初期対応をしています。担架で選手を運んだりもします。100キロ級の選手もいるので大変ですが、やはり初期対応はスピードが命なので頑張ってます。

大塚 基本的にはフットボール外のトレーニングのサポートがメインになります。選手がフットボールをする上で、より良いパフォーマンスができるように体の基礎の部分を整えさせています。例えば、スピードを早くするための重心移動を指導したりとかですね。練習外であれば、選手の栄養をサポートして、より良い体を作っていけるようなサポートをしています。

寺西 マネージャーはBIG BEARSという組織の運営に重きを置いていて。どうやったら選手がより良い環境で練習や試合ができるかというのを考えながら。経理や総務、渉外などの担当に分かれて組織運営を行なっていくのがマネージャーの主な仕事です。


「『今年の早稲田はこのディフェンスで日本一になる』という意思表示を早慶戦で見せつけたい」(木佐谷)

ASのこなす役割を熱く語る木佐谷

 

――それぞれ、スタッフというポジションでやりがいを感じる場面はどこにありますか

木佐谷> 実は今までそんなにやりがいを感じたことがなくてですね。(笑)というのも、個人的には最後に勝つ時のことをずっと思い描いていて。シーズンを日本一で終わるためのプランニングを1年間で立てているので、最後の最後で負けてしまうと、1年間の行いがどこかで間違っていたとになるんですよ。なので『まだ』やりがいを感じたことはないですね。今年がラストイヤーなので、頑張りたいと思います。

魚住 私個人というか、AT全体としてそうだと思うんですけど、自分が担当したけが人が復帰して試合で活躍している姿を見るのが一番やりがいを感じる場面かなと思います。

大塚 選手のウエイトの重さが上がったとかっていうのも、ももちろん嬉しいんですけど。最近だと、トレーニングを選手たちが楽しみながら集中してトレーニングしている姿を見ると、「自分たちが組んだメニューがうまくいったのかな」と思って、そこにやりがいを感じます。

寺西 選手が当たり前のように練習をできていたり、試合ができていたりすると、当たり前のことをできているということは運営がしっかりとしているということの証明なので、意外と普通の光景というのにやりがいを感じたりすることが多いですね。それ以外にもOBの方であったり、スポンサーの方であったりに会った時に応援の言葉をかけてくださることがあるので、チーム内だけでなくて、チーム外の人も応援してくださるというのを感じるので、そこはやりがいを感じますね。


――各役職、「こういう性格の人が向いている」というのはありますか

木佐谷 ASに一番大切なのは「自分から学ぼうという姿勢がある人」ですね。パッションがある人。今年AS内で流行語になっているのがパッションなので。(笑)ASには未経験者も経験者もどっちも入ってきますが、高校でアメフトやっていたとしても選手のスピード感が違うので、僕たちが考案するアサインメント(各ポジションが、どのように動くかあらかじめ決められた作戦プランのこと)の部分でも高校と大学レベルでは全然違うんですね。なので、経験者であっても1からのスタートとなるので、自分から学ぶ姿勢がないと成長するのはなかなか難しいかなと思います。

――それは逆にアメフト未経験でも全く問題はないということでしょうか

木佐谷 全然問題ないです!僕は経験者も未経験者も全員スタートラインは同じだと思ってますから。

――他の役職はいかがですか

 ATも勉強が多いので「トレーナー関連の勉強を進んで行える人」かなと思います。トレーナーについての勉強を楽しいって思えるといいかなと思います。あとは、1スタッフとして支えるだけでなく、選手に対して指導をすることも多いので、選手と対等なコミュニケーションを取れる人は向いているかなと思います。

大塚 SCは選手全員の前で練習を仕切ったりすることがあるので、物おじしないで、強く言える人ですかね。強く言えなくても「人前に立っても堂々としていられる人」なら向いているかなと思います。

