TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 BIG BEARS | 10 | 13 | 14 | 14 | 51 |
神奈川大 ATOMS | 0 | 7 | 7 | 0 | 14 |
勝負の秋が始まった。秋季リーグ開幕戦となる神奈川大との一戦、序盤から確実に得点を重ねていくと後半にはRB北條淳士(社1=東京・佼成学園)、RB須貝和弘(創理1=東京・早大学院)ら1年生の活躍で追加点をあげる。最終的には51-14で勝利し好スタートを切った。
相手選手をかわす須貝
試合は序盤から早大ペースだった。ファーストドライブで先発QB木村隆(教3=東京・早大学院)が立て続けにパスを成功させるとDB/K/P森翔平(文構4=愛知・豊橋東)が30ヤードのFGを決めて先制。セカンドドライブでは相手ディフェンスの隙をついたRB井上広大(教3=東京・早大学院)が81ヤードを独走してエンドゾーンを駆け抜けた。守備陣もDL橋本遼(人3=東京・早大学院)がQBサックを決めるなど相手の攻撃を寸断する。その後2つのFGを決めた早大は前半最後の攻撃でも1年生RBの須貝が外のスペースを走り抜けてTD。これで23-0。だが前半最後のプレー、油断があったか相手にロングパスを決められTDを許してしまう。結局16点差をつけて前半を終えるも、後味の悪さが残った。
1年生とは思えぬ走りを見せた北條
しかし3Q以降も早大の優位は揺らがない。途中出場の1年生、QB笹木雄太(法1=東京・早大学院)を中心に多彩な攻撃で敵陣に攻め入るとRB吉原猛(社3=東京・日大三)がTD。続く攻撃は1年生RBの独壇場、「フレッシュマンらしく思い切りの良さを意識した」と語る須貝がランプレーでいきなりファーストダウンを更新。そして北條が1年生とは思えない巧みなランでディフェンスをかわし48ヤードを走りきった。直後の守備でまたも相手のロングパスからTDを喫するものの、QB内村竜也(法3=東京・早実)のパスを受けたRB向山優士(先理2=東京・早大学院)とWR岡田義博(教2=東京・早実)がダメ押しのTDを決め神奈川大を51-14と突き放した。
2TDを許すなど反省点はあるかもしれないが、それ以上に下級生の活躍など収穫は大きい。特に上級生に引けを取らないプレーを披露した1年生の活躍には目を見張るばかりだ。OL小笠原知也主将(スポ4=東京・戸山)が「新たなるワセダをつくろうとスタートした」と言うように、今までとは一味も二味も違う新生BIG BEARSに期待したい。
(記事 鈴木泰介、写真 田中竣)
得点経過 | |||||||
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TEAM | Q | PLAY | PLAYER(S) | PAT | PLAYER | G/NG | スコア |
早大 | 1 | FG | #17森 | 3-0 | |||
早大 | 1 | RUN | #28井上広 | K | #17森 | G | 10-0 |
早大 | 2 | FG | #17森 | 13-0 | |||
早大 | 2 | FG | #17森 | 16-0 | |||
神奈川大 | 2 | PASS | #9中本→#81田中 | K | #2藤本 | G | 23-7 |
早大 | 3 | RUN | #30吉原 | K | #17森 | G | 30-7 |
早大 | 3 | RUN | #23北條 | K | #17森 | G | 37-7 |
神奈川大 | 3 | RUN | #10諏訪原→#81田中 | K | #2藤本 | G | 37-14 |
早大 | 4 | PASS | #10政本→#27向山 | K | #17森 | G | 44-14 |
早大 | 4 | PASS | #18内村→#1岡田 | K | #16佐藤敏 | G | 51-14 |
個人記録 | ||||
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ラン | 回数 | ヤード | TD | 最長 |
#28 井上広大 | 6 | 113 | 1 | 81 |
#23 北條淳士 | 6 | 104 | 1 | 48 | #27 向山優士 | 5 | 27 | 1 | 9 | #33 須貝和弘 | 3 | 25 | 1 | 14 |
レシーブ | 回数 | ヤード | TD | 最長 |
#42 石田知之 | 2 | 14 | 0 | 12 |
#34 和泉智彦 | 1 | 30 | 0 | 30 | #80 金澤秀明 | 1 | 16 | 0 | 16 |
コメント
濱部昇監督代行(昭62教卒=東京・早大学院)
――37点という点差に関しては
点差よりも序盤に押し気味で進めていたにも関わらず、攻めきれなかったところが詰めが甘いところで初戦の難しさではないかな。久しぶりの公式戦で、試合間隔も空いていたのでこんなものかなと。もっと確実にスコアを重ねてモメンタムをつかみたかったですね。前半もああいった形で失点したし。まだシーズンも始まったばかりなので、一戦一戦選手が成長していければ上位で戦えるチームになっていくと思います。
――1年生が多く出場した試合でした
ことしの1年生は経験者も未経験者も良くて、練習も頑張っているし例年よりもレベルが高いと思います。この時期で試合に出せるレベルに来ているので。本当に出せるレベルの選手だったので出しました。
――そういった点も含めて、戦術が浸透してきているという印象ですか
上級生が理解して、僕が一人一人に直接全員に言うのは大変だけど、上級生が僕の代わりに伝えるということができて全体的なレベルが上がっていると思います。
――現在イメージしているシーズンの戦い方はありますか
目標はもちろん日本一ということで臨んでいるが、春から言っている通り、まだ下位校を圧倒できないというのが事実。ただ、選手の力も上がってきているし、1プレー1プレー選手が成長できるような試合を後半戦にしていきたいと思います。そういうチーム作りをしていきたい。ことし順調にきているのはケガ人が少ないこと理由だと思います。練習をやりこめていると。下級生も練習をすることで上手くなるし。個々の能力も上がるし、総合力も上がってくると思います。
