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対談最終回はG江村優有主将(スポ4=愛知・桜花学園)、F江頭璃梨副将(スポ4=宮崎・小林)、C中野雛菜(スポ4 =神奈川・東海大相模)の4年生トリオ。チームを引っ張ってきた三人に、今季と早稲田大学での4年間を振り返ってもらった。
※この取材は11月30日に行われたものです。
――まずお互いに他己紹介をお願いします
江頭 江村優有(スポ4=愛知・桜花学園)です。キャプテンです。圧倒的なプレーの上手さを持っているけど、ケガで今年一年はプレーできていなくて。でもキャプテンとしてずっとチームを支え続けてくれている存在で、声もずっとかけてくれているし、監督とも選手ともコミュニケーションを取ってくれたり、本当にチームになくてはならなかったなと感じる存在でした。性格は、意外とふざけるし、かまちょなところもあります。皆さんが持っている印象よりかははっちゃけたり面白いことをするキャラです。
江村 中野雛菜(スポ4=神奈川・東海大相模)です。何歳だっけ。2歳です(笑)。早稲田のビッグベイビーです。プレー面では、つなぎ役というか、体を張るプレーをしていて、特にリバウンドの部分が、雛菜のプレーの特徴だなと思います。誰よりもリバウンドに飛び込んだり、追ったりしてくれるのが、本当にチームのためになっているし、すごく重要な役割を担ってくれているなという感じです。また、自分ができないことや分からないことはすぐに聞いて、それを修正しようと一生懸命頑張る、すごく頑張り屋な子です。性格は、素直でまっすぐで、あと泣き虫ですね。
中野 今日は泣いてないよ(笑)。
江村 後輩の面倒見も良くて、たくさん後輩も寄ってくるし、でも同期とも仲が良いし、先輩からも可愛がられるし。チームの癒しキャラだと思います。
中野 江頭(璃梨、スポ4=宮崎・小林)さんです。りーたんて呼びます。チームの最初は同期みんなで頑張ろうという感じだったのですが、エム(江村)がケガをしてしまってみんな「どうしよう」ってなったときに、りーたんだけちゃんと動いてくれて、チームを引っ張って声出ししてくれたり、誰かがミスをしてチームの雰囲気が悪い時もりーたんが声掛けをしてくれたりしていました。この1年はエムのいない1年間で、エムも周りから声出してくれていたけど、コート内ではりーたんが本当に引っ張ってくれました。監督からすごく怒られる時もあって、自分もりーたんも頭ごちゃごちゃになることもありますが、そういった中でもりーたんは自分の得意なプレーをすごく頑張っていて、りーたんがいたから自分も頑張れた部分はすごくあります。性格は本当に自由です。B型って感じです。一人でも行動できるし、話している時も自分の世界に入っちゃって全然話聞いてくれない時もあるのですが、自分が一人になった時とか落ち込んでる時に近寄ってきて、「どうしたの」とか「元気ないじゃん」って話しかけてくれるので、そういうところもすごく大好きです。
――3人の関係性について教えてください
江村 めちゃくちゃ仲が良かったり、いつも一緒にいる、というわけではないです。ただバスケの話になると、チームのことを考えて話し合うという感じです。バスケ以外のことも普通に喋ったりはしますけど、やる時はやるって感じです。それ以外は3人とも自由人なので、自由に行動しています。
――お互いの第一印象はいかがでしたか
中野 (江村は)怖い。関わりづらい。日本一のキャプテンをやっていたから、何でもかんでもズバズバ言ってくるような、冷たい人間だと思っていました。
江村 らしいです(笑)。璃梨は、小学生の時から知っているし、試合をすることもあったので、第一印象というよりは、久しぶりというか。一緒のチームになったね、くらいです。
江頭 雛菜は大きいなこの子、と。高校には大きい子がいなかったから、でかいなこの子という感じでした。優有は一緒のチームでできることになるってすごいなと初めて会ったわけじゃなかったので、そういった感情でした。
――お互いに尊敬している部分を教えてください
中野 (江村は)ストイック。
江頭 とにかくバスケが好き。
中野 一生体育館にいる。
江頭 体育館にいない時も、ずっとバスケを見ているし、そこまで極めているところがすごいなと思います。知識量もすごいです。
江村 雛菜は、まっすぐなところです。とにかく一つのことに対して一生懸命に頑張るし、自分のことだけしか考えていないのではなく、人のために頑張ろうとするところも尊敬しています。あとは素直な子だなと思います。璃梨は、後輩からも慕われている存在だなと思います。後輩が落ち込んでいたり、悩んだりしていることがあったら、話したりしています。結構後輩から話しかけられているなと。璃梨は一人でいる時間が結構あるから、後輩も話しかけやすいのかなと思います。
