新人早慶戦、流れ作るも惜敗

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 14
慶大 UNICORNS 20

 4月に行われた早慶アメリカンフットボール対校戦での惜敗から二ヶ月が経ち、新人早慶戦を迎えたBIG BEARS。1年生のみが出場したこの試合は、強い日差しが照りつけるなか、早大東伏見グラウンドで行われた。第1クオーター(1Q)に慶大に先制を許し、終始追いかける展開となった早大。慶大のオフェンスに苦しめられる。4Q、RB木村達也(国教1=東京・早大学院)の2TDで流れを作るが、一歩及ばず。14-20で試合は終了し、この一戦を勝利で飾ることはできなかった。

 早大の攻撃で始まった前半。QB坂梨陽木(政経1=東京・早大学院)を中心に、WR斎藤健(法1=東京・早大学院)、TE/DL長尾裕二朗(スポ1=愛知・海陽)などにパスを通し攻めるが、得点には繋がらない。一方のディフェンス陣は慶大のランプレーに苦しみ、あっさりと先制点を許してしまう。続く2Qでも、「ディフェンスがだいぶ出されていて、オフェンスが出ていない」とRB/LB田中凌(社1=東京・早大学院)が振り返るように早大は攻撃力を欠く。しかしWR/DB柿澤祥(社1=愛知・海陽)の好タックルなど徐々にディフェンスが整い始め、追加点は許さない。2Q終盤には坂梨のQBランや、柿澤へのパスで敵陣まで攻め込むものの、TDまでは至らず前半は終了。0-6で後半へと折り返した。

反撃の2TDを挙げた木村

 そして迎えた後半。最初のプレーでロングパスを決められてしまい、序盤から嫌な雰囲気が立ちこめる。そのシリーズは抑えるものの、細かなミスが重なり、オフェンスも思うように機能しない。流れは変わらず、前半同様慶大にランプレーを出され、追加点を許してしまう。しかし、RB/LB永井大海(商1=東京・浅野)のタックルにより、トライフォーポイントは与えない。その後も均衡状態が続くがここから早大のオフェンスが目を覚ます。4Q序盤、相手の反則にも助けられ、ランで敵陣に侵入。最後は、RB木村が右に展開し、TDラン。ようやく一本を返し、6―12となる。しかし、同点を狙った次の攻撃シリーズで、坂梨が痛恨のファンブル。相手に攻撃権が渡り、そのままTDに繋げられてしまう。このままでは終われない早大は、長尾へのロングパスなどで攻め込み、再び木村が意地のTDを奪う。一本差にせまり、ペースを掴んだかのように見えたが、そこで試合終了。無念の時間切れとなり、14ー20で敗戦。きょねんの雪辱を晴らすことはできなかった。

試合終了のホイッスルとともにうなだれる選手達

 「自分は未経験者なので、やっとアメフトの試合ができるという喜びを感じました」(辻)。未経験者も多く出場したこの新人早慶戦。基礎の積み上げが不足し惜しくも敗戦となるが、アメフト経験の有無に関わらず、今回の試合で得たものは大きいはずだ。ロングパスやQBサックなども決まり、伸びしろは充分。厳しい夏を乗り越え、これからのBIGBEARSを支えていくであろう頼もしいフレッシュマンたちに大きな期待を寄せたい。

(記事 寒竹咲月、写真 三田侑実、小川朝煕)

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
慶大 PASS #2→#81 PLAY NG 0-6
慶大 PASS #2→#81 PLAY NG 0-12
早大 RUN #31木村 PLAY #31→#7 NG 6-12
慶大 RUN #44 PLAY #6→#81 TD 6-20
早大 RUN #31木村 PLAY #31 TD 14-20
コメント

TE/DL辻幹哉新人戦主将(人1=東京・本郷)

――今日の試合を振り返っていかがですか

今日の試合は初めに点を取られてしまって、すぐに点を返せなかったことが敗因だと思います。

――試合前に他の選手にどのような声をかけましたか

今日の試合はBIG BEARSの誇りをもって勝とうと声をかけました。

――初めての1年生だけの試合だったがどのような気持ちで臨みましたか

自分は未経験者なので、やっとアメフトの試合ができるという喜びを感じました。

――これからどのようなチームを作りたいですか

みんなが切磋琢磨し合い、未経験者の人でも来年には試合にでているようなチームにしたいです。

――夏への抱負をお願いします

1年生なのでフレッシュさをもって、声を出してチームを盛り上げたいです

RB木村達也(国教1=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

結果は敗戦ということになってしまったんですけど、未経験者も経験者もみんなで努力していたので、いい経験になったと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

RBとして試合に出たのですが、課題が生まれてきて、外に逃げてしまっていた自分がいたので、次は縦に走れるようにしたいと思います。

――1本目のTDはいかがでしたか

負けていたので、エンドゾーンにがむしゃらに突っ込みました。

――2本目は

2本目も負け越ししていたので、ここで決めなきゃと思って頑張りました。

――慶大との差はどこに感じましたか

基礎をもっと積んでいかないとと思っています。結構タックルミスなどもあったり、自分もそうですが走りを間違えたりして、小さな差が多くあったので、そこをもっと練習して詰めていきたいです。