OL小笠原知也主将(スポ4=東京・戸山)
――きょうの試合を振り返って
チームとしては最初のウォームアップから声を出して元気よくやっていこうということで声も出ていたし雰囲気良くスタートを切れて良かったんですけれど、最初から点を取りにいって途中からミスが出てしまって、勢いにのることができなかったのが課題として残りました。
――リーグ戦の初戦ですがどのような気持ちで臨みましたか
相手も夏にいろいろな準備をして臨んでくるだろうという予想のもと、僕たちもたとえやられて点が取れなくても、いつも通りの自分たちのフットボールをやり続ければ逆転できるし点が取れるという、どんな状況になっても諦めないという気持ちで取り組みました。
――下級生の戦いぶりは
頼もしいかぎりです。ベースは全員がフィールドに出てプレーしようというのを途中から目標にしていて実際に達成できてその中でも身体能力やガッツとかフレッシュマンらしいハツラツとした動きを見せてくれたので、そういうメンバーは上級生とか関係なしに下級生でも実力があればどんどん試合に使っていきたいので、そういう意味では良いチームの流れができていると思います。
――今シーズンはどのように戦っていきたいですか
一番はいままでの早稲田大学とは変わったなと観客の人たちに思ってもらえるようにしたくて、ユニホームも一新しました。それだけじゃなくてきょねんあったことから自分たちは出発して、それをうしろめたく捉えるのではなくて新たなるワセダをつくろうとスタートしたので、全体的にはフットボールであればスピードだったり学生らしく最後まで元気よくやりきることであったりポジティブなオーラがあるチームにして最終戦まで勝ち進んでいきたいと思います。
――次戦に向けて
1週間しかないとも1週間あるとも考えられるので、きょうからチーム全員で気持ちもフットボールの面も体の面も準備してまた1年生から4年生まで活躍できるような状態にしていきたいと思います。
LB岩井康祐(商4=東京・早大学院)
――今日のゲームプランについて教えてください
目標は完封でした。始めから未経験の1年生も出そうということが念頭にあり、全員が出場した上で完封することがゲームプランでした。(この試合に向けて)特に何かを用意したというのは全くないです。
――きょうの結果はどう考えていますか
あまり良くないですね。なぜそうなってしまったのかというと自滅の部分が大きく、インターセプトできるところを落球したり、こちらのコールが相手のコールに対してマッチしていたにも関わらず、相手にゲインされてしまったからだと思います。しかもそれらが上級生が出場した場面で起きてしまいました。
――それらはなぜ起きてしまったのでしょうか
各々のプレーの理解度がまだ低かったと思います。試合に出ている本人がこのサインではどういうパターンを狙うなどがまだまだ(頭に)入っていないのかなということはあります。
――夏の課題はきょうの試合で成果を出すことはできましたか
大きなところとしては、下級生を育成し、層を厚くするということがあったと思います。これに関しては、選手全員を試合に出場させることができたので、ある程度の成果を挙げることができました。合宿を通じて、1年生や春にあまり試合に出られなかった選手が頭角を現し始めたので、そこは心強いです。
――次戦の上智大戦に向けて意気込みをお願いします
今日の神奈川大との戦い方と同じく、序盤で点差をつけ、全員出場した上で、内容も伴った試合をしたいです。もう一つは、こういった序盤の試合でも、最終的な壁となる法大戦へ向けて、弱点の見えない戦い方をしていきたいと思います。
RB須貝和弘(創理1=東京・早大学院)
――まず試合を終えて一言お願いします
大学で初めての試合で、フレッシュマンらしく思い切りの良さを意識しました。あとはボールだけは落とさないように縦に思いっきり行こうと思いました。
――ご自身のプレーを振り返って、持ち味は生かせましたか
自分の強みはエフォート・パワー・バックとしての力強いランだと思っていて、まだ今回それができなかったので、次の試合でその特徴を出していけたらいいですね。
――同じ学年、ポジションのRB北條淳士選手(社1=東京・佼成学園)についてどう思っていますか
すごいとしか言い様がないんですけど、あいつと切磋琢磨して同じフィールドに立てるようにしたいです。いいライバルだし、いい目標ですね。
――1年生がたくさん活躍していると思いますが、どうお考えですか
早大学院出身の経験者含め、未経験の1年生も試合に出さしていただいていい経験になったと思います。みんな楽しそうにプレーしていたし、こういう機会はあればあるだけいいと思います。
――最後に今後の意気込みをお願いします
まずは怪我をしないことが大事で、少ないチャンスですけど出していただけることに感謝して、その中で結果を着実に出していきたいと思います。
RB北條淳士(社1=東京・佼成学園)
――今日の試合を振り返って
楽しかったです。自分はたまたま運が良かっただけで、先輩に助けてもらいました。
――ご自身の持ち味を活かすことはできましたか
できました。
――同じポジションのRB須貝選手(和弘、創理1=東京・早大学院)をどう意識していますか
須貝は高校でも日本一になっているチームでずっとやっていて、今同じチームになることができて、良い仲間というか、ライバルとして切磋琢磨することができていると思います。
――夏の間に成長した点はありますか
春シーズンはひざをけがしてしまって、試合に出場することができなかったのですが、大学に入って色々な先輩方に良いアドバイスなどをいただいて、成長することができているかな、と思います。
――きょうの試合の反省点は
最初は固くなってしまい、先輩に緊張をほどいてもらったので、次からは緊張しないでリラックスしてプレーすることができたらな、と思います。
――今シーズンの意気込みをお願いします
まだ1年生で、試合に出させてもらっているという立場なのですが、1秒でも長くフィールドにいられるように、1ヤードでも遠く前に進めるように、頑張っていきたいと思います。