攻守で明大を圧倒!無敗を守り早慶戦へ

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 21 10 14 52
明大 GRIFFINS

 2年連続の関東制覇を目指し、開幕3連勝で走り出した早大。この日は明大との一戦に臨んだ。早大は、序盤からパスプレーが冴え、ランでも相手を圧倒。後半に入っても攻撃の手を緩めることはなく、52-7の快勝で開幕4連勝を飾った。

 早大は、序盤から猛攻を見せる。相手のキックオフのボールをWRブレナン翼(国教1=米国・ユニバーシティラボラトリースクール)がキャッチ、そのまま90ヤードを独走。リターンTDを成功させ、いきなりの先制点を奪った。その直後も、明大の攻撃を3アンドアウトに抑え、いい流れを早大の攻撃に持ち込むと、ランプレーでゲインを重ねる。このシリーズでTDを奪い、さらに次のドライブではRB須貝和弘(創理4=東京・早大学院)が相手の守備を華麗に振り切り、50ヤードを走破、TDを決めた。第2Q(クォーター)に入っても早大の勢いは止まらず、ゴール前残り1ヤードからの攻撃でRB北條淳士(社4=東京・佼成学園)がTD。守備でも、DB永井雄太(商1=東京・早大学院)が相手パスのミスを見逃さずインターセプトを決めるなど、相手に流れを渡さなかった。前半は28-0と早大の一方的なスコアで終えた。

攻める気持ちが全面に出たブレナンのTD

 後半に入り、早大は2年生や1年生を交えたフレッシュなメンバーで戦っていく。試合は引き続き早大のペースで進んだ。明大の攻撃を、DB久保颯(国教3=東京・早大学院)のパスカットなどで抑えると、直後の攻撃で再び須貝がTD。素早いカットバックを交え、59ヤードを1人で走り切った。さらに、DB湯舟大地(創理3=東京・早大学院)のインターセプトで流れをつかむと、K長谷川絢也(社1=東京・早実)がFGを決める。38-0、徐々に点差を開け第3Qが終了。第4Qに入っても攻撃の手を緩めず、ロングパスでTDを決める。その後明大にTDを許したが、これがこの試合唯一の失点。直後の攻撃では、濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)が試合後に挙げたRB村田賢紀(文構1=東京・西)のランなどで攻め込み、ゴール前6ヤードまで迫ると、最後はショートパスを捕ったRB三浦佑太朗(社2=東京・早大学院)が相手守備陣の中央を割って走り込みTD。試合の主導権を握り続けた早大が52-7と快勝した。

インターセプトでモメンタムを渡さず

 日体大戦や中大戦では接戦を制してきた早大だったが、この日は堅いディフェンスとオフェンスでのランプレーが光り、一転して大差での勝利となった。しかし、濱部監督は「これにおごることなく、気を抜かずに取り組んでいきたい」と語る。次節は、早大と同じくここまで全勝で来ている慶大との一戦。『永遠のライバル』を前に、BIG BEARSが躍動する姿に期待したい。

(記事 元田蒼、写真 大槻竜平、藤田さくら)

RB北條は念願のTDを決めた

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 KOR #40ブレナン #20長谷川 7-0
早大 PASS #1坂梨→#85鈴木隆 #20長谷川 14-0
早大 RUN #28須貝 #20長谷川 21-0
早大 RUN #6北條 #20長谷川 28-0
早大 RUN #28須貝 #20長谷川 35-0
早大 FG #20長谷川 38-0
早大 PASS #12笹木→#84鈴木洋 #20長谷川 45-0
明大 PASS #3中村→#87串田 #19山田 45-7
早大 RUN #22三浦 #20長谷川 52-7
個人記録(※一部のみ掲載)
ラン 回数 ヤード TD 最長
#28 須貝和弘 122 59
#30 片岡遼也 46 38
#6  北條淳士 25 17
#32 村田賢紀 19 19
#12 笹木雄太 16
#7  元山伊織 15
#27 中野玲士 12 12
レシーブ 回数 ヤード TD 最長
#85 鈴木隆貴 38 28
#81 松岡直希 24 18
#84 鈴木洋平 21 15
#3 遠藤健史 21 17
#4  西川大地 32 32
#15 高地駿太朗 31 31
#9  中村航 11 11
#97 杉山遼平 10 10
パス 回数(試投) ヤード TD 最長
#1  坂梨陽木 15(8) 115 32
#12 笹木雄太 12(6) 82 31
インターセプト 回数 ヤード TD 最長
#24 久保颯 28 28
#39 永井雄太
#12 湯舟大地
QBサック 回数 ヤード SAF 最長
#48 池田直人 12
#90 箕輪京介
キックオフリターン 回数 ヤード TD 最長
#40 ブレナン翼 91 91
星取表(10月18日現在)
早大 日大 法大 慶大 明大 中大 日体大 立大
早大 11/27 11/13 10/30 52○7 13○12 24○24 38○0
日大 横浜 10/29 11/13 35○14 21●27 45○7 48○14
法大 横浜 川崎 11/27 21○7 41○7 20○14 59○21
慶大 川崎 横浜 横浜 21○17 30○21 41○3 42○20
明大 7●52 14●35 7●21 17●21 11/27 11/13 10/29
中大 12●13 27○21 7●41 21●30 横浜 10/30 11/12
日体大 24●24 7●45 14●20 3●41 横浜 川崎 11/26
立大 0●38 14●48 21●59 20●42 川崎 アミノ アミノ
コメント

濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)

――きょうの試合はどのようなことを心掛けて臨まれましたか

とにかく攻めましょうということで、選手たちには最初から最後まで攻める気持ちを持ち続けてプレーしようと言っていました。

――第1Qはいきなりビッグプレーが飛び出すなど最高の立ち上がりでした。その要因は

そうですね。実は前節まではコイントスで勝っても後半チョイスで、カバーからという入りだったのですが、きょうは勝ったらレシーブから入ろうと予定していました。明大が勝って後半を選んでくれたのもあり、僕らが前半リターンから入れたので、その攻める気持ちが最初のリターンTDにつながったのだと思います。

――第3Q、メンバーチェンジで少しばたつきましたが、インターセプトで流れを渡しませんでした。きょうのパスディフェンスはかなり良かったのではないでしょうか

僕らのもともとのゲームプランとしては、ランをしっかりと止め、パスゲームに持ち込んでそのパスを狙うというものだったので、今回はそれにうまくはまってくれたのかなと思います。あれだけ点差が開くと、明大もパスを通すしかなくなってしまうので。ただ、オフェンスはインターセプトや反則で攻めきれなかった部分があるので、そこは東伏見に帰って取り組んでいかなければならない課題です。

――後半は多くの選手を起用していました。感触はいかがでしたか

ディフェンスはケガ人の関係もあり、早い段階から若いメンバーを使っていて、きょうはそのメンバーが良い活躍をしてくれました。逆にオフェンスは今までそういった余裕がなくて、若いメンバーを出す機会がなかったのですが、きょうは終盤若い選手を使うことができて良かったです。また、選手も試合に出ると練習に対してのモチベーションが上がってきますし、実際にきょうはRB村田(賢紀、文構1=東京・西)が良い走りをするというようなプレーもありました。これでチーム全体が活性化して、良い化学反応が起こってくれたらと思います。

――良い試合でしたが、課題を挙げるとするとどこでしょうか

やはりこういう試合をした後に緊張感が緩んでしまったり、自分たちが強いと勘違いして練習への取り組みの質が落ちてしまうといったことがあると、あっという間に前節のようなチームになってしまうと思います。この2試合しんどい試合をして、準備を含め練習に対する取り組みなど姿勢から見直そうと必死にもがいてきて、きょうこういう試合ができました。これにおごることなく、また2週間良い準備ができるように気を抜かずに取り組んでいきたいです。慶大も力のあるチームで、今のチーム状況だと苦しい展開になってしまうので、そうならぬように個として、チームとして成長してまたフィールドに戻ってきたいと思います。

OL松原寛志主将(法4=東京・早大学院)

――試合全体を振り返って

ここ2試合苦しい試合が続いていて、具体的に何がダメなのかということを探していました。日体大戦では変われなくて、もう2週間考えて何かを変えられた結果、いい試合ができたのかなと思います。

――何か目標にしていた数値はありましたか

いろいろ細かい目標がありましたが、オフェンスはスコアが35点以上で、ディフェンスは失点が7点以内というのが大きな目標でした。

――ここ数試合立ち上がりが課題のように見えましたが、きょうは1Qで3本のTDを取りました

そうですね。試合最初のキックオフリターンで1年生の翼(ブレナン、国教1=米国・ユニバーシティラボラトリースクール)がリターンTDを決めて、完全にモメンタムを持ってきてくれ、それがチームにいい流れを生んだと思います。なのでとても感謝しています。

