5月18日に日本拳法第38回東日本大学リーグ戦が東京・中央大学多摩キャンパスで行われた。男女に分けて行われ、予選リーグで勝ち抜いたチームが午後の決勝リーグに進む形式だ。ルールは男子が7対7、女子は3対3の対戦方式で行われた。昨年の結果を越えたい早大だったが、結果は男子が惜しくも予選リーグ敗退。女子は準優勝だった。
(写真 竹田朋矢)
男子の予選リーグは駒沢大、関東学院大、日本大生産工学部と対戦した。初戦の駒沢大学戦は先鋒、次鋒、参鋒と三つを先勝し、中堅が一つ試合を落とすも、その後は全勝し駒大を圧倒。前回三位の実力を見せつけた。 危なげなく初陣を勝利で飾った早大だったが、二回戦はまさに激戦だった。先鋒・藤原(藤原圭希 法4=東京・城北)は二本を先取すると、次鋒と参鋒も勝利。このまま早大ペースで試合が進むように思われたが、中堅・田中(田中芳和 教3=山梨)は一本を先取される苦しい展開に。しかしその後、流れを相手に渡さずに粘りの戦いを見せるも、試合時間の三分が経過。審判のコールがかかり、惜しくも中堅戦を落とした。参将・長岡(長岡陛 先進理工4)も奮戦するが、息を吹き返した関東学院大の勢いを止めきれず、1-2であと一本を決めきれなかった。続く副将・寺内も土壇場で一本を返す意地を見せたが、あと一歩及ばず敗戦。勝敗は四年生の大将・重松(重松猛 人4)に託されたが、これに敗れ3-4で敗北。今年こそ頂を目指すチームにとって、手痛い敗戦となった。男子はこの敗戦が響き、日本大学生産工学部に6-1で勝利するものの、決勝リーグ進出はならずという結果に終わった。
一方、女子は予選を中央大学と東洋大学と戦った。一回戦の中大戦では、先鋒・星野(星野奈穂 スポ3=東京・小山台)が両者一歩もゆずらず引き分ける。中堅の鎌田(鎌田琴未 スポ3=東京・日本女子大)は、結果として今大会最優秀選手賞を受賞することになる明大・可児に対して一本を返し健闘するが力尽き、惜しくも二戦目を落としてしまった。団体リーグ戦においては代表者による決定戦はないため、引き分けに持ち込みたい早大は、大将井上(井上晴未 政経4=神奈川・山手学院)が出るもあと一本を奪えずこれも引き分け。悔しい敗戦となった。しかし二試合目の東洋大戦は、全員の持ち味がよく出た試合運びとなり、3-0で勝利したことで、一回戦を落としながらも決勝リーグへと駒を進めた。 迎えた決勝トーナメント。一回戦の国学院大戦では1-1となるが、大将・井上が早業で二本を先取し、大きな一戦をものにした。 そして、予選リーグで早大を破った中大の待つ二戦目へと臨む。先鋒・星野は一回戦で引き分けだった相手から途中一本を返すも勝ちきることはできずに敗北。 続く中堅・鎌田も可児から一本も奪うことができなかった。 この時点でチームの勝敗は決したが、今大会では試合は全て行われるため、まだ大将戦が残されている。先ほど、引き分けに終わった大将・井上が最後に意地を見せた。井上は果敢な攻めで、相手の木谷選手を圧倒。突きが相手の面に吸い込まれるように入っていく。予選リーグの一回戦での鬱憤を晴らすかのような戦いぶりだった。
大会の全行程終了後、個人、団体の表彰式が行われた。早大からは個人として決勝戦でも大将を任された女子・井上が技能賞を獲得。団体としてもチームは準優勝という結果で表彰を受けた。 今回は満足のいく結果ではなかったが、今は前を向くしかない。試合後、藤原主将の言葉からは、悔しさとこの競技にかける情熱が伺い知れた。雪辱はあの大舞台で必ず晴らす。ここに逆襲を誓った、これからの早大・日本拳法部に期待だ。
(写真・記事 竹田朋矢)
コメント
藤原主将
――今回の結果を受けて、いかがですか
正直、全く満足いってないですね。一人一人が出し切れていないところもあって、結果も振るわなかったですし、試合内容もあまりよくなかったのかなと。
――優勝した明治大学のチームの参考にしたい点は 。
そもそもの力(の問題)もあるんですけど、一人一人の拳法に対する取り組みの違うのかなと。早稲田と同じ時期に日本拳法を始めた明治の人たちも、早稲田より全然強くなっていたりするので、意識の違いがあってそこを見習わなければいけないですし、できれば練習も一緒にさせていただきたいなと思いました。
――これからの大会の目標は
最後の十二月の大会(全日本学生拳法選手権)で昨年はベスト8を逃してしまったので、まずベスト8を奪還して、できればもう一つ上を取りたいです。現状としてはかなり厳しいですけど、自分としては入った時からの目標なので。
――最後に意気込みを
春負けてしまったので今以上に、もっと気合を入れてやっていきたいです。それと日本拳法部はまだ知名度もないんですけど、練習している姿をもっと応援されるような部活にしていきたいと思います。
井上晴未選手
――大会全体を通じて今回の点数をつけるなら何点をつけますか
70点ぐらいだと思います。いつもの練習と比較して70パーセントぐらいの実力とか試す技を出せてなかったのかなと思います。
――春までの取り組みはいかがでしたか
ミットに力を入れてきて、連続技と基本的な技の速度を上げることに着目して練習を行っていました。
――これからどういった練習をしていきたいですか
新しいことにチャレンジできる練習に取り組んでいきたいと思っていて、既存の技をずっとやっていることが多かったので、そういう(実戦で使える技の)レパートリーを増やしていけたらと思います。
――井上さん個人としての好調の要因は
個人的には今日は状態がいいとは思っていなくて、逆に不調だと思っています。その理由としては足が最近動いていなくて、(技が)単発で終わってしまうことが多いので、足のトレーニングに力を入れようと思います。
――最後に意気込みを
これからは大切な大会が続いていくので、一個一個成長できるようにやっていこうと思います。
(掲載が遅れてしまい、申し訳ございません)