慶大に春の借りは返せず リーグ戦は4位で終了

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 10 24
慶大 UNICORNS 14 31

 またしても慶大に屈することとなってしまった。早慶両チームともに優勝の可能性はなくなって迎えた関東大学秋季リーグ戦最終戦(リーグ戦)。早大BIGBEARSは先制に成功し、一時は14点差まで差をつけるも、慶大も反撃。その後は点の取り合いとなる。しかし終盤に慶大強力RBを止めることができずに敗戦。リーグ戦を4位で終えることとなってしまった。

 出だしは悪くなかった。「本当に全員で勝負にこだわってやっていた」(OL中村洸介主将、スポ4=東京・日大三)。慶大の最初のシリーズを危なげなくパントに追い込むと、フィールド中央付近からの有利な位置からの攻撃シリーズを開始。K/P佐藤敏基(社3=東京・早大学院)がシーズン最多タイ記録となるFGを決め、3点を先取する。すぐに同点にされるも、RB井上広大(教4=東京・早大学院)がキックオフリターン敵陣奥深くまで攻め込むと、大けがを押して出場したRB吉原猛(社4=東京・日大三)が意地のTD。第2クオーター(Q)に入ってもQB坂梨陽木(政経1=東京・早大学院)のパスが決まり、一時は慶大に14点差をつけることに成功する。しかし2Q終盤、パスを投じようとした坂梨に慶大ディフェンスが迫る。坂梨は避けきれず、痛恨のファンブル。慶大がリカバーし、そのままエンドゾーンへ。7点差に縮められて前半を折り返した。

井上広は最後まで輝きを見せた

 「あのTDが一番大きかった」(濱部昇監督、昭62教卒=東京・早大学院)。後半最初のシリーズ、ここまで慶大オフェンスを最小限の得点のみに封じていた早大ディフェンスが突如として崩れる。相手QBのパスに翻弄されビッグゲインを許し続ける。最後はQB自ら持ち込み同点TD。一時は坂梨から井上広へのスクリーンパスが決まり、勝ち越しするも、ここから慶大に2連続TDを決められ逆転を許した。残り2分、同点を誓って臨んだ最後の攻撃シリーズ。時間が惜しい早大はパスを使って進むも、慶大にQBサックを喫す。最後は第4ダウン残り5ヤードで坂梨は自ら持って第1ダウンを目指すことを選択。しかし、慶大ディフェンスの網を突破することはできなかった。早大はまたしても終盤で得点を奪えず、敗戦。今季早慶戦で勝利を挙げることはできなかった。

終盤TDランを喫し、崩れ落ちるディフェンス陣

 「慶大のサイドラインの光景を目に刻んでおけと3年生以下には言った」(濱部監督)。「来年も最終戦は慶大なのでそこで勝って甲子園ボウルに行ってもらいたい」(峯佑輔副将、教4=東京・早大学院)。この悔しさを忘れてはならない。QBを始めとして主力選手がチームに残る早大BIG BEARS。らいねんは更に戦力の上積みが期待できる。中村主将は最後に「ライバルである慶大と最後やり合えたのは良かった」と語った。『日本一』というチームの目標は中盤の連敗で夢半ばにして散ってしまったが、慶大という最高の宿敵とフットボールができたことに感謝していた。強敵との戦いが続く日々をまさに楽しんでいた。リーグ戦大改革元年、中村主将の『日本一』への挑戦はBIGBEARSに大きな財産を残し、静かに終焉を迎えた。

(記事 井上義之、写真 巖千咲、小川朝煕)

