実り多き新人合宿

山岳

 新体制となってからはや2カ月。新入部員にとっては入部後、初の合宿となる新人合宿が行われた。実施場所は創部以来ほぼ毎年訪れる涸沢と穂高岳。この新人合宿は1年生の基礎作りと積雪中の登山に慣れさせるという目標の下実施された。天候には恵まれなかったものの、合宿は大きな事故なく無事に終了。新入生だけではなく上級生にとっても成長を確認できた、実り多き合宿となった。

慣れない雪の中での登山

 今合宿に臨むにあたってランニングや走り込みなど基礎トレーニングを重ねてきた1年生。6日間にわたる合宿の幕開けは、上高地から始まった。6時間ほど歩いて今回の拠点地となる涸沢に到着、初日はテント設営と1年生の簡単な歩行練習で終了した。迎えた2日目は涸沢周辺で上級生が一年生に下降技術をレクチャー。3日目も2日目と同様の内容を行い、山腹まで登り戻ってくる、というメニューを繰り返した。続く4日目は一年生のパーティーと上級生のパーティーに分かれて行動。なお、1年生のパーティーには二人の上級生とコーチがついた。2つのパーティーの目的地は北穂高と同じであるものの、別々のルートから目的地へと歩みを進めた。1年生のパーティーは上級生とコーチの補助を受けながら、最初から北穂高岳に挑んだ。対して上級生のみのパーティーは、北東稜から北穂高岳に向かったが、悪天候の影響で岩が濡れていたため靴の摩擦が効きにくく、気の抜けない道のりだった。そして翌日は上級生が1年生をカバーしながら奥穂高岳を登り、無事に全員が山頂へと辿りついた。「ことしの1年生はとても優秀だった」と犬塚智之(文構2=愛知・西尾)が太鼓判をおすように、目的を十分に達成できた合宿となった。

奥穂高岳にて笑顔を見せる山岳部

 「圧倒された」と入部後初の合宿を振り返った鈴木健斗(教1=東京・早稲田)。高校時に山岳部に所属していたものの、大学との活動レベルの差に驚いた。今合宿ではロープワークの技術、更にバリエーションルートの多さにも慣れることができ、「勉強になることが沢山あった」(鈴木)。また、一年生のみならずトップでロープ取りを「試行錯誤ながらもよくやってくれた」(犬塚)と2年生の成長も実感できる合宿となった。今後は夏山合宿が控えているが、「上級生と下級生それぞれがメリットのある合宿に」(犬塚)「今回の合宿で学んだことを活かしたい」(鈴木)とそれぞれの新たなる目標を掲げた。次の「頂き」を求めて、山岳部の挑戦はまだ始まったばかりだ――。

(記事 種村春歩、 写真 山岳部)

コメント

犬塚智之(文構2=愛知・西尾)

――合宿で印象的なことはありましたか

ずっと雨が降っていて悪天候だったことです。土砂降りで行動ができないということではなかったのですが、ずっと日が差していませんでした。

――逆に難しかったことは

下りですね。上りはそんなになにも気にせず1年生も登ったが下りは雪
の下りだったので苦労していたと思います。

――夏山合宿への目標は

1年生に今度は岩を登ってもらいます。上級生も自分が面白いと思うところに行ければお互い素晴らしいものになるのではないかと思います。部員全員にとって得るものがある合宿になればいいと思います。

鈴木健斗(教1=東京・早稲田)

――初めての合宿を振り返っていかがでしたか

大学の山岳部にきてあらゆる面において圧倒されるようなことも多かったです。新人合宿を終えて、周りのみなさんにも励ましていただいて頑張ろうという気持ちになれました。今回の合宿で学んだことを今後活かしてやっていきたいと思います。

――高校でも山岳部に所属していたとおっしゃっていましたが、具体的に何が難しかったですか

ロープ技術とかは初めてだったので技術を取得するのは時間がかかりました。でも、一週間近く入山してすごく丁寧に教えていただいて勉強になることが沢山あったので良かったです!

――夏山合宿への意気込み

新人合宿は冬山で、夏は岩山なので全然違いますね。定着合宿と縦走合宿がありますが、これもひとつひとつがすごい勉強になると思います。新人合宿は苦しかった要素が強かったので、夏山合宿は少し楽しめればいいかなと思います。