春季関東学生リーグ戦 5月25日 東京・代々木第二体育館
春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)、最終節となる筑波大戦が代々木第二体育館で行われた。女子は24日に試合がなかったため、2週間ぶりのリーグ戦となる。この試合での勝敗によって、早大の順位が4位から6位まで変動することになるため、絶対に勝ちたい一戦だ。早大は1番手の杉田陽南主将(スポ4=大阪・香ヶ丘リベルテ)がエース対決に敗れたものの、2番手の宮脇心和子(社3=鳥取敬愛)がフルゲームで勝利を収め、試合を振り出しに戻す。その後は一進一退の攻防が続き、勝敗の行方は7戦目に委ねられた。東洋大戦同様、7番手には顧琳婧(スポ4=愛知・桜丘)が登場。ゲームカウント3-0で見事勝利を収めた。これにより、早大は筑波大に勝利し、昨年の秋季リーグ戦から1つ順位を上げ、4位で春季リーグ戦を終えた。
顧の得点を喜ぶベンチ
ここまで全試合で1番手として出場している杉田主将は今回も1番手として出場。バックハンドのミスが目立ち、初めの2ゲームを落とすが、3ゲーム目は粘りを見せ11-8で奪う。しかし、本来の調子を出しきれず4ゲーム目は5-11で敗れ、黒星スタートとなった。2番手の宮脇は1ゲーム目を相手に先取されるが、2ゲーム目は終盤に連続サービスエースなどで得点を重ね、取り返す。その後は交互にゲームを取り合い、迎えた第5ゲーム。ポイント5-4から5連続得点でゲームポイントを獲得すると、勢いそのままに11-6で勝利した。午前中に試合を終えた男子部員を含めた多くの声援が会場に響き、宮脇を後押しした。3試合目には、ここまで4試合中3勝と、好調の福岡乃愛副将(スポ4=兵庫・三田学園)が起用された。序盤から危なげない試合展開で、2ゲームを連取。3ゲーム目は、スマッシュミスから調子を崩したものの、第4ゲームは9連続得点で逆転勝利を収め、ダブルスへいい形でつなげた。4試合目のダブルスはここまで全試合に出場している、杉田・司千莉(スポ1=大阪・香ヶ丘リベルテ)ペア。強打を得意とする相手ペアにラリーで競り負け、ストレート負けを喫した。杉田・司ペアは結成されて間もないペアであるものの、春季リーグ戦では2勝4敗と課題の残る結果となった。
2試合目、フルゲームの末勝ち点を獲得した宮脇
5番手には深谷和花(スポ3=愛知みずほ大瑞穂)が出場。「今まで一勝もしていないので、思い切って最後いい試合しようという気持ちで試合をした」という深谷はダブルスにも出場した牧野里菜(筑波大)と対戦。先月の関東学生新人選手権でも優勝している強敵相手に、2ゲームを僅差で先取されるが、第3ゲームは粘り強いカットで相手のミスを誘い、11-3で奪い返す。第4ゲームは8-11で敗れ、試合には負けてしまったものの、今までで1番いい試合ができた、と振り返った。しかしこれで後がなくなった早大。6番手の司と7番手の顧の試合は、規定のため2台進行で行われた。先に試合が始まった司は、第1ゲームは強打のミスが目立ち、4-11で落とす。これまで行われていた所沢市民体育館とは会場が変わり、球の飛び方が慣れなかったという。しかし、第2ゲームから徐々に本来の調子を取り戻し、3ゲームを連取して見事勝利をつかんだ。チームの勝敗がかかった第7試合、序盤から顧のフォアハンドがさく裂し、優位にゲームを進める。ゲームカウント2-0で迎えた第3ゲーム、顧のゲームポイントから同点に追いつかれ、デュースに。しかし落ち着いて、点を重ね、ゲームカウント3-0で勝利した。試合が終わると観客からは大きな拍手が。選手、監督、コーチも笑顔で勝利を喜んだ。
5試合目、バックカットをする深谷。「今までで1番いい試合ができた」と振り返った
筑波大との直接対決で勝利したため、早大は最終順位4位で春季リーグ戦を終えた。今季ははじめの4カードで連敗し、厳しいスタートを切ったものの、そこから東洋大戦、筑波大戦で2連勝。途中で気持ちを切らすことなく、最後まで明るい雰囲気で戦い抜いたことが、連勝につながったのだろう。次は関東学生選手権。個人戦となるが、春季リーグ戦の期間を通して見つけた課題を各々が生かし、一つでも多く勝ち上がってほしい。
(記事 梶谷里桜、写真 三浦祐亮)
※掲載が遅くなり、申し訳ございません
結果
▽女子 第6試合 対筑波大 ◯4-3
⚫杉田1-3青井
◯宮脇3-2上澤
◯福岡3-1梅木
⚫杉田・司組0-3青井・牧野組
⚫深谷1-3牧野
◯司3-1中田
◯顧3-0伊瀬
コメント
宮脇心和子(社3=鳥取敬愛)
――リーグ戦全体を振り返っていかがですか
初めの方は自分がここを勝たないといけないというところで負けてしまったんですが、チームの雰囲気とかはすごく良くて、最後2試合で引き上げることができたので、みんなに感謝です。