寺西 あんまりこういう人かなっていうのはないんですけど、向いてるのは「人の気持ちをちゃんと考えられる人」かなと思います。チーム外の人と関わる機会も多いので、相手がどういうことを考えているのとかを敏感に感じ取れて、相手の気持ちを考えることが大事かなと思います。それができる子であれば「この人はこれを必要としているのでこうしていこう」と考えたり、必要な運営に繋がると思うので、気持ちを考えられる人かなと思います。


――選手たちとの距離感というのはいかがですか

木佐谷 オフに関しては、僕は一人で過ごすことが多いのであんまりなんですけど。(笑)ポジションとしては、ASはオフェンスとディフェンスの幹部と関わる機会が多くて、ゲームプランを考えるときはオフェンスリーダーやディフェンスリーダー、あとは各ポジションの主任と一緒に考える機会がすごい多いので、コミュニケーションを取ることは多いですね。なのでそういう面では選手との関わりは結構あります。

魚住 ATが一番関わる場所っていうのは自分の担当したけが人ですね。そこだけにとどまらずに普段からグラウンドでの一言二言のコミュニケーションを取っていかないと、普段から痛いところやどこが不調なのかが分からないですし、こういうメニューは調子が良いといったところも日々のコミュニケーションが大切になってきます。そういう面では全員と関わり合いたいといいますか、この大人数の中でも全員と関わらなきゃいけないポジションかなと思います。

大塚 SCは各SCが各ポジションを担当しているので、人によって強弱はあると思いますけど、コンディションを確かめるためには必要なので、できる限りそれぞれがコミュニケーションを取るようには努力しています。

寺西 マネージャーはチームの運営に関わる仕事が多いので、実は仕事に関して言えば選手との関係は一番少ないかもです。うちらの代は人数が多いんですけど、その割に仲がいいですね。150人くらい部員がいるんですけど、色んな人が分け隔てなく喋れる関係なので、マネージャーからもぐいぐいいこうかなと思っています。(笑)部活面では部を一歩引いて見られる存在なので、提出物の期限を守らせたりっていう社会人としての基礎的な部分を指摘する面はマネージャーが担っているので。教育してます。(笑)

一同 (笑)


――選手との距離感についてお聞きしましたが、スタッフ同士での連携はいかがですか

木佐谷 仕事場がこことここで分かれてるので、

魚住・大塚 ここじゃ分からないでしょ(笑)

魚住 AS&マネージャーとAT&SCで分かれてます。(笑)

寺西 グラウンド内での連携と、グラウンド外での戦略とか運営とかを考えるのに分かれるのでんですけど、なんせ仲の良い代なので、連携とかは関係なしに結構喋ります。(笑)

魚住 練習中でも、ボトルがないとかがあると手の空いてるスタッフ同士で助け合ったりとかしてますね。

大塚 助け合いの精神!


「助け合いの精神!」(大塚)

スタッフ同士の関係性について笑顔で語る大塚

――役職ごとにお話を伺います。まずはASの木佐谷さんから。コーチ陣との連携はいかがですか

木佐谷 今年は特に多くとっていますね。コーチの方からの昨年までの反省の1つとして、学生間のコミュニケーションとか学生コーディネーター間のコミュニケーションは取れていたんですけど、各ポジションのコーチとのコミュニケーションがオフェンス、ディフェンスともにうまく取れていなかったので、坂本コーディネーター(智信,平19教卒=東京・早大学院)が先日おっしゃっていたんですけどコーチという資源を学生から上手く活用してほしいということなので、今年は特に意識してやっています。

――選手とコーチ間の連携に関して、ASを介して行うこともありますか

木佐谷 基本的にコーチ陣とは各ポジションの主任が連携を取っていて、ディフェンス担当のASはディフェンスコーディネーターの方と、オフェンス担当のASはオフェンスコーディネーターの方とコミュニケーションを取っている形ですね。


――次はATについてですが、テーピングを巻いたり、専門的な技術も必要になると思いますが、そういった知識が全くない状態で入部しても大丈夫なのでしょうか

魚住 勉強制度が決まっているので、4年生を中心に先輩たちが教えていく形になりますね。あとは勉強だけじゃなくて実際にけが人を診て、実践しながら勉強していく形ですね。

