4年生最後のインカレ!多くの種目で上位入賞を果たす

合気道

 秋空の広がる10月、入間市武道館にて全日本学生競技大会(インカレ)が開催された。岡本拓夢主将(商4=神奈川・聖光学院)による選手宣誓から始まった今大会は、4年生にとっては最後の全国大会であった。男子団体は昨年に引き続き優勝、女子団体も準優勝を果たし、さらに演武種目、乱取個人戦でも男女ともに入賞。富木合気道発祥の地ワセダの強さを見せつけた。

 最初に行われたのは、乱取個人戦。女子乱取個人戦には、三田眞貴子女子主将(法4=東京・早実)と夛田実代(教2=埼玉・川越女子)の二人が出場した。残念ながら夛田は1回戦で負傷した影響で2回戦敗退となるものの、三田が本領を発揮。1回戦は接戦となるが、2回戦は大勝し、順調に準決勝まで勝ち上がる。準決勝では顔見知りであった昭和女子大の選手と対戦。「強いのは知っていた」(三田)と語るように、序盤から相手にリードを許してしまう。三田も攻めるものの、そのまま得点を奪うことができず、0-4で敗戦した。3位決定戦では、明大の3年生と戦うことに。1-1と同スコアとなり、勝敗は審判にゆだねられた。判定は、三田の勝ち。「内容で勝てていた」(同)と、笑顔の3位入賞であった。

三田女子主将は、乱取個人戦で3位に

 男子乱取個人戦には3選手が出場。岡本と谷本彬徳(文構4=大阪・高槻)の2選手が準決勝まで順調に勝ち上がった。特に谷本は1回戦、2回戦ともに10点以上の得点をあげ、相手を圧倒する。しかし、準決勝では技が出せずに敗戦。3位決定戦に回ることとなる。3位決定戦の相手は、1回戦で松村雄太(商4=埼玉・県立浦和)を破って勝ち上がってきた強豪・明大の選手。体格では圧倒していたが、1・2回戦で出ていた技が決まらない。惜しくも3位入賞は果たせなかった。一方岡本は準決勝も突破し、決勝へと駒を進めた。ここまでまだ男女ともに優勝者が出ていなかった早大。主将岡本に期待がかかる。決勝では、準決勝で谷本を倒した相手と対戦。早大スポーツ合気道クラブというサークルから出場している選手で、決勝で早大生同士が戦うこととなった。前半に相手にリードを許し、迎えた後半。逆転優勝へ向けて、積極的に技を出していきたいところ。しかし、相手から奪えた得点は1点のみ。優勝とはならなかったが、堂々の2位であった。

乱取個人戦では惜しくも2位となった岡本主将

 今大会の団体戦は総当たりのリーグ方式ではなく、トーナメントで行われた。1回戦で負けてしまうと優勝はない。女子は3人、男子は5人が出場し、乱取で争うが、早大女子は通常より1人少ない2人での戦いであった。そのような状況の中でも、1回戦の帝京大相手に完勝で決勝へ進出。男子も関東学連相手に4-1で勝利し、決勝へと進む。女子の決勝の相手は明大。人数の少ない中でも相手のオーダーなども考えつつ臨んだ決勝であったが、出場した夛田、三田ともに勝つことができず、0-3で完敗し2位となった。女子の団体決勝直後に男子団体決勝が控えている。男子の決勝の相手も宿敵・明大であった。女子の気持ちも背負って決勝に臨んだ。4年生3人、3年生1人、2年生1人というオーダーであったが、上級生4人の勝利で優勝を掴んだ。主将岡本は、「最優先は団体の優勝」と語るように、部員全員団体戦への思いは強い。男子団体決勝は、この日の最後の試合であった。最高のインカレの締めくくりとなったであろう。さらに、演武競技でも男子対徒手部門で白石尚之(法2=東京・巣鴨)・小池雄登(先理2=東京・巣鴨)組が優勝、熊澤亮(創理3=東京・城北)・桂康洋(基理2=米国・Walter Johnson High School)が2位に、男子対武器部門で岡本・小川希生(先理2=米国・Riverside High School)組が3位に入った。女子も三田・夛田組が2位となる。演武競技には早大から男女含めて4組が出場し、全組が入賞するという好成績を収めた。

 4年生にとって最後のインカレとなった今大会、優勝したのは男子団体と演武1組のみ。優勝を逃した種目での悔しさはあるはずだが、岡本、三田ともに笑顔が見られた。演武で入賞した4組8人のうち、白石・小池・小川・夛田、桂はまだ2年生。後輩の活躍も多く、両主将にとっても喜びの大きいインカレになったはずだ。4年生にとって最後の大会は10月23日に行われる早慶戦。あと約2週間、最高の早慶戦に仕上げるため、合気道部の努力は続く。

4年生4人で戦いぬいた

(記事、写真 當間優希)