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 FG #16佐藤敏 3-0
慶大 FG #15手塚 3-3
早大 RUN #30吉原 #16佐藤敏 10-3
早大 RUN #7坂梨 #16佐藤敏 17-3
慶大 FUMR #26松下 #15手塚 17-10
慶大 RUN #18高木 #15手塚 17-17
早大 PASS #7坂梨→#28井上広 #16佐藤敏 24-17
慶大 PASS #18高木→#86柴田 #15手塚 24-24
慶大 RUN #29李 #15手塚 24-31
個人記録(※一部のみ掲載)
ラン 回数 ヤード TD 最長
#33 須貝和弘 25
#1  岡田義博 24 24
#34 藤井光成 17
#28 井上広大 12
レシーブ 回数 ヤード TD 最長
#28 井上広大 43 25
#21 鈴木拓馬 23 23
#85 鈴木隆貴 17 17
#22 越塚健 15 15
パス 回数(試投) ヤード TD 最長
#7  坂梨陽木 13(20) 138 25
インターセプト 回数 ヤード TD  
#5  コグランケビン
QBサック 回数 ヤード SAF 最長
#91 武上雅武史
#90 村橋洋祐
キックオフリターン 回数 ヤード TD 最長
#28 井上広大 141 93
#11 諸口貴則 12 12
#34 藤井光成
星取表(11月26日現在)
日大 法大 明大 立大 慶大 早大 中大 日体大
日大 17○14 37○7 66○0 56○14 14○7 27○0 56○14
法大 14●17 41○14 42○10 28○23 28○24 26○6 38○0
明大 7●37 14●41 51○28 14●24 15●16 7●31 30○7
立大 0●66 10●42 28●51 42●70 7●52 7●31 7●27
慶大 20●63 23●28 24○14 70○42 31○24 24○17 49○9
早大 7●14 24●28 16○15 52○7 24●31 43○14 41○13
中大 0●27 6●26 36○7 31○7 17●24 14●43 17○17
日体大 14●56 0●38 7●30 27○7 9●49 13●41 17●17
関東大学秋季リーグ戦TOP8順位表(11月26日現在)
順位 チーム 試合 勝点 得点 失点 得失 TD
日大 21 280 65 215 38
法大 18 217 91 126 31
慶大 15 241 197 44 32
早大 12 197 122 75 26
中大 121 151 -30 15
明大 138 189 -51 18
日体大 87 238 -151 11
立大 101 339 -238 14
コメント

濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)

――最終戦も悔しい結果となってしまいましたが

勝てなかったですね。監督の采配が悪かったということだと思います。

――前半を振り返っていかがでしたか

前半は相手のミスにも助けられて、FGで先制できたことは良かったですが、できればあそこでTDを取りたかったですね。あとはその後中盤からオンサイドキックなどでもことごとく失敗して、ああいったところをしっかりと成功させて試合の流れをつかんでいればまた違った結果になっていたかもしれません。

――ファンブルからのリターンTDは大きく流れが変わってしまったプレーだったのではないでしょうか

そうですね。あれも大きかったですが、一番は第3クオーター(Q)の最初のシリーズです。TDまで持って行かれた、あれが一番大きかったですね。まああのファンブルも無理するプレーではなかったね。

――日大、法大戦と同じように追いかける展開で試合時間残り2分を迎えるも、TDを取りきれない展開になってしまいましたが、どういった要因だと思われますか

やはり力がなかったということでしょうね。前半の2ミニッツも後半もきちんとパスを通して、ドライブを継続していかなくてはいけない場面でしたが、攻めきれなくて。プレーコールも悪かったですね。

――引退する4年生にはどういった声を掛けましたか

まずは本当に4年間ご苦労様ということと、最後のシーズンはこういった悔いを残す結果となってしまって申し訳ないということを伝えました。でも彼らの人生はここで終わるわけではないので、4年間で養ったことを是非次のステージで生かして頑張ってもらいたい。最終的に成功してほしいという思いと、常に言い続けていたのですが、成長し続けるということが大事だと思うので、これからも常に前向きに取り組んで、豊かな人生を送って欲しいなと伝えました。

――らいねんのチームに向けて

試合直後は「慶大のサイドラインの光景を目に刻んでおけ」と3年生以下には言いました。悔しい思いをしたくなければもっと強くならなければなりません。まだまだ力が足りなかったということを強く痛感したので、もっと練習してほしいですね。

OL中村洸介主将(スポ4=東京・日大三)

――試合を振り返って

接戦になるということは分かっていたのですが、試合をやっていて接戦で戦えてすごく楽しかったですし、ライバルである慶大と最後やり合えたのは良かったです。

――この試合にかける思いは強かったと思いますがこの2週間どのように調整してきましたか

春に新人早慶戦も含め2度負けていて、その借りを返すということで自分たちがやってきたことを全て出そうということをだけを意識してやってきました。完璧なオフェンス、ディフェンス、キックを思い出してやってきました。

