7年連続優賞を達成!乱取で強さみせる

合気道

 直前で無観客試合へと変更された第31回早慶合気道定期競技会から一年、久しぶりに有観客での開催となった第32回早慶合気道定期競技会が早大柔道場で行われた。早大は演武競技において1−5と大きくリードを奪われてしまう。しかし続いて行われた、審査制掛かり稽古・審査制乱取で5−1と圧倒し、優賞数を6−6の引き分けに持ち込んだ。早大は全種目の点数の合計点で慶大を上回り、見事7年連続優賞を飾った。

 この競技会は、流派の異なる早慶合気道部が演武競技(演武)、審査制乱取稽古(乱取)、そして今年から導入された審査制掛かり稽古という3種目において競い合う競技会である。種目の追加に加え、今年度は従来のルールに一部改定がなされ、さらに双方の流派の良さが生かされるものとなった。

 初めに行われた演武競技では、下級生演武、徒手、坐技、武器技(短刀)、武器技(杖)、自由技の6種目を2人一組で行い、審査基準に則って審査される。審査項目は、姿勢・体捌き、残心、技の効果、受けの攻撃、正しい受身、足捌き(下級生演武・徒手・自由技)・膝行の技術(坐技)・武器の取り扱い(武器技)。これらの審査基準で演武が審査され、種目ごとに点数の高い方が優賞となる。全ての演武競技が終わり、早大は1−5と大きくリードを許す展開となった。

 続いて行われたのは女子掛かり稽古。今年度から新たに加わった種目で、受けと取りを決め、受けの攻撃に対して取りがそれぞれの流派で錬磨してきた技をかける稽古である。早大からは新井里佳(国教4=埼玉・浦和一女)が出場。4年間練習を重ねた技を十分に発揮し見事白星を挙げた。

 最後に行われた乱取では、普段の大会とは異なり、受け取りを決めずお互いが技を自由に掛け合う。今年度から受け側の受け身や技を受けた後の競技への復帰も評価に含めるため、技が決まっても「待て」をかけないというルールに変更がなされ、連続性のある乱取が繰り広げられた。先鋒、次鋒、中堅、副将、主将の5人が出場し、5−1と圧倒。早大の流派である富木合気道の技を次々と仕掛け、日々の錬磨の成果を見せた。
これで優賞数は同数となり、早大は全12種目で獲得した点数で上回って総合での優賞を手にした。

 演武で苦戦しながらも、乱取で巻き返し、見事優賞を手にした早大合気道部。多くのOBや観客が見守る中早慶定期競技会での連続優賞を7へとのばした。早慶定期競技会での勝利に喜びながらも、すでに早大合気道部の視線は次に控える全国大会へ向いている。四年生の引退試合ともなる次回大会でも早大の快進撃から目が離せない。

主将として合気道部を率いた堺圭一郎(政経4=神奈川・聖光学院)

7年連続優賞を達成した早大合気道部

(記事 三原はるか、写真 早大合気道部提供)

結果

▽演舞競技

下級生演武 木村日和(法2=長野・野沢北)・山口翔平(法2=東京・早大学院) 組

立技 白井優美(国教4=東京・女子学院)・佐藤慧一(人1=東京・巣鴨)組

坐技 新井里佳(国教4=埼玉・浦和一女)・髙橋永理花(国教3=東京・立川国際中教校)組

武器技(短刀) 髙山駿平(法4=千葉・専大松戸)・大石航旦(基理3=愛知・東海)組

武器技(杖) 堺圭一郎(政経4=神奈川・聖光学院)・坂井拓海(政経2=東京・桐明)組

自由技 原野剛成(法3=東京・国際)・柏木隆之介(法3=神奈川・サレジオ学院)組

▽女子掛かり稽古

新井里佳

▽審査制乱取稽古

先鋒 大石航旦

次鋒 柏木隆之介

中堅 髙山駿平

副将 原野剛成

大将 堺圭一郎

コメント

堺圭一郎(政経4=神奈川・聖光学院)

――まず、この早慶戦を終えて率直な感想をお願いします

 まず演武では、自分は武器技の杖というものを使う演武に出場して、力強い動きを出せるようにというところと、目付けというその技をかけ終わった後にお互いが相手の目を見合うというところを意識して緊張感を出せるようにしていました。練習通り、あるいは練習以上にできたことが非常に良かったというふうに思っています。 乱取りに関しては、慶応の主将の新妻さんが間合いの破り方がすごく上手い方なのでその中でしっかりと自分が練習してきた技を出せたことが一番良かったと思っています。

――早大としては、前半慶大にリードを許した中で逆転優勝という形になりました。部全体での今大会の感想をお願いします

 慶應大学は演武にすごい強みを持っているのである程度(演武でリードされるという展開は)予想していた展開ではありました。1−5という結果については来年以降は元お白星をあげられるように練習していかなければいけないな、非常に反省点だなと思っています。乱取の方も今年は一つ落としてしまっているので、その点でも来年以降もっと狙った技をかけることができるようにこれからも励んでいきたいと思っています。

――今後の目標を聞かせてください

 一週間後に全国大会が控えているので、今日は一旦喜んで、また切り替えて全国大会でもいい成績を収められるように稽古に励んでいきたいと思います。