――前半を4TD差で折り返しましたが、どのようなことを意識して後半に臨みましたか

前半はワセダが準備してやりたいことがうまくはまって、優位に試合が進められました。しかし前半の最後で、それがうまくいかなくなってきた。逆に言えば明大が立て直すために用意したものがあれば、十分試合がひっくり返るという緊張感だったりは必ず切らないようにすること。もう1つは、一戦必勝で目の前の試合に勝つことは当然として、日本一になるために1プレー1プレー成長しなければならないということをチーム全体に対して話しました。

――後半から下級生の出場が増えましたが、下級生の活躍はいかがですか

試合の初めから、オフェンス、ディフェンス、キッキングで下級生がのびのびとプレーしていてくれて、そういった中で、その下級生の刺激に対して他の下級生も自分もやるぞという気持ちでプレーしてくれていたので、とてもよかったと思います。

――リーグ戦4試合を終えましたが、チーム全体の雰囲気はいかがですか

1つ1つ勝てているというのを考えながらも、後ろ後半3つに全員で勝ちに行くといういいスタートがきょう切れたのではないかと思います。

――ここからより厳しい戦いが続いてきますが、どんな準備をしたいですか

とにかく春も試合していて年2回必ず試合する相手で、お互い手の内は知っていると思います。知り尽くしている中でいかに勝つかというところを考えなければならないので、そういった意味でいかに準備して詰め切れるかで勝敗は決まると思うので、しっかり準備したいと思います。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします

リーグ戦、他の学校も含めてですけど、人生最後の早慶戦ということは頭の中に少なからずあるので、そういった意味で必ず勝って次につなげたいと思っています。

RB北條淳士(社4=東京・佼成学園)

――本日は、非常に調子のいい試合だったと思いますが、振り返っていかがですか

今日はディフェンスがしっかり頑張ってくれて、オフェンスもランが機能して、パスも結構いい感じに決まっていたので、こういう本来の自分たちが持っている力を発揮できたゲームになったんじゃないかと思います。

――1年生も含め、RBは選手の数が非常に多く感じられますが、下級生をみて何か思うことはありますか

今20人くらいRBがいて。見ている方も誰が出てきたんだってなると思うんですけど(笑)。下級生だと今日頑張っていたのは村田と、1年のRB中野(玲士、商1=東京・早大学院)が非常にイケメンでかつ頑張っていましたね。僕らが卒業してからもずっと頑張ってくれると思うので非常に期待しています。

――念願のTDを獲得しましたが、どのような気持ちですか

今までの3試合で実は一回もTDとれていなくて。全部おいしいところ誰かに持っていかれていたので(笑)。RBのコーチの方にも絶対TDしろと言われていたので、とりあえずできたことが嬉しかったです。

――TDを祝して、今日は何を召し上がりますか

そうですね、なんだろう、焼肉が食べたいですかね(笑)。

――今日はTD以外にも相手を上手くかわしながらのロングゲインもありましたがどうでしたか

運が良かったっていうのもあったんですけど、向こうのタックルが飛んでくる感じのタックルだったので、ちょっとずらしたら運よくかわせた感じですね。 今後ももっと力強く走りたいと思います。

――より良いチームにするための改善点、課題等はありますか

やっぱり、最後のシリーズでRBがファンブルしてしまったりと、最後の詰めの甘さがでてしまって。そういう最後の一つが今後命取りになると思うので、練習でも試合でも今後意識してやっていきたいと思います。

――最後に次回の慶應戦に向けての意気込みをお願いします

慶應は永遠のライバルですし、僕もう4年生ですし最後の早慶戦になるので。相手にはRB李卓選手もいて、ずっと彼がすごいと言われていて、僕も須貝も影に隠れてしまっていたので、いろいろな要因が重なった早慶戦になると思います。早稲田のために走って、TDをとって勝ちたいです。

DB久保颯(国教3=東京・早大学院)

――明大へはどのような対策をしていましたか

明大は体型によってプレーがしぼられているので、それに向けてみんなで体型アジャストを考えて、しっかりやり込みました。やることを明確にして動けたからよく止まったのかなと思います。

――パスゲームになりましたが、パスカバーについてはいかがですか

試合をやっていてQBがターゲットをすごく見る傾向があって、それで全員がQBリアクションを心がけて本来のゾーンよりプラスアルファで守ることができたので、よかったです。

――ランへの対応も速かったですね

それは過去3試合でチームとしても自分としても課題になっていて、素早くブロッカーを処理してランに絡むというのはテーマにしてやっていました。もちろんキーリードはするんですが、ランが来たら思い切り行こうとしていました。全体的に割り切ってプレーできたのがよかったです。