――前半のいい流れで試合が進みましたがその点に関しては

みんなが気持ちが入っていて、全員でフットボールをしようということをチームで掲げていて、本当に全員で勝負にこだわってやっていたのが前半いい流れでプレーできていたのかなと思います。

――2QでサックをされファンブルしてしまいそのままTDを奪われてしまいましたが、その点に関しては

本当であったらオフェンスは点を取る立場であるのに、オフェンスで点を取られてしまうという最悪なケースになってしまいました。しかし試合中であったのでもう一度切り替えてやっていくことだけを考えました。

――後半最後の2分で詰めが甘い部分がまた出てしまいましたが

チームで最後もう一歩が出ないということは日大、法大戦で味わい、最後も慶大に対して最後詰め切れなかった部分が出てしまったのはこれからの課題になっていくと思います。

――4年間のことについてお聞きしたいのですが4年間早大でフットボールをやってきていかがでしたか

早大にスポーツ推薦で入り、早大を日本一にするという気持ちでやってきたのですが、実際にこれまで日本一にはなることができませんでした。ことしは絶対にチームを日本一にするという気持ちで主将をやってきて結果としてダメだったんですけど、このチームが好きですし4年間振り返ってこのチームから得たものは大きかったと思います。

――主将として一番大変だったことはなんですか

大変なことは色々あって何が一番大変だったということは一概には言えないんですけど、やっぱり負けたときに自分の力が足りなかったと特に感じたのでそこだと思います。

――濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)のもと2年間戦ってきましたが濱部監督はどのような監督でしたか

本当にすごい監督で、この一年濱部監督と一緒にチームをつくり上げてきたということを特に感じていて、選手の気持ちであったりスタッフの気持ちであったりと人の気持ちというのを大切にする方で、すごく一緒に勝ちたい、日本一にならせてあげたいと思わせてくれる熱い監督でした。

――フットボールをやってきて一番楽しかったという思い出は

負けてはしまったのですが今回の試合ですね。もちろん日大戦や法大戦では相手はすごくレベルが高くて個人としても戦えて楽しかったですが今回の慶大との試合は本当に楽しかったです。

――最後に来年度も戦っていく後輩にエールをお願いします

僕が日本一にさせるという気持ちでやってきたのですが負けてしまって日本一になることができなくて悔しい思いをしましたが、その悔しい気持ちを忘れずに、今後3年生を中心にチームをつくって日本一に導いて欲しいです。僕らは引退しても応援し続けるので絶対日本一になって欲しいです。

LB峯佑輔副将(教4=東京・早大学院)

――今の気持ちを教えてください

慶大もうちも今日の試合で引退というのは決まっていたことなので、それに勝って終われなかったってことがとても悔しいです。

――試合全体を振り返ってみて

(試合)直後で悔しさしかないのですが、自分はやっててすごい周りに迷惑をかけてしまったプレーが多くて、悔しさがとても残っています。

――今日のディフェンスの目標は

慶大の得点力のあるオフェンスに対して、試合を通して21点に抑えるということ。あと僕らは法大に負けた時からこの慶大戦が最終戦ということがわかっていたので、日本一にはなれないですけど、今年慶大オフェンスを一番抑えられるディフェンスを作ろうという目標をかかげ、20点以内を目指してきたんですけれども達成できなかったですね。

――慶大パスオフェンスの対策としてDBに何か声をかけましたか

DBというよりLBの方がパスでやられたプレーが多くて、パスを警戒してランを出されたり、ランを警戒したらパスを出されたりという悪循環を起こしていまったので、そういう意味ではDBはしっかり仕事はしてくれたと思います。

――以前の取材で今のチームは3年生以下に助けてもらっているという話をお聞きしましたが、今シーズンを通してチームの状況はどう変わってきたと思いますか

最終戦を終わって振り返ってみたら、春シーズンも最初の慶大に勝ってれば春シーズン全勝で締めくくれたので、そう思うとやはり接戦をものにできなかったことが最後まで課題になったかと思います。試合終盤に足が止まり得点されるということが多かったので、1年間通して課題をつぶせなかったのが悔しいです。

