今回取り上げるのは大内碧真(スポ4=埼玉・浦和学院)。好守で遊撃の開幕レギュラーをつかんだが、打撃で結果を残せず、後半戦はベンチを外れた。辛酸をなめる日々をどのように乗り越え、どうはい上がるのか。春季最終節を前に、その胸中を語っていただいた。
※この取材は5月21日にオンラインで行われたものです。
三遊間に課題

――改めてご自身の強みを教えてください
守備です。守備の中でも、安定したスローイングと堅実な守備が自分の持ち味です。
――オープン戦を通してご自身の成長した点や課題に感じた点は
キャンプから守備には一番こだわってやってきていて。スローイングの強さだったり、球際の強さだったりを重点的に、数多くノックを受けて取り組んできたんですけど。オープン戦、リーグ戦含めて、逆シングルの球際の強さが課題かなと感じていて、これから三遊間側の打球で球際の強さを発揮して、もっとアウトを取れるようになりたいなと思っています。
――具体的な場面で言うと
法大戦の満塁の場面とかもそうですし、東大戦の三遊間のボテボテの打球とかも、神宮は芝が長い分、打球が正面に来ない時もあるので。内野安打も多い球場ですし、三遊間にボテボテ(の打球を)打たれた時に足速いバッターをどうアウトにするかは、今後の自分の中の課題かなと感じます。
――このオフシーズンは沖縄キャンプに加えアメリカ遠征にも参加されましたが、収穫はありましたか
やっぱりスケールのでかさが一番印象的でした。大学の施設見学もしましたし、大学の選手たちと試合もしたんですけど、施設も充実していたり、アメリカの選手も、野球に対してすごく熱心で野球にこだわって生活しているなと感じて。それが体やプレーに現れているというのはすごく感じました。結局アメリカの選手はパワーがすごくて、日本人にはないパワーを持っているので。体作りは、野球をもっと上でやっていく中では絶対に不可欠ではあるなと感じました。
技術不足を感じた

――続いて春季リーグ戦について伺います。今季のご自身のプレーを振り返っていかがですか
結構自分の中でも、バッティングも守備も去年に比べてレベルアップしたと思って臨んだリーグ戦だったので、やる前には自信もありましたし、やってやるぞっていう気持ちだったんですけど。いざ、早稲田を背負って出るとなると、責任と緊張をすごく感じる試合が多くて、自分の中でも思ったような結果が出なかったので。悔しい気持ちが一番大きいです。
――プレッシャーは動きに影響しましたか
緊張することは慣れているので、緊張した時に体が重くなるとかはあんまり感じないんですけど。オープン戦でできていた打撃フォームとかの部分で、神宮に行った時に感覚のずれがありました。景色も違いますし、応援もあって環境も違って、精神的だけではなくて、技術的な少しのずれが、バッティングでもヒットにならなかったり、打ち損じにつながったりしていたのかなと思います。
――バットの持ち方を昨季と変えていましたが
去年は短く持って、シャープに打つというのを重点的にやってきて。今年は強い打球を打つというのを自分の中でテーマにしてきました。まずはバットを昔から長く持っていたので、もう一回長く持って、長く持った中でシャープに強い打球を打てるようにというのを自分の中で決めてやってきました。
――法大戦終了後、ベンチを外れることになりました。どのような状況でしたか
自分の技術不足が一番の原因です。野球に取り組む姿勢とかもやっぱり監督は見ているので、そういうところも、もう一度改めてやっていかないといけないなと思いました。
――メンタル的にも苦しい状況だったと思いますが、どう向き合っていますか
チームもこういう状況なので、いつチャンスが来るかわからないですし、もしかしたら早慶戦でまた出るかもしれないので。まず、まだリーグ戦終わってないので、早慶戦に向けてしっかり準備しています。その中でも、野球だけではなく私生活の部分も正して、そういうところも野球のプレーに現れているんだなとすごく感じたリーグ戦だったので。今は野球に対して熱心に練習することだけを考えて、監督、コーチ、選手みんなにアピールしていかないといけないなというふうに感じながら取り組んでいます。
――逆に、「これはよかった」というプレーはありましたか
よかったプレーは東大2回戦で。7回東大の攻撃の時に、1死二塁で東大がバントの構えをしたんですけど、バントを空振りして、キャッチャーの尾形(樹人、スポ3=宮城・仙台育英)がセカンドに投げてきて。ランナーもバントすると思って飛び出していたので、キャッチャーが二塁に投げた瞬間に三塁に行ったんですけど、そこで正確にアウトにできたのが一番大きいプレーだったかなと感じます。
走攻守全てでレベルアップ

