新人戦は惜しくも敗れる

米式蹴球

 関大に勝利を収め、春季オープン戦を全勝で終え、好調を維持している早大BIG BEARS。この日は日体大と新人戦を行った。一年生のみが出場したこの試合、第1クオーター(Q)で幸先よく先制TDを奪う。その勢いのまま試合を進めたい早大だったが、日体大のオフェンスに苦しめられる。後半、QB小玉峻也(法1=東京・早大学院)の投入で巻き返しを図るも、流れを変えられず、試合終了。24-42という結果に終わり、今季初の新人戦を勝利で飾ることはできなかった。

 冷たい雨の降りしきる中、試合開始早々から早大のフレッシュマンたちが見せる。日体大の攻撃をスリーアンドアウトに抑え、攻撃権を得ると、TE/RB/DL片岡遼也(法1=東京・早大学院)を中心にランオフェンスでエンドゾーン手前まで攻め上がる。最後はQB板場直人(先理1=東京・早実)のパスをWR/DB阿部哲也がしっかりとキャッチし、先制のTDを挙げた。直後の日体大の攻撃でドライブを重ねられ、自陣深くまで攻め込まれる。しかし、ディフェンス陣が踏ん張り得点を与えさせない。このまま、早大ペースで試合が進むかに思われたが、第2Qに入ると流れは一気に相手に傾く。日体大のパスとランを効率良く織り交ぜた攻撃を早大ディフェンス陣が止められず、あっさりと同点に追いつかれてしまう。その後も相手のパスオフェンスにアジャストできず、逆転のTDを奪われ6-14で試合を折り返した。

先制TDを決めたWR/DB阿部

 迎えた後半。「取り返してやろうと思って入った」(小玉)と、交代で投入されたQB小玉が奮闘する。その思いにレシーバー陣が応え、次々にパスキャッチに成功。最後は、WR/DB小野寺郁朗(社1=東京・早大学院)にQB小玉がパスを通し、TDを決める。この流れを継続したい早大。しかし、ミスを連発してしまう。「チームの雰囲気も悪くなってしまった」(OL/DL斉川尚之新人戦主将、スポ1=東京・独協)と、再びモメンタムは日体大に。立て続けに得点を許し、最終第4Qへと突入する。最後に少しでも意地を見せたい早大はQB小玉を中心にゲイン重ねていく。そして、QB小玉のパスがTE/DL鎌田遼介(法1=埼玉・早大本庄)にヒットすると、相手のタックルを物ともせず50ヤード以上の距離を走り抜き、決死のTDを奪う。しかし、反撃もそこまで。24ー42で試合が終了し、フレッシュマンたちの船出は悔しい結果になってしまった。

未経験者ながら主将を務めたOL/DL斉川

 「詰めが甘かった」(片岡)。未経験者も多く出場したこの試合で、勝負どころでのミスが勝敗を分けることとなった新人戦。その一方で、OL/DL斉川が「ミスを恐れずに」と語るように、ガッツ溢れるプレーも多く見受けられた。いつかBIG BEARSの中核を担う存在となるために――。若武者たちの物語はここから始まる。

(記事、写真 近藤廉一郎)

コメント

OL/DL斉川尚之新人戦主将(スポ1=東京・独協)

――きょうの試合を振り返ってみて

点を取られたときにそれを乗り越えるだけのチームの一体感がなかったので、チームの雰囲気が悪くなってしまい、立て続けに点を取られてしまったのが大きかったです。

――チーム全体で意識したことは

自分を含めてきょうが初めての試合という選手も多かったので、ミスを恐れずにプレーするということを心掛けました。

――アメフト未経験でゲームキャプテンになったことについてどのように考えていますか

未経験者が多いので劣等感はなかったです。プレーなどの細かい面ではアメフトの知識がなく指摘ができないので、精神的な面で練習から引っ張っていこうと思っていました。

――次の試合に向けて意気込みをお願いします

この試合で見つかった課題や逆にできたことをしっかり確認して、それを一週間で埋めていきたいです。


TE/RB/DL片岡遼也(法1=東京・早大学院)

――この試合を振り返って

練習でやってきたことを出すには出せたんですけど、最後の詰めが甘かったです。練習のときから最後の詰めが甘いと言われてきたんですけど、それがそのまま試合に出てしまったという感じです。

――ご自身の出来はいかがでしたか

自分のポジションであるTBをあまりやらせてもらえなかったというのもあるんですけど、やっぱり不完全燃焼です。もっと走れたら、自分が勝利に導けてたと思うんですけど、本当に悔いが残ります。

――きょうは1年生だけのチームでしたが

本来、先輩たちとやる試合はOLをはじめ、壁になってくれる選手がうまいので、道ができてその道を走ればいいという感じでしたが、1年生だけとなると未経験者も多く、上手くブロックできないときもあるので、そういう場面で、かいくぐってTDに持っていけるRBっていうのが早大のRBだと思うので、そういう面ではきょうはイマイチでした。

