【連載】野球部 新体制始動特集『臥薪嘗胆』第7回 香西一希x宮城誇南

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 同学年、左腕と共通点の多い香西一希主将(スポ3=福岡・九州国際大付)と宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)。昨季は2人にとって悔しいシーズンとなった。来季はプレーとリーダーシップでチームを引っ張ることが求められる2人に、今の思いを伺った。

※この取材は12月20日に行われたものです。

「(春の立大戦は)感情が忙しかった」(宮城)

――他己紹介をお願いします

香西 誇南は、毎年言っていることなのですが野球ではオンオフの切り替えがしっかりしています。やるべきことをしっかりやってますし、練習に無駄がないというか、野球に対する取り組み方がすごくいいなっていう印象です。普段は KーPOPが好きで、BABYMONSTERが一番好きみたいです。色々なグループの曲を聴いたり、ライブに行ったりしている選手です。

宮城 香西は見ての通り、真面目でしっかりしています。
やっぱり自分たちと比べたら考え方だったり、話す言葉1つとっても大人びています。自分はどちらかというと香西が言ってくれたようにオンオフが激しいタイプなのですが、香西は野球も私生活も皆さんがイメージする通り真面目です。プレースタイルもそのままそれが現れているように、精密機械と言われるくらいのコントロールを持ってるので、そこは非常に羨ましいです。憧れてるというか、そこは自分にはないものなので、自分にも欲しいなとか思いながらいつも見ています。

――お2人のエピソードは何かありますか

香西 自分が1年生の頃に、一番最初にこのチームの中で一緒に出かけたのが誇南です。新宿に焼肉を食べに行きました。それが一番最初の思い出ですね。

宮城 一番最初に何かご飯を食べに行こうってなったのが香西だったんです。

香西 あんまりみんな知らないかもしれないね。

宮城 元々香西が外にあまり出ないタイプなので、たまに(香西を)引っ張り出してピッチャー陣何人かと行ったりすることはあるのですが、なかなか2人きりっていうのはそれ以来はないです。春までに1回左腕会じゃないですが、香西がキャプテンになったのでちょっと2人で行ってこようかなと思います。

――2022年の甲子園で投げあっていますが、その時の印象や思い出はいかがですか

香西 (宮城は)沖縄で、自分は福岡で、同じボーイズリーグでやっていたので、中学の頃から名前を知っていました。浦和学院に行ったんだと思って、最初に甲子園で投げて活躍したのが誇南だったので、すごいなという思いを持ちながら見ていました。対戦できるってなった時に負けたくないなという気持ちでやっていたのがすごく印象に残ってます。

宮城 (香西が)名門のチーム出身で、中学生の時も日本代表にも選ばれていて、
体はそんなに大きくないけどいいピッチャーだというのは聞いていました。自分たちと対戦する前の試合で広陵を倒してきていたので、やっぱり相当いいピッチャーなんだろうなと思っていました。いざ対戦してみたら案の定良いピッチャーで。たまたま勝てたのですが、いいピッチャーかつバッティングがめちゃくちゃ良い選手でした。しっかり自分も打たれています。どっちも器用にこなす選手だなとは思ってました。

――オフの日はどう過ごしていますか

香西 本当にゆっくりしてることが多いと思います。平日も土日も練習があって、やっぱり疲れちゃって寝ていることが多いです。どこか出かけたいと思っているのですが、結局毎週オフが終わったら「今日も寝てた」みたいな時が多いかなと思います。

宮城 自分も割と怠惰というか、ゴロゴロするタイプではあります。その時に思い立って何かを行動するというよりは、ライブだったり前もって決まってた予定だったら行くくらいです。基本的に自分も寮にいることは割と多くて、香西に比べたらまだ出てる方ではあるかなというくらいです。自分よりも他にもっとアクティブな人がいるので、その人たちに比べたら全然寮にいる方かなとは思います。

――今年印象に残っている試合は何ですか

香西 春の立大戦が一番印象に残っています。自分はケガがあって立大戦からベンチに入れていなかったのですが、スタンドから見て、何もできない悔しさだったり、申し訳なさだったりを感じました。チームも立大戦の勝ち点を落としてしまったというところですごく悔しい思いをしました。前のカードが法大戦で自分も打たれてしまってたので、その2カードはすごく印象に残った試合だったなと思います。

