上智大相手に大勝も課題残る

米式蹴球
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 14 28 10 59
上智大 GOLDEN EAGLES

 早大が上智大と公式戦で対戦したのは17年前、敗れて屈辱の2部降格を味わった入替戦にまでさかのぼる。因縁の相手にワセダは序盤から次々にTDを決めて得点を重ね、WR諸口貴則(政経2=東京・早大学院)が2TDを挙げるなど合計8つのTDを決めた。守備陣も踏ん張り、59-0で完封勝利。開幕2連勝とした。

2TDを決めた諸口

ワセダは最初の攻撃で1度もシリーズを更新できずにパントに追い込まれ、嫌な空気が流れた。しかしその空気を断ち切ったのはエースの走りだった。第1クオーター(1Q)5分46秒、RB井上広大(教3=東京・早大学院)が相手守備のタックルを上手くかわし71ヤードの独走TDを決めて先制。直後のキックオフリターンで上智大がファンブルしたのをワセダがカバーして攻撃権を再び得ると、フォースダウンギャンブルで諸口が「練習通り決まって良かった」と語ったスペシャルプレーを決めて21ヤードを走り切り追加点へとつなげた。その後も相手のパスをチップしたボールをDL村橋洋祐(スポ2=大阪・豊中)がインターセプト。そのシリーズもTDへつなげ、前半だけで6つのTDを決めて42-0という大差で前半を折り返す。

守備陣の健闘が光った

 3Q開始直後も諸口がサイドライン際を駆け上がり41ヤードのパントリターンTDを決め、前半と同じような展開かと思われたが早大オフェンスは反則を連発。1つのシリーズで3回も反則をし、流れをつかめない。しかし4QはRB北條淳士(社1=東京・佼成学園)が相手選手のタックルを振りほどきながら2試合連続のTDを決め、最後はK/P佐藤敏基(社2=東京・早大学院)が30ヤードFGを決めるなど14点を追加し試合終了。

 点差だけ見れば59点もの差をつけての圧勝だが、濱部昇監督代行(昭63教卒=東京・早大学院)が「反則が多かったということは後味の悪い試合になってしまいました」と語るように前節に引き続き大事な場面での反則が目立つ試合となってしまった。上位校と対戦する上で細かいミスは足元をすくわれる原因となりかねない。「日本一を目指している時点で今日の試合よりも、もっと上の試合を目指さなくてはダメだと思いました」(村橋)との言葉通りさらにレベルアップしたBIG BEARSが次戦で見られることを期待する。

(記事 田中竣、写真 井上義之)

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
早大 RUN #28井上広 #17森 7-0
早大 RUN #88諸口 #17森 14-0
早大 RUN #33須貝 #17森 21-0
早大 RUN #30吉原 #17森 28-0
早大 PASS #10政本→#80金澤 #17森 35-0
早大 RUN #27向山 #17森 42-0
早大 PR #88諸口 #16佐藤敏 49-0
早大 RUN #23北條 #16佐藤敏 56-0
早大 FG #16佐藤敏       59-0
個人記録(※一部のみ掲載)
ラン 回数 ヤード TD 最長
#28 井上広大 102 76
#23 北條淳士 46 27
#82 飯島渉 23 23
#88 諸口貴則 21 21
レシーブ 回数 ヤード TD 最長
#32 浜崎祥之 30 16
#30 金澤秀明 46 46
#44 斉藤陽 23 23
#1 岡田義博 15 15
パス 回数 ヤード TD 最長
#5 木村隆 5(6) 46 16
#6 笹木雄太 1(4) 14 14
#10 政本悠紀 3(3) 68 46
#18 内村竜也 3(3) 36 23
インターセプト 回数 ヤード TD 最長
#90 村橋洋祐
ファンブルリターン 回数 ヤード TD 最長
#52 福森希典 14 14
#7 加藤樹
#40 石川翔
#36 田中慶行
#50 塚田紳太郎
星取表(9月15日現在)
  法大 早大 日体大 立大 東大 一橋大 神奈川大 上智大
法大 11/10 10/26 10/13 10/6 9/29 66○0 79○7
早大 横浜 10/13 10/26 9/29 10/6 51○14 59○0
日体大 アミノ 大井陸上

