新チーム初の大会で、収穫と課題を得る

合気道

 厳しい寒さの中、早大柔道場にて関東学生競技秋季大会が開催された。先月4年生が引退し、小池雄登主将(先理3=東京・巣鴨)を中心とした新チームで臨む初めての大会だ。女子は個人・団体共に出場しなかったが、男子は乱取個人戦と乱取団体戦にエントリー。個人戦では優勝こそ逃したものの、2年生の山浦良弘(文2=千葉・専大松戸)が3位に入り、団体戦では優勝を飾るなど結果を出す。また、1年生が初めて演武(基本の型17本、対徒手)を披露する機会もあり、若い力の台頭を予感させる大会であった。

 男子乱取個人戦に早大からは3人が出場。全員が2年生というフレッシュな顔ぶれが並んだ。迫本和也(創理2=東京・早大学院)は1回戦で姿を消すが、山浦が1回戦から短刀側で突きありをとると、受けでは一本を相手から奪うなど躍動し、勝ち進む。また重松宏希(先理2=東京・早大学院)も順当に駒を進め、互いのブロックで準決勝に進出。迎えた準決勝はともに明大の選手と対戦したが、相手に思うようなプレーをさせてもらえず、決勝へ進むことはできなかった。そして迎えた3位決定戦。早大勢同士の対決は互いに一進一退の攻防となり、なかなかポイントが奪えない。そんな接戦で、軍配があがったのは山浦。突きありと指導の少なさで2-1と重松に勝利した。

3位決定戦を戦う山浦(左)と重松

 一方男子乱取団体戦は、初戦で早大スポーツ合気道クラブと激突。過去大会で幾度も戦ってきた強豪チームである。先鋒・重松が立て続けに突きありでポイントを重ね、5-0で相手を抑えると、その流れに乗ったかのように4人がいきいきとしたプレーを見せ、五人全員が勝利。隙のない試合展開で初戦を危なげなく突破した。続く2回戦も勝ち進み、迎えた帝京大との決勝戦。先鋒・金丸駿(文3=群馬・中央中教校)は帝京大の選手人数の関係で不戦勝となる。続く山浦も短刀で突きあり、受けで一本、有効と確実にポイントを重ね10-0で相手を圧倒。この流れに続きたかった中堅・重松、副将・迫本だったが帝京大の猛攻に惜しくも敗退。そして勝敗2-2で迎えた大将戦に登場したのは小池だ。まずは受けで一本を決め、相手に与えられた指導ポイントも合わせ、5-0で前半を折り返す。後半の短刀ではダメ押しの突きあり2本。これが決定打となり指導のポイントも含めて、8-0で勝利。失点のない試合運びで勝ち星を取り、3-2で早大の優勝が決まった。

団体戦で積極的に声を出す小池主将(右)

 けが等で出場できない3年生も多かったが、そのぶん2年生の健闘が目立った今大会。新体制で意識したのは「結果を出すこと」(小池)というように、男子団体優勝、個人戦3位とひとまず結果を出すことができた。それと同時に、プレー中には不用意な指導や攻めの姿勢の維持など、課題も見つかっただろう。この経験を糧として大会に挑むのは、来年の春。稽古を積み、さらに成長した早大合気道部を見せてくれるはずだ。

(記事 石黒歌奈恵、写真 石黒歌奈恵・岡部稜)

結果

▽男子乱取団体戦
優勝

▽男子乱取個人戦
山浦 3位
重松 4位

コメント

小池雄登主将(先理3=東京・巣鴨)

――団体戦、優勝おめでとうございます。きょうの試合を振り返ってみていかがですか

2年生主体の団体戦となっていたので、課題が多く残ったという印象があります。その課題は、試合中攻めの姿勢を見せ続けることや細かい指導、注意不足による減点を防いでいく、ということが挙げられます。

――新体制となりました。どのようなチームづくりを心掛けていますか

結果を出そう、と部員に伝えています。結果を出したうえで自分たちの理想を追求していこうと考えています。

――いまのチームの雰囲気は

程よく緊張感があって良いムードだと思います。

――1年生の演武を見てどのように感じられましたか

1年間がんばったな、という印象です。成長した点も見受けられましたし、更にレベルアップしてほしいという目線での課題等々もあったので、持ち帰って再び練習でそれを克服していければと思います。

山浦良弘(文2=千葉・専大松戸)

――きょうの個人戦を振り返ってみていかがでしたか

負けてしまったんですけれども。その後団体戦で投げられたので良かったです。

――3位決定戦は重松選手との対戦でしたが、意識したことはありますか

いや、(準決勝で負けた)悔しい気持ちの方が大きかったです。

――団体戦は新体制で初でした。小池主将からはどのような言葉をかけられましたか

好きにやっていいと言われました。

――1年生の演武を見ていかがでしたか

うまくなったなと思いました。