日大に悔しい一敗、選手たちは決意を新たに

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS
日大 PHOENIX 14

 眩しい夕日が選手たちの頬を照らす中、アミノバイタルフィールドにて秋季リーグ戦第3節、日大戦が行われた。早大BIG BEARSは第1クオーター(Q)から機敏な動きを見せ、QB坂梨陽木(政経1=東京・早大学院)からRB吉原猛(社4=東京・日大三)へのスクリーンパスで先制点を挙げる。ディフェンスは日大の猛攻を何度もしのいだが4Q、ついに逆転TDを奪われスコアは7-14に。早大は4Q終盤、決死のドライブで自陣深くからエンドゾーンまであと一歩のところまでゲインを重ねたが、万事休す。王者・日大の壁はやはり厚かった。

 インサイドを力強く駆け上がるRB陣に、針の穴を通すかのごとくパスをヒットさせるエースQB、そして、壁のごとく立ちはだかるOL。昨年の関東王者・日大を切り崩していくのは決して容易ではない。しかし、BIG BEARSは春シーズンから日大に勝つためにトレーニングを積み、この試合に懸けてきた。そう簡単には引き下がれない。試合は、開始直後から両校の意地と意地とのぶつかり合いとなった。早大の最初の攻撃シリーズは、坂梨からWR金澤秀明(教4=東京・早大学院)、TE北村卓也副将(先理4=東京・早大学院)へと立て続けにショートパスをヒットさせ敵陣へ進攻。すると、スクリーンパスを受けた吉原が日大守備の集まりを振り切って33ヤードを疾走する。そのままエンドゾーンへと体をねじ込み、待望の先制点を挙げた。2Qに入ると日大も反撃に出る。QB高橋遼平の自らのランとプレーアクションパスに苦しみレッドゾーンへ侵入を許すと、最後はWR岩松慶将への同点TDパスを献上。7-7とされた。2Q終盤、日大のパス攻撃をSF寺中健悟(教3=東京・早大学院)、SF藤原健太郎(政経3=東京・早大学院)、LB加藤樹(商2=東京・早大学院)が鋭く反応し追加点を防いだ早大。同点は許したものの、日大オフェンスをコントロールする手応えをつかんだかのように見えた。

開幕から好調を維持し続けている加藤

 後半に入り、勝負も佳境に差し掛かった。4Q、日大のQBランとWRへのショートパスを軸とした着実なドライブで瞬く間に自陣へと攻め込まれると、早大は際どい判定ではあったものの二つの反則を侵し、計20ヤードの罰退を強いられる。ゴールまで残り4ヤード地点から始まった日大のファーストダウン。DL、LBが猛チャージをかけ中央へのランを二回止めたが三度目のランは止められず、7-14。ついに均衡が破れた。7点を追いかける早大が最後にチャンスを構築したのは試合終了まで残り1分41秒、自陣17ヤードからのドライブだった。「監督は選手を信じ、選手は監督のプレーコールを信じてプレーした」とQB政本悠紀(創理3=東京都市大付)が振り返るこの攻撃。WR西川大地(商2=東京・早大学院)へのパスを足がかりにハーフラインまでボールを進めると、北村へのパスもヒット。残り時間は36秒。そして、エンドゾーンまで残り30ヤード。やるしかない――。ハドルでそう声を掛け合い政本はロングパスを4度投じるも、エンドゾーンまでは届かなかった。ディフェンスが日大を14点に抑えた事は特筆すべきかもしれない。しかし、それでも勝てなかった。濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)が「勝てる試合だったと思います」と肩を落とすように、小さなミスがここぞという場面で響いた。要所でプレーを決める、ボールを奪い取る勝負強さに課題が残った。

政本のクオーターバッキングも光った

 試合終了直後、悔しさを浮かべて整列する選手たちの姿は昨年の秋季リーグ戦で法大に完敗を喫した時と同じだった。しかし、その後の表情やコメントは違っていた。それは、日大戦が接戦となった事が理由ではないだろう。「チームの先頭に立ってやれることを全力でやる」とOL中村洸介主将(スポ4=東京・日大三)が力強く話すと、DB石川瑛二郎(人4=東京・早大学院)も「次の対戦相手である法大に勝つだけです」と躍進を誓った。日本一という目標はまだ途絶えたわけではない。ならば、次節以降こそ早大が誇る全員フットボールで勝ち続けるしかない。この敗戦を決して無駄にはしないつもりだ。