11/9 13○12 56○42 10/6 9/29
立大 大井陸上 アミノ アミノ 14○12 49○21 9/28 10/6
東大 夢の島 駒沢第二 12●13 12●14 11/9 10/26 10/13
一橋大 駒沢第二 大井第二 42●56 21●49 アミノ 10/13 10/27
神奈川大 0●66 14●51 大井第二 駒沢第二 アミノ 駒沢第二 11/9
上智大 7●79 0●59 駒沢第二 大井第二 駒沢第二 アミノ アミノ
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コメント

濱部昇監督代行(昭63教卒=東京・早大学院)

――点差がついた試合になりました

点数はつきましたが、相手のミスからの得点やプレーが崩れてからの結果オーライのことも多かったです。最初のシリーズもパントに終わってしまい、やりたいことができなかったです。点差ほどは感触のある試合ではなかったです。

――プレーが出た時に反則で取り消しになることが多かったですが

先週も1部リーグで2番目に多かったので、クリーンにフットボールをしようと望んでいる中で反則が多かったということは後味の悪い試合になってしまいました。

――反則を減らす以外での試合の目標はありましたか

結果的に反則になってしまったのはコーチングの悪さだと思います。スペシャルチームの選手の入りやセットしてからのプレーの早さなど行き届いていなかったところがあります。言い訳になってしまいますが、(高校の)夏休みが終わり授業が始まって、いままでのように練習の管理ができないのは大きな課題になりますね。

――1週空いて東大戦ですが

日々スキルアップをシーズンの最後までしようと考えている。ここまで大差で勝っていることで気が緩んでいるかもしれないが、決してあなどれない相手です。ただ、そこに注目するのではなく、個々のレベルアップを目指す過程の中で試合をできればいいと思います。

WR諸口貴則(政経2=東京・早大学院)

――きょうの試合を終えて一言お願いします

きょうはオフェンスで反則が多かったりテンポが悪かったりしたので、全体として一つになれていなかったかなと思います。

――この試合に向けて、オフェンスではどのような目標を立てていましたか

まずは全力でプレーすること、それからオフェンスのことしのスローガンとしてスピードが掲げられているので、この試合でもスピードを意識して攻撃することを心掛けていました。

――レシーバーとしては、きょうの試合をどう振り返りますか

際どい状況でのパスのコールが多かったのですが、落球などのミスはほぼ無く、その点は良かったと思います。今後はユニット全体として、もっとパスプレーをコールしてもらえるような、信頼される存在になれればと思います。

――1QでのTDについて、振り返ってみていかがですか

あのプレーは元々準備していました。序盤だったので少し緊張したのですが、練習通り決まって良かったと思います。

――3QのリターンTDについてはどう振り返りますか

あのプレーは本当にディフェンスのおかげでした。パントを捕球した時点で走るコースが見えていたので、ディフェンスのブロックが素晴らしかったと思います。

――次戦の東大戦に向けて一言お願いします

この間の試合でも東大は立大と良い勝負をしていて怖い存在であることは確かなので、しっかりとスカウティングをして、気を引き締めて臨みたいと思います。

DL村橋洋祐(スポ2=大阪・豊中)

――今日の試合の感想をお願いします

ディフェンスは0点に抑えられたことは良かったですが、まだまだ余分なヤードを許すなど、自分たちのできることができていませんでした。日本一を目指している時点で今日の試合よりももっと上の(レベルの)試合を目指さなくてはダメだと思いました。

――試合の前の目標は完封ということだったのですか

そうですね、完封という目標は達成できましたが、パス・ランのヤード数やターンオーバーの数などは達成できたかは微妙なので。細かいところまで全部達成したかったです。

――DL陣の雰囲気はいかがですか

先輩後輩も良い意味で風通しがよく、もちろん礼儀もありますが、その中で言いたいことが言い合えます。先輩が引っ張ってくれていますが、僕とDL庭田(和幸、創理2=東京・早大学院)で日本一目指して頑張っていこうという話はしています。

――試合中一番意識している点を教えてください

ディフェンスエンドというポジションはDLですが、ビッグプレーを狙えるポジションなので、ビッグプレーを起こせる選手になりたいと思っています。1試合に1個はサックを決めるのを目標にしているので、今日はQBサックが欲しかったです。

――2週間後の次戦へ向けて意気込みをお願いします

相手が上位校の立大と良い試合をしている東大なので、全然油断できるチームではないと思います。僕らも本気で2週間準備して、次も絶対勝とうと思います。