――来シーズンのディフェンスに向けて課題を挙げるとすれば

ディフェンスに限ったことではないのですが、今年3年生が主力として多い中で、日大・法大・慶大とこの秋負けた3試合に出ていたメンバーはこの悔しさを忘れずに、負けた時の試合のビデオも毎週見るぐらいがんばってほしいです。本当にもう絶対負けてほしくないので、その負けた悔しさっていうのはどんどん薄れさせるのではなくて、どんどん来年リベンジするという思いに変えてもらいたいと思います。

――最後に後輩へ一言お願いします

新4年生に対しては、最後の1年間が1番充実した年になると思うんですけれども、その分過ぎるのも早いし、本当にもう負けて引退をむかえてみて悔いしかないので、悔いなくやってもらいたいということと、最終戦は慶大なのでそこで勝って甲子園ボウルに行ってもらいたいです。下級生に対しては、そういう試合経験を積んでる上手い上級生がいっぱいいるので、その姿を見てその先輩を超えるくらいウェイトトレーニングだったりトレーニングを積んで、チームの中で良い競争を生んでほしいと思います。

TE北村卓也副将(創理4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返って

最後だったので有終の美を飾りたかったんですけど、悔しかったの一言です。

――試合にどのような気持ちで臨みましたか

日体大戦が終わって、日体大戦のゲーム内容があまり良くなくて、4年生は引退試合で最後の試合だったので、準備不足ということだけはないようにしようと思って取り組みました。

――春も慶大には負けていますが春と比べて差は広がったと感じますか

慶大のディフェンスは春にやった時よりも強くなっているなと思いました。春は結構いけるなと思ったのですが、秋は思っていた以上に強かった部分もありました。

――BIG BEARSで過ごした4年間はいかがでしたか

いま思えば、つらかったはつらかったですけど(笑)、やってきて良かったな、楽しかったなということが一番大きいです。

――副将として1年かやってきてどういう1年でしたか

やっぱり、150人くらいいるチームをまとめるのは大変だなということを1年間副将としてやってきて思いました。

――卒業後もアメフトは続けますか

やる可能性は高いと思います。社会人でもたぶんやると思います。

――後輩に向けて一言お願いします

全体的に見ればうちのチームは後輩、特に3年生が試合に出てくれて、主体となってやってくれたのであまり心配はしていません。オフェンスに関して言うと、4年生が結構メインで出ていたので、来年の春の取り組みが非常に大事になってくると思うので、そこをしっかりいまから伝えて、頑張ってほしいなと思います。

RB井上広大(教4=東京・早大学院)

――試合振り返って感想をお願いします

勝ちたかった、っていうのが素直な気持ちです。

――最終戦ということでしたが、どのような意気込みで臨みましたか

僕は社会人でアメフトをやらないので、本気でスポーツをやる最後の試合だな、と思っていました。でも、特に気負いなどは無くて、楽しんで勝てたらいいな、という気持ちで臨みました。

――1Qではキックオフリターンでロングゲインがありましたが、そのシーンを振り返ってみていかがですか

本当はあそこでTDをしなきゃいけなかったんです。でも、ラインが薄かったので、ゴールラインを手前のラインだと間違えてしまい、がっつりタックルされてしまって…。最後まで持っていけなかったので悔しいです。

――前半はリードして折り返しましたが、ハーフタイムはどのようなお話をされましたか

RBは5人出していて、RB吉原(猛、社4=東京・日大三)がケガをしてしまったのですが、彼を出せたらいいな、と個人的には思っていて、RBの後輩が、もっと試合に出たい、と言っていたので、後半も前半と同じようにRBをローテーションして点差をつけていけたらいいな、という話をしていました。

