堅いディフェンス光る、東京学芸大に盤石の勝利

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 10 27
東京学芸大 SNAILS

 毎年恒例の東京学芸大とのJV戦。この日は普段出場機会の少ない選手や下級生を中心としたメンバー構成で臨んだBIG BEARS。前半、オフェンス陣が一気にたたみかけ勝利をほぼ手中にする。後半はFG一本のみに終わったが、ディフェンスでも相手をFG一本に抑え、27-3で勝利を収めた。

 第1クオーター(Q)は最高の出だしとなった。東京学芸大のキックオフの直後、自陣36ヤード地点からのファーストダウン。QB柴崎哲平(政経1=東京・早大学院)の短いパスを受けたWR遠藤健史(法2=東京・早大学院)がそのまま64ヤードを走り切ってTD。いきなりビッグプレーが飛び出す。二回目のドライブではパスを中心とした攻撃で連続フレッシュを獲得すると、最後はWR深栖拓(先理4=大阪・北野)が22ヤードのTDパスをキャッチ。リードを14点に広げた。つづく第2Q、最初はミスをきっかけにFGで3点を奪われるが、直後にWR高地駿太郎(先理2=神奈川・浅野)が好リターンを見せる。有利な位置でのスタート、今度はQB小玉峻也(法2=東京・早大学院)がWR中村航(法3=東京・早大学院)へTDパスを通し、またすぐに突き放した。守備も集中力を保ち続け、QBサックやDB井上晴貴(法2=東京・早大学院)のインターセプトで主導権を渡さない。終了間際にも3点を追加し、24-3で前半を折り返した。

WR高地は好リターンを見せた

 第3Q、開始早々にFGを決めて27-3とするも、ワセダの攻撃はここまでとなった。途中高地へのロングパスなどで見せ場は作るものの、所々で精度を欠く。スナップミスやQBサックなどで得点までもっていくことができず、追加点を挙げられなかった。ただ、一方の守備では最後までエンドラインを割らせない堅実さを発揮。DB山口昂一郎(社3=東京・佼成学園)が強烈なタックルでフレッシュを防ぐなど気迫を見せた。

安定した守備でFG一本に抑えた

 後半にやや失速はしたが、相手を3点に抑えたこと、課題だった出だしで試合を決められたことは収穫が大きいと言えるだろう。TDやFGで得点を挙げたメンバーもさまざまで、濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)も「使いたい選手はフィールドに出せた」と話したように、幅広く選手を使えたという意味でも有意義な試合だった。長期戦となる秋のリーグではスターターだけでなく彼らの力が欠かせない。悲願の日本一に向け、今後のオープン戦でチーム力の底上げをはかる。

(記事 井上陽介、写真 高橋団)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

コメント

濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)

――きょうの試合はどんなことを意識して臨まれたのでしょうか

今まであまり試合に出られていない選手や、新戦力として力を見たい選手を中心にやっていくということと、若いメンバーが多いので難しいプレーでなく自分たちのベースのプレーでゲームを作っていくということを意識しました。

――きょうの試合と関大戦への対応を半々くらいでいままで練習をしてきたのでしょうか

そういう予定ではあったのですが、時間がなかったのとメンバーが限られていたので、東京学芸大対策をやっていました。東京学芸大のディフェンスは少し変則的で、それに対する準備も必要だったので。関大は来週からしっかり準備していこうと考えています。

――課題になっていた出だしは今回良かったと思うのですが

一発で持っていってしまったので、すれ違いみたいなところがあります。ただ悪くはなかったと思います。

――後半は前半に比べてオフェンスの勢いが落ちたかなと感じられましたが

後半はやってみたいプレーや見てみたい選手を中心に組み立てていったので、そういった意味では厳しいというか攻めきれない展開ではありました。前半もそうですが要所でミスがあって、ミスがあるとどうしても流れが途切れてしまう傾向があります。ワセダとしてプレーするには、誰が出てももっと集中してできるようにしなければならないとは思います。

――きょうの試合の収穫はどういったところでしょうか

収穫は若手や試合に出られなかった選手が試合に出られたということと、使いたい選手はフィールドに出せたので、そこは良かったと思います。やはりどれほど気持ちを作っても、実戦と練習は差があるので。試合に出た感覚を忘れずにまた個々を高めていってくれればと思います。

――今回の試合のなかでも特に良かった選手というのはいましたか

この間からの法政戦からなのですが、キッカーについては良かったと思っています。

――最後に次の試合に向けての意気込みをお願いします

次は伝統のある定期戦ですし、春のオープン戦のしめくくりの試合なので、ここまで出たいろいろな課題をつぶして、春成長したなという結果を残せるようにやっていきたいです。また、選手には常に言っていますが、オフェンスはブロック、ディフェンスはタックルという基本的なところから自分たちのフットボールをやることと、ボールに対してアグレッシブに行くということを心がけていきたいです。

WR深栖拓(先理4=大阪・北野)

――下級生も多く出場した試合になりましたが、きょうのコンセプトはなんでしたか

去年の秋シーズン、甲子園ボウルやライスボウルに向け勝ち抜くにつれて、課題として層の薄さというのが出たので、今回の試合はボトムアップを図るために下級生など試合に出ていない選手を出して経験をさせるという意味で出しました。

――多くのポジションで1年生を含む下級生が出ていましたが、全体の評価はいかがですか

元気はあったのですが、準備の面で冷静に頭がクリアになっていなかった部分があってフィールド上で迷ってしまって中途半端なプレーが多く見られました。でも、良いプレーもあったので収穫は多少なりともあったと思います。

――前半はパスプレーが多かった印象でしたが、相手のディフェンスを見て決めたのですか

わかりやすいスカウティング通りのカバーで、レシーバーが一対一で相手に競り勝つというのが課題でもあったので、そこを狙って投げたというのはあります。後半はランが多くなってパスは少なくなりましたが、一対一の勝負では勝てたと思います。

――TDを取られていましたが、そこでも一対一で勝てたということですか

そうですね。プレーのコンセプトがよかったというのもありますが、競り勝てたといえばそうかもしれないです(笑)。

――後半は思うように得点が伸びませんでしたが、その原因は何だと考えますか

前半で点差がついたことで、ハーフタイムを経て集中力が途切れてしまって、プレーへの執念などが抜けてしまって点が伸び悩んだのかな、と思います。

――それは、やはり下級生の経験のなさが影響しているのですか

それもありますが、周りの上級生の空気作りというのも足りなかったと思います。自分は4年でフィールドに出ていたので、自分がまとめられればよかったのですが、あまり出来なかったので今後の課題だと思います。

――試合を通して、きょうのオフェンスはいかがでしたか

下級生のランやパスもあり収穫もあったと思うのですが、キャッチができなかったりボールを持てなかった選手もいるので、そういう選手をもう少し活躍させてあげられなかったというのは課題だと思います。

――この後はすぐに関大との定期戦がありますが、チームとしてどのように向かっていきますか

今回でアピール出来た選手もいると思うので、そういう選手がレギュラー争いに食い込んで今週は気持ちを入れて練習をして来週の関大戦を迎えたいと思います。