強豪・関大に逆転勝利!

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 21
関大 KAISERS 10 20

 春季オープン戦では勝利こそあるものの苦しい試合が続く早大。試合は終盤まで両者譲らず点を取り合う展開となるも、第4クオーター(4Q)序盤に関大にTDを許し、一気に7点差を離されてしまう。しかし終了間際の攻撃でRB吉原猛(社3=東京・日大三)へのパスが通りTD。勝利を懸けたTFPでもQB木村隆(教3=東京・早大学院)の見事なパスが決まり、逆転勝ちを収めた。

ファンブルリカバーをして喜ぶ三好

 攻撃の糸口がつかめない時間が続いた。相手にFGを許し先制された早大は細かくパスをつないでいき、まずはFGを決めて同点に追いつく。その後もQB木村を中心にパスで流れを作り、徐々にゲインを重ねていった。しかし要所でランプレーが上手くいかない場面が目立ち、追加点もFGで取るなどTDが遠い。すると、それまでランが主体だった関大がパスを中心とした攻めへと変更。自陣深くまで攻め込まれると、最後もパスを決められTDを許し、前半を6-10で折り返した。

 何としてでも追いつきたい早大は3Q開始後すぐに仕掛ける。敵陣52ヤード地点からの攻撃でRB井上広大(教3=東京・早大学院)へパスが渡った。「前から練習していた」(井上広)と振り返るようにパスを受けたあと一人で走り抜き、そのままエンドゾーンへ。待ち望んだTDを獲得した。関大の強力なオフェンス陣の攻撃にも耐え抜く早大だったが、4Qに入った直後にFGを決められ同点。さらにインターセプトによって攻撃権を奪われると、関大のWRのパスを許し、そこから独走され90ヤードのTDを決められる。13-20と厳しい状況に立たされてしまった。

パントリターンTDを決める井上広

 「プレッシャーをかけてディフェンスで押してくるということはわかっていた」(木村)と事前に策を練っていた早大であったが、なかなかオフェンス陣が機能しない。刻一刻と時間が迫る中、ディフェンス陣が奮起し攻撃権を獲得。ここで決めなければ勝利がない早大は短いパスでテンポ良く攻めたてる。エンドゾーンまで13ヤードと攻め込むと、RB吉原への鋭いパスが通りTDを決めた。この勢いのままTFPで2点プレーを敢行。最後はQB木村が相手の頭上を越すように投じたパスをWR井上岳(社3=東京・早大学院)がキャッチし、再逆転で勝利を手にした。

 この試合で粘り強さを見せることができたが、まだまだ多くの課題が解決されてはいない。次の明大戦はオープン戦最後の試合となるだけに、秋に向けたプレーに期待したい。

(記事 廣瀬元宣、写真 加藤千暁、田中竣)

コメント

OL小笠原知也主将(スポ4=東京・戸山)

――きょうの試合を振り返って、率直な感想を

前々から勝ちを意識して臨んだ試合であったので、結果として、タイムアップの時に一点差でも競り勝てたということで、目標を達成できて嬉しかったです。

――試合前にチームに話し合われたこととは

今週に向けて準備してきた練習の時から、どれだけ関大を意識してやっていくのかということを話し、戦術の準備なども抜かりなくやろうと話していました。全ての面で準備できたことが、きょうに繋がったのかなと思います。きょうは特に、最初からみんなの気合が入っていたので、あまり声はかけずに一人一人に任せるという形でも大丈夫でした。

――先制点を奪われましたが、試合のターニングポイントとなったところとは

自分はオフェンスですが、主将としてチーム全体のことを考えると、最初はディフェンスが頑張ってくれて、キックでビックプレーを起こしてくれた時に点が取れ、粘り強く後半へ持っていけたと思います。オフェンスは、最後の最後まで集中が途切れることなくTDを目指せたことで、最終的にスコアへ繋げられたのだと思います。

――来週の明大戦に向けて改善したいこととは

来週の明大は、きょうと同じくらい強いと思っているので、また準備を一からしていきたいです。何しろ、きょうは一対一のヒットとか力の部分で負けていたところがあるので、明大に対してどれだけ押し切れるのかということを意識してやっていきたいです。

QB木村隆(教3=東京・早大学院)

――試合を全体的に振り返っていかがですか

結果的に勝つことができたいうことだけが良かっただけで、ひとつひとつの試合の内容を見てみると、インターセプトもされましたし課題が多く残る試合でした。

――課題とは具体的にどのような部分ですか

プレッシャーがかかった時に避けることがあまりできませんでした。いかにプレッシャーがかかった状況で決められるかということがこれから強豪校を戦っていくにあたってカギになると思うので、そういうところをこれから詰めていかないとまだまだ日本一への道のりは遠いなと思います。

――逆転のきっかけとなったTDとギャンブル成功の場面を振り返っていかがですか

必死だったのであまり覚えていないのですが、気持ちでやったという感じですね。祈ってました(笑)。

――QBとしてどのように試合を運ぼうと考えていましたか

関大はプレッシャーをかけてディフェンスで押してくるということはわかっていたので、いかにWRをうまく使えるかということを考えていたのですが、まだまだ足りていないところも多いなと思います。

――収穫はありましたか

最後に2ミニッツを仕掛けて持って行けたことですね。勝負どころでパスを決められたところはよかったと思います。

――MVPを獲得されましたがいまの率直な感想はいかがですか

早慶戦のときも言ったのですが、QBはOLが守ってくれないとパスを投げられないですし、WRが取ってくれないとパスも決められないですし、自分が代表として選ばれているだけでチーム全員で獲った賞だと思っています。

――最後に明大戦への意気込みをお願いします

明大にはおととしのシーズンで負けているので、先輩の借りを返すという意味でも絶対に勝ちたいと思います。