TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 14 | 0 | 7 | 2 | 23 |
日体大 TRIUMPHANT LION | 0 | 6 | 3 | 6 | 15 |
ついに、関東大学秋季リーグが開幕した。大事な初戦の相手は大学屈指のQBを擁する日体大。リーグ戦での対戦成績はここ5年で1度も負けていないが、この春に強豪・関学大を16―14で下しているだけに油断はできない。試合は幸先よく先制に成功した早大が点差を広げたが、後半に相手の反撃もあり接戦の様相を呈する。1度も相手にリードを許すことなく23―15で勝利を収めたが、「もう一度自分たちの練習を見直さないといけない」(DL斉川尚之主将、スポ4=東京・獨協)と、今後の戦いへ不安を残した。
雨脚が徐々に強まる中、早大のキックオフで試合が始まった。相手のオープニングドライブでDB石河佑太(創理4=東京・早実)がインターセプトを奪いモメンタムを引き寄せると、続く攻撃でWR高地駿太朗(先理4=神奈川・浅野)へのTDパスが決まり先制に成功。さらに、第1クオーター(Q)終了間際にもRB元山伊織(商4=大阪・豊中)がエンドゾーンへ飛び込み点差を広げた。しかし続く2Qで、パスが冴え渡る相手QBを止められずTDを献上。流れは相手に傾きかけていた。それでも前半終了間際にDB高岡拓稔(商3=東京・早大学院)のインターセプトで反撃の芽をつみ、1ポゼッションのリードで前半を折り返す。
先制のTDパスを獲得したWR高地
迎えた後半。最初に攻撃を仕掛けた早大は、WRブレナン翼(国教3=米国・ユニバーシティラボラトリースクール)の高さを活かしたキャッチで追加点を獲得。ここで勢いに乗りたかったが、攻守共に隙の無い相手に第4Q序盤で6点差にまで迫られると、本調子でないオフェンス陣を思うように機能できず暗雲が漂う。それでも、激しくプレッシャーをかけたDB永井雄太(商3=東京・早大学院)のパントブロックでセーフティをもぎ取り、日体大最後のドライブではレッドゾーン目前まで攻められながらも、ディフェンス陣の踏ん張りで窮地を脱し試合終了。リーグ初戦を白星で飾った。
試合終盤に踏ん張りを見せたディフェンス陣
「見ての通りです。実力通りで」(高岡勝監督、平4人卒=静岡聖光学院)と、言葉少なに試合を振り返る指揮官。初戦で何とか白星をつかんだが、満足のいく内容とは程遠いものに悔しさをにじませた。どれだけ課題が出ようとも修正し続け、秋を戦い抜かねばならないのがフットボーラーの宿命。さらなる進化を追い続けなければならない。悲願の『日本一』へ、立ち止まる時間はもう残されていない。
(記事 成瀬允、写真 小田真史、岡秀樹)
得点経過 | |||||||
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TEAM | Q | PLAY | PLAYER(S) | PAT | PLAYER | G/NG | スコア |
早大 | 1 | PASS | #1柴崎→#15高地 | K | #96髙坂 | G | 7-0 |
早大 | 1 | RUN | #7元山 | K | #96髙坂 | G | 14-0 |
日体大 | 2 | RUN | #10諸本 | K | NG | 14―6 | |
早大 | 3 | PASS | #1柴崎→#6ブレナン | K | #96髙坂 | G | 21-6 |
日体大 | 3 | FG | #5斎藤 | 21―9 | |||
日体大 | 4 | PASS | #11小林→#84徳永 | K | NG | 21―15 | |
早大 | 4 | SAF | #23永井 | 23-15 |
星取表(9月2日現在) | ||||||||
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早大 | 法大 | 中大 | 立大 | 慶大 | 明大 | 日体大 | ||
早大 | * | 11/25 | 11/11 | 10/28 | 9/30 | 9/16 | 23○15 | |
法大 | 横浜 | * | 10/28 | 11/11 | 10/14 | 9/2 | 9/16 | |
中大 | 横浜 | 川崎 | * | 11/25 | 21●24 | 10/14 | 9/30 | |
立大 | 川崎 | 横浜 | 横浜 | * | 9/15 | 9/29 | 10/13 | |
慶大 | 夢の島 | 川崎 | 24〇21 | アミノ | * | 11/25 | 11/11 | |
明大 | アミノ | アミノ | 川崎 | アミノ | 横浜 | * | 10/27 | |
日体大 | 15●23 | アミノ | 夢の島 | アミノ | 横浜 | アミノ | * |
コメント
高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)
――試合を終えての率直な感想はいかがですか
見ての通りです。実力通りで。
――今試合で力を出せた点は
ディフェンスは最後までタックルしにいくですとか、そういった姿は見れたかなと思います。オフェンスはひどかったですね。
――何とか逃げ切れたのはディフェンスの力が大きかったでしょうか
