【連載】『OVER TOMAHAWKS』 第2回 LBコグランケビン×DB寺中健悟×DL村橋洋祐

米式蹴球

2年生ながらワセダ守備の中核を担うLBコグランケビン(商2=東京・早大学院)、DL村橋洋祐(スポ2=大阪・豊中)、DB寺中健悟(教2=東京・早大学院)の3人。法大戦へ向けてディフェンス陣の奮起が期待される中、練習中の雰囲気や取り組みなどを話していただいた。

※この取材は10月27日に行われたものです。

「日本一に貢献できるようなプレーヤーにはなれていない」(村橋)

大柄な体格を生かしたパスラッシュを見せる村橋

――ディフェンスの雰囲気などは

村橋 ディフェンスは下級生も出場しているので、みんなで頑張っています。

ケビン 主には幹部や4年生が引っ張ってくれていますが、試合に出ているのは2、3年生が多いので、話し合いとかでは学年関係なく言い合えて風通しはいいと思います。

寺中 同じですね。風通しがよくてコミュニケーションがとりやすいです。いい環境で一体となって活動できていると思います。

――今シーズンの自分自身の評価は

村橋 スターターとかを務めさせてもらっていますが、まだまだ日本一に貢献できるプレーヤーにはなれていないと思います。

ケビン 昨日の試合(立大戦)でも相手のRBにフィジカル負けしていて、そういう面でフィジカルの強い上位校に対してはまだまだなのかなと思います。

寺中 意識していることはセイフティというポジションとして、ディフェンス全体を声やプレーで引っ張れるようにしたいのですが、まだビッグプレーやインターセプトが物足りないと思っていて、満足のいくものではないです。

――今シーズンのベストパフォーマンスだと思った試合は

村橋 秋はまだ自分で良いと思った試合はないですね。最終節にベストな形で向かいたいです。

ケビン ことしよりきょねんの方が良かったかなというのがあります。春秋通してあんまり満足いくプレーはなくて。昨日の試合では奥でタックルできていたかなと思いますが、まだ満足できないです。

寺中 試合を通してということではないですが、インターセプトをしたのが東大戦なので、印象に残っているのは東大戦です。

――改めて立大戦を振り返ってみて

村橋 率直に悔しいです。自分たちの目指してきたものが1試合で崩れかけた形なので。本当に悔しかったです。立て直して最終節に向かっていくしかないです。

ケビン 前半にほとんど点数を決められて、短い間でのアジャストができていなかったので。ディフェンスが試合を壊してしまったというのが悔しかったです。

寺中 DBとしてなにもできなかったというのが第一印象です。プレーにからむことなく、ビッグプレーを起こすでもなく、ただただ点を取られていくという形だったので。数少ないチャンスをものにできていれば流れは変わったのかなと思います。

――DBから見て、立大のQBはどうでしたか

寺中 そこまで脅威ではなかったですね。走ってくるわけではなかったので。ランが止められていればという感じです。

――今話にあったRBの印象は

ケビン 1プレー目でタックルしたのですが、その時に強いなと。でも高校の時に対戦した時はもっと差があったと感じていましたが、差は確実に縮まっていると思います。

――今シーズン、ディフェンスで掲げている目標などはありますか

寺中 基本的に毎試合、何点以内とかランで何ヤード以内という形では目標を立てています。

――リーグ戦では3試合連続完封もありましたが手ごたえなどは感じていましたか

ケビン いやそこまではないです。上位校ではないチームではなかったので、手ごたえなどはあまりなかったです。

村橋 上位校と試合をしていなかったので、自分たちが強いという確信が持てなかったです。

――多くの選手が交代出場することで意思疎通の苦労などは

ケビン きのうの試合はそれが一番できなかった試合かなと思います。序盤のファーストシリーズで点を取られた直後にターンオーバーされてしまったので、ベンチで確認する暇もなかったのでベンチワークが疎かになっていたと思います。

「チームを左右する存在」(寺中)

お互いの印象を語る3人

――話は変わりますが2年生はどういった学年ですか

一同 濃いですね。

寺中 先輩にもグイグイいく人がほとんどなので。チームを左右する存在だと思います。

村橋 上下の学年に影響を持っていると思うので、僕らが引っ張っていくことができれば、いい方向に向かうと思います。

――1年生が入ってきて先輩になりましたが

寺中 どうですか(笑)

ケビン 正直、シーズン入ってから1年生の育成に集中することはできていないんですけど未経験とは思えないように成長している選手もいるので期待しています。

――期待している後輩などはいますか

寺中 DB青木(啓吾、法1=東京・早大学院)ですね。来年寮に一緒に入るので。

ケビン LBはみんな平均的に可愛がっています(笑)。名前あげるなら、LB加藤(樹、商1=東京・早大学院)とかですかね。

村橋 DL植森(翔、社1=東京・早大学院)ですね(笑)。DLの中でもDTとDEで分かれるんですけど、DEの植森は直属の後輩なので、関わることが多いですね。

――お互いの印象は

寺中 難しいですね(笑)。ケビンは高校からずっと一緒なので試合中は信頼しています。試合中は。プライベートでも仲はいいんですけど。こんな感じです(笑)。村橋はスポーツ推薦ということもあり、運動能力が凄いので尊敬しています。関西人ということもあり場を和ませてくれる雰囲気が好きです。あと笑顔も好きです。

