全勝対決の大一番 法大に惜しくも敗れリーグ戦初黒星

米式蹴球

関東学生秋季リーグ戦 10月13日 アミノバイタルフィールド

TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大 BIG BEARS 13 13
法大 ORANGE 13 16

 10月とは思えないほどの残暑の中、行われた関東学生秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)第5節、法大戦。ここまで秋季リーグ戦全勝同士の直接対決ということもあり、アミノバイタルフィールドには多くの観客が駆け付けた。試合は第1クォーター(Q)から法大に2つのTDを決められ、リードを許す展開に。そのまま得点を奪えず16点ビハインドで迎えた第4Q、RB安藤慶太郎(社3=東京・早大学院)がTDランを決め反撃開始。試合残り1分を切り、再びRB安藤のTDで3点差まで追い上げるが、わずかに及ばず。早大は秋季リーグ戦初黒星を喫した。

2つのTDを決めたRB安藤

 早大キックで試合開始。相手のランプレーで1stダウンを更新されるが、続くプレーでDB塚田隼也(商4=東京・早大学院)がロングパスをインターセプト。開始早々ディフェンスのビッグプレーで攻撃権を得る。オフェンスに移った早大は、最初のプレーでWR吉規颯真(政経3=東京・早大学院)のランアフターキャッチで10ヤード前進。その後もテンポの良いパスプレーで1stダウンを更新するが、QB八木義仁副将(政経4=東京・早大学院)からWR角井春樹(文構4=東京・早大学院)へ狙ったパスをインターセプトされターンオーバー。自陣からのディフェンスとなった早大は、相手にパスプレーでレッドゾーン付近まで進まれると、ここでQBからバックパスをうけたWRがエンドゾーンに走り込んだWRへ投げるスペシャルプレーを決められ、先制のTDを許した。すぐに追いつきたい早大だったがオフェンスがスリーアンドアウトに抑えられ、パントで再び守備に移る。ここでも法大のオフェンスに押され前進されると、最後は27ヤードのTDパスを決められ、第1Qで早くも13点を追う展開となってしまう。

インターセプトを決め、ほえるDB塚田

 第2Qに入り、早大オフェンスはRB安藤のランを中心に徐々に前進。敵陣33ヤードまで進むも1stダウンを更新できず、4thダウンでは48ヤードのフィールドゴール(FG)を選択。しかしWR平田裕雅(文4=東京・早実)のキックは風の影響もありゴールポストの左に逸れ、得点できず。その後のディフェンスでは進まれながらも得点を許さず、自陣11ヤードからの攻撃権を得る。早大はWR松野雄太朗(社3=東京・早大学院)やWR角井のパスキャッチでハーフライン付近まで進むと、RB安藤のランやQB八木副将のスクランブル、さらにはWR松野のキャッチで敵陣レッドゾーン内に侵入。しかし2つパスプレーを失敗した後、痛恨のQBサックを受けて9ヤードを喪失。前半終了間際、早大は47ヤードのFGを試みるが、WR平田のキックは再び左に逸れる。得点を上げられず、0ー13で前半を折り返した。

 早大レシーブで後半開始。RB安藤のランやQB八木副将からWR吉規へのパスで1stダウンを更新し、敵陣30ヤードまで進む。しかし反則を取られるなどその後は前進できずパントで攻守交代。迎えたディフェンスでは法大に要所で1stダウンを更新され、さらに18ヤードのランを決められレッドゾーン内に侵入される。DL齋藤菜穂都(政経4=東京・早大学院)のタックルなどでTDは決めさせなかったが、それでもFGでの得点を許し、0ー16となる。

両チームトップの合計75ヤードをレシーブしたWR吉規

 無得点のまま最終の第4Qに入った早大オフェンスは、WR小鮒晴(文4=神奈川・鎌倉)が22ヤードのパスキャッチで敵陣25ヤードまで進む。ここでトスを受けたRB安藤がサイドへ抜けるとそのままエンドゾーンまで駆け上がりTD。ポイントアフタータッチダウン(PAT)ではパスプレーを決めれず失敗も、6ー16で差を10点差に縮める。その後のディフェンスでは相手オフェンスをこの試合初めてのスリーアンドアウトに抑え、すぐさま攻撃権を得る。WR江野彩雅(創理4=神奈川・川和)の相手ディフェンスに囲まれながらのパスキャッチで敵陣に侵入。さらにQB八木主将からWR松野へのTDパスが決まったかと思われたが、早大の2つの反則でTDは認められず25ヤードの後退を強いられる。それでも4thダウンギャンブルに成功、さらにRB安藤のランで敵陣11ヤードまで前進。ここでも4thダウンギャンブルとなると、再びWR松野へTDパスが通ったと思われたものの、判定はアウトオブバウンズでTDは認められず攻守交代。ここのディフェンスでも堅いランディフェンスで1stダウンを更新させず、再び攻撃に移る。試合は残り2分半、早大オフェンスはパス中心の攻撃で時計を止めながら前へと進む。WR小鮒、WR吉規のパスキャッチで敵陣3ヤードまで行くと、最後はRB安藤のTDランを決めた。そしてWR平田がPATをキックで決め、13ー16と3点差まで追い上げる。試合は残り39秒、最後の望みをかけてオンサイドキックを蹴るが、ボールは相手選手の胸元に収まり万事休す。法大がニーダウンで時計を進め、13ー16で試合終了となった。

