延長戦の末拓大に逆転勝利! 大会を5位で終える

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第59回関東大学女子選手権 5月4日 東京・日本体育大学世田谷キャンパス

 今日で最終日を迎えた関東大学女子選手権(スプリングトーナメント)。5位決定戦に駒を進めた早大は、昨年同じ5位決定戦で敗れた拓大と対戦した。試合前半は相手を追いかける展開が続き、6点ビハインドで試合を折り返す。第3クオーター(Q)で早大は徐々に点差を縮めていき、C福王伶奈(スポ2=愛知・桜花学園)のシュートでついに逆転。その後は両者譲らず試合は延長戦へ突入。延長戦でも拮抗した展開が続くが、早大はF衣川璃来(スポ3=埼玉栄)のシュートで勝ち越すと、そのまま逆転を許さず勝利。早大は大会を5位で終えた。

シュートを放つ菊地

 第1Q、開始から両者ともに積極的に攻撃を仕掛けるが、なかなか得点に結び付かず、2分間両チーム無得点の状態が続く。しかし拓大の堀越梨々夏(4年)のシュートにより均衡が崩れると、試合は拓大ペースへ。相手を追う展開となった早大だが、F阿部心愛(スポ1=愛知・桜花学園)のバスケットカウントをきっかけに得点を重ねていく。残り約40秒でG山宮好葉(スポ3=東京成徳大)のパスを受けたF菊地実蘭(スポ3=愛知・桜花学園)の速攻で同点に追いつくが、直後に相手のスリーポイントと速攻で突き放され、5点差をつけられて第1Qが終了した。
 第2Qでは開始直後に菊地がスリーポイントを沈め、早大に流れを呼び込む。しかし相手の留学生選手の壁に阻まれ、徐々に点差を広げられてしまう。それでも衣川のスリーポイントやF清水瑠莉(人2=茨城・下妻第一)のバスケットカウントなどで追い上げ、38―44で試合を折り返した。

ドライブを仕掛ける清水

 どうにか追いつきたい第3Q、拓大がスリーポイントを決めて勢いを取り戻すと、点差は最大13にまで拡大。ここで離されたくない早大は、阿部のスリーポイントを契機に反撃を開始する。山宮、菊地の得点に加え、福王がゴール下で堅守を見せ、相手の得点を許さない。衣川のスリーポイントで1点差まで迫ると、福王がリバウンドから得点しついに逆転に成功。そのまま第3Qが終了し、早大のリードで最終Qへ。
 最終Qも早大の勢いは止まらず、菊地のバスケットカウントなどでリードを広げていく。しかし、拓大もスリーポイント2本を含む反撃で再逆転する。終盤に山宮が相手のパスをカットし福王の同点シュートに繋ぐと、その後早大が粘り強いディフェンスで相手の24秒間の攻撃をしのぎ切り、試合は80―80で勝負は延長戦へ突入した。

フリースローを放つ福王

 延長に入り、先に拓大がスリーポイントで得点するもすぐさま清水が応戦し、ゲームは拮抗状態が続く。オーバータイムも半分が過ぎようとした時、衣川が勝ち越しとなるレイアップシュートを決め、試合は一気に早大の流れへ。拓大も果敢にゴールにアタックするが、ファウルトラブルに苦しみなかなか得点に結びつかない。早大は与えられたフリースローを着実に沈めて点差を広げていき、最後は95-88で早大が勝利を手にした。

決勝点を決めた衣川

 延長にもつれる激闘を制し、5位で大会を締めくくった早大。大会終了後に発表された個人賞では、菊地が得点王、山宮がアシスト王を受賞した。衣川は大会全体を通して「コート内外のチーム全員で戦えた」と語る。今月31日に控える早慶戦、そして秋の関東大学女子リーグ戦でも今大会のように「全員で戦う」早大らしいバスケットを見せてほしい。

(記事 田中瑠花、写真 植村皓大)

第59回関東大学女子選手権 5月4日(vs拓大)

1Q2Q3Q4QOT合計
早大191923191595
拓大2420162088

◆早大 スターティングメンバー◆

Pos. # 選手名
F 1 菊地実蘭(スポ3=愛知・桜花学園)
C 8 福王伶奈(スポ2=愛知・桜花学園)
F 12 阿部心愛(スポ1=愛知・桜花学園)
G 13 山宮好葉(スポ3=東京成徳大)
F 35 衣川璃来(スポ3=埼玉栄)