――今年のチームはどんなチームですか
みんな明るくて、面白い人ばかりなので、応援の時とかも明るい雰囲気で応援してくれて、こっちもリラックスして試合に臨めるようなチームだと思います。
――今日の試合は1番手の杉田選手が敗れてから同点に追いつく貴重な勝利だったと思います。振り返っていかがですか
これまでの試合で、(ゲームカウントが)2対2になって負けている試合が多くて、その時の反省点としては弱気になったプレーが多かったので、試合に入る時に(相手に)向かっていく気持ちで、強気で行こうと思いながらプレーしていたら勝てました。
――今日の試合もそうですが、リーグ戦を通してフルゲームの試合が多かったと思います。粘り強いゲームの要因はどんなところにあるのでしょうか
初めの2試合もフルゲームで負けてしまって結構萎えていたんですけど、割り切って「振るぞ」っていうふうに強気でプレーしたら、自分らしいプレーができてそこが今日も勝てた要因だと思います。
――次戦の関東学生選手権への意気込みをお願いします
シードに入れてもらって、シードまで勝ち上がってくる選手も強い選手だと思うので、まず1回戦をしっかりと勝ちたいです。(反対側の)シードの選手と対戦した時も自分らしいプレーをできるように頑張りたいと思います。
深谷和花(スポ3=愛知みずほ大瑞穂)
――春季リーグ戦全体を振り返っていかがですか
チームとしては4位という成績で、去年の秋よりは一つランクアップできたので、そこはすごく良かったと思います。勝った試合がほとんど総力戦みたいな感じで、みんなで4点をとって勝った試合だったので、すごく良かったな、と思います。個人的には5試合くらい名前を書いていただいたのですが、1回も勝つことができなくて、チームの勝利に直接貢献できなかったことがすごく悔しいなと思っているので、次のインカレ(全日本大学総合選手権)や秋リーグ(秋季関東学生リーグ戦)ではもっと勝ってチームに貢献できるような選手になりたいなと思います。
――今日の勝敗によって順位が大きく変わる試合でしたが、今日はどんな気持ちで臨みましたか
順位のことはどうしても意識はしてしまうのですが、なるべく意識しないように、最後の試合みんなで頑張ろうという気持ちで臨みました。
――今日の試合では敗れてしまったものの、最後まで粘り強いカットで相手を苦しめました。今日の試合を振り返って
相手の選手はダブルスにも出ている選手で、すごく実績のある選手なんですけど、ここでチームの流れを切らさないようにということと、今まで一勝もしていないので、思い切って最後いい試合しようという気持ちで試合をしました。これまでの試合は全部負けたのですが、その中でも1番いい試合ができたと思います。
――今日は男子選手を含め多くの方が応援にいらしていました。応援の力はいかがでしたか
自分が1本取ったら、観客の人たちがすごく盛り上がってくれるので、嬉しくて、すごく試合しがいがありました!
――次戦への意気込みをお願いします
向かっていく気持ちで、1戦でも多く勝てるように。目標はランクに入ることなんですけど、そこにこだわりすぎないように、自分らしい試合ができるように頑張ります。
司千莉(スポ1=大阪・香ヶ丘リベルテ)
――初めてのリーグ戦が終わりました。今の心境を教えてください
7番まで(試合がある)というのが高校までなくて、精神的にも身体的にもきつかったです。その中で自分の良いプレーを発揮するために少しずつ調節できたのは良かったと思います。
――前節から日にちが経った中で試合を迎えましたが、どのような気持ちで臨みましたか
間で少し体調を崩してしまって調子が下がっていましたが、きょうまでで上手く調子を持ってくることができました。結果的にもダブルスは負けてしまいましたが、シングルスで勝つことができたので良かったです。
――ご自身のプレーを振り返ってください
ホールのような会場で独特な雰囲気もあり、球の飛び方もいつも練習している環境とは違ったので最初は慣れませんでした。それでも決して気持ちが良いと言えるような卓球ではありませんでしたが、勝つ卓球を自分の中でできたので良かったと思います。
――高校の先輩でもある杉田選手とダブルスを組まれていますが、ペアリングなどはいかがですか
高校時代は一度も組んだことがなくて、大学で初めて組ませてもらいました。練習量も少なく組んだ日数も浅かったので噛み合わないことが多かったですが、必ず毎日練習をするようにして、自分たちのパターンも次第に見えてきました。まだまだ発展途上なので、秋リーグやインカレまでには完成度を上げられるように頑張りたいと思います。
――次戦の関東学生選手権への意気込みをお願いします
ランク決定戦で専修大学の出澤(杏佳)選手と当たるので、まずはそこまで勝ち上がって、出澤選手に対して良い試合ができるように頑張りたいと思います。