(記事 和泉智也、写真 近藤廉一郎、橘高安津子)

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 PASS #7坂梨→#30吉原 #16佐藤敏 7-0
日大 PASS #18髙橋→#22岩松 #11有輪 7-7
日大 RUN #18髙橋 #11有輪 7-14
個人記録(※一部のみ掲載)
ラン 回数 ヤード TD 最長
#33 須貝和弘 68 23
#10 政本悠紀 22 10
#28 井上広大 22 13
#30 吉原猛  17 10
レシーブ 回数 ヤード TD 最長
#30 吉原猛  49 33
#3  北村卓也 24 13
#80 金澤秀明 14 10
#4  西川大地 25 25
パス 回数(試投) ヤード TD 最長
#10 政本悠紀 9(16) 78 25
#7  坂梨陽木 5(10) 61 33
ファンブルリターン 回数 ヤード TD 最長
#71 松原寛志
QBサック 回数 ヤード SAF 最長
#90 村橋洋祐
#7  加藤樹 
星取表(9月7日現在)
日大 法大 明大 立大 慶大 早大 中大 日体大
日大 11/23 11/9 10/26 10/11 14○7 27○0 56○14
法大 横浜 10/25 11/9 28○23 10/12 26○6 38○0
明大 横浜 アミノ 11/23 14●24 15●16 10/12 30○7
立大 アミノ 横浜 横浜 42●70 7●52 7●31 10/11
慶大 アミノ 23●28 24○14 70○42 11/23 11/9 10/26
早大 7●14 アミノ 16○15 52○7 横浜 10/25 11/8
中大 0●27 6●26 アミノ 31○7 横浜 アミノ 11/22
日体大 14●56 0●38 7●30 アミノ アミノ アミノ アミノ
関東大学秋季リーグ戦TOP8順位表(9月28日現在)
順位 チーム 試合 勝点 得点 失点 得失 TD
日大 97 21 76 13
法大 92 29 63 12
慶大 117 84 33 15
早大 75 36 39 10
明大 59 47 12
中大 37 60 -23
立大 56 153 -97
日体大 21 124 -103
コメント

濱部昇監督(昭62教卒=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返って

タラレバを言えばきりがないですが、勝てた試合だったと思います。ベンチワークを含めて僕らの責任も多く、選手に申し訳ないです。

――悔やまれる部分というのはどういった辺りでしょうか

プレーコールも良くありませんでしたし、僕の中で迷いもありました。その他コールが裏目に出てしまったこともあったので、もっと堅実にいってもよかったのかなと思います。

――先制TDを奪った序盤は良い展開だったと思いますが

その後やはりミスもあって、自分たちでリズムを崩し、その後なかなか試合の流れを取り戻すことができませんでした。ズルズルと出され、同点にされてしまいました。

――14点に抑えたと守備陣についてはいかがでしょうか

頑張ってくれたと思います。タックルも甘い部分がありましたし、インターセプトのチャンスを逃したりなど、大事な場面での集中力はやはり勝つチームと負けるチームの違いかなと感じた部分はありました。

――途中出場したQB政本悠紀(創理3=東京都市大付)は最後のドライブで好パスを投げていたように見えましたが

ちょっと雑な部分がありますが、身体能力は高いですし、プレーはダイナミックなので。それを生かしきれていないのは僕の責任でもあります。

――監督自身はどのようにこの敗戦を捉えていますか

取れた試合であったし、取りたかったです。でもこういった結果になってしまってあれこれ言っても仕方ないので、2週間あるので、次に向けて取り組むしかありません。次の法大も強敵なので、この2週間で選手もコーチもレベルアップしていく必要があると思います。

OL中村洸介主将(スポ4=東京・日大三)

――今の気持ちを教えてください

目標を日本一に設定していて、その中でもリーグ戦全勝という目標もあったので悔しいです。

――昨年王者の日大に対して特別な思いはありましたか

日大戦がリーグ戦の大一番の試合だと考えていましたし、昨年の王者ということもあり、絶対勝たなければならない試合だと思ってチーム全員共通の意識で臨みました。

――中村主将からチームに意識を促したことは

僕らは常に成長していかなければならないということを話していて、明大戦でも接戦をして、立大戦でも良いかたちとは言えない試合だったので、「日大戦まで練習をして成長していこう。試合の中でも成長していこう」という話を常にし続けました。

