最後の勇姿を見せたカレッジボウル

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
ALL TOP8
ALL BIG8

 関東1部リーグTOP8とBIG8、北海道、東北から選抜された選手が熱戦を繰り広げるカレッジボウル。早大からは、2017年度ALL関東24にも選出されたOL鈴木敬太(法4=東京・早大学院)、TE田島広大(法4=東京・早大学院)ら7名が選出された。「『ファンフットボール』を目標に掲げた」(LB田口凌、社4=東京・早大学院)と、学生として最後の試合に臨んだ選手たち。試合は早大を含んだALL TOP8が終盤に追い上げを見せたが、惜しくも1点差で敗北を喫した。

 オープニングドライブでインターセプトを喫したALL TOP8は、試合序盤からTDを献上する苦しい立ち上がりに。その後は修正し、LB長尾祐二朗(スポ4=愛知・海陽学園)が激しいプレッシャーをかけ、QBサックを決めるなどDF陣が躍動。相手に攻撃の糸口をつかませなかった。第2クオーター(Q)に入りALL TOP8はFGが決まり、反撃ののろしを上げたかに見えたが、精彩を欠いたプレーが続き、相手の裏をかいたスペシャルプレーも失敗。3点差を縮められぬまま前半を折り返した。

アグレッシブなプレーを見せた長尾

 DB久保颯(国教4=東京・早大学院)が鋭いタックルを見せるなど、互いに堅守が目立った後半。一進一退の攻防が続き第4Qに入っても、スコアボードに0が並んだ。意地を見せたWR斎藤健(法4=東京・早大学院)へのパスが決まり大きく前進するが、思うようなオフェンスは続かない。攻撃権を受け渡したALL TOP8であったが、相手エンドゾーンでパントをDB佐藤(明大)がブロックし自殺点を獲得。1点差に迫り、2分32秒を残し最後のドライブへ。QB馬島(法大)の掛け声と共に逆転勝利へ向け走り出す斎藤。だが、大きな放物線を描いたボールは手中に収まることなく、時計の針が0を指した。

終始和やかな雰囲気で試合は進んだ

 昨年の秋、激闘が繰り広げられたTOP8。「相手として戦ってきた選手と一緒にプレーできるのは新鮮で、楽しかった」(OL稲葉玲央、法4=東京・早大学院)と、しのぎを削り合った選手たちも、この日ばかりは勝利を目指し同じ方向へと突き進んだ。結果は「改めて勝つことの大切さを感じた」(久保)と、ALL BIG8に一歩及ばなかったが、アメリカンフットボールの楽しさを噛みしめながら、選手たちは笑顔でグラウンドをあとにした。

(記事 成瀬允、写真 平川茜音、林大貴、涌井統矢)

コメント

OL稲葉玲央(法4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

やっぱりOLで流れを作れなかったかなっていうのがありましたね。OLが漏らしてしまってサックされる場面もあったので、僕たちがもう少ししっかり準備して臨めていたらもう少し違う結果になったのかなとは思いますね。

――BIG8の選手の印象はいかがでしたか

すごい強かったです。特に僕の対面にいた選手がすごく強くて、やりづらかったです。

――TOP8の選手と共にプレーしてみていかがでしたか

普段、シーズンを通して相手として戦ってきた選手と一緒にプレーできるっていうのはすごい新鮮で、こんなこと今まで一度もなかったので、楽しかったです。

――4年間を振り返っていかがですか

とにかく支えてくれた親に感謝って感じですね。感謝です。特に母親には感謝しています。

――OLの後輩にコメントをお願いします

とにかくウエイトを頑張って、フィジカルを大きくして頑張ってください。

LB田口凌(社4=東京・早大学院)

――きょうの試合はいかがでしたか

正直負けたのはちょっと悔しいです。BIG8が相手ということで、チーム全体的に気持ちの緩みが出てしまったかなと思いますね。でも、学生としての最後の試合なのでチームとして楽しむ、『ファンフットボール』っていうのを目標に掲げてプレーしていたので、その目標はみんな体現できていたと思います。

――BIG8の選手の印象はいかがですか

試合前から気持ちの入り方が僕らとは全然違ったので、アグレッシブな選手が多いなと思いました。

――TOP8の他のチームの選手と同じチームでプレーしてみていかがでしたか

アメフトを楽しんでプレーするという点で、早大と比べると彼らの方が楽しんでプレーしているなと思いました。そういったところはすごいなと思いました。

――4年間を振り返っていかがでしたか

月並みな言葉ですけど、最高の4年間でした。きょうの試合でもそれは感じていました。

――LBの後輩に向けてコメントをお願いします

きょうの試合も、そんなに出番はないかなと思っていたんですけど、意外と出番が回ってきて、タックルしたりするとやっぱり楽しかったですし、試合に出るともっとアメフトが楽しくなると思うので、ユニットとしてももちろんですけど、個人個人頑張ってもらいたいです。

DB久保颯(国教4=東京・早大学院)

――学生生活、最後の試合でしたが、今試合にはどのような気持ちで臨みましたか

今までアメフトを、勝って当たり前、勝たなければ意味がない、という気持ちでやってきた中で、今日は特に楽しむことに重点をおいてやりました。でも終わってみて、負けてしまったら楽しさは半減してしまうなと思い、改めて勝つことの大切さを感じました。