――3Qではご自身でTDを決めましたが、そのシーンを振り返っていかがでしょうか

QBの坂梨くん(陽木、政経1=東京・早大学院)が、すごく落ち着いていて、相手の隊形を見てからどのプレーが1番いいか、適切なプレーを選択して指示してくれるんです。その時のプレーも、ノーハドルのシリーズだったのですが、相手がセットしてから違うプレーに変えてくれて、それがばっちり決まったので、1年生なのに落ち着いていてすごく良い選手だな、と思いました。彼に助けられた感じですね。

――4Qは無得点となってしまいましたが、原因はどこにあると思いますか

4Qは、明らかに慶大の方が流れに乗っていたし、勢いもあったと思います。でも、それがなぜかはわからないですね。このプレーで変わった、とかそういうのはないんですけど、徐々に流れを持っていかれてしまったかな、という感じです。

――4年間のアメフト生活を振り返っていかがでしたか

1年生の時は本当に辛くて、試合に出るのも楽しくないですし、出たところで怒られたりするっていうので、萎縮してプレーしてたことが多かったです。3、4年生になって、自由にやらせてもらえるようになってからは、すごく楽しくて、下級生のことも好きになれました。大学に入ってからは、同じポジションの後輩もすごく好きになったし、そういう意味では後輩たちに感謝しています。先輩方にも、すごく感謝していて、僕のことを厳しく言ってくれる先輩やコーチの方々がいたからこそ、4年間やってこれたのかな、と思っています。

――昨年の最終戦で、「自分は後輩を引っ張るタイプではない」とおっしゃっていましたが、1年経って変化はありましたか

やっぱり引っ張るタイプではなかったですね(笑)。監督やコーチには「後輩を引っ張る気がない」と、いつも怒られていたのですが、僕がやることにもあまり口を出さずにいてくれていました。本当に好き勝手にやらせてもらったな、と思いますし、そうやって好き勝手にやらせてもらったことには、すごく感謝しています。でもやっぱり、僕は引っ張るタイプではなかった、ということですね(笑)。

――アメフトに対する思いは

終わってみた今でも、試合前や練習前の体が壊れるんじゃないか、という恐怖とか、相手に思いっきりぶつかることに対する恐怖はあるのですが、逆にそれが心地よくなった、というか…。アメフトをやっていると、鳥肌が立つような瞬間がすごく多くて、自分自身で長いラン走ったときもだし、すごくいいヒットを食らったときもだし、そういう鳥肌が立つような感覚は好きになれたので、アメフトもちょっとだけ好きになれました(笑)。

――最後に後輩の方々にメッセージをお願いします

本当に優秀な後輩が多くて、面白い後輩もたくさんいるし、いろいろな後輩がいるんですけどバランスが取れていると思います。RBの中だけなのですが、1年間一緒にやってきた思ったのは、本当にレベルが高いな、ということですね。僕も吉原も、試合には出させてもらっているのですが、きょうの最終戦でも1本目は誰を出していくか決まっていなかったですし、誰を出しても遜色ない、っていうほどの層の厚さができたと思うので、らいねんこそは日本一になってほしいと思います。

RB井本浩平(商4=東京・早大学院)

――ご自身にとって最終戦でしたが、どのような気持ちで試合に向かいましたか

相手は慶大で春に負けている相手なので、絶対にそのリベンジをしてやろうという気持ちと、最後の試合なので絶対に勝って終わりたいという気持ちで臨みましたが、残念な結果になってしましました。

――フィールドに立ったときにはどんなプレーをしようと思っていましたか

きょうは出るプレーが限られていたので、そのプレーの中で自分ができる最大限のことをしようと思っていました。良いプレーもありましたが悪いプレーもあってチームに貢献できたかはわからないですが、後輩たちに背中で見せることはできたのかなと思っています。

――きょうはランのコールが多かったように感じました

そうですね。コンスタントに出ていたとは思うんですけど、勝負所でのランプレーはあまり機能しなかったと思います。慶大に対してはランでいこうと思っていたので、もうちょっと出したかったというのが本心です。

――集大成としてうまくいったと感じられた部分はありましたか

僕が入るサードダウンショートのコールで何回かTDも取れたしファーストダウンも更新できたので、そこは良かったと思います。

――敗因はどこだったのでしょうか

やっぱり相手が試合巧者だと感じましたね。僕たちは試合をつくっていくのが下手だなと思うので、チーム全体がまとまって落ち着いてプレーを積み重ねていかないと思いました。相手のQBがうまくてオフェンスがつながっていたことが、自分たちとは違ったのかなと思う部分です。

