TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 14 | 35 | 3 | 7 | 59 |
一橋大 CRIMSON | 0 | 7 | 0 | 0 | 7 |
惜しくも敗れてしまった早慶アメリカンフットボール対校戦(早慶戦)から約2週間。早大BIG BEARSは今シーズン初勝利を飾るべく、本拠地、東伏見グラウンドに一橋大を迎え入れた。試合は開始直後のシリーズをQB坂梨陽木(政経1=東京・早大学院)のTDランで得点につなげると、その後は攻撃陣が爆発。前半だけで7TDを記録し、早大は59-7で勝利した。
スーパールーキーが躍動――。ロースターの中でも特に競争の激しいQB。この日の先発は早慶戦で先発を任されたQB政本悠紀(創理3=東京・東京都市大付)ではなく、ルーキーの坂梨だった。その坂梨は指揮官の抜擢に応える。最初のシリーズ、ラン、パスを織り交ぜた攻撃で相手陣内奥深くまで攻め込むと、最後はランフェイクから自らがエンドゾーンまで持ち込みTD。幸先よく先制に成功する。その後もWR岡田義博(教23=東京・早実)への17ヤードTDパスを決めるなど、ルーキーらしからぬ落ち着いた試合捌きを披露した。第2クオーター(Q)途中からQBは政本に交代。こちらも坂梨に負けはしないと言わんばかりの活躍を見せた。様々なレシーバーに投げ分け、WR深栖拓(先理2=大阪・北野)への18ヤードTDパスを含む2つのパスTDをマーク。QBスターター争いはまだまだ熾烈のようだ。
安定したクオーターバッキングを見せた坂梨(右)
守備陣も先の早慶戦からしっかりと修正。相手攻撃陣を敵陣に閉じ込め、失点のピンチを作ることもほとんどなかった。ディフェンスでも1年生が活躍。負傷者が多いDLではDL武上雅将史(社1=神奈川・法政二)が早慶戦から引き続き出場。大学初サックを決めるなど、早くも主力級の活躍。しかし2Q、キックミスで相手に有利な位置から攻撃を開始されると、勝負どころで相手の攻撃を止めることができずTDを献上。「キックミスでみんなが慌てた状態から浮き足立ってしまって立て直すことができなかった」(LB小宮山泰隆、教3=東京・早大学院)。それでもこれ以降は相手に付け入る隙を与えることはなかった。
奮闘する守備陣
快勝で初勝利を飾ったBIG BEARS。それでも「一人ひとりの取り組みに甘さがあった」と小宮山が振り返るように会心の試合運びというわけではない。次戦からはOL中村洸介主将(スポ4=東京・日大三)、LBコグランケビン(商3=東京・早大学院)、LB加藤樹(商2=東京・早大学院)と世界大学選手権に参加していた3選手もチームに復帰する予定だ。そしてその次週の相手は立命大。早くも今春の大一番となるこの試合でどういった戦いを見せてくれるのか。これからもBIG BEARSから目が離せそうにない。
(記事 井上義之、写真 巖千咲)
得点経過 | |||||||
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TEAM | Q | PLAY | PLAYER(S) | PAT | PLAYER | G/NG | スコア |
早大 | 1 | RUN | #11坂梨 | K | #16佐藤 | G | 7-0 |
早大 | 1 | RUN | #23北條 | K | #16佐藤 | G | 14-0 |
早大 | 2 | PASS | #11坂梨→#1岡田 | K | #16佐藤 | G | 21-0 |
一橋大 | 2 | PASS | #12柴田→#82吉川 | K | #41丸山 | G | 21-7 |
早大 | 2 | KR | #1岡田 | K | #38洲戸 | G | 28-7 |
早大 | 2 | PASS | #10政本→#83深栖 | K | #38洲戸 | G | 35-7 |
早大 | 2 | PASS | #10政本→#26井本 | K | #31藤原 | G | 42-7 |
早大 | 2 | PR | #28井上広 | K | #34渡邉卓 | G | 49-7 |
早大 | 3 | FG | #38洲戸 | 52-7 | |||
早大 | 3 | RUN | #27向山 | K | #31藤原r | G | 59-7 |
コメント
WR岡田義博(教3=東京・早実)
――きょうの試合を振り返って
自分にできることがまだあったと思います。立ち上がりが悪かったと思います。後半になって少しメンバーを落としてみた時、出ていない一本目のベンチワークができていなかったり、出ているメンバーもドライブが続かなかったので課題が見えました。
――きょうはレシーブを受けてTDを決めた場面がありましたね
そうですね。もっと上位校が相手になることを考えると反省がありますね。
――今季に入るまでに調整している点とは
1、2年の時にけがをしていたので、体重とウエイトが足りていないと考えていました。そのため、この冬は体重の増加とウエイトアップに取り組んできました。
――キックオフリターンについては
最初のPRで横に行ってあまりゲインができなかったので、味方を信じて縦に縦にと行こうとしたのが良い結果に結びついたのだと思います。
――早大のオフェンスは上手く機能しましたか