――OL全体のユニットとして今日の試合を振り返ってみていかがですか

日大のDLはフィジカルもサイズもあって、それに対してラン自体は出ていたのですが、パスで要所でやられたので、実際まだまだだなと思いました。

――前半を7対7で折り返し、後半チームで意識したことは

もともと接戦になるというのはわかっていたので、最後まで足をかきつづけていくことを意識しました。

――今日で1敗となってしまいましたが、まだ優勝の可能性はあります。次の法大戦への意気込みをお願いします。

法大にはきょねん完敗し、とても特別な思いがあるので必ず勝って、リーグ優勝につながる試合をしたいと思います。

――主将として残りの試合をどのように戦っていきたいですか

今のままでチームの士気が落ちてしまうことが一番最悪なことなので、そこを僕がチームの先頭に立ってやれることを全力でやって、チームを伸ばして法大戦に良いかたちで臨めるようにしたいと思います。

TE北村卓也副将(先理4=東京・早大学院)

――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか

悔しいの一言です。

――昨年の王者である日大との対戦でしたが、特別な思いはありましたか

格上というのは最初から分かっていました。その中で自分たちがこれまでやってきたことを信じて、春からずっとチームを作ってきたのでその全てをぶつけて勝とう、ぶつければ勝てると思っていました。しかしこういう結果となったので、まだまだ取り組みが甘かったのかなというのがいまの気持ちです。

――前の試合から期間が1週間と短かったですがどのように調整されましたか

特に今までと変わらない練習で、もうとにかく日大を意識して細かいところまで切り詰めて1週間練習しました。

――きょうのオフェンス陣の連携はいかがでしたか

今までの3試合の中では一番団結できたのですが、要所要所でミスがありました。シリーズがつながらずにパントに追いこまれるというかたちがあまりにも多くて結果7点しか取れていなかったので、細かいミスは怖いというのをきょう改めて実感しました。

――オフェンス陣で心がけたことはありましたか

1プレー毎に気持ちを入れて、みんなで一体となってオフェンスをしようという気持ちでした。

――1敗はしましたがまだ優勝の可能性は残っています。ここからどう切り替えますか

もう残りの4試合を全勝するしか道は残されていないので、いまは悔しいですがまた切り替えて、2週間後に控える法大戦に向けて準備していきたいです。

――最後にその法大戦に向けて意気込みをお願いします

法大はきょねんの最終戦で惨敗を喫した因縁の相手なので、先輩方の借りを返すという気持ちで、相手は格上なので挑戦者として一つ一つ取り組んで絶対に勝ちたいと思います。

DB石川瑛二郎(人4=東京・早大学院)

――試合の結果をどのように受け止めていますか

点数的に見ても勝ちたかったなと思ったのですが、要所要所でディフェンスのタックルミスなどの細かいミスがあったので、それが結果的にこの点数差で惜しくも負けることにつながったのかなと考えています。

――強豪の日大が相手でしたがどのようなプランを描いていましたか

日大が強いということは最初から分かっていたことなので、自分たちはそれを超えようということを心がけて練習してきました。

――日大の2つ目のTDの前にパスインターフェアの反則を取られてしまいましたがそのプレーに関しては

ボールを狙いに前に行こうとしたのですが、相手のTEが大きくてぶつかってしまい、審判にとっても反則に見えたのだと思います。詰めが甘かったです。

――好タックルもありましたがご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

この試合は気持ちだけを押し出していったので、良いタックルもできたと思うのですが、結果的に反則とかをしてしまい、それが原因でTDを取られてしまったので反省することは多いですね。

――DB全体を振り返っていかがですか

DB全体的に結構良かったのかなと思います。長いパスなどを決められることはなかったので、そこは良かったと思うのですが、まだまだやることはあったなと思います。

――まだ優勝の可能性は残っていますが、どのように切り替えていきたいですか

日大に負けたということはきょうまでにして、後は全勝を掲げて法大、中大に勝って慶大に勝つだけなので、次は法大戦ということで法大に勝つことだけを考えていきたいと思います。

――その次戦の法大戦への意気込みをお願いします

次の法大戦こそは絶対に勝つので応援よろしくお願いします。

RB吉原猛(社4=東京・日大三)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしたか

最後まで詰め切れなかったというところがありました。最後のオフェンスではランを2回止められたり、まだまだ勝てるチャンスがあったのに、自分たちから捨ててしまった形になったので、そこがもったいないなと思います。

