攻守で圧倒、立大相手に完封勝ち

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 10 38
立大 RUSHERS

 待ちに待った関東大学秋季リーグ戦が開幕した。ことし、関東王者として他大を迎え撃つBIG BEARSが立大RUSHERSとの一戦に臨んだ。
きょうのゲームでは昨年から強みとしていたディフェンスに加え、オフェンス面でもRBを中心に安定したドライブを見せ、相手を圧倒。38-0で見事な完封勝利を収め、幸先の良いシーズンのスタートを切った。

 第1クオーター(Q)、滑り出しは上々だった。ノーハドルオフェンスでテンポの速い攻撃を展開。2回目のドライブでTE田島広大(法3=東京・早大学院)へのパスなどでフレッシュを重ね、ゴール前3ヤードまで迫る。ここからRB須貝和弘(創理4=東京・早大学院)がダイブしTD。先制点をもぎ取った。すぐあとのシリーズでファンブルリカバーし再び攻撃権を奪うと、またしても須貝が中央へボールをねじ込み、この日早くも2つめのTDを上げる。第2Qも序盤は守備で苦しんだものの、相手のFGをブロックし流れをつかむと、このシリーズでRB片岡遼也(法2=東京・早大学院)が相手を蹴散らし、21ヤードを走り切るTD。喜びを爆発させる。FGも決まり、21-0で前半を折り返した。

RB陣の層の厚さを見せつける試合となった

 つづく後半、好リターンから4つ目のTDを奪い28-0となったところでメンバーを大きく変更した。ここから若手中心のメンバーが躍動。相手にフレッシュを許さず、攻撃権をキープしK長谷川絢也(社1=東京・早実)のFGでさらに点差を広げる。最後はWRブレナン翼(国教1=米国・ユニバーシティラボラトリースクール)がマークされながらもパスをキャッチしTD。最後まで主導権を譲ることなく、38-0で開幕戦を終えた。

堅い守備は今シーズンも健在だ

 強みである堅い守備とラン攻撃が存分に発揮された完封勝利だった。初戦を零封で終えた意味は大きいが、前年の関東王者はここで油断することはない。濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)も「まだまだチームの仕上がりとしては不足している」と話すように、ロングゲインの少なさ、スナップやキックの精度、2枚目のさらなる安定感など課題は残っているように思われる。社会人に勝利し、真の日本一を目指すチームとして、ここからの成長に期待がかかる。

(記事 井上陽介、写真 大槻竜平)

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 RUN #28須貝 #20長谷川 7-0
早大 RUN #28須貝 #20長谷川 14-0
早大 RUN #30片岡 #20長谷川 21-0
早大 PASS #1坂梨→#36山崎 #20長谷川 28-0
早大 FG #20長谷川 31-0
早大 PASS #12笹木→#40ブレナン #20長谷川 38-0
個人記録(※一部のみ掲載)
ラン 回数 ヤード TD 最長
#6  北條淳士 47 15
#7  元山伊織 44 36
#30 片岡遼也 34 21
#28 須貝和弘 33 12
#31 木村達也 28 28
レシーブ 回数 ヤード TD 最長
#87 田島広大 44 22
#9  中村 航 43 28
#40 ブレナン翼 32 21
#4  西川大地 24 15
#13 遠藤健史 20 12
#36 山崎龍哉
パス 回数(試投) ヤード TD 最長
#1  坂梨陽木 10(14) 106 22
#12 笹木雄太 4(6) 75 28
星取表(9月10日現在)
早大 日大 法大 慶大 明大 中大 日体大 立大
早大 11/27 11/13 10/30 10/16 10/1 9/18 38○0
日大 横浜 10/29 11/13 10/2 10/15 45○7 9/18
法大 横浜 川崎 11/27 9/17 41○7 10/16 10/2
慶大 川崎 横浜 横浜 21○17 9/17 10/1 10/15
明大 川崎 アミノ 川崎 17●21 11/27 11/13 10/29
中大 アミノ アミノ 7●41 川崎 横浜 10/30 11/12
日体大 夢の島 7●45 川崎 アミノ 横浜 川崎 11/26
立大 0●38 夢の島 アミノ アミノ 川崎 アミノ アミノ
コメント

濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

初戦ということでかなり緊張感を持って臨んだのですけれども、比較的いい試合の入りができたかなとは思っています。ただ、相手のオフェンスに対してのアジャストが遅れたりとか、相手のミスに助けられたりとかいうところもあったので、まだまだチームの仕上がりとしては不足していると思います。

――きょうの試合はどんなことをテーマに臨まれましたか

初戦なので、きょうのスローガンは「スタート」でした。今まで練習してきたことをもとに普通にスタートを切るのではなく、爆発的に発揮しようということで、まずベストスタートを切ること、毎プレー集中すること、オフェンスもディフェンスもボールに対してアグレッシブにやることなどにフォーカスして臨みました。

――零封した守備については

相手のミスに助けられた部分があるので、結果的には完封ですけれども、内容ではまだまだです。表面的な点数の差で喜んでいたらすぐに足元をすくわれるという話を選手にもしました。

――攻撃面については

プレー数が多くなっていたので、もう少しテンポ良くロングゲインを重ねながらドライブできたら良かったです。ただ10プレーくらいのシリーズをしっかりとドライブしてスコアまでもっていけたのは良かったかなと思います。

――試合の前後半でQBをチェンジしていましたが

QBはずっと競争させながらやってきて、坂梨(陽木、政経3=東京・早大学院)が合宿中盤から良かったのでスタートを務めたというだけで、ある程度試合が決まってからは笹木(雄太、法4=東京・早大学院)にもチャンスを与えたのですが、変わってから少しリズムが悪かった部分もあったので、そこは来週からの練習の課題というところですね。

――後半はさまざまなメンバーを起用していました。感触はいかがですか

若い選手、この夏頑張った選手たちを使えたという意味ではよかったのですが、その中でケガ人が出てしまったので、なかなか複雑な心境です。

――次の日体大戦に向けてのコメントをお願いします

日体大も個人的には能力の高い選手が集まっていて、きのうの日大戦も大事なところでミスがあってああいったスコアになっているだけなので、決して油断ができるチームではないです。ここから一回りも二回りも成長してフィールドに戻ってこないと厳しい戦いを強いられるのではないかと思います。

OL松原寛志主将(法4=東京・早大学院)

――リーグの初戦、勝利で飾りました。今のお気持ちはいかがですか

久し振りの試合でまずは勝てたことはよかったです。ただチームとしてやりたいことや各個人がやりたいことが、まだまだやりきれていない現状なので修正していきます。

――きょねんは攻撃力が課題だったなか、この試合ではオフェンス陣の層の厚さが感じられました。その点についてはいかがですか

オフェンスは試合経験の多いメンバーは残っていますが、全員がまだまだ実力不足です。もっと泥臭くがむしゃらにプレーするユニットになりたいと思います。

――OL全体の出来はいかがでしたか

細かいことを挙げるときりがありませんが、OLも同じで1つのブロックに対しての気持ちが足りていなかったことが反省です。

――合宿ではどのような雰囲気だったのでしょうか。また、その成果はこの試合で出せましたか

合宿では下級生も含め全員にチャンスがあり、そのチャンスを活かせた選手に今日試合に出る機会が回りました。今日の試合では下級生ものびのびプレーできていたのは収穫だったと思います。

――最後に次の試合に向けての意気込みをお願いします

一戦一戦成長することが日本一に必要なので、次節も必ず成長して勝ちます。

RB須貝和弘(創理4=東京・早大学院)

――きょうの開幕戦にはどのような気持ちで臨まれましたか

目標が日本一で、それにはどの試合もそうですけど、まず勝たなくてはならないのが最低条件で、気持ちをしっかり出して、自分達のやることをやれば勝てるので思いっきりやりました。

