梅雨空はどこへやら、一足早く夏空が顔をのぞかせた6月22日。この日、スポーツファンの熱気が渦巻く横浜市関内・横浜武道館で日本拳法第38回全国大学選抜選手権大会が実施された。本大会は前回取材した東日本学生リーグとは異なり、西日本の関西学院大学や龍谷大学なども加わり、多くのチームが参加する全国レベルの大会だ。 大会は男子と女子に分かれ、それぞれ勝ち抜きトーナメントで進行された。 結果を先にお伝えすると、男子は初戦敗退、女子は二回戦敗退・ベスト8という結果だった。
男子の部は午前中に行われた。今日の早大は主将の藤原(藤原圭希 法4=東京・城北)を先鋒に据えて、チームに勢いをもたらせるかが、勝敗のカギとなる。そして始まった男子の部初戦。相手は関西の名門・龍谷大学。先鋒戦で藤原が幸先よく先制する。しかし優勝を狙う龍谷大学の気迫はすさまじかった。先鋒戦で持ってきた流れを次鋒、中堅で簡単に引き戻されてしまう。そのまま早大は一矢報いることもできず、まさかの四連敗を喫し、一回戦敗退となった。 この大会で龍谷大チームは全体三位という素晴らしい結果を残し、初戦としては厳しい相手であったことは間違いない。全国を狙う早大にとっては夏を前に、目指すべき大きな壁となった。
続いて女子の部。初戦は関西学院大戦だった。今まで大将を務めることが多かった井上を中堅に置く布陣で、早めに流れを引き寄せたい。先鋒の星野は序盤に胴で一本を取られてしまう苦しい展開になるが粘り強い戦いを見せた。惜しくもタイムアウトで先鋒戦を落としてしまったが、続く井上が圧巻の戦いを見せる。手数とその引き出しの多さを武器に、相手に反撃の余地を与えない猛攻で二戦目を取り返した。そして鎌田が大将を務めた三戦目。その落ち着いた戦いぶりで、相手から胴で二本を先取。これにより2-1で、早大の二回戦進出が決まった。 そして二回戦。相手は東日本学生リーグで悔しい敗北を喫した宿敵・中央大学。先鋒鎌田(鎌田琴未 スポ3=東京•日本女子大)、中堅星野(星野奈穂 スポ3=東京•小山台)がいずれも接戦の末に惜しくも敗れた。後がなくなった状態で迎えた大将戦では大将井上(井上晴未 政経4=神奈川•山手学院)が一本目に鋭い面を決めて一本を先取。しかし二本目、三本目は逆に面を取られ、逆転負けとなった。さらに三本目の際、井上は負傷し、試合後には救急車で搬送される事態に。チームは健闘したものの、準決勝リーグへと駒を進めることはできなかった。 今回の大会は女子も納得のいくような結果で終わることはできなかった。対して二回戦で戦った中央大は、本大会で二位という結果を残した。強敵に違いはないが、全国の頂を目指すためには必ず越えなければならない相手だ。
(記事 飯塚咲)
今回の大会は女子も納得のいくような結果で終わることはできなかった。対して二回戦で戦った中央大は、本大会で二位という結果を残した。強敵に違いはないが、全国の頂を目指すためには必ず越えなければならない相手だ。 もう十分挫折は味わった。ここでの敗北もそれまでの努力も、そのすべては府立のために。ここまでの血と汗が、栄光への道程となるように。早大・日本拳法部の再起を期待する。
(写真・記事 竹田朋矢 飯塚咲)
コメント
田中選手
――今回の結果を振り返って、いかがですか
相手は格上ではあるんですけど、手の届かない相手ではなくて勝ちたいという気持ちもあったので、悔しいという気持ちはあります。
――対戦したチームとの差は、何か感じましたか。
基本的な技術面が総合的に高くて、パンチも蹴りも組みもしっかりできていたので。体力面とか足の運びとかが上手かったですね。
――全国が集まった大会でしたが気になったチームはどこかありましたか
明治大学ですね。明治大学は全員身長が高いというわけではなく、低い人もいるんですけどそれでも勝っていくのはすごいなと思います。
――全日本に向けてこれからできることは
12月にある府立に向けて、四年生が集大成になっていくと思うのでこれから夏に向けて、体力面だったり、基礎的な技術面だったりを向上できたらなと思います。
――最後に意気込みを
僕自身、二回目の全国に出させてもらって、一回目の全国では悔しい経験もあって藤原さんがいい流れを持ってきてくれたんですけど、勝ちきることができなくて、足りない部分しかないなと思ったので、絶対勝ちきれるような実力をつけて生きたいと思います。
鎌田選手
――本日を振り返っていかがでしたか
正直難しい結果だと思います。元々高い目標を掲げてきたので、それにそぐう結果ではなかったと思います。
――これまでの取り組みについてはいかがでしたか
ビデオを見たりして、相手を想定した質の高い練習ヲ繰り返していると思うので、そういった積み重ねは、自分たちの力になっていくのかなと思います。
――個人としてはいかがでしたか
一戦目に初めて大将として出たんですけど、そこではいい結果を出せてチームに貢献できたので良かったかなと思います。ただ二戦目に関しては複雑な心象ではあります。
――次回への目標をお願いします
団体戦としてはいつも優勝という目標を掲げているので、そういった目標を持ち続けてこれからも頑張っていきたいです。
(掲載が遅れてしまい、申し訳ございません)