――他大との交流などもあったりしますか

魚住 トレーナーは他大学や他競技にももちろんいるので、トレーナー会という集まりで交流がありますね。そういった研修だったりにも行ったりしますし、スポーツ科学部であれば学部内の授業での交流や先生との交流があって、先生との繋がりもあるので、他大学や他競技からもいろいろなことを学んだりしています。


――SCは100人を超える選手たちを指導していく中で、ストレングスに関してどのように学ばれていますか

大塚 とにかくやってみるということですかね。人の体の作りであったりという基礎的なところは勉強するんですけど、あとは自分でやってみたり、選手にやってもらってみたりですかね。選手にやらせるというのが自分たちの1番の仕事なので、いかにうまく選手たちがやる環境を作るか。どう運営していくかといいますか、選手たちがやりたいと思える環境を作っていけるかが大事かなと思っています。


――マネージャーのお仕事に関してですが、世間のマネージャーに対するイメージとは異なる仕事内容が多いと思うのですが、実際はいかがでしょうか

寺西 ボトルワークもやるはやるんですけど。世間のマネージャーのイメージっていうとそれこそユニフォームを洗濯したりとかだと思うんですけど、全然違って。部活のマネージャーというよりかは会社の組織を作る一員みたいな感じで。実質チームを回してるみたいな。(笑)そういうところもちょっとあります。(笑)ちょっとですよ!

一同 (笑)

寺西 でも、そのくらい自分たちのやっている仕事の責任はすごく重たいですし、逆に私たちが1つミスをしたら試合や練習ができなくなったり、負けに直結してしまうことが往々にしてあります。でも勝ちに直接繋がる仕事はないっていうのが一番難しいところですね。私たちの仕事はできて当たり前のことなので、そこが難しいです。




――新体制になりましたが、スタッフの皆さんから見て昨年のチームとの雰囲気の違いはありますか

寺西 やっぱり主将のキャラが昨年とは全然違うかなと思いますね。昨年は誰よりも先頭に立ってグッと引っ張っていく感じだったんですけど。今年はみんなと同じ目線に立ってくれて、みんなの背中を一緒に押してくれるみたいな感じの主将なので、そこは昨年とはチームカラーが変わった1つの要因ではありますね。

魚住 4年生が後輩を育てたい気持ちが強いですね。後輩を引っ張っていきたい、同じ土俵で成長させたい、チームみんなで日本一になりたいっていう思いの4年生が多いのです。それがチームカラーというか、今年の4年生の雰囲気です。


「チームみんなで日本一になりたい」(魚住)

チームの雰囲気について優しく語る魚住

――今お話にも上がりましたが、今年度主将の池田直人主将(法4=東京・早大学院)の印象はいかがですか

一同 最高ですね。

木佐谷 池田のことを嫌いなやつは嫌いみたいな。(笑)

寺西 分かる!池田のことを悪く言うやつは嫌いみたいな。(笑)まぁ、池田のこときらいな人はうちのチームにはいないと思うんですけど。


――QB柴崎哲平副将(政経4=東京・早大学院)とDL二村康介副将(文構4=東京・獨協)の副将2人の印象はいかがですか

木佐谷 副将2人は全くタイプが違うよね。

寺西 全然違うんだよね。

魚住 キャラが違うからこそ、池田が前に引っ張るタイプじゃない分、池田がキャパオーバーしないよう支えるというか。周りに強く言える人を選んだ感じですね。4年生全員で選びました。


――スタッフという立場から見た、アメリカンフットボールの魅力とは何ですか

木佐谷 僕の立場としては、特にASは運動神経があんまり良くなかったり、アメフトをプレーしていたけどプレーヤーとしてhうまくできなかった人でもできるポジションがASなんですね。日本ではランジェリーフットボールがなくて、フラッグ以外では女性がアメフトをやれる場がないので。アメフトがやりたくてもできない人がアメフトに関われるというのが、僕は他のスポーツとの違いで魅力かなと思います。他のスポーツは運動能力がなかったりすると部活という立場で競技ができなかったりするんですけど、アメフトでは運動神経が悪い人でも様々な形で直接関わることができるというのが魅力だと思います。

