対談第1回はC福王伶奈(スポ1=愛知・桜花学園)とF松本加恋(スポ1=愛知・桜花学園)の1年生コンビ。高校時代からのチームメイトでもある二人に、ルーキーイヤーを振り返ってもらった。
※この取材は11月27日に行われたものです。
――お互いの他己紹介をお願いします
福王 松本さんはきれいな弧を描くスリーポイントが1番の長所だと思っています。また、シューターにしては身長が高いので、ディフェンスでも「それ届くの?」というボールをカットできるのもいいところだと思います。性格は生粋の末っ子気質で甘えん坊な子です。
松本 福王さんは身長が高いので留学生相手に身体を張ってチームの柱になってくれます。オフェンスでもゴール下でシュートを決めたり、リバウンドを取ってくれたりしているのでチームメイトとしてとても心強いです。
――2人の関係性について教えてください
松本 もともとそんなに仲が良かったわけではないのですが、高校3年生になって一緒にプレーする時間が長くなり、大学も一緒ということでいろいろ話すようになりました。
福王 多分が合わなくてお互い我慢してたり、めちゃくちゃムカついてしまう時もあるのですが、すぐに仲直りしてしまうような関係性です。
――お互いの第一印象はどうでしたか
松本 福王さんは昔から身長が高くてテレビに出たり、いろいろな大会で活躍したりしていて知ってはいたのですが、いざ会ってみると「デカっ」と思いました。
福王 桜花学園入学が決まったとき、他にも仲良かった友達と一緒に、松本さんの部屋で当時はやっていた「Make you happy」を4人で踊ったことが最初の記憶です。第一印象は、「めっちゃ顔かわいいやん」と思いました(笑)。
――お互いに尊敬している部分はありますか
福王 バスケの面ではスリーポイントがすごいと思います。自分はセンターのためあまりスリーポイントを撃たないのですが、撃たないからこそ憧れというものはあります。性格としては社交性の面です。友達がとても多いので、松本さんみたいになりたいと思いつつ、なれないなと感じています。
松本 プレーはゴール下で身体を張ってくれて、自分にはできないセンタープレーや留学生とマッチアップして止めるところは本当に尊敬しています。ケガも多いのですが、チームのために自分の身体を犠牲にしても勝利に貢献してくれるところは尊敬しています。性格は・・・
福王 話せるところないでしょ(笑)。
――バスケを始めたきっかけを教えてください
松本 母親がバスケを昔やっており、自分が小学校1年生の時に母に誘われて体験に行きました。そのときはやらないと言ったのですが、学校の友達が「私バスケやりたいんだよね」と言ってくれて、一緒にやろうと思い始めました。
福王 今まで言ったら怒られるから言ったことないのですが、親に無理やり始めさせられて、「辞めたい」と泣きながら懇願したにもかかわらず、気づいたらここまでやってきました。
――高校と大学で違いを感じるところはありますか?
福王 高校までは20分もプレータイムを貰えたら長いと感じていたのですが、大学に入るとたくさんプレータイムを貰えています。毎試合大変だと思いながら終わってみると、「こんなに試合に出ていたんだ」と感じる機会が多かったため、そこが1番の違いだと思います。
松本 逆に自分は高校時代に1試合フル出場するようなことがあったのですが、大学に入ると試合に出る時間は10分とか多くて15分になりました。そのため、短いプレータイムでも良いプレーを残せるようにしています。
対談中の松本
――優勝を果たした新人戦を振り返っていかがですか
松本 自分は高校3年生の時のケガから復帰できず、ただ試合を見ているだけでした。同期や先輩が頑張ってくれて優勝できた嬉しさもある反面、試合に出れていない悔しさもあります。
福王 私は春のトーナメントでねんざしてしまって、新人戦がデビュー戦のようなかたちでした。1年生と2年生で試合をする中で、2年生と打ち解けられるようになったと思います。私は高校と大学で性格やプレーが変わったと思っているのですが、新人戦をきっかけに変われたと思っています。高校の時は立場が弱かったため思っていることがあっても言えなかったのですが、今は先輩方と打ち解けられたからこそ自分の意見を話せる環境です。
――リーグ戦を振り返っていかがでしたか
松本 やっと先輩と一緒にプレーできるというところでしたが、ケガから復帰したばかりで思うように身体が動かなかったり、足がついていかないことが多かったです。ですがコーチや先輩が「シューターとして自信を持ってシュートを撃って良い」ということを言ってくれていたので、決めきれたことは自分にとって良い思い出です。