宮城 自分も同じです。立大戦の2戦目で初完投と初完封をやらせてもらった後に連投して、最後に結局自分が打たれてしまって負けてしまいました。感情が忙しかったというか、2戦目で後がない状況で勝つことができた嬉しさと、その次の日に結局最後自分の手で勝ち点を落とさせてしまった、チームを負けさせてしまった悔しさがどちらもあったカードでした。そこは今年1年を通して一番印象に残っているところでもありますし、ターニングポイントというか、自分の中で1つの山場にもなったと思います。

――新チームの投手陣の雰囲気はどうですか

香西 昨年は樹さん(伊藤樹、スポ4=宮城・仙台育英)田和さん(田和廉、教4=東京・早実)で、その前が鹿田さん(鹿田泰生、令7商卒)だったりが、1年生から4年生まで風通しが良い雰囲気作りというか、すごくみんな気を使わずにしっかり自分のやるべきことに集中できる雰囲気を作ってくれていました。ここは継続して今年のチームも新チームもできている部分かなと思います。練習内容とかは変わってるのですが、みんなそれぞれ意識高くやってくれていて、すごくいい雰囲気でやれています。

宮城 自分もそう思います。ピッチャーの香西がキャプテンになったというのもあって、より良い練習環境などを整えようと頑張ってくれています。自分は役職こそないですが、下級生の頃から色々経験させてもらった身として、しっかり自分自身が引っ張っていかなきゃという自覚はあります。自称ピッチャーリーダーみたいな感じで、樹さんがしっかり視野を広く持って色々な人に声をかけていい雰囲気作ってくれていたので、全部が全部真似することはできないですが、自分なりにできることはやろうとは思っています。

「(主将就任を)言われて何秒かは頭が真っ白になった」(香西)

――ここからは香西選手に伺います。主将に任命された時の率直な気持ちを教えてください

香西 驚いた気持ちと、任せてもらった以上しっかりやり遂げたいという気持ちの2つが浮かんできました。主将だと言われる前に、自分が主将になるんじゃないかなとは全く思っていなかったです。やっぱり言われて何秒かは頭が真っ白になったのですが、もうやるしかないと前向きな気持ちになれたと思います。

――小宮山悟監督(平2教卒=芝浦工大柏)から何か言葉はありましたか

香西 これまでをしっかり見た中での判断で、特に大きく変える必要はないし気負いすぎる必要もないとは言ってくださりました。そこはすごくありがたくて、今も前と特に大きく変わらずにやれています。

――早川隆久(令3スポ卒=現東北楽天)以来の投手主将ですがいかがですか

香西 早稲田の過去のピッチャーでキャプテンをやられてた先輩方は先発して何十勝、というように結果がすごい方が多い中で、自分はまだ先発したことがない上に3勝しかしていないです。だから自分で大丈夫なのかなという気持ちもあったのですが、そこはしっかりこれからのチームの結果と個人の結果で示していけたらいいと思ったので、まず今は自分のやれることにしっかり集中してやっていこうという気持ちでやっています。

――以前は球速を上げたいと仰っていましたが、これから磨きたいことはありますか

香西 球速は常に自分の課題で意識してるところであるのですが、やっぱり実戦で投げていく中で変化球のバランスが年々ちょっと悪くなっている感じがします。困った時にはストレート勝負になってしまっているところがあって、結果もついてきてないシーズンが続いているので、変化球のバランスも含めて、今見つめ直してやっているところです。

――ご自身のストロングポイントはなんですか

宮城 安定感はもちろん、キレのあるボールにはこだわってやってきているので、そこは強みにしたいところではあります。

――このオフでやっていきたいことはありますか

宮城 今年1年(2025年)はスケールアップというところを目標に掲げてやってきたんですけど、なかなかうまくいかないところがありました。今までは球速にフォーカスしてやってきたんですけど、来年(2026年)は最終学年になって大事な1年になるので、今年の冬は総合力、完成度というところでこだわって、結果を出すためにとにかく抑えられるピッチャー、勝てるピッチャーというのを目指してやっていきたいと思います。

――現在ストレートの最速は

宮城 直球の最速は148㌔で変わらないですね。

――直球へのこだわりはありますか

宮城 分かっていても打たれない空振りが取れるストレートを理想にはしているんですけど、左ピッチャー特有の、スピード以上に早く感じるストレートにはこだわってやっています。

