第77回早慶対抗柔道戦 11月22日 東京・講道館
今年で77回目を迎えた早慶対抗柔道戦(早慶戦)が、柔道の聖地・講道館にて開催された。早慶両校の選手各18人による勝ち抜き戦によって勝敗を決める。1年生、2年生が複数抜きを演じ、終始早大がリードする展開。早大の4年生に出番を渡すことなく、8人残しで4連覇を決めた。
講道館柔道連盟試合審判規定にて行われる早慶戦は、「足取り」が認められていたり、抑え込み1本の時間が公式戦よりも長かったりと、より見応えのある試合がこれまで繰り広げられてきた。また、通常の試合は1試合5分間で、副将が登場すると6分間、大将が登場すると7分間に試合時間が延長されるのも見どころである。
最初に登場した先鋒・盛島魅(人1=千葉・安房)が初戦を勝利で飾ると、続いて次鋒を務めた望月陸(スポ1=東京・修徳)は、1年生ながら今大会最多となる4人抜きを達成。望月にとっての5戦目は黒星を喫するも、後のインタビューでは、「最後負けないで終わりたかった」とさらなる完璧な試合運びを目指す姿勢をみせた。渋田凱(スポ4=福岡・嘉穂)、石脇悠二朗(教育1=東京・早実)と順調に白星を重ねていき、活躍をみせたのは、7番手として出場した遊川葵羽(スポ2=東京・修徳)。柴田凱、鈴木尊輝(教育4=東京・早実)と早大選手に2連勝していた慶大・本吉嵩琉の猛攻をしのぎ、最後に払腰で一本を決めた。遊川にとっての2戦目は引き分けに終わったが、慶大の駒を順調に削っていく。

4人抜きを達成した望月(写真左)
岡田航太郎(社1=愛知・大成)は慶大の2選手を一本で破る活躍をみせ、次に登場した今西勇仁(政経1=東京・早実)もわずかな隙を見逃さずに合わせ技で白星を掴み、1年生選手がプレッシャーを感じさせない堂々たる戦いぶりをみせた。
次に出番を迎えたのは、中堅の坂東新(スポ3=静岡・加藤学園)。相手が技を仕掛けてバランスを崩したタイミングを見逃さず、送襟絞で一本。次期主将としての意地をみせる結果となった。次に登場した山藤光星(スポ2=岩手・盛岡大附)は、慶大の中堅、副将を連続で破る活躍をみせ、大将戦まで手繰りよせた。慶大の主将・井口虎太郎に対し、試合開始序盤に隅返で技ありを取るも、既に2戦を戦った疲労を覗かせていた。しかし、「『あと一つ取れば終わる』と思って戦った」と試合後に語ったように、最後の力を振り絞り、間を空けずに合技一本で早大の優勝を決めた。

早大の勝利を決めた山藤(写真左)
早慶戦4連覇を果たした早大柔道部。最優秀選手賞には4人抜きの活躍を見せた望月陸、優秀選手賞に慶大の副将、大将を含む3人抜きを果たした山藤光星が選出された。早大主将・笠井雄太(スポ4=愛知・桜丘)は、この大会前に実施した早慶主将対談で、早慶戦について、「新しいチームに入れ替わるタイミングでもあるため下級生に頑張ってもらいたい」と話しており、実際にホープが大活躍する結果となった。笠井主将は試合後のインタビューにて、「後輩たちが活躍してくれたことは、将来の大会において結果を残してもらうためにも良かった」と安堵を口にした。今大会女子部の対抗戦は実施されなかったが、早慶戦の閉幕につき、次期男子主将の坂東新と、女子主将の姥琳子の元での新体制が男女ともに始まった。来季の早大柔道部の活躍に、ぜひ注目していただきたい。

4連覇を果たした早大柔道部

試合後記念撮影に応じる早慶両主将(左=慶大主将・井口、右=早大主将・笠井)
コメント
望月陸(スポ1=東京・修徳)
――勝利の感想を教えてください
自分は前の方だったので、先輩方がつないでくださって勝利することができ、すごく嬉しいです。
――個人としては4人抜き、そして最優秀選手にも選出されました。ご自身の戦いを振り返ってみていかがですか
個人としては最後負けないで終わりたかったなという気持ちです。悔しい気持ちの方が強いです。
――笠井主将はこの早慶戦には下級生に頑張ってもらいたいと話されていました。実際にこの試合は下級生が大活躍する結果となりました。早慶戦をもって引退となる4年生に向けての思いを聞かせてください
4年生に回さずに終えることができたので、新チームにこれからなる上で良かったと思います。
――最後に、来年に向けての意気込みを聞かせてください!
来年の早慶戦ではどの位置での出場になるかはわかりませんが、どこで出場しても今回と同じくらい抜きたいと思います。
山藤光星(スポ2=岩手・盛岡大附)
――勝利の感想を教えてください
嬉しいです。僕は2年生ですが、先輩方がつないできた結果を引き継いで4連覇を達成することができてよかったです。
――個人としては慶應義塾大学の井口主将に勝利、そして優秀選手にも選出されました。ご自身の戦いを振り返ってみていかがですか
2戦目のときなど、疲れたときもありましたが、今日は最後まで頑張ろうと思って戦い抜くことができました。最後の大将戦(対井口選手)では、最初に技ありを取ることができ、「あと一つ取れば終わる」と思いながら戦っていました。
――笠井主将はこの早慶戦には下級生に頑張ってもらいたいと話されていました。実際にこの試合は下級生が大活躍する結果となりました。早慶戦をもって引退となる4年生に向けての思いを聞かせてください
本当は皆の試合が見たかったので、自分で終わらせてしまったのは少し申し訳ないです…(笑)。今の3年生が4年生になる代は、人数も少なく小柄な人が多いので、今の2年生の重量級の選手が筆頭になって頑張りたいと思います。
主将・笠井雄太(スポ4=愛知・桜丘)
――早慶戦4連覇の感想を教えてください
僕自身は試合に出場していませんが、後輩たちがよく頑張ってくれたと思います。慶應の選手にも知り合いが多かったので、とても感慨深い大会となりました。
――今大会は1・2年生の活躍が見られる大会となりました。下級生の活躍をどのように見ていましたか
素直に嬉しいです。後輩たちはこの早慶戦で良いスタートが切れたと思います。4年生の代替わりの大会として意識していた舞台でもあったので、ここで下級生が活躍してくれたことは、将来の柔道の大会において結果を残してもらうためにも良かったのではないかと思います。
――最後に改めて、早稲田大学柔道部がどのようなチームだったか教えてください
難しいですね(笑)。すごく他のチームと比べて、監督含め距離感が近いチームで、僕としてはとてもやりがいのある1年だったと感じています。引き続き気を抜かずに練習に励めば、望む結果が得られると思うので、これからも頑張ってほしいと思います。
(記事 上田浩誠 写真 飯塚咲、横山晃士朗、湊紗希、上田浩誠)