新人戦、課題が多く残る試合に

合気道

 暖かい春の訪れとともに、第23回関東学生新人大会が開催された。2年生が中心として出場する今大会。1年間の努力の成果を見せるべく、早大からは男女合わせて4選手が出場した。乱取競技個人戦では、男子が共に1回戦負け。女子も準決勝進出を逃す悔しい結果に。混合団体戦でも僅差で負け、初戦敗退。演武競技では熊澤亮(創理2=東京・城北)、河内元(政経2=兵庫)組が優勝を飾り健闘するも、女子は入賞ならず。部として満足のいく結果を残すことはできなかった。

 初めに行われたのは、乱取競技個人戦。男女3選手が1回戦負けとなったこの競技。「試合の細かいテクニックや気持ちの部分をもう少し教え込んでおけばよかったなという反省もあります」と安藤圭彦主将(教4=神奈川・茅ヶ崎北陵)が語るように、経験の浅さが露呈した。そんな中、意地を見せたのは小林ひかる(文構2=北海道・留萌)だった。相手の指導をうまく誘う試合運びで、ポイントを順調に獲得。突き有りでもポイントを重ね、初戦をなんなく突破した。しかし次の2回戦では一進一退の攻防に。突き有り、指導の両ポイントが同じまま試合終了。判定に持ち込まれ、結果は僅差での判定負け。「判定になりましたが、自分の中では負けていました」と小林は悔しさをにじませた。

乱取個人戦で唯一白星を挙げた小林

 次の種目は混合団体戦。演武競技2戦、掛かり稽古1戦、乱取競技2戦の計5戦が行われるこの団体戦。1回戦の相手は明大。序盤の演武競技で1勝1敗とし、迎えた掛かり稽古には熊澤が出場。そこで見事勝利を収め、2勝1敗とリードを奪う。残りの乱取競技で勝ち切りたかった早大であったが、小林が惜しくも引き分け。そして最終戦の河内が1点差で敗れたため、2勝2敗1分けに。勝敗は判定に持ち込まれた。「審議の結果、明大の勝利」。このアナウンスと共に出場した4選手は肩を落とし、混合団体戦の初戦敗退が決まった。

堂々たる演武を見せた熊澤・河内組

 最後の演武競技で熊澤・河内組が優勝を飾ったものの、課題が多く残った今大会。まだまだ経験不足が否めないのが現状である。しかし「課題がたくさん見つかったので、収穫はありました」と小林が振り返るように、まだまだ伸び代があるとも言える。今大会で得た教訓、味わった悔しさを胸にどこまでも成長していくに違いない。伝統ある早稲田の合気道を背負っていく若き闘士達。彼らの今後の活躍に期待である。

(記事 大槻竜平、写真 吉原もとこ、大槻竜平)

コメント

安藤圭彦主将(教4=神奈川・茅ヶ崎北陵)

――主将を務めてみて

(主将になって)半年ぐらい経って、正直いまのチーム状況はあまり良いとは言えませんが、50年以上続いてきた合気道部の伝統を守っていきたいです。そして全国で優勝できるように、もう一度しっかり立て直していきたいと思っています。

――どういう主将でいたいですか

やはり先頭に立って引っ張っていきたいなと思います。あまり口で言えるタイプではないので、自分の背中を見て後輩達が付いてきてくれればいいなと思います。

――後輩達の試合はいかがでしたか

持っているポテンシャルはいいものがあると思うのですが、そこから少し伸び悩んでいるのかなと感じます。自分自身、試合の細かいテクニックや気持ちの部分をもう少し教え込んでおけばよかったなという反省もあります。しかしきょうの敗戦をきっかけに、これからもっと伸びていって欲しいと思います。自分も新人戦は3回戦で負けて、改めて気合が入ったので、後輩達にもきょうの試合がプラスになればと思います。

――次の大会へ向けて

4年、3年のポテンシャルはあまり高くないので、個人の努力は当たり前で、歴代の先輩達以上にもっともっと努力していかないと、正直結果はついてこないと思うので、日々の稽古から頑張っていきたいです。他大を圧倒できるような、高いレベルを目指していきたいと思います。

鎌田真気主将(教4=埼玉・聖望学園)

――チームをどう引っ張っていきたいですか

まず部員には、1人1人自分がなぜ早稲田の合気道部でやっているのかという理由を見つけてほしいと思っています。それが合気道を続けるというモチベーションにもつながってくると思います。やはりなんで部にいるかということを考えることによって、合気道に対する考え方も変わってくると思うので。あと加えて合気道発祥が早稲田ということもありますので、そういうことを考えるのは大事なのかなと思います。

――理想の主将像は

私たちにとっての主将といわれると、自分達が1年生の時の4年生の存在が大きなものとしてあります。1つに威厳というものがあって、やはり引っ張っていくには緩いだけではダメですし、その中でも優しさをとても感じたので見習っていきたいです。その先輩達のことはいまでも尊敬していますね。

――今シーズンの意気込みを

まだまだ始まったばかりで、ことしは全国大会や国際大会もあるので、まだまだ10月、11月までは長いのですが、いまの時期は基礎固めの時期なので、基礎をしっかり固めて自分の合気道の実力をつけていきたいと思います。そしてなんでこの試合に勝てたのかという部分にこだわっていきたいです。目標はやはり全国大会優勝というものがあるのですが、試合自体の質を上げていくのが目標ですね。

小林ひかる(文構2=北海道・留萌)

――乱取個人戦を振り返ってみて

もともと自分で課題としていたことが試合の中でできなかったことがとても情けないなということと、経験不足といいますか、なかなか乱取自体に対応できていなかったことがありますね。でも課題がたくさん見つかったので、収穫はありました。

――引き分けや僅差の判定負けがありましたが悔しさは

そうですね。しかし内容が自分の納得いくものではなかったので、判定になりましたが、自分の中では負けていたなという気持ちはありました。

――2年生だけで行った初めての団体戦を振り返ってみて

練習の中では個人個人でやっていて、1人1人が要素として団体に組み込まれていったという感じで、もう少し団結というかまとまりきれていなかったかなと思います。でも団体戦自体は自分にとってとても新鮮で、応援に熱も入りましたし、勝ちたいって気持ちもより高くなりました。

――試合後のミーティングではどのようなお話を

私たち2年生が出した結果がいまの合気道部の状態を示しているから、私たちの代に課題が多いことはもちろんのこと、3・4年生もこれからどうやっていくかを考える良いきっかけにして欲しいというお話がありました。

――これからの目標は

今回とても悔しい思いをして、悔いを残さないようにやるという目標を達成できなかったので、次こそは本当に納得できるような試合をするために日々の稽古から目的意識を持って取り組んでいきたいと思います。次こそは早稲田の名に恥じないような試合をします。