早大学院、早実の選手を招きことしもフットボールクリニックが開催。基礎部分を共通化することでワセダ全体の強化を図り、「出来なかったことについてはどう工夫したら出来るだろうか」(高岡勝監督、平4人卒=静岡聖光学院)と、練習を前に高校生へ問いかけ、インテリジェンスの重要性を強調した。
全員でハドルを組み、威勢の良い掛け声と共にトレーニングは始まった。運営に携わったLB杉田直人(法2=東京・早大学院)は「アジリティーやファンダメンタルを大事にしている」と、基礎を多く取り入れた練習メニューを考え、徹底的に指導。瞬時の判断が求められるフットボールにおいて、反復練習で基礎を固めることの重要性を説いた。また、LB池田直人(法2=東京・早大学院)が実演を交えながら効果的なヒットやタックリングを伝授し、高校生にフットボールの基本姿勢であるFFP(ファンダメンタル・フットボール・ポジション)を再確認させた。
実演を交えながら高校生へ指導
全体練習が終わるとポジションごとの練習へ。スキルポジションでは実際にボールを扱いながら実践的な練習をこなし、ラインズではスタートやパスプロテクションの練習に力を注いだ。ここでも大学生と高校生でマンツーマンの指導が行われ、1つ1つのプレーを振り返りながら理解を深める。熱心に耳を傾けた高校生たちの動きにも徐々に変化が表れ、精度の高いプレーが多く飛び出した。
基礎的な動きを徹底的に確認
「きょう教えたことは自分たちにも言えること」(WR豊田航平、法2=東京・早実)と指導を通じて練習への取り組み方、意味を再確認し、気持ちを引き締めた選手たち。高校生はもちろん大学生にとっても、大きな刺激になったに違いない。『気魄』をスローガンに新体制となったBIG BEARS。悲願の日本一へ向け新たな一歩を踏み出した。
(記事、写真 成瀬允)
コメント
高岡勝監督(平4人卒=静岡聖光学院)
――高校生を指導するにあたって意識されたことはありますか
フットボールをやるにあたって、この3時間の練習で何か気付かないといけないので、きょうの練習が終わった時に何を見つけられたか、出来るようになったかが1つと、何が出来なかったのかを一つ一つ練習の中で見つけて欲しいです。出来なかったことについてはどう工夫したら出来るだろうかと考えて、それが分からなかった時には、ポジションコーチ、先輩に聞いて少しでも成長してほしいと思います。そのために大学生も一つ一つ高校生に教えてくださいと、お願いしました。
――基礎的な動きの確認が練習で多く見られました
高大一貫で取り組もうと、3年前から始まったのですが、ファンダメンタルやアジリティーといった基礎部分を共通化することで、高校生が大学に入った時にスムーズに入れることが1番の手段ですし、ワセダで大事にしたいところが、アジリティー、ファンダメンタルを一生懸命やることで、ワセダのベーシックなところなので、そこを一緒にやることで、ワセダ全体の強化を図ろうという意図です。
――きょうは大学生が指導者として教える立場になりました
学院出身、早実出身の先輩なら分かるけども、他の高校から入った先輩の顔は知らないことがあります。今後グラウンドでの色々な話や、相談を受ける時に顔を知ることは大事なのでそういった形にしました。
――4月から新しく新入生を迎えることになりますが、どういったチームづくりを目指しますか
ことしは『気魄』という言葉がチームスローガンになりました。勝ちにこだわるというか、1番になること、トップになるために努力することをやろうと言い続けているので、自分がどう活躍するのか一人一人考えてやっていって欲しいなと思います。
LB杉田直人(法2=東京・早大学院)
――指導するにあたって意識されたことはありますか
僕は運営の面ばかりだったのですが、きょねんの反省を生かしつつよりいいものに変えるようにしました。また来年はことしの反省を生かして欲しいと思います。
――指導は基礎的な動きの確認が中心となりました
早大は、アジリティーやファンダメンタルをすごい大事にしているチームで、結果的にその成果も出ているので、そのことを後輩に知って学んでもらいたいという意図もあって、ファンダメンタルなどは多く取り入れました。
――ご自身も高校時代にこのクリニックを受けられたと思うのですが、当時を振り返っていかがですか
高校時代は教えられる側で参加するクリニックで、きょねんは指導する側となり、ことしは運営をする立場となって、色々な立場でこのクリニックに携わることで、見えてくることもありました。当時プレーをした記憶などを生かしながら、分かりやすい指導になるように考えてメニューを組むことがあまり出来なかったので、この反省は来年に生かしてもっと良くして欲しいと思います。
――これから新入生が加わりますが、どのようにチームに貢献していきたいですか
リクルートという立場なので、しっかりと部員を確保するということはもちろんなのですが、その中でもチームのボトムアップを目指して頑張りたいと思います。
WR豊田航平(法2=東京・早実)
――高校生を指導するにあたって意識されたことはありますか
系列校のレベルアップが、将来的に早大のレベルアップにも繋がると思うので、そうなるように指導を頑張りました。
――基礎的な動きの確認が多く見られました
反復練習が大事だと思うので、僕たちは本当に基礎的な部分を中心に教え、高校生はそれを積み上げていって欲しいと思います。
――ご自身も高校時代このクリニックを受けられましたが、当時を振り返っていかがですか
大学生の先輩方が楽しく教えてくださったのが印象的です。
――きょうは教える側の立場となりました
教えるということは自分たちがしっかり出来ていないといけなくて、きょう教えたことは自分たちにも言えることなので、もう一回考えて練習に取り組んでいきたいです。
――これから新入生が入りますが、どのようにチームに貢献していきたいですか
入部をしてくる人は、日本一になりたいという強い気持ちを持っていると思うので、僕が一方的に技術などを押し付けるのではなく、一緒に切磋琢磨して日本一を目指せるよう頑張っていきたいです。