――最後のシーズンを振り返って

僕としては不本意だったかなと思う部分があって、肩のケガをしてしまって思うようなプレーをできないときもありましたし、チームには迷惑をかけてしまったと思うんですけど、でも大事な試合にも出させていただいてその中でも何プレーかで活躍することができて、チームに少しは貢献できたのかなと思っています。

――これで引退となりましたが、同期の方にかけたい言葉はありますか

今までありがとう、ということですね。本当に楽しくて、この同期でなかったら自分は続けていけなかったと思います。1、2年のときは本当に辛かったですけど、この同期といることが楽しかったので、すごく感謝したいです。

――来季のチームに期待することは

『日本一』を目指すチームとしてふさわしい取り組みをして、大事な試合では必ず勝負強いところを発揮してもらいたいなと思います。

――今後アメフトは続けられますか

会社にチームがあるので、もし東京に勤務することができたら、機会があれば続けたいと思います。

WR金澤秀明(教4=東京・早大学院)

――いまの率直な気持ちは

相手が慶大だったので、やっぱり悔しいですね。絶対に勝ちたかったので。最後の試合でもありましたし、慶大に負けたことが本当に悔しいです。

――先制に成功しましたが、立ち上がりを振り返っていかがですか

立ち上がりとしてオフェンスは悪くなかったと思うんですけど、全シリーズでドライブをしてTDを取るという目標があったにも関わらず、FGで終わってしまったところもあったので、100点ではなかったと思います。

――何本かヒットしたパスもありましたが、個人の出来としてはいかがでしたか

そんなに良い出来ではなかったですね。ボールを持ったときもそんなに長い距離持っていけたわけではなくて、ショートヤードしか取れなかったところが多かったので、そういう点ではあまり良い出来ではなかったのかもしれないです。

――WRユニット全体の出来は

きょうはOLの出来が良かったので、結果的にランの方がコールされることが多かったという印象でした。その中でも後輩は結構パスを取ってくれましたし、落球らしい落球もなかったので、全体的にはそんなに悪くなかったと思います。

――「『日本一』のWRユニットにしたい」という目標について

結果からいって『日本一』になれたかはわからないんですけど、すごくまとまっていて上下のカベもなく仲良く明るい雰囲気でできたので、個人としてはそういった意味で良いユニットをつくることができたと思っています。

――逆転負けという結果になりましたが、慶大に何が及ばなかったのだと思いますか

後半はオフェンスも全然点を取ることができなくなってしまって、何回も止まってパントで終わってしまったところもあったので、最後の一本を決めきれなかったという部分ですね。

――今季のリーグ戦を振り返って

やっぱり楽しかったですね。自分としても四年間の中で一番の成績を残すことができましたし、そういうところはすごく楽しかったです。

――四年間を振り返ってみていかがですか

人に恵まれたと思っています。自分の周りの同期であったり、ポジションの同期や後輩にはすごくおもしろい人がたくさんいて、辛いこともすごく多かったんですけど、そういう仲間と一緒にやってこられたことはすごく良かったと思っています。

――同期のみなさんにかけたい言葉はありますか

振り返ると色々あったのですが、それをみんなで乗り越えてきてここまで続けることができたので、みんなに感謝したいです。この代でよかったと思っています。

――後輩に向けて、来季はどんなチームになってほしいですか

今季のWRユニットはほとんど下級生が試合に出ていたので、そういう面であまりメンバーも喪失しませんし、クオリティの高い後輩たちだと思っているのですごく期待しています。来季こそは名実ともに、結果と雰囲気の両方を合わせて『日本一』のユニットになってほしいと思っています。

――今後アメフトは続けますか

機会があれば、と考えています。

DB田中慶行(政経4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

いままでの試合ではディープゾーンが課題だったのですが、きょう慶大が何回も投げてきた中できちんと潰せたのでそこは良かったです。でも結果的にやられてしまってとても悔しいです。