前半はドライブができていたので良かったと思いますね。でも、パスの成功率がもっと高くないと次戦の立命大戦でドライブできないと思うので、勝負どころでのキャッチが大事だと分かりました。
――次戦に向けてきょう見えた課題とは
レシーバーを回しているんですけど、KR/PRに入って体力が足りないなと思いました。もっと一つのプレーごとに全力を出せるよう、体力づくりをしたいなと思いました。
――前回の早慶戦を振り返って
レシーバー全体としては、キャッチが出来ていたしサードダウンフォースダウンでの勝負どころでのキャッチもよかったと思います。しかし、最後を落としたということはレシーバーの日々の練習ができていないのだなと思いました。レシーバーがワセダを回すということでもっと全体を底上げしたいと思いました。
DL小宮山泰隆(教3=東京・早大学院)
――大勝となった試合を振り返って
一橋大に対してもっと圧倒しなければいけなかったのですが、ディフェンスとしてもあまりパッとせず、モヤモヤしたまま試合が終わってしまったという印象です。
――1QにQBサックが1本ありましたが
あそこは単に運が良かったというだけで、周りが仕事ししてくれたので自分は決めるだけたったと思います。周りの助けのおかげです。
――失点の原因はどこだったのでしょうか
キックミスでみんなが慌てた状態から浮き足立ってしまって立て直すことができなかったので、そこが原因だと思います。
――ディフェンスの出来に関して、具体的な課題はありますか
自分はDLなんですけど、もっと相手を奥に押し込んで、ロスでOLを支配して行かないといけないのかな思いました。また、ずるずるとランプレーを出されてしまったので、そこは修正していかないといけないと思います。
――DLのポジション争いについて、抱負はありますか
DLにはケガ人が多く、僕より実力のある選手がたくさんいるので、彼らが戻ってくるまでに近づいて追い越せるようになりたいです。
――LBからコンバートされましたが、今季DLとしてプレーしてみていかがですか
もう大変ですね(笑)。LBよりももっとガツガツしているポジションですし、疲れます。
――どちらの方が好きですか
DLはやっていて楽しいですけど、LBの時も同じ気持ちでした。自分の与えられたポゾションをしっかりとやるだけだと思っています。
――得られた収穫はありましたか
練習中にも言われていた事なんですが、一人一人の取り組みに甘さがあったと思います。来週の立命大戦ではもっとレベルアップしていかないときょうとは逆の結果になることも考えられるので、来週に向けてより厳しく取り組んでいきたいと思います。
――昨年の立命大戦では接戦を落としましたが
そうですね。あの時の立命大はメンバーを落としていて一本目ではなかったんですけど、その相手に対して最後にディフェンスでも甘さが出ていましたし、一本目が出てきた時に止められなかったことが大きな差だったと思います。
――その相手に対し、来週はどのように戦っていきたいですか
DLとしてはきょうよりもサイズが一回り大きいOLと当たるので、今季のディフェンスのテーマの「低く、奥に」を体現していきたいです。
QB坂梨陽木(政経1=東京・早大学院)
――きょうの試合は振り返って
先発で出場させていただきましたが、やはりテンポの良いオフェンスを作ることができませんでした。スローミスも結構あり、自分の中では全然満足できる結果ではありません。
――試合中も「テンポ」という言葉がチーム内でさかんに叫ばれていましたが
毎試合、毎練習でもそうですが、オフェンスはプレーが終わったら次のプレーと、テンポは絶対に意識しなければなりません。特にきょうはテンポの良いオフェンスではなくて、サイドラインから声があったりはしましたが、最終的にはQBである僕が意識付けることができませんでした。
――先制のTDランはいかがでしたか
プレーアクションフェイクでパスを見てから走るというプレーで、前にいた井本さん(RB井本浩平、商4=東京・早大学院)がそのままフリーでそのままブロックしてもらって、その横を走りました。
――きょうのご自身のパスについての評価は
高校時からパスが下手と言われてきまして…。大学に入ってからコーチからご指導頂いて、自分の中ではちょっとは改善したかなと思います。試合では全部出しきれなかった印象です。でも良いパス、決まったなというパスも結構あったので、完璧ではないですが、少しは改善したかなという感じです。まだまだです。
――高校と大学の大きな違いはどういった部分に感じますか
生活が決まってないところですね。一人一人が学部や個人によって過ごす時間が違います。時間が合わせるのが非常に難しいです。
――プレー面に関してはいかがですか
対戦相手も、もちろん味方もサイズアップしているので、僕も大学に入ってから、逆に自分の時間ができるようになったので、食べるようにしてサイズアップを意識しています。
――春シーズンの目標を教えて下さい
フレッシュマン(1年生)なので、思いっきりプレーしたいということと、僕は高3時に主将をやらせて頂いたのですが、そこで下級生にやって欲しかったことを自分が体現できるようにして、OL中村洸介主将(スポ4=東京・日大三)を始めとするチームの力に少しでもなれたらと思います。