早慶戦で男女優勝 男子団体は通算71勝目飾る

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第77回早慶対抗定期戦 7月13日 早大戸山キャンパス36号館第2体育館

 7月13日、体操の第77回早慶対抗定期戦(早慶戦)が行われた。会場は毎年早慶入れ替わりで予定されており、今年度は早大での開催となった。女子団体では慶大に10点弱の差をつけて快勝。男子団体も慶大に勝ち切り、通算71勝目を飾った。

賞状を受け取る田村七紗(先理4=東京・錦城)

 両校主将によるペナント交換、選手宣誓が行われた後、女子団体競技が始まった。これまで女子部員の数がそろわず行われてこなかった女子団体競技だが、今年は両校共に人数がそろい、久々の復活となった。早大勢では最初で最後の団体競技となった田村が全種目を制覇し、有終の美を飾った。また犬養愛瑠(国教2=香港国際学校)も全種目で入賞。自身初出場となる全日本インカレを控える篠原理紗(スポ2=広島・ノートルダム清心)は、段違い平行棒と平均台に出場した。大会初出場となった須藤朋香(創理1=千葉・県船橋)はゆかに出場。アップテンポな曲に合わせ、観客が自然と笑顔になるような、はきはきとした演技を披露した。

笑顔でゆかの演技を行う須藤

 会場練習を挟み、試合は男子団体競技へ移った。女子では早大、慶大共に同じローテーションで行われたが、男子は早大がゆかから、慶大が跳馬からのスタートとなった。また例年では多くの選手が出場する男子団体競技だが、別の大会に出場している選手がいる影響で、早大は向中野蓮主将(スポ4=千葉・市船橋)、山口陽亮(スポ4=福井・鯖江)、土屋遼佑(スポ3=埼玉栄)、大島凱(スポ1=栃木・作新学院)、前田竜輝(スポ1=三重・暁)の5人のみでの出場となった。

つり輪の演技をする前田

 中でも向中野、山口、土屋は全種目に出場。向中野は得意のあん馬で貫録を見せつけ、今大会最高得点である14.85点を記録した。山口はあん馬、つり輪、平行棒でトップバッターを務め、完成度の高い演技で各種目の流れをつくると、正確な実施に定評のある土屋はつり輪で1位を獲得した。1年生で初の早慶戦となった大島はあん馬、前田はゆか、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の5種目に出場し、堂々とした演技で早慶戦を盛り上げた。

 両校ともに終始温かい声を掛け合いながら、真剣に競技が行われたこの日。早大は男女どちらも慶大に勝利し、8月下旬に控える全日本学生選手権(全日本インカレ)へ弾みをつける結果となった。チーム力が光る今年の早大から、まだまだ目が離せない。

(記事 荒井結月、写真 田中瑠花)

結果(丸数字は順位)

女子団体
選手名 跳馬 段違い平行棒 平均台 ゆか 合計点 順位

田村七紗

11.75①

8.00① 10.75① 10.90① 41.40 1位
犬養愛瑠 11.45② 7.45② 9.70③ 10.15② 38.75 2位
篠原理紗 6.85 9.25 16.10
須藤朋香 7.55 7.55
団体総合(上位2人合計) 23.20 15.45 20.45 21.05 80.15 1位

 

男子団体
選手名 ゆか あん馬 つり輪 跳馬 平行棒 鉄棒 合計点 順位
向中野蓮主将 12.55 14.85① 11.90 13.10 13.10① 13.55① 79.05 1位
山口陽亮 12.90③ 12.95 12.15③ 13.15 13.00② 12.80③ 76.95 2位
土屋遼佑 12.80 13.45② 12.55① 13.60③ 11.90 12.60 76.90 3位
大島凱 12.90 12.90
前田竜輝 11.45 10.95 12.40 12.75 12.25 59.80
団体総合(上位3人合計) 38.25 41.25 36.60 39.85 38.85 38.95 233.75 1位

 

選手コメント

向中野蓮主将(スポ4=千葉・市船橋)

――きょう最も良かった演技は何ですか

 あん馬の演技です。元々得意ではありますが、いつも以上の演技ができて、高い点数を取ることができました。

――いつも以上の演技ができた要因は何だと思いますか

 最近は失敗しないことにこだわってやってきていたからだと思います。全日本インカレを見越してというのもありますし、今年の早慶戦は勝てるか怪しいという見立てだったので、それに向けても練習を重ねていました。

――チーム全体として良かった点は何ですか

 ミスがほとんど出なかった点ですね。普段はミスがポロポロと出てしまうものですが、今日はこれといったミスが1、2個程しか出なかったので、チームとして良い雰囲気でしたし、まとまってできたと思います。

――個人としてだけでなく、チームとしても練習から失敗しないように意識していたのでしょうか

 そうですね。今日は4人演技してうち3人の点数が入るので、1人はミスできても2人目からはできないということもあって、そこを一番意識していました。

――最後に全日本インカレに向けた抱負をお願いします

 今日のようなミスをしないチーム戦を目指して、自分たちが取れる最大限の点数を取りにいきたいです。順位ではなく、点数にこだわってチームでやっていきたいと思っています。

 

田村七紗(先理4=東京・錦城)

――大学入学以降、初めての団体戦を終えていかがですか

 最初で最後の団体戦で、今までずっと個人で出てきたので、最後にチームで成功した時とかにハイタッチとかで喜び合ったり、応援し合ったりというのがすごく楽しかったです。

――過去最高人数の後輩。練習中もこれまでとは違った雰囲気でしたか

 そうですね。今まではずっと一人でやってきたので、自分のことを多くやっていたのですが、今年になってからはたくさん(後輩が)増えたので、後輩がどういう技をやりたいか聞きながらアドバイスしたり、一緒にゆかの振りを考えたり。練習でもたくさん関わることができているのでうれしいです。

――きょう最も心に残っている演技は何ですか

 個人的には全種目大過失なくできた点が一番良かったです。特にゆかのダブルは今までで一番いい実施ができたので、良かったなと思います。チーム全体としても大きなミスがなく演技できたというのがすごく良かったです。

――全日本インカレへの抱負をお願いします

 これで競技生活も最後になるので、自分のやりたい技をしっかり入れて、ミスのない演技で。今までいろいろな人に支えてもらってきているので、感謝の気持ちを伝えられるように頑張ります。