――ご自身の持ち味は出せましたか

ランプレーが多かったので、出せたと思います。

――きょうは活躍される場面が多かったですが、QBとの相性はいかがでしたか

自分は4年生で、他のQBは下の学年なのですが、自分的には相性が良い方だと思っています。出来るだけ自分から話しかける努力をしています。

――最初のタッチダウンについて

最初のタッチダウンはスクリーンパスのプレーだったんですけど、気づいたら目の前に人が居たので、それからはもう無心にとりあえず前に進もうと走ったら、たまたまタックルを外せてタッチダウンを取れたのだと思います。

――相手のディフェンスの印象はいかがでしたか

いままで2戦やってきて、それ以上に速いというところがありましたね。個人的にはそんなに力負けというところは無かったんですけど、やはりスピード負けというところが特に大きくて、気づいたら目の前に相手が居たので、そこがすごいチームだなと思いました。

――最後のシリーズはずっと出場いましたがどのような気持ちで臨みましたか

絶対点を取ってやろうと思っていたのと、実際あの時の自分の役割としては、しっかりQBを守ってパスを投げさせるということだったのでそれに集中していたのと、あとは結構気持ちに余裕があったので時計やサイドラインを見てやっていて、あのシリーズは良い緊張感の中で通せました。

――同点に追いつけなかった敗因は

やはり詰めの甘さと、やるべきことをやれなかったことです。最後のシリーズに限って言えば、パスが通らなかったことで、他のシリーズで言うと、オフェンスもロスする場面が何回かあって、インターセプトもあったり、ディフェンスはあまり見れていませんでしたが、キッキングだったら、メンツのミスとかで余分にタイムアウトとったりして、リズムを崩した場面があったので、やはりチームとしての総合力の詰めの甘さというところが敗因だと思っています。

――優勝への可能性はまだありますがきょうの試合からどのように切り替えていくつもりですか

この敗戦を良い機会にして、スタッフ含め1年生から4年生まで一人一人がやるべきことをもっと明確にして、練習に取り組んで、法大までしっかりと部員全員で勝つということをもう一度見直したいと思います。

――次の試合への意気込みをお願いします

日大と違って2週間あるので、詰められるところまでしっかり詰めて準備をしてやっていきたいと思います。最後のシーズンは笑って引退したいので頑張ります。

DL庭田和幸(創理3=東京・早大学院)

――昨年の関東王者である日大との一戦でしたが試合を振り返っていかがですか

負けたので、それが実力ですが東伏見に帰って次の法大戦に向けてやり直したいです。

――日大との差はどのようなところにあったと感じましたか

日大はアスリートが多くて、自分たちは身体能力もないところも差だと思うんですが、やはり細かいところで全然まだまだ差があると感じました。個々の能力もいままでは口だけになっていた部分もありますが、もっともっと高めないと日大や法大には勝てないと思うのでより一人一人の力にフォーカスして頑張りたいと思います。

――前節の立大戦から1週間と短い期間でしたがどのような調整を行いましたか

やることは変わらなかったので、日大のパス攻撃に対してどのようにアジャストするかなどをやっていましたがもっともっと詰めることができたのかなと思います。

――日大のOLの印象は

でかいなとは思って、やれるところもあったんですけど負けた結果が全てで、自分たちはまだまだレベルが低いですし日大のOLに対して甘かった部分もまだあったり日大のOLには負けていました。

――庭田選手自身相手OLの中をかいくぐりタックルやQBサックを決める場面も何度もありましたが

日大のOLとやり合えるのは当然で、それでしっかり勝たないとやってきたことは意味ないですし、結果が全てだと思うので、この負けを糧にして意識して勝てるように頑張りたいと思います。

――早大のDF陣は粘り強い守りをしていましたがまだ足りないなと感じる部分どんな点ですか

反則ですかね。僕も反則してしまいましたし、反則をすると流れが変わってしまうと強く感じました。練習からもっと反則に関しては厳しくやるべきですし、個々の能力でやられているシーンもありました。日大は細かいところで1ヤードでも多く出そうとしていましましたし、自分たちも止めようとしたんですけど止められない場面もありました。ロングドライブをされたりとそういう部分で差が出ていると思います。まずは個々の能力を伸ばし、反則に関しては練習から厳しくやっていき、自分たちの課題を見つめ直して修正しなければ法大にも勝てないと思うので次の法大戦ではそういうところからしっかりやり、負けて悔しがって終わるのではなく課題克服をしていくために頑張りたいと思います。