福王 1巡目の出だしに肩を外してしまい、1巡目の終わりには肉離れをしてしまいました。コーチや先輩の皆様には多大なるご迷惑をおかけしたと思います。そのときはケガを悪化させないかつ、最高のパフォーマンスを求められていたので難しかったです。また、2巡もするリーグ戦に慣れておらず、終盤は失速してしまい個人としては悔しさが残りますが、最後日体大さんにギリギリで勝てたのは結果として良かったと思います。
――今年1番印象に残っている試合を教えてください
福王 2試合あります。1つ目は新人戦の決勝です。バスケを初めて13年目になるのですが、自分が出ていた試合が全国優勝をしたことは2回のみで、中学生3年生の時の最後の大会と、この新人戦でした。去年北海道のインハイで大差で負けてしまったため、北海道に嫌なイメージはあったのですが、全てを出し切った思いで心から涙が溢れました。 2つ目は東京医保大との試合です。延長戦までもつれこみながら、失速して負けてしまったことが悔しかったです。
松本 リーグ最終戦の日体大戦です。最後の試合で勝ちきれたこともそうなのですが、大事な場面で2本連続のスリーを決められたことが印象的です。
――特にお世話になっている先輩はどなたですか
松本 私はF市浦花(教3=東京・早実)さんです。自分が入学してから一緒にリハビリをすることが多く、同じケガだったため一緒に頑張ろうと色々話していました。私が復帰したときも声をかけてくれたり、そういうところでお世話になっていると思います。
福王 大雑把になってしまうのですが、一緒に試合に出る先輩方は特にお世話になっています。今までやってこなかった早大のスタイルに慣れるのが難しかったのですが、入学した時から助けていただきました。それと自分はケガが多いのでトレーナの方には大変お世話になっています。トレーナーの先輩方が卒業するまでは無事に駆け抜けたいと思います。
対談中の福王
――今年1番成長したところを教えてください
福王 リバウンドは成長できたと思います。私以外は身長の低いプレイヤーが多いので、今は自分がリバウンドを取らないといけないという意識がとても強いです。1試合2ケタはリバウンドを取りたいと目標を掲げています。
松本 成長したというよりは、去年1年プレーできていなかったものがやっと戻ってきたというイメージです。まだまだこれからだと思います。
――インカレで注目して欲しいポイントはありますが
福王 今年の目標であるリバウンドです。今年はオフェンスリバウンドを多く取れているので、積極的に飛び込むところを見て欲しいです。加えて、相手の留学生を抑えるのが私の使命だと思っているので、ディフェンスも注目して欲しいです。選手紹介があるかは分からないですが、あればいつも決めポーズをしているので、そこも見て欲しいです。
松本 スリーポイントに注目して欲しいです。シューターなので、チャンスがあったときには撃ちきることを大事にしたいです。
――早大のキーポイントと思っている部分を教えてください
松本 リバウンドをどれだけ取れるかだと思います。留学生のいるチームと初戦から対戦するので、止められたらアドバンテージだと思います。周りの選手ももちろん大切なのですがやはり福王が1番の軸だと思うので、頑張って欲しいなと思います。
福王 2年生のF衣川璃来(スポ2=埼玉栄)さんや、F菊地実蘭(スポ2=愛知・桜花学園)さんが「お醤油取ってきて」くらいのテンションで点を取ってきてくれるので、まずそこがいつも通り点をたくさん取ってきてくれること。一方で、点が入らなくなってしまった瞬間にディフェンスがガタついてしまうので、流れが悪いときにどれだけ守りきれるかが重要だと思います。
――インカレへの意気込みをお願いします
松本 プレータイムをどれだけ貰えるかは分かりませんが、試合に出たときには出れていない先輩や同期の分まで頑張っていきたいです。4年生とプレーできる最後の試合になると思うので、少しでも多くプレーできるように1試合1試合勝ち上がりたいと思います。
福王 去年から「感謝して生きる」ということを心に留めているので会場にいるお客さん全員に感謝してプレーしたいです。また、ルーキーイヤー最後の大会ということで、今年は色々やらかしもありましたが、終わり良ければ全て良しということでしっかり締めくくりたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 石澤直幸、田中瑠花)
♦福王伶奈(ふくおう・れいな)写真左
2005年(平17)8月11日生まれ。193センチ。愛知・桜花学園出身。スポーツ科学部1年生。以前から小説家の夢を語る福王選手。最近は編み物にハマっており、先輩にニット帽をプレゼントしたそうです!
♦松本加恋(まつもと・かれん)写真右
2006年(平18)3月19日生まれ。177センチ。愛知・桜花学園出身。スポーツ科学部1年生。前十字靭帯損傷などの大ケガから今シーズン復帰した松本選手。福王選手が「決まりだしたら止まらない」と称するスリーポイントに注目です!