――今後そういう課題をどのように克服していきたいですか

次は中大戦なので、それまでの一週間、新人ということもあって格段に成長できる期間にできると思うので、この一週間を大切にして、中大戦できょう出た課題を克服できればいいと思います。

――今後の意気込みを

自分は早大のスターターを先輩方から勝ち取るということを一番の目標としているので、その第一歩として次の中大戦で絶対自分がアピールをして試合に勝ち、スタメンを取りたいと思います。


TE/DL鎌田遼介(法1=埼玉・早大本庄)

――この試合を振り返って

未経験者なのですが、練習ではできたことと、できなかったことがあったので次の試合では修正していきたいです。また個人としてはそういう中でもTDを決められたので良かったです。

――高校時代やっていたラグビーとアメフトの違いは

練習ではラグビーとアメフトは違うなと思っていたのですが、いざ本番になると共通点が多かったので、ラグビーでやっていたことが生かせたかなと思います。

――後半のTDを決めましたが

前半、ディフェンスで全然駄目で、後半は絶対に自分がオフェンスで点を取ろうと思っていたので良かったです。

――理想の選手像は

理想の選手像は同期のTE松岡(直希、政経1=東京・早大学院)と先輩であるTE田島(広大、法2=東京・早大学院)さんやTE飯島(渉、教4=東京・早実)さんのようなTEです。

――今後の目標は

目標はこれから一刻も早くチームに貢献できる選手になりたいです。


RB/DB川地晴也(人1=愛知)

――きょうの試合を振り返って

未経験がほとんどというの状態での試合で、思ったよりできたなというのはありましたが、やはり相手が強く、自分たちも詰めが甘い部分もあり、まだまだだなと思いました。

――未経験者でありながら副将を務めましたが

声出さなくてはならないし、皆をリードしていかなければいけない役割なのでプレッシャーもありました。試合を振り返ってみると、声は出してないわけではないが、あまり副将らしいことはできなかったかなと思いました。主将が頑張ってくれたので、自分はまだまだだと感じました。次からもっと頑張っていきたいです。

――今後の課題は

まずは、とにかくフィジカルですね。タックルされたときに吹っ飛ばされてばかりで全然押し返せなくて、スキルもそうですけどもっと基礎的な力が必要だなと感じました。

――今後の目標は

練習を怠らずに毎日ただ頑張りたいです。


QB小玉峻也(法1=東京・早大学院)

――試合全体を通していかがでしたか

後半からの出場で、決められるところで決める部分は多かったですが、エクスチェンジミスを3回もしてしまい、3回目は勝負どころの4ダウンで相手にボールを取られてしまい得点できる場面を無駄にしてしまったので、その点を修正しないと次も勝てないと思います。

――後半どのような気持ちで入りましたか

取り返してやろうという気持ちで入りました。最初2本差だったので頑張って取り返そうという強い気持ちでした。

――後半の入りは早大ペースだったと思いますが

なかなか合わせる時間がなかったんですが、思った通りにレシーバーの人が動いてくれたりしたので、投げやすかったです。

――高校と大学のフットボールの違いなどは感じましたか

相手の速さが違いました。速いし接点が強く、この試合で何度も攻められたりしたので、そういう状況でも投げられるメンタルだったり技術をつけていかなければならないと思いました。

――1年生だけの試合でしたが

主将も言ってたんですが、僕たちのできることを一つずつやっていこうと言っていたのですが、ミスが出てしまいました。

――この試合で出た課題は

エクスチェンジミスですね。それ以降のプレーが成立してるものは決まっていたので、その成功率を上げることと、判断の早さをつけていきたいです。

――今後、どのようなプレーヤーになっていきたいですか

どのような形でも得点できるような、得点につなげられるような選手になりたいです。

――最後に今後に向けて意気込みをお願いします

今回は負けてしまったので次の中大戦は絶対に勝ちたいと思います。


RB/LB元山伊織(商1=大阪・豊中)

――きょうの試合を振り返って、いかがでしたか

自分自身はケガで出場できなかったのでべンチから応援していましたが、目の前の敗戦が非常に悔しかったです。この気持ちは次の試合で晴らしたいと思います。

――1年生のみでの試合ということでしたが

先輩方から、ことしは例年以上にチームとしてまとまっているというお話を頂いていました。未経験者も多く初めは不安でしたが、部員が協力しあうことで、一致団結して試合に臨むことができました。

――今後に向けて意気込みをお願いします

先輩方が春シーズンに全勝されていたなかで、きょうの敗戦は非常に痛かったです。先輩方が秋シーズンに気持ち良く臨めるように、次の中大との新人戦では、出場して何としても勝利したいです。