魚住 様々なポジションがあって、いろいろな体型やキャラの人がいるところですかね。キャラもポジションで全然違うんですけど、それがこんなにたくさんいるのにもかかわらず同じチームでまとまっているのがすごいなって思います。あとは、なんだかんだみんなアメフトが好きなところですね。けが復帰後とかにしんどい練習をしていても、「やっぱアメフト楽しい」って言っているのを見るのが一番好きですね。なんだかんだ楽しんでるんだなっていうのが伝わってくるのがすごくいいなって感じです!

大塚 いろんな体型の人がいるけど、ごついところが好きです。

一同 どういうこと(笑)

大塚 アメフトはコンタクトスポーツなので、荒々しさがあるというか、迫力があるところがいいなと思います。(笑)

寺西 ほとんど玲央奈(魚住)と同じなんですけど、サッカー部っぽい人もいれば相撲部みたいな人もいるし、レスリング部みたいな人もいれば野球部みたいな人もいるし。それがみんなで連携して1つスポーツができるってすごいなって思いますね。そういうチームワークがあって、その中でもひとつひとつに妥協しないない荒々しさっていうのがあるので、そこが魅力だなと思います。


――BIG BEARSというチームの魅力や皆さんが入部したきっかけはどこにありましたか

木佐谷 僕は都立高出身だったので、高校時代は練習環境があまり整っていなかったんですけど、BIG BEARSはとても良い練習環境が整っていたっていうのがまず一番の魅力でした。関学大とか立命大とかっていうのはそれこそ夜中の24時とかまでミーティングをしている環境があるのかもしれないんですけど、うちのチームの環境っていうのもすごく日本一になるためには整っていると思ったので。21時まで練習できて、ビデオの数も多く撮れて、パソコンの数もかなりあったので。僕は環境の良さが一番の理由でした。

魚住 もともと私はトレーナーを目指していて、いろんな部活を見ていました。早稲田のスポーツはどこも強いので日本一を目指している部活はたくさんあるんですけど、その中でもトレーナーをすごい重要なポジションとして見てくれていたのがBIG BEARSでした。「トレーナーがすごい必要だよ」って勧誘してくれて。日本一へ向けてスタッフもチームの一員として頑張っていて、日本一という目標へ向け日々努力を続ける選手の姿がかっこよくて魅力的だったからですね。

大塚 代によってそれぞれのカラーはあるんですけど、毎年BIG BEARSというチームはとても明るいチームですね。日本一っていう目標を毎年掲げていて、意思統一ができているというか、みんなで高め合える環境が魅力だと思います。Aチーム、Bチーム、Cチームとかに分けて練習をすることがなくて、みんなで日本一を目指すっていう思いを一人一人がしっかりと持てている感じがしたのので、そこが良いなと思って入部しました。

寺西 私はやっぱり『人』だなって思います。色んな人がいるって話とか部員がたくさんいるって話があったと思うんですけど、個性は様々だけど、本当に良い人が集まっている部だなと思います。困ってたら助けてくれたりとか、一緒になんでも楽しんでくれたりとか。私が入ったきっかけも1年生の時の4年生の先輩から色々な話を聞く中で、「めっちゃこの人たちいい人だな。面白い人だな」って思って。そういう人たちと一緒に日本一を目指せるのはここしかないのかなってすごい思ったので。本当に『人』が魅力の部かなと思います。


――皆さんが、もし選手だったらここのポジションがやってみたいという希望はありますか?