村橋 (笑)

ケビン 寺中は僕から見ると後ろにいるので安心できますね。フットボールでも私生活でも信頼しています僕は。村橋はサイズがでかいので、推薦で集めている学校にも負けないですし、私生活でもイケイケなので見習うところはたくさんあります。

村橋 (笑)。寺中は私生活もフットボールも賢くやっているので(笑)。でも本当にフットボールを知っていると思います。賢くやっていると思います。ケビンはちやほやされていてスーパースターみたいな感じなんで。

寺中 雲の上の存在です。

村橋 フットボールにおいても信頼しています。

「失うものは何もない」(ケビン)

2年生ながらディフェンスの中心を担うケビン

――今年の法大の印象は

村橋 非常に強い、速いです。関東でも僕的には一番強いチームかなと思います。

――昨年対戦した法大の印象はいかがでしたか

ケビン ひたすら僕らの弱いところだったり嫌なところだったりを、愚直にずっとやってくるチームだなって思っていまして、広くフィールドを使うので、ずっとフラストレーションが溜まるような試合でした。

村橋 去年はそこまで出場はしていないんですけど、サイドラインから見ていた感じでは、やっぱり僕らのやっていることを分かっていて、嫌なところをついてきて、向こうの得意なスピードで走りあいになって、去年は負けたという形だったと思うんですけど、そういう印象はあります。

寺中 同じですね。でもやっぱり、アスリートをスポーツ推薦でいっぱい集めているので、そこは去年やって、本当に怖い印象でしたね。

――法大の印象を受けて、練習の中で意識してきたことや取り組んできたことは

村橋 まずは、絶対に当たり負けしないってことは、僕はラインなので大事なことだと思いますし、あとはスピードでも負けないことはずっと意識してやってきました。

ケビン そうですね、結構いろんな体形を使って来たり、プレーも豊富でこっちにアジャストする体形をいっぱい見せてくるんですけど、軸になること、やりたいことは少なくて、そのオプションだったりオプションフェイクだったり、精度がすごく高いので、それらをいかにこの2週間でつぶせるかが勝負だと思います。

寺中 僕は高校の時からずっとライバル視している同じポジションの選手がいて、その選手の活躍を見ながら、その選手の持っていないところを自分で磨いていこうということは意識しながらやっていました。

――ワセダのディフェンスで「この選手は注目だ!」という選手はいますか

村橋、寺中 ケビンです。

ケビン 僕はDL庭田(和幸、創理2=東京・早大学院)ですね。今はスターターではないんですけど、僕はスターターに匹敵するぐらいの力はあると思っていまして、DLなんですけど機敏な動きが良くて、タックル数もチームですごく上の方にいるので、すごく期待しています。

――最後に法大戦に向けての意気込みを聞かせてください

村橋 次に進むには、もう25点差以上で勝つしかないので、それを目標に2週間本気で取り組んで、次に進めるように勝ちたいと思います。

ケビン  25点差以上はつけないといけないので、失うものは何もないので、ひたすら攻め続けて、守ったプレーはせず、常に最後まで攻め続けて、完封できるように頑張ります。

寺中 去年はDBで負けたような試合だったので、今年はDBで勝ったと言われるような試合ができるようにこの2週間を大事にして、絶対勝てるように取り組んでいきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 田中竣、上田密華)

集合写真

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日時:11月10日(日) 13:45キックオフ

会場:横浜スタジアム(JR根岸線関内駅より徒歩1分)

料金:大人¥1,200 高校生¥500 中学生以下は無料

◆コグランケビン(こぐらん・けびん)(※写真左)

1993(平5)年6月7日生まれ。182センチ、90キロ。東京・早大学院出身。商学部2年。先日あったというゼミ選考では、2・5倍の高倍率をくぐりぬけてゼミに合格したそう。周囲では唯一の合格者だったらしく、胸を張っていました。

◆寺中健悟(てらなか・けんご)(※写真中央)

1993(平5)年9月17日生まれ。168センチ、74キロ。東京・早大学院出身。教育学部2年。所属しているゼミでは次期幹事長になることが決まったという寺中選手。「将来立派な社会人になるためにスポーツだけではなく勉学もやって自分を磨きたい」と語ってくれた。文武両道を体現する寺中選手らしいエピソードでした。

◆村橋洋祐(むらはし・ようすけ)(※写真右)

1993(平5)年9月28日生まれ。186センチ、104キロ。大阪・豊中高出身。スポーツ科学部2年。趣味はスポーツ観戦と語る村橋選手。最近はスポーツシーズンということもあり、学部の友達の試合を見に行くこともあるそう。