――吉田選手(吉田瑞樹、スポ4=埼玉・浦和学院)は宮城選手が高校の時よりもメンタル面が成長したとおっしゃっていましたが、具体的に取り組んだことはありますか

宮城 多くの場面や試合を経験させてもらって、こういう場面はこうすればいいとか、こういう場面はこうやって気持ちを落ち着かせたらいいとか、投球の引き出しが増えたのが要因かなと思います。

「点の取られないピッチャーに」(宮城)

――ここからはお2人への質問に戻ります。これから投手陣を引っ張っていく立場になりますが、やっていきたいと思っていることはありますか

宮城 香西はキャプテンで大変なこともあると思うのでそれを支えつつ、去年は伊藤樹という絶対的エースがいたんですけど、今年は絶対的なエースがいない中で、チーム全体の力を高めるために切磋琢磨というか、競争力を高めていけるように促していきたいです。

香西 キャプテンという立場の中でも個人の結果にもこだわっていきたくて、誇南も言ってくれたんですけど、競争力を高めるためにこっちも結果出して下級生を引っ張っていって、高いレベルの中で競争できる環境を作っていけたらと思います。

――ハワイ大戦以降、チームはどのような状況ですか

香西 ノーヒットノーランというかたちで、言ってしまえば屈辱的な負け方をして、戦力が一気に抜けて大丈夫なのかなという雰囲気はあったんですけど、そこでその不安が結果となって出てしまって、相当やんなきゃなと。いまの自分たちの立ち位置というのを知れたので、終わってからは今までより練習などでも緊張感もありますし、全体としてやんなきゃとなったのが大きいと思います。

宮城 ハワイ大戦は個人としてもチームとしてもよくない結果が出てしまい、何か変わらなきゃという雰囲気がある中で全員がいい方向に進もうとしていて、特にAチームのみんなが協力していいチームを作ろうと動いてくれているので、チーム全体の練習の態度なども、ハワイ大戦の前よりも意識を高くやってくれていていると思います。継続してやっていく部分と、まだもちろん意識を変えていかなければいけないところもあるので、練習に集中できる環境というのを作っていけたらと思います。

――お2人はバッティングの得意なピッチャーという印象があるのですが、来年から六大学でも導入されるDH制について、どのように感じていますか。

香西 僕は正直打席に立ちたいという思いがあって、少し残念だなと思うこともあるんですけど、それで野手が1人立てる場面が増えるし、相手良いいバッターが1人並ぶことになるのでピッチャーとしては脅威かなと思います。

宮城 個人的にはバッティングが好きなので、残念だなっていうのはあるんですけど、ピッチャーとしてはランナーをした後だったり、凡打をして走った後のピッチングとか、リズムを作りずらいところはあったので、(バッティングを)やりたいというところもあるんですけど、全日本大学選手権だとDHででめちゃめちゃ楽だと感じてはいたので、ピッチャーとしてはいいのかなと思います。

――今季の個人的な目標は

香西 毎年優勝したいというのはもちろんですが、最上級生になって、この代で優勝したいという気持ちが強いです。 個人の結果はもちろん、チームの勝ちにこだわっていきたいです。

宮城 勝てるピッチャー、点の取られないピッチャーになるために、1番目に見える結果は最優秀防御率だと思いますし、それがチームの結果というのにも結びついてくると思うので、そこは今まで以上に目指してやっていきたいと思います。

――最後に意気込みをお願いします

宮城 3連覇を経験させてもらって、次は自分たちが僕たちの背中を見せて、下級生に道を示せたらと思います。

香西 自分はふがいないピッチングが続いているので、まずは監督が安心して見ていられるようなピッチングをするのと、僕の入学以来の目標は5連覇だったんですけど、もう厳しくなってしまったので、後輩たちに達成してもらえるように、まずは春の優勝を目指していきたいと思います。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 森若葉、竹田朋矢)

◆香西一希(こうざい・かずき)※写真左
2004(平16)年10月13日生まれ。172センチ、81キロ。福岡・九州国際大付高出身。スポーツ科学部3年。千葉ロッテマリーンズファンの香西選手。年下の寺地隆成選手の活躍に刺激を受けているそうです。持ち前の向上心と真面目さで主将としてチームを引っ張ります!

◆宮城誇南(みやぎ・こなん)
2004(平16)年9月5日生まれ。175センチ、80キロ。埼玉・浦和学院高出身。スポーツ科学部3年。名前の由来は生まれ育った沖縄、南の地に誇りを持ってほしいということから。経験豊富なエース左腕が神宮に南の風を吹かせます!