木佐谷 OL(オフェンシブライン)の右G(ガード)ですね。左でもいいんですけど。高校の時に自分がやっていたポジションで面白かったので。じゃなかったらRBをやってみたいですね。一回選手をやっていた時にOLをやっていてブロッキングを学んだので、ブロッキングを活かして走るっていうのをやってみたいですね。

魚住 私はDLですね。もちろんディフェンスは全体で相手を止めるんですけど、やっぱりDLが止めないとずるずるいかれちゃうっていう大事なポジションなので。

大塚 好きなポジションだったらDLですね。ゴツさもそうなんですけど、一年前くらいまでDL担当をしていて。DLのパート練習とか試合とかを見ていて、一番前で止めるっていうのがかっこいいなあって思って。大きいですし、カベみたいで守ってる感が凄いなって思って。好きですね。

寺西 私はやっぱりRBですかね。私ディズニーでめっちゃ混んでる時にすり抜けていくのがすごい得意なんですよ。っていうだけの理由なんですけど、ちょっと「私RBいけるかも!」みたいに思ったことがあって。(笑)

一同 (笑)




――スタッフの皆さんにとっての早慶戦とは

魚住 春一発目の試合で、一番盛り上がる試合ですね。新体制が始まってトレーニング時期だった中で、選手がどれだけ成長しているのかを見れるのが楽しみです。選手もワクワクしているのが伝わってきて、こっちもよりワクワクしますし、2月3月に頑張ってた選手が試合で活躍しているのを見れるのが一番いいなあって思います。

大塚 SCとATというポジションは早慶戦だからといってやるべきことが変わったりっていうのはないんですよね。マネージャーとかと比べると自分たちで早慶戦を作り上げていくっていう意識はあんまりないので、ほんとにお祭り的な印象になっちゃいますね。(笑)盛り上がるし、新入生いっぱいくるし、会場も大きいしで。基本的にはいつもの試合とやることは一緒なんですけど、その年のチームの色を出す試合なのかなと思うので、大事な試合だとは思います。

木佐谷 試合の大きさで僕は結構考えています。甲子園が3、4万人と観客が入るんですけど、僕たちがシーズンを過ごす中で、甲子園の次に観客が入る試合が早慶戦で。関立戦でも一万人はいかないんですけど、早慶戦は一万人くらい入るんですよ。観客が多い中でだからこそ、普段の試合では見られないような、そこでしか見られないようやミスをする選手もいたりして。逆に選手のストロングポイントがより一層出たりとかもあって、早慶戦独特の雰囲気っていうのがやはり他のリーグ戦とか定期戦と比べてすごいので、そこが魅力かなと思います。

寺西 早慶戦はほんとに並々ならぬ思いがあります。試合というよりかは一種のスポーツイベントだと思っていて、早慶戦に人を集めるために、動員企画で何をするのか、どうやってスポンサー企業を誘致するのか、どういうグッズを作るのか、アメフトを知らない人にどうやって魅力を感じてもらうのか。そういうのを1月2月の段階からマネージャーとOBの方で実行委員会を結成して、自分たちで0から作り上げていくのは早慶戦だけなんです!新チームができてからの全てを捧げているのが早慶戦なので、その中で観客が1万人集まったとか早稲田が勝っただとかの勝ち負けももちろんなんですけど、それまでの過程とか終わった時のスタンドにどれだけ自分たちが作ったグッズをつけている人がどれだけいるかっていうのがすごく大事で。私たちの仕事の結果はフィールドではなくてスタンドに出るものなので、そのために全力を捧げています。


「BIG BEARSっていいなって一人でも多くの人に思ってもらえる試合、それが早慶戦」(寺西)

早慶戦に対する並々ならぬ思いを語ってくれた寺西

――最後に、ご自身の代で迎える早慶戦への意気込みをお願い致します

木佐谷 僕は特にディフェンスを主として関わっているんですけど、昨年の甲子園が終わった頃から「BIG BEARSは日本一になったことがないので日本一へのカルチャーがない」ということが結構言われてきました。関学大とかだと日本一になるためのカルチャーっていうのが、組織作りに関してもプレーのノウハウに関してもしっかりとあるので、今年はそういったカルチャーをBIG BEARSの中にも作ろうっていうのが、僕の関わっているディフェンスの根底にあります。早慶戦に勝てたら、1万人以上の観客に「早稲田のディフェンスはこれだ!」っていうのを見せつけられると思うので、それが僕は4年生として一番の楽しみですね。そこの根幹の部分に自分が関われていて、それを多くの観客に見せつけられるというのが楽しみです。「今年の早稲田はこのディフェンスで日本一になる」という意思表示を早慶戦で見せつけたいと思います。

