春季ジュニアオープン戦 6月16日 対帝京大C 早大・上井草グラウンド
雨上がりの蒸し暑さを感じる中、早大・上井草グラウンドにて早大Cは帝京大Cとの一戦に臨んだ。優勝をかけた関東大学春季大会・最終節の前哨戦として行われたこの一戦。白星をあげ、良い流れでAチームにバトンを渡したい早大Cだったが、自身のミスからの失点が続き、得点をあげられないまま前半を折り返してしまう。なんとしても追い上げたい後半、開始早々から失点を許すも、フレッシュなメンバーの勢いで持ち直し3トライを挙げる。しかし前半の点数差が響き、追い上げは叶わず21ー64で今季初の黒星を喫した。
早大Cのキックオフで始まった今節。試合開始直後から自陣でのプレーが続く展開に。フィジカルを武器とする帝京大に対し、今季力を入れてきたディフェンスの成果を見せる。NO・8岡村圭悟(スポ4=東京・本郷)のタックルでノックオンを誘うなど得点を許さない。しかし10分、途切れないアタックに対応しきれず生まれたディフェンスの穴を正確に突かれ、先制トライを奪われてしまう。21分には、ハーフライン付近でのマイボールスクラムを起点に攻撃を仕掛けるもボールをこぼしてしまうと、そのボールを拾われ追加点を献上。その後も2連続でトライを許し、このまま帝京大ペースの試合展開になるかと思われたが、33分早大に反撃の機会が生まれる。LO鈴木大和(国2=東京・早実)のビッグゲインで一気に敵陣22メートルラインまで前進。左に展開しようとするが、ボールが手に付かず攻撃が途切れてしまう。アタックチャンスを生かしきれないまま前半終了間際のトライで突き放され、0ー31で前半を折り返した。
なんとしても得点をあげたい後半だが、開始早々から3連続で失点。ここで流れを変えたい早大は怒涛の選手交代を行う。すると18分、敵陣深くでアドバンテージを獲得後、クイックスタートを切りテンポ良く左へ展開。LO折戸健介(法4=東京・早実)、CTB田尻遥也(文4=埼玉・早大本庄)、SO池山昂佑(商2=東京・早実)へとつなぎ、最後はCTB平野仁(スポ1=神奈川・法政二)がインゴールへ飛び込んだ。33分にスクラムトライを許すも、直後にFB山下恵士朗(スポ1=早稲田佐賀)の30メートル近い圧巻のランを見せるとグラウンドを大きく使って展開し徐々にラインを押し上げる。ゴール前でラインアウトモールを形成し、そこから持ち出したボールを受けたCTB田尻がグラウンディング。さらに41分、自陣でのスクラムからCTB田尻の力強いキャリーでゲインラインをこじ開けると、確実に前進し最後はPR前田麟太朗(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がインゴール右隅にねじ込んだ。流れを掴んだと思われた早大Cだったが、試合終了間際にトライを許し21-64で無念のノーサイドとなった。
「スクラムやモールなど練習でやってきたことを出せた」と岡村が話すように、今季強化してきたセットプレーやディフェンスなどで十分な成果を見せていた早大C。試合結果は芳しくなかったが、今節を経てミスからの失点、アタックチャンスでのボールロストなど細かい部分に課題を見つけた。この試合は赤黒を目指す選手たちにとって自身を成長させる機会となることだろう。2ヶ月後に控えた再戦でどのような姿を見せてくれるのか期待が高まる。
(記事 清水浬央、写真 戸祭華子、大林祐太)
コメント
NO・8岡村圭悟(スポ4=東京・本郷)ゲームキャプテン
――今試合のチームとしてのテーマを教えてください
チームで立てた『Beat Up』を体現することをテーマにしていました。
――その達成度はいかがですか
FWに関して言えば、スクラムやモールなど練習でやってきたことを出せたのではないかと思います。しかしブレイクダウンの精度など細かい部分にこだわりきれなかった事が負けに繋がったのかなと思います。
――FW全体のディフェンスを振り返っていかがですか
