秋季関東学生リーグ戦 ９月９日 東京・港区スポーツセンター
全日本大学総合選手権・団体の部（インカレ）から約１カ月が経ち、ついに秋季関東学生リーグ戦（秋季リーグ戦）が開幕。春季関東学生リーグ戦（春季リーグ戦）で５位に終わった早大は、優勝を目指して秋季リーグ戦に挑む。リーグ初日、大事な開幕戦は春４位の法大、続く２試合目は名門・明大と対戦した。積極的な攻撃で圧倒すると、春のリベンジを果たし、法大に４ー１で勝利。勢いに乗った早大は櫻井大地（スポ１＝北海道留萌）のリーグ初勝利もあり、４ー１で明大から見事７年ぶりの白星を挙げた。
優勝の行方を占う大事な開幕戦、戦いの火蓋を切ったのはエース・濵田一輝副将（スポ３＝愛知・愛工大名電）。５本のサービスエースを決めて幸先良く第１ゲームを先取すると、卓越した技術で相手を手玉に取り、ストレート勝ちを収める。勢いそのままに２番手・磯村拓夢（社２＝福岡・希望が丘）も第１ゲームを11ー３で圧倒するが、法大のエース・加藤翔（３年）が本領発揮。得意の打ち合いに持ち込まれると、流れは傾き、１ー３でエースの意地を見せつけられた。
バックドライブを放つ濵田一副将
１ー１で迎えた第３ゲーム、３番手の濵田尚人（社１＝高知小津）が法大に主導権を渡さない。持ち味の超攻撃的な卓球で流れを手繰り寄せ、気迫のフォアハンドを打ち抜く。終始相手を寄せつけず、ストレート勝ちを収めると、続く濵田一・徳田幹太（スポ２＝山口・野田学園）組が息の合ったプレーで相手ペアを翻弄（ほんろう）。１ゲームこそ奪われるものの、最後はデュースに及ぶ熱戦を濵田のレシーブエースで勝ち取り、３ー１で法大に王手をかける。
最後にバトンを託されたのは５番手・徳田。春季リーグ戦では敗れ、インカレでは見事リベンジを果たし、１勝１敗で法大・佐藤卓斗（１年）との勝ち越しをかけた一戦を迎える。誰もが固唾をのんで見守る中、徳田は「最初から最後まで振り切ってできた」と圧巻の卓球を披露。YG、バックサーブで的を絞らせず、浮いた球を逃さない。最後はバックハンドで得点を決めて３ー１で試合を締め、早大は４ー１で法大に完勝を収めた。
リーグ戦初勝利を飾った櫻井
第２戦目は優勝候補の一角である明大との対決。春季リーグ戦で敗北を喫している相手だが、秋季優勝を目指す早大にとって負けられない相手だ。１番シングルスは濵田一が務めた。序盤は明大のサウスポー、芝拓人選手（１年）の攻略に苦戦し、第１ゲームを落とす。それでも第２セット以降は自らのペースに持ち込み、３－１で見事勝利。早大のエースとしての存在感を見せつけた。
続く２番シングルスに磯村が敗北し、１―１で迎えた第３シングルス、早大は櫻井を起用した。「自分のプレーをすることを意識した」との試合後のコメント通り、序盤から得意とする回り込みのフォアハンドなど積極的な攻撃が冴え、２ゲームを連続して奪取した。第３セットは苦しい展開が続き、このセットを落とすが、それでも第４セットを６－７からの４ポイントの連取もあり見事１１－８で勝利。うれしいリーグ戦初白星を挙げた。
明大・飯村との同級生対決を制した徳田
この勝利で勢いづいた早大は続くダブルスでは濵田・徳田ペアが２度のデュース戦を競り勝ち、ゲームカウント３－１で勝利をつかむと、迎えた５番シングルスは早大・徳田と明大・飯村悠太（２年）、野田学園の同期対決となった。「戦うからには絶対に負けられない」との徳田の言葉通り、試合はフルゲームまでもつれ込む熱戦に。第１ゲームを競り落とすも、第２ゲームでは得意のバックドライブを武器にゲームを奪い返す。しかしデュース戦となった第３ゲーム、10－10から徳田の痛恨のサービスミスがありこのゲームを落とし後がなくなった。それでも集中力を切らさなかった徳田は、第４、第５ゲームを連取し、ゲームカウント３－２で見事勝利し、早大の勝利を決めた。
（記事・写真 関端健斗、丸山勝央）
結果
| 秋季関東学生リーグ第１戦 | ||
| 早大 | ○４ー１ | 法大 |