――バスケを始めたきっかけを教えてください
江頭 兄がバスケに誘われて体験に行った時に、自分も行ってそのまま流れで始めました。
中野 私も姉がバスケをやっていて試合も見に行っていたんですが、バレーかバスケかどっちかやりなさいと言われて、じゃあお姉ちゃんやってるから私もバスケやってみる、という感じです。
江村 家族が全員バスケをやっていたので、もうバスケ、という感じでした。他のスポーツもやっていましたが、バスケのためにやっていたという感じです。
――今年チーム全体で目指してきたことを教えてください
江村 (プレー面は)相手にマッチアップで上回って勝つということを目標にやっていました。あとはプレッシャーをかけたディフェンスからの速攻や、一人一人のストロングポイントを生かしたオフェンスができるバスケットを目指していました。プレー以外の面では、感謝するというところ、バスケットを楽しむこと。それがあった上でチーム内からも、見ている人からも応援されるようなチームになることを目指してきました。
――今年1年を振り返っていかがですか
江頭 江村がケガでプレーができなくなってしまって、自分がチームを引っ張るポジションに立たないといけなかったので不安やプレッシャーはありました。ですが4年生を中心にいろいろな人に支えられて、落ち込んでしまったときにも気持ちを切り替えてやれた1年だったと思います。今までバスケをやってきた15年間の中でも苦しんだ1年間でしたが、ケガもなくいろいろな人に支えていただきました。その感謝の気持ちを込めて、最後のインカレでは自分のやってきたこと全てを出しきりたいと思います。
中野 江村が試合に出られなくなり、私も頑張らないといけないということを周りからも言われていました。ですが江村との連携を練習してきていたので、プレーで迷いが生じてしまうことが多かったです。それでも最後は笑って終わりたいと強く思っています。私のメンタルが弱くて沈んでしまっているときもみんなが支えてくれたので、今までみんなすごい助けてくれていたんだなと強く感じる1年間でした。
江村 去年のインカレ前からのケガから復帰して最後日本一になれるように頑張ろうというところでしたが、日本代表のオリンピック予選でケガをしてしまいました。今年1年はバスケができない大きなケガということで、キャプテン、エースとしてチームに迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちで一杯だし、大好きなバスケができないことが悔しいです。チームをプレーでは引っ張れませんが、中に入っていない分、外から見えることもあると思うので、その部分でチームに貢献できるようチームを引っ張っていけるようにやってきました。インカレも、このメンバーでできる最後のバスケのため、一緒にプレーしたい気持ちもありますが、キャプテンとしてチームをまとめて最高のものにできるように頑張りたいと思っています。
――それぞれが感じるチームの課題を教えてください
江頭 リバウンドのところが課題として残った印象です。1年生の福王(伶奈、スポ1=愛知・桜花学園)が入ってきてサイズ感は今までの早大よりアップしたと思いますが、留学生には負けてしまいますし、周りの選手も大きい選手が多いので、リバウンドが取れていれば勝てていたかもしれないと思う負け方が多かったです。また去年の早大は1対1のディフェンスもチームディフェンスも良かったと思いますが、今年は1線で抜かれてしまったり、そのヘルプがいなかったりしてしまったのでディフェンスも課題が残ってしまったと思います。
中野 福王も40分間フルで出場できる選手ではなく、他の選手が出た時にゴール下が弱くなるのは課題だと思います。オフェンスでもディフェンスでも1対1では高い技術を持っていると思いますが、ボール持っている人が単発で1対1になってしまったり、ピックへの守り方が良くなかったりしてしまうので、チームとしての攻めや守りをしていきたいと思います。
江村 ボールマンへのディフェンスで縦に抜かれることが多かったため、ヘルプディフェンスが課題だと思います。ポジショニングが悪かったり、オフボールスクリーンに対するコミュニケーションが足りないと思います。ボックスアウトの部分もシュートを撃たれた瞬間のコンタクトや、押し出す仕方、ボールを取りに行くタイミングも課題です。そもそもシュートを撃たれてもシュートを見てしまい、相手の飛び込みからセカンドチャンスを許してしまっています。あとは、留学生へのミスマッチが課題です。普通にビッグマン同士でマッチアップしてもミスマッチになってしまうし、オンボールスクリーンがあったときのミスマッチも簡単にやられてしまっているので、ミスマッチに対するポストディフェンスも課題だと思います。