コメント

F衣川璃来(スポ3=埼玉栄)

――試合を終えた今のお気持ちはいかがですか

 延長までもつれても、しっかりと勝ち切れたっていうのはすごい大きなことだと思ってます。チームがトーナメントの中で課題としてたリバウンドとルーズのところを全員で表現できたのが最後の勝ちに繋がったと思います。

――個人のプレーで意識したことは

 個人的にはトーナメントの試合、あまり調子が良くないのが続いていて、その中でも入らなくても攻め続けるとか打ち続けるっていうのを意識していました。

――トーナメント全体で見えたチームの良い点と悪い点は

 準々決勝の山梨学院大戦では、同じところでやられしまったり、同じところでリバウンド取られ続けてしまったりとルーズとリバウンドのところが課題でしたが、今回の試合ではそれを全員で意識したところが、前回とは違う結果に繋がったと思います。またトーナメント全体を通して、コート内外の全員で戦えたっていうのはいいところかなと思います。

――延長に入る前にチームで話したことは

 拓大のファウルが積んでいたので、もうここは攻めた方が勝ちというか、勢いがある方の勝ちなので、とにかくみんなで強い気持ちで、攻め続けようという話をしました。

――勝ち越しとなるレイアップシュートを決めた時の感触は覚えていますか

 いや、その時はもう点数とかあまり気にしていなくて、本当に自分が攻めることしか考えてなかったです。レイアップもこのトーナメントずっと入ってなかったので、とにかくシュート入る入らないとか、試合が勝つ勝たないとかよりも、とにかくゴールに行くっていうことだけ考えていました。

――今度に向けての意気込みをお願いします

 リーグ戦まで時間があるので、その中でまずは個人のスキルアップとして1対1の面でもっとドライブで確実に点数取れるようにするっていうのと、コンタクトがどんどん激しくなっていくので、そこの強化もしていきたいなっていうのと、やっぱりスリーポイントも確率良くないとディフェンスが出てきてしまって自分の得意とするドライブに持っていけないので、いっぱいやることあるがありますが、1つずつ練習していきたいなと思います。

 

C福王伶奈(スポ2=愛知・桜花学園)

ーー今日の試合を全体的に振り返っていかがですか

 試合の序盤は拓大の勢いに押される場面が多かったですが、一緒に出ている先輩やベンチのみんながすごく前向きな言葉で盛り上げてくれました。その前向きな流れに自分も乗ることができ、いい結果を出せたと思います。

ーー第2Qをビハインドで終えて、第3Qで逆転しましたが、ハーフタイム中に話し合ったことや修正した点はありましたか

 そんなに実感はなかったですが、試合に出てる全員、そしてベンチにいる全員が、自分のできることを一生懸命に夢中になってやったからこそ、逆転できて勝ち切れたんだと思います。

ーー今日の試合を振り返ってみていかがですか。

 前半は積極的に攻めたりできたのですが、後半、点差と時間を考えるにつれて積極さがなくなって、ミスに繋がったりチームの士気が下がってしまいました。後半にどれだけ自分が頑張れるかが大事になってくると思うので、次の試合に向けまた練習して頑張りたいと思います。

ーーリバウンドを取る場面が多かった印象ですが、振り返っていかがですか

 数としてはチームで一番でなかったのは悔しいです。ただオフェンスリバウンドでも、自分の近くに落としてくれるような取りやすいボールにしてくれたり、ディフェンスではボックスアウトを頑張ってくれるなど、周りがサポートしてくれたおかげで、自分がリバウンドを取れたと思っています。また、リバウンド取るたびにベンチが盛り上がってくれるのが本当にうれしく、取ってよかったなと思いました。

ーー5位という結果でしたが、大会全体を振り返っていかがですか

 もっと上の順位を目指してやっていましたが、途中の試合で悪かった場面も多かったです。5位という結果に左右されるのではなく、それまでの過程で悪かったところを修正して、リーグや新人戦、プレーオフで生かしていけたらと思っています。

ーー最後に、今後の目標をお願いします

 今の先輩たちが本当に大好きなので、その大好きな先輩たちと、1試合でも多く笑顔でプレーできたらいいなと思っています。かわいがってくれている先輩たちに恩返しができるように頑張ります。