そうですね。斉川が最後まで選手を鼓舞して、自分で最後まで諦めずにやっていましたね。
――相手の印象はいかがでしたか
やはりスピードがあると思っていたのですが、その通りに日体大のスピードにやられましたしQBも上手でした。
――今試合から修正が求められる点は
この後の一戦一戦をどう勝っていくかということで、次の試合に向けて全部修正が必要ですが、自分たちの強み弱みをもう一度見直して、謙虚な気持ちでやるしかないと思っています。
DL斉川尚之主将(スポ4=東京・獨協)
――初戦を終えての率直な感想はいかがですか
きょうの試合を受けてチームとしてまだまだであり、もう一度自分たちの練習を見直さないといけないと思いました。
――夏に取り組んだ点は発揮できましたか
夏合宿から日体大を想定して練習に取り組んでいたのですが、ゲームスローガンでも『START』を掲げていて、きょうの試合のスタート自体は悪くはなかったのですが、前半に得点してちょっと気が緩む部分があって、そこからずるずると点を離せる場面でTDをされたりターンオーバーを許したりしてしまいました。
――相手のオフェンス陣はいかがでしたか
スカウティングよりも率直に戦いにくい感触があって、OLのスーキムも単純なものではなく複雑に交差させたものもあり、加えてQB小林くんが奥にも手前にもパスを決めてワイドに展開をするので、ディフェンスとしては正直しんどかったという印象ですね。
――その中で勝ち切ることができたポイントは
4Qの最後に攻められた場面で、ディフェンスとしては最後の最後で踏ん張れたという形ではあるのですが、どっちに転んでもおかしくはなかった内容だったと思います。
――今後の抱負をお願いします
きょうの日体大も何とか接戦で勝てたのですが、こういったしんどい試合が5試合続くことになると思うので、最終的に勝負を分けるところで自分たちがどれだけ集中できて、自分たちが練習でやってきたフットボールをできるかがカギになってくると思うので、日体大戦ではすごく反省が出たと思うので、その反省とプラスアルファで成長していくという思いで、臨んでいきたいと思います。
RB元山伊織(商4=大阪・豊中)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
最初の1Qでテンポよく2つのタッチダウンが入って、きょうは自分たちのオフェンスに自信があったこともあり、このまま点を取っていけるだろうなという気はしていたんですけどそこから止められてしまいターンオーバーも増えてしまって、振り返ると気のゆるみが出て僕らの甘さが出てしまった試合だと思います。
――タッチダウンの場面を振り返っていかがですか
あれは練習通りのプレーでオフェンスラインもうまく動いてくれて、僕も練習通りのプレーが出ただけなので特によかったなという思いはないんですけど、最初に取れたので気持ちよかったです。
――試合全体を通してオフェンスはいかがでしたか
1プレーの成否で一喜一憂している部分がまだまだ日本一のオフェンスユニットになるにあたってまだまだ足りない部分だと思うので、もう少し平常心を保って自分たちの力を100パーセント出せるオフェンスをここからの練習で作っていきたいと思います。
――夏に行ってきた練習はこの試合で出すことができましたか
全くできていないですね。ここからもう1回見直して、秋初めにこういうようなゲームができて逆に収穫だと思うのでここから気を引き締めなおして甲子園に向けてまた頑張りたいと思います。
――最後に今後の意気込みをお願いします
最初にこのように早大のファンを不安にさせてしまうような試合にして申し訳ないんですけど、今年は必ず日本一になると決めているので暖かくご声援いただけたらなと思います。
QB柴崎哲平(政経3=東京・早大学院)
――今大会の初戦ですが、チームとしてどのようなことを意識して臨みましたか
日体大に勝ち切るということを合宿明けた時から日体大を想定していました。一戦一戦勝ち抜くということを意識して臨んだ立証戦何が起こるか分からない試合でしたが、できる限りの準備をして臨みました。
――個人としてはどのようなことを意識していましたか
勝つことは前提の上、その中でより成長するために完璧を求めすぎてしまいました。投げ捨てていい場面を無茶に投げてしまうことや、端的なゲームメイクをしなければいけないところを端的に決め切るという風に考えてしまったので、こういう試合になってしまったかなと思います。
――雨対策はどのように立てていましたか
雨対策はしっかりとレシーバーともコミュニケーションを取るなど、グローブを雨用に変えるなどして対策はできていました。影響はありませんでした。
――今試合はインターセプトをされる場面が3つありましたが、それに関してどのように考えていますか
最初の2つに関してはレシーバーとコミュニケーションが取れていなかったのと、自分の投げどころが悪かったからです。最後のプレーは先程言った投げ捨てることができず、中途半端なプレーを選択してしまったことが原因です。本当に自分の責任だと思っています。
――次戦に向けて一言お願いします
試合に向けての心の持ちようをもう一度見直して今回試合とは違った姿を見せれるように自分がこのチームの司令塔なので責任持ってやっていきます。