| 濵田一 | ○３ー０ | 山本 |
| 磯村 | ●１ー３ | 加藤 |
| 濵田尚 | ○３ー１ | 内田 |
| 濵田一・徳田 | ○３ー１ | 佐藤・岩井田 |
| 徳田 | ○３ー１ | 佐藤 |
| 荒井 | 岩永 | |
| 櫻井 | 原田 | |
| 秋季関東学生リーグ第２戦 | ||
| 早大 | ○４ー１ | 明大 |
| 濵田一 | ○３ー１ | 芝 |
| 磯村 | ●０ー３ | 松田 |
| 櫻井 | ○３ー１ | 手塚 |
| 濵田一・徳田 | ○３ー１ | 木方・飯村 |
| 徳田 | ○３ー２ | 飯村 |
| 濵田尚 | 木方 | |
| 荒井 | 浅見 | |
コメント
徳田幹太（スポ２＝山口・野田学園）
ーー法大戦、ダブルスの佐藤・岩井田ペアとの試合について
リーグ戦始まっての第１試合ということですごく体の状態が良くな く、固かったですけど、なんとか耐えて耐えて勝ったという試合でした。
ーー４セット目は
全体を通して本当に良くなかったです。基本濵田一さんに助けてもらったっていう試合だったので、あまり良いとは言えない試合でした。
ーーシングルスの佐藤戦について
ダブルス戦で身体が固かったのでもう振り切って、開き直ってやり切るということで、最初から最後まで振り切ってできたのが良かったと思います。
ーー４ゲーム目を任されて特別意識したことは
佐藤さんとは春リーグもインカレも当たっていて、今１勝１敗という状態で、当たるのを想定して、すごく対策していたので、それがしっかりとハマって勝利できたのだと思います。
ーー明大戦のダブルスを振り返って
木方、飯村はどちらも野田学園高校の出身で、同じライバルとして戦ってきた選手だったので、手の内はお互いよく知っていたので、やりづらい面はあったんですけど、そこは割り切って、しっかり集中して出来たのが良かったのかなと思います。
ーーシングルスの飯村戦について
まずは中高６年間、仲間としてライバルとして戦ってきたチームメートとこういった場所で当たれるっていうことはすごく幸せな状態だったなということは思いました。そして戦うからには絶対に負けないという気持ちでできたのがすごく良かったと思います。
ーー３セット目をデュースの末惜敗、どのように切り替えを
あのセット取られたのはすごく痛かったんですけど、試合を見てくれていたみんなもいいプレーしてるよと言ってくれて、あのセットを忘れることができたので、その後クリアな状態でずっと攻めきることができたので良かったです。
ーー明日に向けて
明日は日大、専大と優勝候補の２つと当たるので、絶対に苦しい試合にはなると思うんですけど、そこを勝てれば優勝も見えてくると思うので、また、明日に向けて今日はしっかり休んでしっかり準備していこうと思います。
櫻井大地（スポ１＝北海道留萌）
ーーリーグ戦初勝利した今のお気持ちをお聞かせください
自分の中ではあんまり実感がなくて、とにかくチームのために勝ちたい思いが強かったです。明治に７、８年勝ってなかったので、 強敵・明治を倒すことに貢献できたっていうのはめちゃくちゃうれしいです。
ーーどういったことを意識してプレーしていましたか
自分のプレーをすることを意識していて、自分の得意な回り込みのフォアハンドを打つことを意識していました。試合に入る前から相手のレシーブミスとか、どんな１点で絶対声出してベンチを盛り上げることを最初からずっと決めていたので、それが良かったかなと思います。
ーーチームとして明大戦を振り返っていかがですか
春リーグに負けた人たちがみんな今回リベンジして、春とは違ってさらにチームが一つになって全員で勝ちにいっているっていう感覚がありました。
ーー明日に向けて意気込みをお願いします
明日の２戦もやっぱり明治と同じぐらい強敵で、春リーグの１位２位なので、今日のような全力で向かっていく気持ちでチームを勢いづかせられるように頑張りたいと思います。