――日大には負けてしまいましがまだ優勝への道は消えたわけではありません。次節の法大戦に向け抱負をお願いします。

負けは負けで認めるべきですし、自分たちは甘かったと思いますが、そう悲観するのではなくこれからまだまだありますし、法大に対しては圧倒するくらいのチームづくりをし、成長して法大に勝ってまだ日本一になる夢は終わっていないのでその夢に向かって頑張ります。

QB政本悠紀(創理3=東京都市大付)

――日大戦を振り返っていかがですか

初めは、坂梨陽木(政経1=東京・早大学院)と交互に出る予定でした。途中からは、僕が出ることになったのですが、ミスがあり決められる所で僕が決められず、そのシリーズを終わらせてしまうという事があったので、そこが反省点です。そういう所の積み重ねが出来ていないから日大に勝てなかったというか、そういった面がきっちりと出来ていれば、取ったスコアやヤードを見ても、勝てる試合だったので個人としてもチームとしても悔しい試合でした。

――日大戦はリーグ戦の中で大きな山場でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

相手が強いという事は最初から分かっていて、相手LB・DBも強いという事は分かっていたので、今まで以上に出せるプレーを確実に決めたりだとか、決められるパスはゼロなわけではないので、そこを通したりだとかという部分で、ミスをなるべく減らし、1プレーを大切にするという事を練習から心がけてやってきました。

――前節の立大戦から一週間という短い準備期間でした

学校も始まり練習時間が少し短くなったくらいでしたが、1プレー1プレーをいつもよりも大切に、集中してやるという事をいつも以上に徹底してきました。

――前半、サイドラインから見ていて早大オフェンス、日大ディフェンスはいかがでしたか

最初から分かってはいましたが、例えばこのプレーだったらこの場所が空くだろうというものが、予想通り空いていました。そこを決めきれなかったプレーもありましたが、最初のシリーズを持って行けたという事はチームとして大きかったです。1Qはテンポが良かったのですが、2Qはキッキングも含めてミスがあったので、そこがまだまだ甘いと感じました。

――勝ち越されてからのシリーズはどのような心境で臨みましたか

7-14で、時間はまだあったので、無理をせずにヤードを獲得していこうという事を意識しました。無理にロングパスを狙ったり、ギリギリの所を突くよりもランプレーを出したりと確実に進んで行こうというコンセプトで臨みました。

――オフェンス最後のドライブとなったシリーズを振り返っていかがですか

みんなでやるしかないという声掛けをしていて、ここでミスをしたらもう後がないという状況で、僕自身も絶対にパスを決めなければならないという強い意志を持って挑んだし、レシーバーも絶対捕るという事を思っていたのでオフェンスとして一体感が出ていました。しかし、ゴールライン近くで決められるパスを決められなかったりして一体感があったとしてもチームとしては苦しかったので、ミスを無くすというのは今後の課題です。

――WR西川大地(商2=東京・早大学院)やTE北村卓也(先理4=東京・早大学院)のナイスキャッチがありました

良い所に落とせる訳でもなく、(相手のディフェンスの)パスカバーも厳しかったのですが、なにがなんでも取ってくれるだろうという信頼関係があったので、思い切って投げ込みました。

――攻守交代となった時はどのような心境でしたか

自分自身も信じられないという感じで、ファーストダウンを獲得出来たかと思いましたが、日大が喜んでいたのでゲイン出来ていないという事が分かりました。でも、自分の中ではまだなんとかなると思っていたのですが、現実はそこで終わったわけで、気付かなかったというか、次のプレーに集中していたので、特には考えていなかったです。

――今後どのようなオフェンスを作っていきたいですか

日大と戦い、自分たちがどの程度の力があるのか分かりました。法大は日大より強いと僕たちは思っているので、きょうのようなミスをしていてはそれがどれだけ命取りになるのかという事が自分もチームも分かったので、これまで以上にミスに厳しく練習から取り組んでいきたいと思います。

――立大戦、日大戦と今季のオフェンスのかたちが見え始めているように思いました

着実に大きな流れを考えるよりも目の前のプレーを着実に出していけば良いシリーズになり得点が生まれるというのが監督の考えでもあるので、監督は僕たちを信じて、僕たちは監督を信じて、その信頼関係でプレーを出し、勝ちにつなげたいと思います。

――今後の意気込みをお願いします

法大、中大共に強いことには変わりはないので、でもまだ優勝が無くなった訳ではないので希望があることを信じて、オフェンスだったら自分のやるべきことを試合で全う出来るように練習して試合で勝ちたいと思います。

LB加藤樹(商2=東京・早大学院)