――選抜として出場した今試合ですが、振り返っていかがですか

高校からずっとワセダで、ワセダのアメフトしか知らなかったので、このようなオールスターで様々なアメフトのチームを知れて、なおかつトップレベルの選手が集まっていたので、すごく刺激になりました。これからのアメフト人生にも生かしていきたいなと思いました。

――他のチームの選手とプレーしてみて、特に印象に残った点はありますか

みんなアメフトが好きで集まって来ているメンバーなので、楽しむことが1番だなと思いました。本当にきょうの試合は楽しめてよかったです。

――今後について教えてください

社会人でもぜひ機会があれば続けたいのですが、そこは仕事との兼ね合いもあるので、色々なチームの話を聞いて、これから考えたいと思います。

WR斎藤健(法4=東京・早大学院)

――大学最後の試合でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

リーグ戦とは違って全力で楽しむということを最優先にしてプレーしたので楽しい気持ちで臨むことができました。

――選抜チームに選ばれたときはどのようなお気持ちでしたか

いろんな大学の戦ってきたメンツと一緒にやれるので、素直に嬉しかったです。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

3日間本当に雑に練習したのが出たなと言った感じで(笑)。本当にちょっと、恥ずかしい試合でしたね。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

やっぱり、スペシャルプレーを仕掛けた場面でパスが決まらなかったのが一番でしたね。悔いが残るなと言った感じです。練習はしていたんですけど、うまくいかなかったですね(笑)。

――他大学の選手との連携の部分はいかがでしたか

練習していなかったので、悪かった部分はあるんですけど、試合になったときは全員でしっかりレシーバーとQBとも合っていたので、そういう連携の部分もできるというところを少しは見せることができたかなと思います。

――これまでのフットボール人生を振り返っていかがでしたか

高校からやってきて、関わってきてくれた人たちに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。その中で自分もアメフトを通して成長できたと思いますし、これまで経験したことを生かして今後の人生を歩んでいきたいと思います。

――最後に、後輩に向けてメッセージをお願いします

日本一という目標はすごく高い目標だと思うんですけど、今自分たちがやっていることをしっかり大事にして一つ一つハードルをクリアして、日本一になって欲しいと思います。

TE田島広大(法4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

ディフェンスが頑張ってくれていたのに対して、オフェンスが不甲斐ない結果だったかなと思います。BIG8の気迫にやられたというか、僕たちはウキウキなお遊び気分でやっていたのでちょっと反省です。

――スペシャルプレーなどや多く用意されていたのですか

そうですね、実際にも結構やってはいたんですけど、全然決まらずという感じでした。僕らの考えていたスペシャルプレーよりも、BIG8のディフェンスの方がすごかったという感じですね。

――学生最後の試合でしたがいかがでしたか

学生と社会人の合間にある試合だったので楽しもうという意気込みで臨めました。

――仲のいい選手などはいらっしゃいましたか

高校時代、オールスターに一緒に出ていた友達とかもいて4年越しにプレーができたので同窓会みたいで楽しかったです。この後もちょっとみんなで集まるので楽しみです(笑)。

LB長尾祐二朗(スポ4=愛知・海陽学園)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

本当は勝たなきゃいけない試合だったんですが、負けてしまったということでTOP8としては残念だったかなと思います。

――QBサックのファインプレーが見られましたがいかがでしたか

ワセダのみんなは全然結果残せないんで、自分しか残せないだろうと試合前から思っていたんですけど、しっかり自分だけ残せました。まぁこれは冗談です(笑)。サックはずっと狙っていました。

――仲のいい選手はいらっしゃいましたか

仲のいい選手もたくさんいたし、強い選手ばっかりで、ディフェンスは特にまさにオールスターって感じでした。僕のサックも、本当にDLがつよくて、僕はありがたくサックをいただけたので、みんなのおかげです。

――学生最後の試合でしたがいかがでしたか

それは結構意識してて、思いっきりプレーして4年間やってきたことをぶつけようと思っていました。フィールドで力がせたかなと思います。

OL鈴木敬太(法4=東京・早大学院)

――学生最後の試合を迎えるにあたっての心境はいかがでしたか

きょうは楽しもうかなと試合に臨みました。

――チームの雰囲気はいかがでしたか

3日間ぐらいしか練習はしていないんですけど、楽しくやろうとみんなやろうと思っていたと思うので、自分も楽しくやれたので良かったです。

――試合を振り返っていかがですか

プレー面は全然練習をしていなかったのでダメでした。緊張しながらも一番楽しくできたかなと思います。

――他大学の選手と共にプレーをすることになりました

他校も楽しくやっていて、試合には負けてしまいましたが楽しくやれたと思います。

――4年間を振り返っていかがですか

試合に出られる時も、出られない時もあったんですけど、ここまでできたのはいろいろな人の支えがあったからと思うので、そういった人に感謝しながら、社会人でも感謝を大事にやっていきたいと思います。

――最後に後輩さんへのメッセージをお願いします

僕らは2位で終わってしまったので、来年は日本一になってリベンジしてもらいたいと思います。