――きょうのカバーの出来としてはパスとランどちらの方がよかったですか

正直、序盤で点差がついて奥へのランがあまり来ませんでした。ただランでもミスはありませんでした。パスを守る機会が多くて、カットもインターセプトもできたので、パスカバーの方がよかったかなと思います。

――インターセプトは久しぶりですね

1年生の春の練習試合とき以来です。公式戦では初です。

――率直な感想をお聞かせください

やっとできたなって感じです。

――明大はラン主体のチームのイメージがありますが、相手のRBと当たってみていかがでしたか

普段から須貝さん、北條さん、片岡(遼也、法2=東京・早大学院)とか関東でもトップレベルのRBと練習できているので、そこは全然試合でびっくりすることもなく、練習通りでした。

――ディフェンス全体を振り返っていかがでしたか

プラン通りにしっかりランを止めパスゲームに持ち込むというのができました。次から相手はどんどん強くなっていくんですけど、まずはランを止めてパスに持ち込めばことしのDBは勝てる自信があります。ゲームプランの遂行ですね。予定通りに行けば絶対に勝てると思います。

――過去2試合と試合展開が異なりましたが、2週間の中で変化はありましたか

常々監督、主将が口酸っぱく言っていて、何が足りなかったのか徹底的に見直して最高の準備をして練習や試合に臨もうということをテーマにしていました。きょうは全体として接点にこだわり、際で絶対に退かないというのを意識しました。なんだかんだ、日体大戦は下位チームでしたし、チームとしても緩い雰囲気があって、中大戦もみんな「まずい」と思っていたけどやっぱり変わりきれなくて。ただ明大は日大にも良い勝負をしていて、本当に食われるぞということになり、気持ちの部分で「後がないな」と変わりました。

――次戦の慶大戦に向けて意気込みをお願いします

慶大は日本トップランナーと言ってもいい李卓を擁していて、間違いなくランを軸に展開してくると思います。ローバーまでのフロントがしっかりとランを止められるかが鍵になると思うので、アサイメントだけではなく、ファンダとか基礎の部分から見直して、2週間準備していきたいと思います。

DB山口昴一郎(社3=東京・佼成学園)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

ここ2戦厳しい戦いの中で、今日はディフェンスも止まってオフェンスも出て、いい試合ができたかなと思います。今週2週間、練習でもずっと言われ続けて、その中でもこういう試合ができたっていうのは自分たちも今後につなげられると思います。

――ローバーからみてディフェンス全体の動きはいかがですか

準備してきたものが、そのまま出たかなって感じだったので、2週間でいい準備ができたからこその結果だったと思います。

――LBとの連携はいかがでしたか

もともと明治がパスが多いということもあって、練習からLBとのコミュニケーションを取り続けて、試合でもアジャストできてコミュニケーションも取れたので、練習通りにできたことが、そのまま出たかなと思います。

――ローバーに定着してきましたが、いかがですか

春に怪我して、分析の方の目線からプレーを見ていたおかげで、視野を広く持てたことがこの秋、夏合宿から活きてきていると思うので、自分自身でもそうですし、パスカバーとかディフェンス全体に共有できていると思います。スカウティング力がついたことが今につながっていると思います。

――次戦、慶大戦への意気込みをお願いします

昨日中大対日大で日大が負けて、波乱はあるんですけど、甲子園に出るためにも全勝は欠かせないと思います。ディフェンスは李卓を止めて、勝ちにつなげていきたいと思います。

DB永井雄太(商1=東京・早大学院)

――きょうの試合は、どういった意気込みで臨まれましたか

明大のレシーバーの森平貴大選手は、競り合いでも高さがあり、チームの中で要注意人物としてとらえていました。まずは森平選手に対してマッチアップし、森平選手を抑えようという気持ちで臨みました。

――第2Qで、インターセプトを決めた場面がありました。いかがでしたか

あのインターセプトは、僕がおいしい所にいただけなので、飛んできてよかったなと思います。大学に入ってから初めてのインターセプトだったので、うれしかったです。

――きょうは、特に後半で、同級生の1年生がたくさん試合に出ていました

そうですね。1年生から試合に出られることは、チームにとって底上げになると思います。1年生がフィールド内で元気なプレーをすればいいかなと思います。

――最後に、次節の慶大戦に向けての抱負をお願いします

慶大には、李卓選手という強力なRBがいます。チームとしては、ランストップに重きを置くことになると思います。また、慶大はパスユニットもレベルの高いチームです。僕のポジションとしては、李卓選手を抑えることに加えて、しっかりとパスを守ることも目標にして、この2週間取り組んでいきたいです。