魚住 さっきも言ったんですけど、春シーズン最初の試合で、新チームが始動してから私たちが作り上げてきたチームのカラーや雰囲気が伝わる試合だなと思っています。やっと日本一への第一歩を踏み出せると言いますか、今年の早稲田はこんな感じなんだっていうのを周りに伝えることができます。私たち自身も試合前や試合中、試合後の雰囲気とかで「このチームはこんな感じで進んでいくんだな」っていうのが実感できるかなと思っています。意気込みとしては、日本一へと進んでいくために自分たちのカラーを見せつける大事な試合だと思って臨みます!

大塚 今年のチームとしてのフィジカル面での目標が、『スピード』ということになので、そのために早慶戦までの期間は選手は本当にきついメニューをやっています。その成果をとにかく早慶戦で出してほしいというのが私の思いですね。それによって、いろいろな人に『スピード』が伝わればいいなって思うし、この試合が日本一への最初の踏み台になるわけなので、速くなった選手たちを見てほしいです!

寺西 早慶戦はBIG BEARSの全てが分かる試合だと思っています。どれだけ応援してくれるOBの方やファンの方がいて、どれだけ日本一のために努力をして、どのくらい早稲田っていうプライドがあって、私たちがどのくらいアメフトが好きかっていうのが全部分かる試合だと私は思っています。それを観に来てくれた人たちに全部分かってもらえるようにするっていうのが私たちの仕事です!そのためにできることは全てやっていくつもりです。多くの新入生の子たちが早慶戦を見に来てくれたりするプログラムとかもあって、新しいファンをどんどん増やしていけるきっかけになる試合ですし、BIG BEARSっていいなって一人でも多くの人に思ってもらえる試合、それが早慶戦だと思うので。そのためにラストイヤー、全力をかけて。今までで一番観に来て良かったと思える早慶戦を作りたいと思います!




――ありがとうございました!


早慶戦への意気込み『観客動員』を4人で一文字ずつ書いてくださいました!




(取材・編集 涌井統矢、細井万里男 写真 千葉洋介)

◆木佐谷望(きさたに・のぞむ)(※写真右)

1996(平8)年10月1日生まれ。AS。東京・西高出身。社会科学部4年。高校時代はOLをやっていたという木佐谷さん。そのころの知識を生かし、現在はディフェンス担当のASとして相手OLをおびやかしています!

◆魚住玲央奈(うおずみ・れおな)(※写真中央右)

1997(平9)年8月13日生まれ。AT。兵庫・甲南女子高出身。スポーツ科学部4年。高校時代はバスケ部のマネージャーをしていたという魚住さん。ATユニットのアピールポイントは『仲良しなところ!』だそうです!取材中もスタッフ同士の仲の良さが伝わってくるやり取りがたくさんありました!

◆大塚のどか(おおつか・のどか)(※写真中央左)

1997(平9)年10月14日生まれ。SC。東京・田園調布学園高出身。スポーツ科学部4年。高校時代はチアダンス部に所属していたという大塚さん。取材中も明るく元気な笑顔で対応してくださりました!

◆寺西恵理(てらにし・えり)(※写真左)

1998(平10)年2月14日生まれ。MGR。愛知淑徳高出身。文化構想学部4年。高校時代は生徒会活動に励んでいたという寺西さん。早慶戦にかける人一倍熱い思いをたくさん語っていただきました!必読です!


4月29日(月・祝)14時から『平成最期の』早慶対校戦が駒沢陸上競技場にて行われます!




早稲田スポーツ新聞会でも今年早稲田大学に入学した新入生を対象に体験取材を行います!


体験取材についての詳しい情報は早稲田スポーツ新聞会新歓2019をご覧ください。




新入生の皆さんのご参加をお待ちしております!