TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 7 | 0 | 0 | 0 | 7 |
ノジマ相模原 RISE | 7 | 10 | 3 | 0 | 20 |
長きに渡り熱戦が繰り広げられた春季オープン戦もついに最終戦を迎えた。相手は社会人リーグの1部に所属するノジマ相模原ライズ。今春はパールボウルトーナメントで準決勝まで駒を進めた強豪だ。早大は前半にTDパスで先制点を奪ったが、強力な布陣の相手にその後逆転を許し7―20で力負け。それでも「2ポゼッション差ありましたけども最後まで集中力は切れずにプレーできていた」(高岡勝監督、平4人卒=静岡聖光学院)と、最後の最後まで選手たちはその高きカベに挑み続けた。
早大のキックオフで試合開始。序盤から攻撃を仕掛けるライズに自陣深くまで攻め込まれピンチの場面を迎えたが、ここでLB池田直人(法3=東京・早大学院)が起死回生のインターセプト。窮地を脱し一気にモメンタムを引き寄せた早大は、QB宅和真人(政経2=東京・早大学院)のパスでボールを前進させると、最後はプレーアクションからWR小原嶺(法4=東京・早大学院)へTDパスが決まり先制に成功する。しかし、直後のキックオフで相手にビッグリターンを与えると、高い精度のパスと強烈なランを止められず同点に。続く第2クオーター(Q)では、LB橘風雅(教2=大阪・豊中)にインターセプトが飛び出すなど果敢に食らいつく場面もあったが、攻守共に威力の衰えない相手に突き放され7―17。10点のビハインドを背負ってハーフタイムを迎えた。
社会人相手にTDを奪ったQB宅和
迎えた後半。早大ディフェンス陣はFGこそ奪われたが、DB小野寺郁朗(社4=東京・早大学院)の華麗なパスカットやDL吉田開(国教4=大阪・早稲田摂陵)のQBサックなど、要所で粘り強い守りを披露。一方のオフェンス陣もRB元山伊織(商4=大阪・豊中)やWR遠藤健史(法4=東京・早大学院)らの活躍でフレッシュを更新したが、「1発のビッグプレーで決められるような決定力がなかった」(宅和)と、思うように得点を奪うことはできず試合終了を迎えた。
QBサックを決めたDL吉田
「圧倒的にフィジカルの差があった」(小原)、「パワーの強さやボールへのリアクションの早さという部分をすごく感じた」(宅和)と、社会人のレベルの高さを口にする選手たち。今試合は力の差を痛感させられる格好となったが、その中で得られたものは少なくないはずだ。日本一を目指す上で求められるものを再確認できた春は移ろい、頂をつかみ取るための鍛錬の夏がこれから始まる。
(記事、写真 成瀬允)
コメント
高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)
――社会人チームと試合を組まれた意図は
1月3日(ライスボウル)で勝たなきゃいけない社会人と試合をしておかないといけからです。
――社会人チームとの交流は
合同練習は毎年やっているのですが、ちゃんとした試合形式というのは近年ではあまりないですね。
――相手の印象はいかがですか
コンタクトのヒットの強さというのはやはりしっかりとしているので、1つの経験としてできたと思います。
――早大の動きを振り返っていかがですか
きょうは最後までボールに集まろう、走り負けないようにしようと、言っている中で2ポゼッション差ありましたけども最後まで集中力は切れずにプレーできていたと思います。
――春のシーズン全体を振り返っていかがですか
まだまだ不満です。やりたいことができませんでした。このままでは勝てないと思います。
WR小原嶺(法4=東京・早大学院)
――相手の印象は
圧倒的にフィジカルの差がありました。正面に立った時にデカいなと思っていましたが、気持ちでは負けないようにはしていました。
――TDパスを奪いました
作戦がうまくはまった感じでQB宅和がいいところに投げてくれたので、作戦と宅和のスキルが良かったと思います。
――春シーズンを振り返っていかがですか
個人としてはケガが多くてあまり成長できなかったと思います。パスユニットとしては、きょうは結果的に負けてしまいましたが、QB宅和が2年生ながらよく頑張ってくれて、彼の成長がチームの成長につながっていくと思います。
――今後への抱負をお願いします
目標としているところで社会人チームと戦うことになると思うので、その中でフィジカルが足りていないのが、1番の課題だと思うのでユニット全体で体を大きくして、秋に戻ってこられるように頑張ります。
LB池田直人(法3=東京・早大学院)
――相手の印象はいかがでしたか
僕は社会人チームと初めて試合形式で戦ったのですが、今まで戦ったOLの中では1番強くて1発で突き飛ばされたり、パスラッシュがうまくいかなかったり自分のプレーはあまりできませんでした。
――相手は大柄なOL陣でした
自分はDLと比べて体重がないのでやられてしまったのですが、他のDLはそこそこ戦えていた感じなので僕もDLと同じくらいフィジカルをつけていかなきゃなと思いました。
――第1Qにはインターセプトがありました
たまたま僕がうまくラッシュができなくてOLと戦って、そこに飛んできたボールを取った感じなのでおいしい感じでした(笑)。
――春シーズンを総括していかがですか
LBとしてはケガ人が多くて春シーズンの中で、ベストメンバーで戦える試合がほとんどありませんでした。その中で、下級生やBチーム、Cチームの選手が成長してくれたことは良かったと思います。しかし秋シーズンになると、ケガ人は増えていきますし、ケガをするとパフォーマンスは落ちると思うので、ケガをしないように気をつけていきたいです。また、ディフェンスとしてタックルの精度やパシュートに課題があったので、フィジカルといった誰にでもできることをしっかりやっていきたいと思います。
QB宅和真人(政経2=東京・早大学院)
――きょうの相手は社会人チームとなりました
まず、ヒットの強さがあったということと、いつもなら出ているランも社会人の圧であまり出ていなかったり、レシーバーへの圧であったりでだいぶパスコースをずらされてしまい、そういったところでのパワーの強さやボールへのリアクションの早さという部分をすごく感じた試合となりました。
――その中できょうはTDパスを決める場面がありました
社会人相手にパスで1本取れたことはとても嬉しかったことです。しかしそこからはTDを取れなかったので、まだまだ1発のビッグプレーで決められるような決定力がなかったので、打開できるようなパスを投げていきたいです。
――今試合で春季オープン戦を戦い終えました
春のシーズンは中大戦と今試合と出させていただいたのですが、いかに準備をすることが大事かを感じる試合でした。今回の試合も大分、スカウティングをして準備をして臨んで、それでも対峙した時には相手は強い状況だったので、準備の大切さを知った2試合になったと思います。
――今後への抱負をお願いします
夏に向けて、まだまだ信頼されるようなQBになっていないと思うので、プレーで引っ張っていくということもそうですし、そういった部分でなくてもリーダーシップが足りていないと思うのでそこを出していけるように夏、秋に柴崎さん(QB哲平、政経3=東京・早大学院)を抜けるように頑張っていきたいと思います。