合計214ヤードを投げたQB八木副将

 全勝対決の大一番に敗れた早大。自力優勝は消滅したものの、甲子園ボウルのトーナメントに進める条件は秋季リーグ戦3位以内。現在は4勝1敗で2位タイとしている。次戦は同じく4勝1敗の立大。昨年の秋季リーグ戦では試合残り1秒から逆転負けを喫したものの今年の春季オープン戦では大勝している。敗戦から気持ちを切り替え、再び早稲田のフットボールで躍動する選手たちに期待したい。

(記事 沼澤泰平、写真 田島凜星、土橋俊介、早崎静)

得点経過
TEAM PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER G/NG スコア
法大 PASS #11高津佐→#13宮﨑 #37高城 NG 0-6
法大 PASS #4谷口→#81阿部 #37高城 0-13
法大 FG #37高城       0-16
早大 RUN #7安藤 #18八木→ NG 6-16
早大 RUN #7安藤 #11平田 13-16

コメント

OL小林亮生主将(先理4=埼玉・早大本庄)

――法大との大一番、どのような気持ちで臨みましたか

 本当に執念で全員で勝とうと、ただそれだけでした。

――チームとして法大相手にどのようなプレーを心がけましたか

 自分たちのやってきたことを全部出そう、と。やってきたファンダメンタル、技術は絶対間違いじゃないし、春からやってきた分成長して、確実に法政を上回っているから自信を持ってやろうという風に臨みました。

――実際に戦って、試合を振り返っていかがですか

 自分はOLなので相手のDLとの話になってしまいますが、全然勝てていたと思います。ただロスタックルであったり要所でのQBサックなど、本当にOLユニット、オフェンスユニットとして完成度の低さ、詰めの甘さが全部出たと思います。

――試合終盤は攻守ともに良さが出たように感じましたが、そこに関しては

 自分たちオフェンスで勝たせるという気持ちが後半徐々に出てきて、得点につながったのかなと。根性論みたいになってしまいますがチーム全体としても今までやってきたことを信じて戦うということを全員が強く思ったので、得点と後の守りにつながったと思います。ただ結果的に負けたので、点差がどうこうというよりも、まだ自分たちができることがたくさんあったと思います。

――リーグ戦はまだ続きます。次戦の立大戦の意気込みをお願いします

 去年までと違うのはまだ先があることです。関東で2位、3位に入れば(甲子園ボウルの)トーナメントに出られるし、日本一の目標は全く終わっていないので。まずはリーグ戦の立教と明治にしっかり勝ち、関東2位としてトーナメントに出て関西3校を倒すという、そのためのこの2週間なので、立教にしっかり標準を合わせて戦います。

RB安藤慶太郎(社3=東京・早大学院)

――法大との大一番でしたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

 早稲田が、オフェンスが、自分が、どれだけ法政に通用するのかとても楽しみな気持ちで試合に臨みました

――法政のディフェンス相手にどのようなプレーを心がけましたか

 法政だからといって特段何かを変えることは無く、いつも通りの自分のスピードを活かしたプレーを心がけていました。

――終盤に2つのTDを決めましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 どちらも味方の素晴らしいブロッキングがあったおかげで決めることのできたTDだったと思います。また、チームに流れを取り戻すきっかけになったプレーでもあったと思うので、今後もこういうプレーでチームを牽引していきたいです。

――チームとして試合を振り返っていかがですか

 決めるべき所で決められない、自分たちの勝負所での弱さが出た試合だったと思います。負けたことは大きなマイナスですが、この悔しさを新たな原動力にしてさらに強くなるしかないと思っています。まだ日本一への道は続いていることを忘れずに、目の前のことに全力で取り組んでいくだけです。

――次戦の立大戦の意気込みをお願いします

 楽しく走らせてもらいます。