奮闘むなしく敗退

米式蹴球

 30度を超える炎天下で行われた新人戦。先週の日体大戦の敗北をバネに中大に挑む。中大はダイブを中心に、パス、スイ―プなどを織り交ぜたオフェンスを展開。新人戦のためプレーの数は多くないものの、早大DLが相手OLに押されランがなかなか止まらない。ショートパスで確実にヤードを稼ぐ早大であったが、インターセプトからTDを許すなどミスも多く12-20という結果に終わった。

 中大ボールから始まった第1クオーター(Q)、早大はベーシックなディフェンスをしいた。第1シリーズ、ランを中心に組み立てる中大にゴール前10ヤードまで追い込まれたが、早大はタイムアウトをとり守備の立て直しを図った。サードダウン残り数ヤードの場面で相手パスをWR/DB小野寺郁朗(社1=東京・早大学院)がインターセプトし、ピンチを乗り切る。しかし、その後の早大はチャンスをつかむも、要所でのパスミスが響き得点につながらない。中大は3回目の攻撃でロングゲインからランを重ねTD、得点を0-8とされる。追いつきたい早大は、QB柿澤快(スポ1=埼玉栄)を投入し「ショートパスを狙っていた」(柿澤)と連続でパスを決め大きくゲイン。そのままTDかと思われたがゴール前でまさかのインターセプトを決められ、ここでも得点ならず。第2Qに入り相手ランが止まり、追い上げようとした矢先、こちらのパスをインターセプトされそのままエンドゾーンへ――。追加点を許してしまう。嫌なムードになりかけた早大を救ったのはスペシャルプレーだった。RB片岡遼也(法1=東京・早大学院)の得意のアウトサイドのランと見せかけたリバースフェイクパス。WR伊坂大治郎(スポ1=滋賀県立膳所)のパスをWR/DB遠藤健史(法1=東京・早大学院)が確実にキャッチし、一本を返し6-14で前半を終えた。

TDにつながるロングゲインを見せたRB/DB川地達也(人1=愛知)

 後半、最初に仕掛けたのは早大だった。ギャンブルを成功させ勢いに乗ったオフェンスは、ロングゲインで一気にゴール前2ヤードへ。最後はRB片岡が押し込み12-14とする。その後も「目が覚めるプレーをしようと思っていた」と、RB/LB元山伊織(商1=大阪・豊中)の勢いのあるタックルが目立つ好ディフェンスで、中大に追加点を許さず第3Q終了。続く第4Q、逆転を狙いたい早大であったが中大の最初の攻撃で得点を許してしまう。後を追う早大は相手の反則でチャンスを得て敵陣に入り込むも痛恨のハンドオフミス。ボールを奪われてしまい得点には届かなかった。試合はそのまま過ぎ12-20で終了。

気持ちの入ったタックルが光ったLB/RB元山

 この試合を通して気になったのがオフェンスのミス。重要なところでTDを逃している。この試合のような接戦をものにするにはプレーの精度を高める必要があるだろう。一方で勢いのあるタックル、DLのパスカットなど光るプレーも見られ、チームも声が絶えることなく盛り上がっていた。新人の突き上げが今後のBIG BEARSを変えていくだろう。フレッシュマンたちの成長に期待したい。

(記事 高橋団、写真 吉澤奈生、辻本紗支子)

コメント

QB柿澤快(スポ1=埼玉栄)

――きょうの試合の印象を教えてください

ロングパスは狙わずにショートパスなど簡単なプレーでつなぎ、ディフェンスに楽をさせてあげたかったんですけど、ミスが多く決めきれないところが多かったので悔いが残ります。

――初めての試合ということで、どのような意気込みで臨みましたか

全然自信が持てなかったので、チームに迷惑だけはかけないようにプレーしようと思っていました。

――WRとの連携がよくとれているように見えましたが、プレーしてみてどうでしたか

ハドルに入ってくるときにレシーバーが自分に投げてくれって言ってくれたので、それを信じて投げました。

――この試合の反省点を教えてください

点差も少なく、勝てる試合をオフェンスがチャンスをつなげられず負けてしまいました。これからの上級生との練習の時にミスだけは許されないと思うので精度を高めていきたいです。

――夏の目標を教えてください

誰よりも声を出して、みんながつらいときに自分を見たら「やろう」と思ってくれるような存在になりたいです。

RB/LB高根龍平(政経1=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

僕はきょう、前半LBの方をやっていて後半はRBをやっていたんですけど、僕は今RBを希望していて、そのRBのポジションであまり結果が残せなかったのが悔しかったですね。

――前半中大に押されている中でどのように打開しようと心掛けましたか

ディフェンスでは一回スウィフトというプレーで出されてしまって、僕のせいで点を決められてしまったので2回目は相手に取られないように意識して、プレー中に自分のプレーを変えていって対応しました。

――インターセプトを決められていましたがそのときの感触はいかがでしたか

そうですね、練習でやってきたことができたと思ったのでうれしかったです。

――先ほどRBでは思うようにプレーできなかったとおっしゃっていましたが、今後RBをやっていく上でどのような事を意識していますか

まだ相手まで見れていなかったり、タックルされた後、相手を振り払う力が足りなかったりと、まだまだの部分が多いので、夏はそれに向けて練習していきたいと思います。

――今後の目標を教えてください

まだ一年生ですけど、先輩たちに追いつき、追い越して試合に出れるように努力していきます。

RB/LB西野達也(政経1=東京・早実)

――試合全体を通していかがでしたか

勝ちを意識していたので、負けて悔しいです。これで終わりではないのでこれから練習を頑張っていきたいと思います。

――前回の試合からどのようなことを意識して準備してきましたか

前回は相手のオフェンスと勝負できていなかったので、今回は相手のオフェンスと勝負してから、自分の仕事をするように心掛けましたか。

――その達成度は

できたところはあったんですけどできていないところが失点などにつながってしまったので、そういう点を修正して完璧を求めていきたいと思います。

――その他ご自身のプレーはいかがでしたか

あまり目立ったプレーはなかったので、もっと目立てるように自分をもっと高めていきたいと思います。

――最後に今後の意気込みをお願いします

今後、試合に出て活躍できるような選手になりたいです。

RB/LB元山伊織(商1=大阪・豊中)

――この試合を振り返ってどうでしたか

シーソーゲームのような試合で、みんなで勝つ気持ちでやっていたんですが、結果として負けてしまい本当に悔しいです。

――前半は中大に押される展開となりましたがどのようなプレーを心掛けましたか

自分のプレーで流れを変えられるような、目が覚めるプレーをしようと思っていました。

――この試合で先週のけがから復帰となりました

結果としては負けてしまったんですけど、前回ためていた分まで全力でプレーはできたと思います。

――副キャプテンとしてどのような気持ちでこの試合に臨みましたか

斉川(尚之新人戦主将、スポ1=東京・独協)がしっかりしているので彼に任せっきりになってしまった部分もあったのですが、僕は彼を支えてチームで一番声を出すように試合中は意識しました。

――今日の反省すべき点はありますか

結果ですね。

――今後どのような選手になっていきたいですか

現段階ではポジションが決定していないのですが、どのポジションになってもチームに貢献できるような、将来的には村橋洋祐主将(スポ4=大阪・豊中)やコグラン・ケビンさん(商4=東京・早大学院)のような名がはせる選手になりたいです。

――今後の意気込みを教えてください

まだ自分にとっての大学アメフトは始まったばかりなのですが、このチームで誰よりも貪欲に努力していきたいと思います。