格下相手に敗北し、悔いの残る結果に

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 27
拓大 RATTLE SNAKES 13 34

 専大戦に引き続き、下級生が主体となって臨んだ今試合。前半は一進一退の攻防を繰り広げ、14-14の同点で折り返す。第3クオーター(3Q)も前半同様、お互い一歩も譲らない試合を展開するが、4Q終了間際に相手の独走を許し敗北。内容、結果共に悔いの残る試合となった

攻撃を率いた政本

 前半開始直後、いきなり出鼻をくじかれる。ロングパスを軽々と通され自陣深くまで攻め込まれると、QB柳沢拓弥(拓大)がディフェンスの間をくぐり抜けTD。先制されるものの、流れを渡したくない早大オフェンス陣がここで奮起する。得意のランプレーに加えて、パスを確実にヒットさせファーストダウンを何度も更新。じわじわと拓大のエンドゾーンに近づくと、最後はQB政本悠紀(創理2=東京都市大付)からのパスをWR福島健太(商4=京都・東山)がキャッチしTDを決める。直後にも激しいタックルで相手のミスキックを誘いリターンTDにつなげ逆転するが、直後のシリーズで相手守備陣にパスインターセプトされ攻撃権を失うと、2Q残り5秒でまたもQB柳沢がゴールに飛び込みTD。試合は振り出しに戻り、後半に突入した。

 迎えた3Q。拓大のランを起点としたプレーで相手のドライブが継続し、今試合3つ目となるTDをQB柳沢が決めると、負けじとRB和泉智彦(スポ4=鹿児島・甲南)が中央に走り込み同点に持ち込む。その後も攻撃の手を休めない早大は、最終4Q冒頭にRB和泉がエンドゾーンまで残り1ヤードから飛び出し連続TDを獲得。27-21と再度逆転する。このまま逃げ切りたい早大だったが、QBランを中心とした拓大の攻撃を止めることができない。TDパスを決められると、試合終了間際にはQB柳沢の独走を許し、4度目のTDランを決められ逆転負け。最後まで相手QB一人に翻弄(ほんろう)された試合だった。

リターンTDを決めた橋本

 試合後、濱部昇監督代行(昭62教卒=東京・早大学院)は「1部にふさわしい選手になるような取り組みがまだできていない」と断言。普段の練習から見られる甘さを指摘した。下級生を中心としたメンバーで戦ったとはいえ、日本一を目標で終わらせないためにも、どんな状況下での負けも許されない。もう1度己を振り返り、日本一を必ずや達成すべく自ら成長してほしい。日本一達成のためには、若き力が必要不可欠である。

(記事 加藤千暁、写真 田中竣、山口智子) 

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
拓大 PR #9柳沢 #2加藤 0-7
早大 PR #59橋本 #17森 7-7
早大 PASS #12政本→#11福島 #16佐藤 14-7
拓大 RUSH #9柳沢 #2加藤 14-14
早大 RUSH #34和泉 #17森 21-14
拓大 RUSH #9柳沢 #2加藤 21-21
早大 RUSH #34和泉 #16佐藤 27-21
拓大 PASS #9柳沢→#11吉田 #16河西 27-27
拓大 RUSH #9柳沢 #2加藤 27-34
コメント

濱部昇監督代行(昭62教卒=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返って

結果も内容も残念でした。フットボールは準備のスポーツなのですが、普段の練習の取り組みが甘い所が見られてたので案の定です。自分達が力が無いことをわかってないです。1部にいるチームにいるだけです。1部にふさわしい選手になるような取り組みがまだできていないです。それは監督の自分が指導が至らないからだと思います。しっかり受け止めていきたいです。

――姿勢の問題は前にも話されてましたが具体的な指導などは

僕らが指摘し続けることを右から左では変わらないし、どうやって変わるのか自問自答して彼らも格闘しているのかもしれないけど、それが表に出てこないところも事実だし。甘い部分があるということです。僕らは成長の手伝いしかできないので、受け止めて変わるのは選手自身なので。