結果



▽団体戦

男子 優勝

女子 2位

▽男子乱取個人戦

岡本 2位

谷本 3位決定戦敗退

▽女子乱取個人戦

三田 3位

▽男子演武

対徒手部門 白石・小池組 優勝、熊澤・桂組 2位

対武器部門 岡本・小川組 3位

▽女子演武

対徒手部門 三田・夛田組 2位

コメント

岡本拓夢主将(商4=神奈川・聖光学院)

――大会全体を振り返って

全国大会で日頃の成果が出せて、団体戦優勝できとてもうれしいです。

――選手宣誓をされていましたが、緊張はありましたか

そうですね。開会式の時は選手宣誓のことで頭がいっぱいでした(笑)

――今大会で目標に掲げていたことは

やはり団体戦の優勝ですかね。個人戦も演武競技も目標にしていましたが、最優先は団体戦にしていました。

――乱取個人戦では、準決勝・決勝と厳しい戦いが続きました。振り返ってみていかがですか

そうですね、まずあそこ(決勝)まで行けたというのが嬉しかったです。強豪や今まで勝てていなくやっと勝てた相手もいたので、うれしかったです。でもその一方で決勝で負けてしまったのが一番悔しいので、学生の内はリベンジする機会はないですが、社会人となって後輩の育成等で挽回していきたいなと思っています。

――試合後に相手選手と談笑している姿が印象的でしたが、どんなことをお話しされていたんですか

戦った選手の多くが初めて戦う相手ではなく良いライバルだったので、お互いの健闘をたたえる会話をしていました。

――男子団体では優勝しました。今のお気持ちは

うれしいの一言に尽きますね。

――団体決勝では4年生3人が勝利を収め優勝を決めましたね

そうですね。やはり4年間共に頑張ってきた同期がみんな活躍して優勝できたというのが、何よりも良い思い出になりました。

――今大会では下級生の活躍も目立ちました。4年生から見て下級生の活躍はいかがですか

流れを作ってくれたりという面でも、すごく下級生に助けられた部分があるので、下級生には感謝していますし、今後もあの下級生がいれば安心して任せられるなという気持ちが大きくなって、安心しています。

――演武競技では下級生が上位を占めるという結果になりました

下級生も毎日非常に頑張って練習していたので、下級生の結果が出たことは自分のことのようにうれしいです。

――次の早慶戦までは2週間ありますが、どんな準備をしたいですか

早慶戦となると全国大会と形式が変わってくるので、早慶戦に向けた稽古を念頭に置いて2週間を駆け抜けていきたいと思います。

――最後に早慶戦に向けての意気込みをお願いします

絶対、勝って優勝カップを取り戻します。

三田眞貴子女子主将(法4=東京・早実)

――本日は団体2位、個人3位、演武3位という結果でした。この結果についてどう思われますか

部として1位を狙っていたのに全部1位をとれていないということは悔しいなと思います。ただ、団体とか演武とかも含めて、2年生女子(夛田実代、教2=埼玉・川越女子)が一人で頑張ってくれたので、自分としては不甲斐ない結果だったんですけど、後輩に感謝という気持ちが大きいですね。最後を飾ってくれてありがたかったです。

――今夛田選手のお話がありましたが、夛田選手の戦いぶりについていかがですか

体格も良くて、下級生である2年生から取材に出ているので経験もありますし、今後どんどん伸びていってくれるんじゃないかなと思います。頑張ってくれているので。2・3年生で唯一の女子なので、部を引っ張っていってくれると期待しています。

――乱取個人戦の1回戦は4―3というスコアでした。振り返っていかがですか

やりづらさは多少あったんですが、負ける相手ではないとは思っていたので、もう少しきれいな合気道をしたかったなというのはあります。

――2回戦で大勝しましたが、準決勝では0-4で敗戦しました。敗因はどこにあるとお考えですか

試合では一回も当たったことはなかったのですが、出稽古としてワセダによく来てくれている相手だったので、強いなというのもずっと知っていました。逆に最後のインカレで対戦できてよかったなと思いますね。

――3位決定戦は下級生の相手に判定勝ちでした。勝ったときのお気持ちは

判定というよりは、内容で勝てているなという印象はありました。ただ、3年生相手にぎりぎりで勝つというのはちょっといけなかったな、もう少し技を出したかったなと思います。

――団体では通常の3人よりも少ない2人での戦いでしたが、何か作戦などはありましたか

一人少ないというのは仕方なかったし、夛田もケガがあった(団体戦の前の乱取個人戦にて負傷、惜しくも2回戦敗退に)ので、正直作戦というよりは、ちゃんと自分が負けないこと、あと他大学はここまでと同じオーダーでくると思っていたので、コーチと相談しながら臨みました。

――2週間後に行われる早慶戦に向けて取り組みたいことと、意気込みを教えてください

早慶戦は演武が一番難しいところかなと思っているので、今回2位だったのは少し焦りもあります。演武は相手の方が全然うまいので。2週間でさらに演武に磨きをかけて、勝ちたいなと思っています。