――きょうの2TDの活躍につながった要因は何ですか

運が良かったことと、フィールドポジションが良かったことと、ラインズが低くドライブしてくれたので、僕たちは突っ込むだけでした。

――きょうの試合で活躍の目立ったRBを総括していかがですか

夏から意識している縦上がりが全体的に良くなったと思うのですが、セーフティーに全部仕留められていたので、今後1対1をかわしていくことが課題になっていくと思います。

――今年RBの層がとても厚く、熾烈な争いになると思いますがいかがですか

元山(伊織、商2=大阪・豊中)や三浦(佑太朗、社2=東京・早大学院)とか、いろいろ下級生が「俺が試合に出てやるんだ」という風に、すごく意気込んでくれていて、いい競争が生まれているので僕たちも負けずにRB全体で頑張っていきたいと思います。

――この秋のリーグの目標をお願いします

絶対に日本一になることしか考えていないので、それにアプローチできるように頑張りたいです。

――最後に、次戦の日体大戦への意気込みをお願いします

相手がどこだろうとやることは変わらないので、基礎から、ファンダメンタルをしっかり構築して、気持ちを十分にのせて突き進んでいきたいと思います。

DL佐野泰弘(スポ4=愛知・愛知県立千種)

――試合全体を振り返って

とりあえずディフェンスは零封できたということはよかったです。しかし前半の最後のあたりで、FGを蹴られる位置まで攻め込まれてしまったことは反省点ですね。

――ディフェンス全体で何か目標はありましたか

もちろん零封で、あとターンオーバー3回という目標も設定していましたが、実際は1回か2回だったので、もう少しボールにアグレッシブにセカンドタックラーが(タックルに)いくべきだなと思いました。

――ディフェンスは零封でしたが、何か収穫はありましたか

0点に抑えられたことはよかったのですが、実際きょうはオフェンスがけっこう時間を使ってくれていたので、自分らの力だけではなかったです。そういう意味ではオフェンスに助けられました。収穫としては、OLに(DLとして)そこまでやられなかったことですかね。低くいけば自分たちがやってきた練習が通用することが実感できてよかったです。

――試合に多くの1年生が出場しましたが

まだフィールドに立ってコミュニケーションという部分で一歩上級生に劣る部分があるので、そういう部分はまだまだだなと思います。しかし、ぼくらが彼らを活かすというディフェンスなので、そういう部分では自分たちの役割をしっかり果たしてくれたと思います。ぼくが1年生の頃と比べると、すごく頼もしい存在ですね。

――ディフェンスの完成度としてはいかがですか

まだ30~40%くらいですかね。きょう出場していない加藤(樹副将、商4=東京・早大学院)とかが戻ってくればというディフェンスじゃいけないと思っています。どのメンツが出ても1本目ということは変わらないので。そういう点では、もっとチーム全体で一丸となって、きょねんのようにスター選手がいないので、リーグを通して全員が成長していかなければならないなと思っています。

――リーグ戦が始まりましたが、4年生全体の雰囲気はいかがですか

わりと危機感をひしひしと感じています。その中で、チーム全体と4年生のギャップがまだ埋められていないかなと感じているので、そういう部分をチーム一丸となって目標一つにして、全員が同じ方向を向いている状態にしないとなって思います。

――最後に次戦に向けて一言お願いします

次戦に向けて…。日体大は父親の母校なので、ボコボコにします(笑)。

LB杉田直人(法1=東京・早大学院)

――先発メンバーでしたが、どういった意気込みで臨みましたか

ビッグプレーをしたいという気持ちはありましたが、それよりもまず謙虚に自分のできることをやってチームに貢献しようと思っていました。

――緊張はなかったですか

初めてのシーズン戦なので、試合前は足に力が入らず、緊張していました。1プレー目が終わった瞬間に緊張は解けて、思い切ってプレーできました。

――サックを決めた時は、気分はいかがでしたか

すごく気持ちよかったです。自分で最初は実感がなくて、サックをした時は素直に嬉しかったです。

――次の試合へ向けて、目標はありますか

自分のできることをやって、まずはディフェンスに貢献し、できればビッグプレーをしたいです。

――シーズンを通して、意識して練習していきたい点はありますか

自分はフィジカル面が足りていないので、シーズン中ですが、ウェイトトレーニングをしっかりやって、フィジカルをアップし、攻撃に当たり負けない身体を作りたいと思います。