――田中選手は大学からアメフトを始められましたが、未経験ということで何が大変でしたか

4年間ずっと「フットボールIQが低い」と言われ続けてきて、頭の面ではあまり強くなかったのでその克服は結構大変でしたね。

――試合で狙われることも多かったと思いますがその点については

そうですね、まさにきょう狙われていたと思います(笑)。でも逆にコーナーバックはあまり球が来ないポジションだと思うので、狙って潰せたらやりがいをすごく感じます。

――この4年間で何を一番練習されましたか

一番頑張ったのはWRとのマンツーマンの練習でした。入ったときから「身体能力が高い」と言われていたのでそれを鵜呑みにして、未経験でもマンツーマンなら頑張れるぞというところから、だんだん一投目を狙っていこうと考えていました。

――最後の1年間、どんな思いでプレーされましたか

最後の代だったので勝って終わりたかったのですがあと一歩及ばずという感じで、法大戦でも日大戦でもきょうのような試合が続いていたので、結果としてはやり切れなかったのかなと感じています。

――大学でアメフトを始めてどうでしたか

アメフトそのものがもうずっと楽しかったです。でもやっぱり辛い時はあったので、そういう時に支えてくれた同期だったり、特に、同じポジションで4年間一緒にやってきた瑛二郎(DB石川瑛二郎、人4=東京・早大学院)には感謝してます。

――今後はアメフトに関わっていくご予定ですか

どうですかね、まだわからないです。就活次第ですが、できる環境であればやりたいですね。らいねんコーチとしてその間に呼ばれるかもしれないです。でもいまは終わったばかりなので具体的には考えていないですね。

RB吉原猛(社4=東京・日大三)

――ケガをされていたということですが

左ひざの前十字を痛めて、練習中に切っちゃって全治9か月と言われましたが、なんとか出られました(笑)。

――そのケガはあまり良くなっていない

良くなってないです。絶対良くはならないので痛いのですが、リハビリして走れるようにして最後はちょろっとでも試合に出て活躍できればなと思っていました。

――最終戦に出ると決めたのは

前十字を切った瞬間に目標が最終節に出て走るという事になっていました。トレーナーのAT片島(智宏、スポ3=東京・国学院久我山)が最後までつきっきりでやってくれたので感謝したいです。こんど手術なので頑張ります。

――ではこの試合最初のタッチダウンを決めてうれしかったのではないでしょうか

そうですね。最初に出てタッチダウンを取らせてもらったので。(相手ディフェンスの)誰にも触られなかったのでOLに感謝ですね。

――きょうのプレーを振り返って

自分自身は出るプレーが限られていて、やることはわかっているのでやるべきことはやりました。プレーは良かったのですが、4年生としてサイドラインで何かやるということをやっていなかったのでそこは(反省です)。でも最後にタッチダウンを取れて良かったです。個人的には最後に出られて得点できて良かったです。

――4年間、そして最上級生としての1年を振り返って

1年生の時からやりたいことをやらせてもらってきました。4年生や監督やオフェンスのコーチにも色々なことを自由にやらせてもらったのでやりやすかったです。選手としては自分自身でTDを取っていきたいと思っていたのですが、下級生に元気があってうまいので、そこを育てられたのが良かったと思っています。あとは4年間を通してオフェンスを確立させたくて、ワセダは代々ディフェンスのチームだと思うのでオフェンスで何とか勝とうとしたのですが、やはりきょう含めて負けた3試合は(オフェンスが)足りなかったのでそこは悔いが残るというか、悔いは残ってはいないですがもっとできたかなと思います。下級生がいっぱい出ていて、恥ずかしい話4年生で出ているのが少ないので、らいねんは頑張ってほしいです。

――ご自身の4年間を採点するなら何点ですか

採点するとしたら80点くらいですかね。10点は日本一になれなかったことで、10点は勉強してなくて単位取っていないところです(笑)。

――今後は手術に向けてということですか

そうですね。手術して、らいねんも学生なのでリハビリをして(笑)。将来的には指導者になることが目標なので、何かしらのかたちではアメリカンフットボールに関わっていくので頑張りたいです。