関東学生競技個人選手権は来月に行われる今季最大の大会である全日本選手権の前哨戦となるものだ。日本一を目指す上で、合宿でつけた体力、新たに磨いた技を実戦で試し、全国で通用するかを確認する最初で最後の大会。この重要な舞台で男子乱取りでは田邊優一(文4)と相場悠太(政経4)が、女子乱取りでは阿部可奈子主将(社4)と新井友美(政経3)がファイナリストになった意味は大きい。男女ともに1位2位を独占し、春の関東大会で準優勝に終わった雪辱を果たした。
ケガで春の関東大会を棒に振った戸叶直宏(法2)がトーナメントの序盤をにぎわす。春の関東新人大会で見事優勝した戸叶。その実力を早くも発揮し、準々決勝までキレのある動きで難なく勝ち上がる。ベスト4をかけた戦いの相手は田邊。普段のチームメートを相手に果敢に攻め立てるが、さすがに先輩のカベを崩せず優勝の望みを田邊に預けることになる。田邊は準決勝でも圧勝し、優勝に王手をかける。決勝戦は、またしても早大のチームメートで団体戦ではトリを務める相場との早大対決となった。互いに隙をほとんど見せない熱戦となったが、後半に粘りの守りを見せた田邊が得点を着実に重ね、見事に優勝を果たした。
女子乱取りも阿部主将が春の関東王者の貫禄を見せつけ決勝に進む。反対のブロックでも新井が金玖美(文4)を退けた国士大の選手を破り、女子も早大同士が優勝をかけて頂点を争うことになった。両者一進一退の攻防を繰り広げ、均衡敗れず延長戦へ。サドンデスでもお互い全く引かず、優勝の行方は審判の判定に委ねられることになる。結果的には阿部主将が優勝を飾ったものの、惜しくも敗れた新井も勝者にふさわしい戦いを見せた。
「今年は強いと聞いている」(田邊)関西勢と相見えるのは30日に行われる早慶戦の後に控える全日本選手権。今回の成績に甘んじず残り一ヶ月追い込むつもりだ。「早稲田にいる以上負けられない」(田邊)。さあ、優勝してもらおう。
(青木 現)