――現在のチームの雰囲気は
早慶戦に向かってみんな頑張っています。慶應は優勝も近くて勢いがあると思うので、そこを跳ね返すだけの野球をしないといけないので。チームはこういう状況ですけど、みんな多分元気出しながら自分を鼓舞して、チームを鼓舞してというのは確かかなと思います。
――香西一希主将(スポ4=福岡・九州国際大付)はどのようにチームを引っ張っていますか
香西は人にあんまり言うタイプじゃないので。自分が背中で見せるタイプの人間なので、みんなのことを気にかけてるのはそうですけど、自分が取り組む姿勢でチームを引っ張るタイプなのかなと。香西がこうって言う時もありますけど、彼は結構背中で見せてくれているなと感じます。
――ご自身の役割はどのように捉えていますか
試合に出るとなった時には、やっぱり守備が強みなので、守備でチームを引っ張っていけるように。ただプレーだけじゃなくて、声でもチームを引っ張れるようにしていきたいなと思っています。
――他の選手とのポジション争いについてはどう考えていますか
坂口(優太、スポ4=國學院栃木)だったり山根(潤太郎副将、教4=神奈川・鎌倉学園)だったり、ショートが出てきているので、ここはなんとしてもまた自分が戻っていきたいです。その中でも走攻守全てにおいて、もうちょっとレベルアップしないといけないなというふうには感じていて。やっぱり早慶戦、秋のリーグに向けていく中で、レギュラー取るだけじゃなくて走攻守レベルアップしないと活躍できないと思うので。まずはまたレギュラーを奪還することが第一の目標ですけど、自分の中でもレベルを上げて、これから活躍できるようにしていきたいなと考えています。

――具体的にはどんなことが必要ですか
守備で言ったら、球際の強さとスピード、守備範囲を広げるという2点で、バッティングで言ったら、クリーンナップとか打つバッターじゃないので、チームのためにどれだけ役割を果たせるか。バントだったり小技もそうですし、いいバッターは3割打てるので、3割打てるヒットメーカーになっていきたいなと思っています。
――早大の選手で早慶戦のキーマンを挙げるなら
尾形じゃないですか。樹人は仲良しで一番可愛い後輩なので、頑張ってほしいなっていうのもありますし、彼自身も東大戦でホームラン打ってスタートダッシュがすごくよかったんですけど、最近苦しいところが続いてると思うので、早慶戦では一花咲かせてほしいなと感じます。
――最後に意気込みをお願いします
やっぱり早慶戦は特別なものですし、伝統ある一戦なので。絶対に早稲田のプライドとして、慶應には負けてはいけないと感じているので、自分がグラウンドに立った時には、自分の全力プレーを生かして、チームに貢献していけるようにしていきたいなと考えています。
ーーありがとうございました!
(取材、編集 田島凜星)
◆大内碧真(おおうち・あおま)
2004(平16)年5月11日生まれ。173センチ、76キロ。埼玉県・浦和学院高出身。スポーツ科学部4年。高校時代に2人の監督のもと、食らいつく姿勢や自主性を培った大内選手。苦しんだ今春の経験を力に変え、レギュラー奪還へ。今後の飛躍を誓います!