オフェンスに関しては、行き当たりばったりのオフェンスになってしまい一人一人のストロングポイントで攻めることができていません。さらにみんながボールに寄ってしまい、中が狭くなってしまうことがありました。理想としては、相手のミスマッチで攻めるというのが1つ目です。あとはチームのシュート成功率が高い順に優先順位をつけて、そこを軸に合わせることです。それがバラバラになってしまっていたのですが、リーグ戦の最後の方ではそこが上手くいっていたと思います。インカレに向けてオフェンスもディフェンスも修正して合わせていきたいと思います。
――早大での4年間を振り返っていかがですか
江村 早大の女子バスケは監督に言われた通りに動くわけではなく、自分たちで考え、主体性を持ってプレーできることが良いところだと思います。そのため、1番良いものにするために自分たちで考えてプレーできたことはすごく良かったし、楽しかったです。
中野 私は無名校の出身で、高校までの最高の成績も関東大会まででした。それでも周りの選手は自分よりレベルの高い全国で戦っていた人たちだったので毎日練習を一緒にして、一緒に戦えたことが楽しかったです。4年間で色々と成長することができました。
江頭 中学や高校までは自分がチームの中で身長が大きい方だったので、結構下のポジションをすることが多かったです。ですが大学に入って大きな選手がいるのが当たり前の環境になると、上のポジションをするようになりました。今まではずっとドライブという持ち味しかなかったものが、ジャンプシュートの確率が上がってたり、誰かのドライブに対する合わせを増やすことができました。一緒にプレーするメンバーに合わせて自分のプレースタイルを広げるように努力してきた4年間だったと思います。
――引退後にやりたいことはありますか
江村 しっかりケガを治して復帰して、バスケをすること。それだけです。
江頭 遊びたい。という感じです。温泉行きたいです(笑)。
中野 バスケがなくなって使える時間を有効に使いたいです。「こういう時間の使い方もあるんだな」と思えるようにしていきたいです。
――早大のキーポイントだと思っている部分を教えてください
江村 まずはディフェンスです。先ほどの課題の部分をしっかり準備したいと思います。オフェンスもストロングポイントで攻めるといことです。まとめると、プレッシャーをかけたハードなディフェンスから、一人一人のストロングポイントを生かし、ベストなパフォーマンスを出し続けることです。
――インカレに向けての意気込みをお願いします
江頭 15年間やってきたバスケの最後の大会になるので、15年間の中で壁を越えて成長してきたことを見に来てくれる家族やチームメイト、指導してくれた先生方に見せたいです。みんなに支えられてやってきた自分の姿を思い切り出しきって、最後後悔なく笑顔で終わりたいと思います。
中野 みんなとやってきて良かった、楽しかったと思って終わりたいので、自分にできることを精一杯やりたいと思います。
江村 今年はプレーで表現することはできませんが、チームのキャプテンとしてみんなを引っ張っていきたいです。とりあえず声をかけることしかできないので、声をかけてみんなのことを引っ張っていきたいと思います。そして、チームとしても自分自身としても最高のものを作れるように頑張りたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 田中瑠花、長屋咲希、石澤直幸)
♦江村優有(えむら・ゆうあ) 写真中央
2002(平14)年12月4日生まれ。160センチ。愛知・桜花学園高出身。スポーツ科学部4年。オフの日は自然鑑賞をすることが多い江村選手。最近は文京区の肥後細川庭園を訪れたそうです!
♦中野雛菜(なかの・ひな) 写真左
2002(平14)年4月2日生まれ。181センチ。神奈川・東海大相模高出身。スポーツ科学部4年。カフェ巡りが趣味の中野選手が最近ハマっているのはクリームソーダ。「可愛くてアイスが2つ乗ってたら完璧」だそうです!
♦江頭璃梨(えがしら・りり) 写真右
2002(平14)年11月28日生まれ。171センチ。宮崎・小林高出身。スポーツ科学部4年。最近オフの日に外苑前の紅葉を見に行ったという江頭選手。同じ時間に江村選手も原宿にいたのだとか!