――チーム全体としての課題は見えましたか

初めての試合で負けてしまったので、この悔しさを糧に勝つという意識をもっと持って、フレッシュマンとして頑張りたいです。

――ご自身の目標をお願いします

すごい先輩が本当にたくさんいるので、その方たちに少しでも追いつけるように頑張りたいと思います。

――夏に向けて強化したい点などはありますか

引退してから長く経って足が遅くなっているので、下半身を特に強化したいと思います。

TE/DL長尾裕二朗(スポ1=愛知・海陽)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

厳しい試合になるというのはわかっていて、そこで諦めないようにプレーしようというのはチーム内で言っていて、それはできたのですが、最後は力の差が出てしまった気がします。

――自分たちの攻撃の連携はいかがでしたか

新人早慶戦というのは限られたプレーしかできないのですが、その中でも経験者、未経験者が精一杯力を出せていたと思います。QBの坂梨(陽木、政経1=東京・早大学院)とも練習中にいろいろ話をしていたので、そこもうまく出せました。

――相手ディフェンスの印象はいかがでしたか

1プレーごとにしっかりとプレーしてきて、いいチームだなという印象です。

――副キャプテンとして何かチームに伝えたことはありますか

1年生だけど、ワセダのスタイルを見せようと言いました。

――最後に、夏に向けて抱負をお願いいたします

合宿など、厳しい夏が待っていると思いますが、そこを乗り越えて、今の4年生を勝たせられるように1年生が底上げをして、日本一になりたいと思います。

QB坂梨陽木(政経1=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

経験者である僕とかがまだ全然みんなのことをまとめきれてなくて、アメフトをやったことがない人もオフェンス、ディフェンス共に頑張ってくれたのですが、最終的に自分がミスをして負けてしまったので、結果は結果として受け止めて、1年生全体でがんばっていきたいと思います。

――試合前に目標として掲げていたことなどは何かありましたか

目標とはいえないですが、初めてアメフトをやる人たちには思いっきりプレーするように声かけしました。

――相手のディフェンスはいかがでしたか

経験者も多いと思うんですけど、結構洗練されていて、僕たちのことをよくスカウティングしてきたんだなと感じました。

――何回かレシーバーとの連携がうまくいっていないところが見られましたが、きょうのご自身のプレーはいかがでしたか

全然ダメでした。QBは成功率に1番こだわらないといけなくて、オフェンスが頑張ってくれているにも関わらずひどい結果になってしまったので、皆には本当に申し訳ないなと思っています。

――夏に向けての課題はありますか

とにかく怪我を治して、フィジカルが弱いのでそこも意識して取り組みたいと思います。あとは、学年関係なくコミュニケーションをとっていきたいです。

――QBの理想像はありますか?

自分はリズムがいいオフェンスを意識しているので、コミュニケーションをしっかりとったり成功率にこだわって、秋シーズンもやりたいです。

――秋に向けて一言お願いします

春シーズンは1敗したんですけど、秋が本番なので、少しでも中村洸介主将(スポ4=東京・日大三)やチームの力になれるように1年生一同頑張っていきたいと思っているので、応援よろしくお願いします。

RB/LB田口凌(社1=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

ディフェンスがだいぶ出されていて、オフェンスが出ていない感じになっていました。自分としては1,2(TD)で抑えたかったのでそれが反省です。今日はリーグ戦ではないので、みんなで勝てればいいなという気持ちでいましたが、慶大とのやる気の違いが出たのかなと思いました。

――初めての早慶戦でしたが

早大学院高で高校の時から意識している相手で、相手にも知っているメンバーがいて負けてしまったので悔しいです。

――ディフェンスの中心としてプレーしていたが、どんなところに注意していたのか

未経験(の選手)もいる中で自分のような経験のある人が仕切ってディフェンスをやっていくということが目標でしたが、それに関してはしっかりみんなと声をかけてできたと思うので、負けたとは思うが次につながる負けだったと思います。最後のツーミニッツで抑えたディフェンスなどもみんなでいい動きができていて、試合中に成長できていたので良かったです。

――相手オフェンスの印象は

もともとショットガンを使ってくると分かっていたにもかかわらずパスが要所要所で結構通されていて、そういう大事なところで踏ん張れなかったり、サードダウンのシチュエーションでパスを通されてしまったりとそういうことが多々見られたので、そこの集中力の差が負けにつながったのかなと思います。

――夏に向けて

個人的な目標としては、自分がまず試合に出て活躍すること。1年生ながらも頑張れることはあると思うので、チームに貢献できればいいと思っています。チームとしては、ライバルである慶大に先輩たちの早慶アメリカンフットボール対校戦でも負けてしまったのでその悔しさをばねにして秋のリーグ戦は絶対に勝ちたいと思います。