――今日の攻撃の印象は

フットボールはモメンタムのスポーツで、得点をとった後に反則をすると勢いが相手に行ってしまうので。そういう試合の流れを選手がまだわかっていないと思います。結果はすべて私の責任なので。

――東海大戦へ向けて

東伏見に帰って日々一生懸命やるしかないので一人一人やるべきことをやるだけです。

OL小笠原知也主将(スポ4=東京・戸山)

――きょうのオフェンスはいかがでしたか

序盤は自分たちのプレーをするというのを目標にして実際にできたと思うんですけど、最初から思いきりぶつかるとか、全力で最後まで動くというのが相手の体系とかに惑わされていつもよりはできていなかったのかなと思います。

――下級生中心でしたが試合前の方針は

方針は、勝つというだけです。メンバーを2本目、3本目のメンツを出すというのは決まっていたんですけど、それでも勝つというのを目標にしていました。練習から気が緩みがちな雰囲気がチームの中にあったので、きょうも緩まないようにと言っていたんですけど、試合の中で出てきてしまったのは自分の力量不足だと思います。

――この敗戦をどのように活かすか

これで個人個人の部員に、危機感とかフットボールに対する姿勢とかを練習や試合を通して植えつけていきたいです。自分もそれを感じさせていけるように頑張りたいです。

――東海大戦に向けて取り組みたいことは

きょうQBも下級生が出ていて、同じようなメンバーや試合展開になると思うので、それできょうと同じミスをしていたら何も成長していないことになると思います。ちゃんとブロックはやり切る、TDまで走り切る、レシーバーはしっかりパスを取る、QBは正確にパスを投げるということを徹底していきたいと思います。

LB橋本遼(人3=東京・早大学院)

――1QでのリターンTDについて、振り返ってみていかがですか

本当にたまたまで、LB小宮山(泰隆、教2=東京・早大学院)がパンタ―にうまくタックルしてくれて、パントミスしたボールが目の前に転がって来たのを拾って走ったという感じです。ほんとに偶然でした。

――きょうの守備全体については振り返ってみていかがですか

相手QBがとても強く、彼一人にやられてしまったなという印象が強いです。

――相手QBのランプレーへの対応についてはどう思いますか

ランが得意なQBに対してはDLがしっかりとラッシュをかけていかないといけないのですが、きょうはあまり

できていなかったので、そこはDLの課題だと思います。

――ハーフタイム中にはどのようなことを話し合いましたか

やはり相手QBが非常に強いので、パスというよりは彼のランをしっかり止めようということを話しました。

――今後に向けてひとことお願いします

前回の試合ときょうの試合は控えの選手中心で戦ったのですが、2試合とも点をかなり取られてしまい、層の薄さが露呈してしまったと感じています。やはりレギュラーの選手だけでなく控えも力をつけなければ日本一は見えてこないので、しっかり練習を重ねてチームの底上げができればと思います。

QB政本悠紀(創理2=東京都市大付)

――チーム全体の攻撃はいかがでしたか

立ち上がりはよかったのですが、2シリーズ目、3シリーズ目になるにつれて少し雰囲気も悪くなってしまって、反則がなくてもミスが続いて、取れるところで取れなかったりというのがありました。それで結局ディフェンスが得点されて負けちゃったので、まだまだ未熟なところが多かったです。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

ロングパスなどを2シリーズ目、3シリーズ目にやってたのですが、リードが多すぎてしまったり、細かいところで結局決まらなかったりしたので、一本一本取っていくところにこだわることができなかったです。

――前半終了後、何を話し合いましたか

前半は前半で後半は切り替えていこう、というのと、あとはもうとにかく落ち着いて仲間をちゃんと見ていこう、ということを主に話していました。

――次戦に向けて取り組みたいことは

レシーバーとのコミュニケーションをたくさんとって、細かいところを突き詰めていく、というところに集中して練習したいです。