――試合を終えて全体の感想をお願いします

(前節から)1週間しかなかったんですけど、日大戦にかけてきたので勝ちたかったですけど残念でした。

――相手は王者日大ということでチームはこの1週間何を取り組んできましたか

本当にこれまでで一番厳しい戦いになるのはわかっていたので、気持ちの部分で負けないように取り組んできたんですけど一歩及ばなかったです。

――加藤選手個人としてはどのような意気込みで臨まれましたか

僕がマッチアップする相手というのはいままで一番強くて速いとわかっていたので、それに対して自分がどれくらい通用するかなというのは楽しみでした。

――相手の攻撃の印象はいかがでしたか

ナイターということもあって(相手が)速く見えて結構厳しい状況になりましたけど、1対1では負けていなかったと思うんですけどそこで自分のキャッチミスとかもありましたし、モーメントで引き寄せるところでそれができなかったのは悔しいです。

――日大の34番のRB高口和起選手への守備に関しては

あの人とは一回日本代表のときに戦ったことがあるんですけど、強さはわかっていたつもりだったんですけどやっぱり強かったですね。

――敗れはしましたがディフェンス陣の手応えはありますか

粘り強さが評価されていたんですけど、最後相手の2TD目は自分たちのミスで取られたので本当に悔しかったです。

――欠場者が多かった点は影響があったのでしょうか

それに関しては前々から人数が少なくなるということがわかっていたので大丈夫でした。

――もう少しでインターセプトが狙えたプレーを振り返っていかがですか

本当にあれは練習しておきます(苦笑)。

――これで一敗となりましたが、これからのリーグ戦どう切り替えていきますか

可能性が消えたわけじゃないので、次の法大にしっかり勝って、条件付きにはなりますけどチームをまとめてやっていきたいと思います。

RB須貝和弘(創理2=東京・早大学院)

――日大戦に向けてどのような準備をしてきましたか

ことしのチームは本気で日本一を狙おうと全員が一丸となって思っているので、この1週間やれることは全て取り組んできました。とにかく悔しいです。

――開始早々に先制のTDを奪いました

吉原さんがすごく良い形でエフォートしてからのTDだったので、チーム全体が盛り上がりました。でもそこで変にリズムを狂わせることなく冷静になれていたので、それに関しては良かったのかなと思っています。

――ランオフェンスではコンスタントにヤードを獲得している印象でした

とにかくOL陣が強い気持ちで、あれだけ強くて早い日大ディフェンスに食らいついてくれたので、僕らはただ思い切り走るだけでした。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

相手には日本代表レベルの選手がたくさんいる中で、自分の精度の欠いたプレーがすごく目立ったので、頑張ってくれていたOL陣には申し訳ないです。納得できない部分が多かったので、これからの練習をしっかりとして、精度の高いRBになれるように頑張りたいと思います。

――先制してから、あと一歩追加点には至りませんでした。原因はどこにありますか

押せていたのにTDを取れなかったというのは、やはりオフェンスでもディフェンスでもキッキングでも、要所要所の細かい部分で日大の方が上回っていたからだと思います。要所での精度の差が出てしまった試合だったと思います。

――次戦に向けての修正点は

一つ一つの精度を高めて極めていくしかないと思います。まだシーズンが終わったわけではなくて、法大に勝てばチャンスは残っているので、潔く負けを認めて切り替えていきたいと思います。

――昨年は大敗を喫した法大戦に向けて、意気込みをお願いします

昨年、僕はサイドラインから見ていたんですけど、相手に圧倒されていたので、立大戦と同様にリベンジという形で法大を食えればいいかなと思います。

WR西川大地(商2=東京・早大学院)

――きょうは相手は日大でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

きょねんの関東王者なので、絶対に勝ってやろうという気持ちで臨みました。

――試合の終盤でロングパスをキャッチする場面がありましたが、そのシーンを振り返っていかがですか

日本代表の人が前にいたので、その人を抜けばキャッチできるなと思って、上手くリリースすることだけを考えてプレーしました。

――相手のディフェンスにはどのような印象を受けましたか

スカウティングしてきた通りの敷き方だったんですけど、もっと僕らが決められるところもあったかなと思います。

――個人的に見つかった課題はありますか

QBとのコミュニケーションとか、ロングパスの精度がまだまだ低かったので、次の法大戦までに改善していきたいなと思います。

――次の法大戦に向けて意気込みをお願いします

法大に負けたら本当に終わりだと思っているので、しっかり気を引き締めて臨みたいと思います。