フェーズ中ではみんなよく身体を当てていましたし、スクラム、モールも崩されることなく組めて戦えていたというのは大きな収穫だと思います。課題に関しては先程も言ったように、細かい部分がまだまだなので練習からこだわっていきたいです。
――メンバー交代も多かったですが、前後半なにか変えたことはありますか
チームとしてやるべきことを代わったメンバーを含めて全員で共有していたので、なにか方針を変えたりということはなかったです。
――今後の意気込みをお願いします
1つでも上のカテゴリーに上がって、夏にある帝京大戦ではAチームで出場できるように頑張りたいです。
HO真田稜大(教3=東京・早実)
――今日の個人的なテーマを教えてください
個人的なテーマはブレイクダウンバトルでした。
――その達成度はいかがでしたか
ジャッカルチャンスはいくつかあって、その中で多少相手の攻撃を遅らせることができても、ボールを取り切るところまでできなかったので、そこは達成できてないです。
――セットプレーを振り返っていかがですか
スクラムに関して言えば、前半上手い距離感で組めていましたが、一本スクラムトライを取られてしまって、そこはこの先絶対に取られないようにしようと思いました。ラインアウトはサインチョイスが良くて、そこに上手く投げられたかなと思います。
――ディフェンスを振り返っていかがですか
セットプレーからのディフェンスやストラクチャーのある場面では守れてるので、アンストラクチャーとか個人の判断が着いてくる時のディフェンスで抜かれる場面があったので、チームとして横とコミュニケーションをとって守るスキルが必要になると感じました。
――今後の意気込みをお願いします
春全勝という目標を掲げていて、それが今日途切れてしまったので、ここからは一回も負けることなく『BeatUp 』していきます。
SH渡邊晃樹(スポ1=神奈川・桐蔭学園)
――個人のテーマとその達成度を教えてください
帝京大はラック周りやブレイクダウンでのプレッシャーが強いと分かっていたので、実際にそのプレッシャーがどうなのかを見るために前を見ることをテーマにしていたのですが、それはできたかなと思います。ただ、プレッシャーを受けてパスが乱れる場面もあったのでそれは課題だと思います。
――チームのアタック面を振り返ってはいかがですか
自分たちのミスで終わってしまうことが多くあまりアタックする時間もなかったのですが、今回は順目、順目に行き過ぎたなと思います。順目、順目だと相手もディフェンスがしやすく、さらにプレッシャーを受けてしまったのですが、もう少し順目だけではなくて逆サイドを使うなどできれば良かったなと思います。
――改めて試合を振り返ってみて、課題と成果には何が挙げられますか
今日首脳陣からスクラムが勝っているのにすぐに球を出しちゃうところがあったと指摘を受けたので、大学に入ってスクラムを押す制限がなくなって今まで以上にスクラムが大事になってきたからこそ、ちゃんと慣れていけるように頑張りたいです。
――最後に今後の意気込みをお願いします
SHは4年生など本当に上手い先輩が多いので、そういう先輩たちとコミュニケーションをたくさん取りながら良いところを学んで、もっと自分が成長できるようにしていきたいです。
CTB田尻遥也(文4=埼玉・早大本庄)
――今試合の個人のテーマを教えてください
『間合い』をテーマに臨みました。帝京大はアタックでもディフェンスでも前に出てくるチームなので、自分の間合いを作ってからプレーするということを意識していました。
――トライもありましたが、個人のプレーを振り返っていかがですか
アタックではキャリーなど上手くいったところもあったのですが、細かいところにまだまだ課題が残るかなと思います。ディフェンスに関してはバインドが甘かったシーンがあるので、そこが改善点だと思います。
――BKのディフェンスを振り返っていかがですか
BK全体ではコミュニケーションが上手く取れていなかったので、練習から意識していきたいです。
――今後の意気込みをお願いします
アタックでもディフェンスでもしっかり自分の中でテーマを決めて、それを全力で取り組んでいきたいです。
メンバー